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第96話


 ということで、なんだかんだあって文化祭当日にまでなってしまった。


 この間にも色々あったのだが、本当に面倒くさかった。


 特にあの魔法少女どもがまた余を困らせやがったから、もういい加減にキレてしまいそうだ。


 あと、また何度かナイトメアとして挑んだんだが、あいつら最近調子良いな。


 本当に魔法がキレキレで、とうとう合体技が無くても押され気味になっている。


 なぜあいつら調子が良いのだ、高校生だろ?悩みの一つや二つくらいは持っておけよ。


 まぁ、これは余がまた強くなれば何の問題も無いのだが、今は文化祭だ。


「ほら、宇野くん。お腹空いているでしょ、焼きそば買ってきてあげるよ」


「おい、余は別に腹は空いてないぞ!」


 魔法少女どもの願いとは文化祭を一緒に回るというものだ。


 文化祭は二日あるから1日目の午前は桜井莉緒で、午後が高宮千沙で、2日目の午前は九重菫だ。


 2日目の午後は担任の教師が劇に出るらしく、それを観ようと言われている。


 もっとえげつない願いを言われると思っていたから思っていたよりかはマシだ。


「はい、買ってきたよ!」


「聞けよ!余は腹は空いてないぞ」


 こいつは全く…。


「朝ご飯食べてないでしょ?」


「余を何だと思っている、余はいつもちゃんと朝食を食べているのだ」


「なのに、いつも授業中は寝てるの?」


「そうだ、余はちゃんと早く起きて朝食を食べたうえで寝ているのだ」


「いつも夜更かしして、ギリギリに起きて、寝不足だから寝ていると思ってた」


「余は意図して授業中寝ているのだ」


 余は渾身のドヤ顔を桜井莉緒にしてやる。


「ダメじゃん、疲れて寝不足だと思ってたから起こさなかったけど、これからはちゃんと起こすからね」


「いや、それだけは勘弁してくれ」


 もう授業中に寝るのが習慣化してきたからいきなり起きろと言われても厳しい。


 授業中に寝ていることによって、こいつもしかして王としての仕事で忙しかったのか?と、思われるかもしれないからな。


「そんなんだから先生に怒られるんだよ」


「うっ」


 そうなのだ、余は寝ているせいでめちゃくちゃ怒られている。


「宇野くんが怒られる私辛いよ…」


 は?


「お前が辛いのは意味が分からない」


「本当は宇野くんはこんな良い子なのに」


「お前は余の親か!」


 こいつは本当に余の親ぶるし、九重菫は余の妹ぶる、高宮千沙は最近静かになってきた。


「ははは。でも、本当に宇野くんが悪く言われるのは嫌…」


 はぁ〜、お前がそんな悲しそうな顔をするなよ。


 余なんか小中でそんなことは言われ慣れているから気になどしたことなかったがな。


 それに言われてないお前が辛いのは余計に分からん。


「そんな顔をするなよ。それにな、余は案外そんな奴だからな」


「違うよ!」


 うわっ!ビックリした。


 周りに人がいるのだが、そいつらが余らに注目する。


「宇野くんは良い子だよ!宇野くんに助けられたって人たくさんいるんだから!最初は嫌々なのに結局なんでも解決してくれて、ぐすっ……、……っ、いつもそっけない感じなのに、優しくて……っ」


 桜井莉緒は急に泣き始めた。


 おいおい、なぜお前が泣くのだ!


 周りの奴らが余計に余らに注目するではないか。


「分かった、分かったから、な、お前の気持ちは良く分かったから」


 まずい、このままだと余計に余らに注目を集めてしまう。


「ちょっと来い!」


 注目を集め過ぎたから、桜井莉緒の腕を引っ張ってこの場所から離れる。


 なぜこんなことになってしまったのだ。




 なぁ、信じられるか?


 これまだ1日目の午前なんだぞ。





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