第116話
「おい、なぜお前がいる」
余はなぜか目の前にいる妖精の頬を片手で挟む。
「ぼぐにいわないでボヨ〜、めがみざまに言われだんだボヨ〜」
どうやら自分の意思でここに来たのではなく、女神の奴が命令してここに来たようだ。
ということは女神の奴が余に何か言いたいことを代わりに妖精が来たのだろう。
「で、女神の奴は余に何の用があるのだ?」
余は手を離し、妖精が話しやすくする。
「特に大したことでは無いポヨ〜………」
妖精は何か言いにくそうにしている。
言いにくそうにしているということはそんなにも余には聞かせたくないのだろう。
だが、何を言われようと余はドンッと受け入れるだけだ。
「大丈夫だ、覚悟はしている。何でも受け入れるつもりだ、言ってくれ」
余は意を決する。
「あ!そうなんだポヨ〜!ありがとうポヨ〜!」
「はぁ?何を感謝しているのだ?」
「今日からここに住むことになったポヨ〜!」
はぁ?
「いや〜、良かったポヨ〜。てっきり断られると思っていたから嬉しいポヨ〜」
「ちょっと待て!ど、どういうことだ?」
「どういうことって僕がここに来た理由って、ここに住まわせて欲しいから来たポヨ」
な、何を言っているのだこのチンチクリンは。
妖精がここに住む?
「ダメに決まっているだろ、そもそも女神はなんて言っているのだ!」
こんなこと女神の奴が許すはずがなにのだが、喧嘩でもしてしまったのか?
「女神様にポヨポヨうるさいから追い出されたポヨ〜」
何だよその理由はよぉ!
確かにこいつはポヨポヨうるさいかもしれないがペット面倒くらい最後まで見ろよ。
まぁあいつはあいつなりにストレスがあるのだろうがな。
「余にはそんなこと関係ない、とりあえずここから出て行け」
余は妖精を掴み、外に追い出そうと持っていく。
「お願いしますポヨ、ここを追い出されたら僕は野垂れ死んでしまうポヨ〜」
「魔法少女のところに行けば良いだろ」
「魔法少女には僕は見えるんだけど、他の家族には見えないから不気味に思われるんだポヨ〜」
そういえばそうだな、こいつ妖精だった。
「だからって余のところに来るなよ、頑張って生きいけよ」
「あー!一生のお願いポヨ〜!何でもするからここに居させてほしいポヨ〜」
妖精は余の手から逃げ出し、余の胸に飛び込んできた。
妖精は泣きながら必死に訴えかけてくる。
「もう僕は君にしか頼れないポヨ〜。お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い」
「だぁ〜!もう分かったから離れろ!」
「本当ポヨ?」
「少しの間だけどな」
「ありがとうポヨ〜。命恩人ポヨ〜」
もうペット感覚でこいつを飼えばなんとかいけるのか?
ちょっとうるさくなるが、まぁ問題はそこまでないだろ。
「で、ご飯はいつ出るポヨ?」
こいつ…




