表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海の子  作者: mito
4/8

海の怪物

読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。

「日本海溝って...なんでそんな事が?」

僕は困惑しながらもうみの方をちらりと見る。彼女なら、何か知っているのだろうか。

「さあな、これに関しては超常現象としか言えない。そして、不思議な事にそのゴミはどんどん消えていってる。」

「消えてってるって、マジで意味わかんねぇ。」

普通に考えてあり得ない事だけど、僕はそれがあり得てる事だと信じれた。それは、彼女がいるから。うみは僕と父の話を真剣に聞いていた。何を考えているかは分からないけれど、彼女は僕に何かを隠してる。

「じゃあ、深海生物が浅瀬に来てるのはそれが原因なのか?」

「いや、おそらく違う。」

「はぁ?」

それから、父は更に信じられないような事を言った。

「俺は、深海に化け物がいると思っている。」

「化け物って、どんな?」

「100mを超える体長を持つ化け物だ。」

父の言葉を聞いて、うみが少し反応を示した。この馬鹿げた話に、一気に信憑性がわいた。

「あり得ないだろ?そんな事。」

「それが、研究結果を見ればあり得てしまうんだ。ゴミが集まった原因は分からないが、その全てが徐々に消えていく。ゴミは消えていくから、深海にゴミは貯まっている訳では無い。それなのに浅瀬に出現し出す大量の深海生物達。そして、最近まであった謎の高波。」

「それが全てその化け物の仕業だとしたら...」

それはもう、人類でどうにか出来るような問題じゃない。


「じゃあ、またな守。」

「うん、今度からはちゃんと連絡入れてから来いよ?」

「ははっ、分かった分かった!」

夕方になると、両親は帰った。これから両親は、更に海の研究をして例の巨大生物が存在するかどうかを確かめるらしい。その間に、僕もやるべき事がある。

そして僕は振り返る。

「うん、話そうか。まもる君。」

彼女は、少し悲しそうな顔をしていた。


海の子達は苦しんでいた。水族館の子達は普通に充実した生活を送っていた。誰もが苦しんでいるわけではない。だけど、それでも私は人間を許せなかった。

人間による環境汚染によって、海は汚れた。人間の生活にも支障が出るから、人間も何とかしようとはしていた。でも、不可能だった。人間がその不可能を可能にするまで待てばいいという話ではない。その前に、海の子達が、地球が滅んでしまう。だから私は、この地球に眠る海の神を目覚めさせた。その後、疲れた私はとある砂浜に流れ着いた。そこで、彼に会った。

目覚めた私は、海の神が完全に目覚めるまで人間を観察してみようと思った。その時は、どうせ最悪な種族なんだろうと思っていた。でも、違ってしまった。彼は海が好きだった。直接的な表現はしないけど、彼は度々海の事を楽しそうに見つめていた。私は、人間にもいい奴がいるという事を知ってしまった。

その他にも、人間は環境汚染について思っていたよりも重く受け止めていて、それの対策も最近はすごく研究されていた。人間が環境汚染の問題を解決する、それは気が遠くなる程に遠い未来の事だと思っていたけど、それは違うようだ。このままいけば、人間は100年もしない内にほとんどの環境汚染の問題を解決するだろう。私は後悔した。人間だって元は海から生まれた海の子達。私は、人間の事をよく知らないまま、彼らを滅ぼす為の銃の引き金を引いてしまった。


「あれは地球の浄化作用と言っても過言では無い。現在、地球を汚している人間をきっと滅ぼしてしまう。」

「...何とか、出来ないのか?」

僕は俯く彼女に聞いた。そしたら、彼女は少し迷った後に口を開いた。

「出来る、よ...うん、出来る。でも、時間をくれない?せめて、夏の終わりまで。」

「...?まあ、それで解決出来るなら。」

彼女の言葉に違和感を覚えた。でも、僕は何とか出来るという安心感で、大して気にしなかった。それが、間違いだった。

今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ