新・私のエッセイ~ 第79弾 ~ 『迎康子さん』の思い出 ~ 中2時代の切ない記憶(前編)
・・・1984年秋。
ぼくはこの夜、はじめてNHKラジオを視聴した。
そして、ある番組の途中から録音し・・・
いまでもそのカセットテープを聴いては、中学2年当時の、自室の机に向かって、ほおづえをつく、ぼくのなつかしい姿を、
まるで「幽体離脱」でもしたかのような、ちょっと離れた位置からの第三者的視点から、しみじみと眺めることができる。
・・・それも、「ぼくの後ろ姿」をね♪
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そのときやっていたラジオ番組は、題名を、
『おやすみの前に』といった。
実はコレ・・・2024年のいまも放送している。
ただし、『ラジオ深夜便』という名の番組に姿を変えて、ね。
内容はこうだ。
クラシック、イージーリスニング、映画音楽などの名曲・隠れ名曲の数々をオムニバス形式で3曲ぐらいのセットでもって、順繰り流して紹介しつつ、
その合間に、担当のラジオ・パーソナリティが、ラジオの向こう側にいる、ひとりひとりのリスナーがそばだてる耳々に向かって、
「時事ネタ」「エッセイや詩歌風の、さりげないつぶやき」「日々の暮らしにおける、気づき」
といった素敵なトークを贈ってくれたものだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・ぼくには、いまも忘れられないラジオ・パーソナリティが、ひとりいる。
それが、『迎康子さん』だ。
実は彼女、
いまも、例の『ラジオ深夜便』にて、アンカー【5週月・木・金曜担当】を務めておられる、現役バリバリのラジオDJである。
深みのある、やわらかくて、キャラメルのような甘さと、
昔の女学生・・・「ハイカラさん」を思わせるような清廉で上品な声、イントネーション。
ときおり、ささやくような感じで語尾が呑み込まれ、
ぼくらの耳に「ふーっ」と、彼女のあたたかい吐息を感じてしまうような
・・・そんな甘く魅力的な声だった。
せっかくの機会なので、
カセットテープに残る、
迎さんのトークを、「ノーカット」で文章に起こし、謹んでお届けしよう。
1984年秋放送なり♪
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・音楽は、「田代ユリ」の演奏で、『ピンクパンサーのテーマ』。
フィルム・シンフォニック・オーケストラで、
『グッバイ・ガール』『結婚しない女』
そしてただいまの、
『007 私を愛したスパイ』でした。
さて。
映画の世界でこのごろビックリするのは、
ついこのあいだ、劇場で観たばかりの映画を、すぐTVで観られることです。
以前はTVで観られる映画といいますと、
まぁ、5年前とか10年前・・・もしくは、もっともっと古い映画、ということが多かったですね。
TVで映画を観ていますと、映画館で観たときの自分のことが、なんとなく思い出されたりして、
ちょっぴり感傷的な気分にさえ、なったものです。
・・・ところが、このごろは本当に、去年観た映画がすぐTVに登場したり、というふうで、
その回転の速さには、本当に驚かされます。
しかも・・・最近では、
その映画のビデオが売られたりしていますから、
なにか、「映画を観てからTVを観る」ということよりも、だんだんだんだん・・・
ビデオでまず観て、
「あ、コレはいい映画だから、ちょっと今度は映画館に行って、本当にもっと大画面で観てみようか・・・」
・・・そんなことになりそうな事態です。
(音楽終了後)
・・・音楽は、
フィルム・シンフォニック・オーケストラで3曲、
(映画)サタデー・ナイト・フィーバーから、『愛はきらめきの中に』。
『ゴッドファーザーの愛のテーマ』
そしていまの、
『タクシードライバー』でした。
・・・おわかれの時間になりました。
どうぞ、今夜も良い夢を。
迎康子でした❤️
(後編につづきます♪)