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太陽よ、ムーンショットを止めろ!  作者: 白い月
ブルゴーニュ経由でヴァーレンスに戻る
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おやすみなさい

 ミハエルの嫁連中+フレッド+カイアス勢でもう少しで20名に届きそうなくらい賑やかな食事も終わって。

 ミハエルは自分の部屋に戻っていた。ベッドには冬華が座っている。カイアス勢は適当に空き部屋を使ってもらっている。フレッドは家に帰った。

「でもさ」

 ミハエルは呟く。

挿絵(By みてみん)

「結婚願望ゼロのわたしが嫁こんなにいるなんて世の中うまくいかないもんだね。もっと女にがっついてる野郎のとこに行けよ……」

挿絵(By みてみん)

「まあある意味呪いの仕組みといいますか。ミハエルさんの場合父にあたるルシファーと契約したマウザー=フォン=フリードリヒ彼の業も受け継いでいます。

 もちろん母の竜神闇霎くらおかみのも、うけついでいるので母の因縁と父の因縁同士が激突しているわけですね因縁という土俵でも夫婦喧嘩といいますか……母が守護してるのに幽霊の父が息子に厄を落としたがっているという構造です」

「わたしに結婚しろって呪いかけてんの? わたし一人が一番いい孤独癖持ちだぜ? ヴァーレンスだからいいけど地球だったら最悪だな結婚なんて」

「呪いっていうか、わたしと結婚してって言う願掛けは女なら誰でもしますからね。

あなたが孤独癖だなんてわかってるんですよ! だから必死に捕まえてるのに……」

「君たちお嫁さんたちは好きだけどさ。君は特に性格も外見も母さんと似てるし。母さんが父に殺されてできなかった母さんとわたしの水入らず生活ができなくなっちゃったのを取り戻させてくれるし。

 地球の制度だったら結婚はしてないね。

 女で男の目がないとどこまでも残酷になる光景見たら。メイド連中にも定期的にくぎささないといけないし。

『仕事の出来は80%でいい。それよりも職場の精神衛生を100%に保て。それが自分達が滅びない道だ。女しかいなくなった国みたいな地獄降臨させたらゆるさん』

てね。

日本みたいな男が不利なんだと、法的に男が不利じゃない形選んでるな」

 ヴァーレンスでは、金銭の面々での困りというのはほぼない、なぜなら物体作成の霊波動や魔法で衣食住すべて満たせるからだ。

 これはすごいアドヴァンテージだ。ヴァーレンスではカネなんて悩みどころではない。カネの社会に対する比重はとても小さい。政治家=カネと権力なんてこともない。そのくらい社会における金の重要性はない。

 霊波動や魔法の物体作成さえできれば、衣食住全部揃う。地球からきた人は、ここを天国と思っても無理もない。

 そのくらい金の比重が低い。

 地獄の球――地球では、

 お金がなくなると、最初に切れるのは人の縁。

 お金が手に入らないことにより、社会からも隔離されてゆく。

 この世の中で貧乏ほど怖いものはない、とされている星、地獄の球。

 病気になり寝たきりになったら? 介護疲れの家族に殺される前に自殺するか。

 という地獄はこの火明星ほあかりぼしではありえない。

 カネに支配された地球でしかありえない。

 火明星ほあかりぼしでは霊波動や魔法の比重が大きいといえる。霊波動や魔法の物体作成は衣食住に直結するので。

 だが地球では金カネかね! まずカネの問題が浮上してくる。火明星ほあかりぼしに移住したくなる人が増えているのもわかる。

 結婚したら地球の男性は基本的にお小遣い制になったり、住宅ローンという名の奴隷制度にくっしたり、自由に使えないって話をしたら、ヴァーレンスの女性たちは、

「信じられない、人生を金程度のものに支配されて、自分で稼いだお金なのにかわいそう!」

 というだろう。

 結婚する必要性って皆無だ。

 働いてる独身男性でしっかり生計立ててれば生活に困ることないし。

 むしろ結婚する理由を探す方が難しい。

 女の人ならば本能に基づいた理由があるのかもしれない。

「この人とずっと一緒にいたい」

 という本能。だが男の人の本能はたんぽぽの種のように飛び出していくことである。

 なので、もはや結婚しない男を「情けない」「甲斐性がない」「独身=人として終わっているクズ」などと叱咤したところで男はピクリともしない。

 少子化して悲惨になっていく社会の成り行きなんて関係ない。

 社会と結婚というシステムが合わない。

 地球では、子どもができた後に妻側の浮気や過失があって離婚することになっても男親は親権を勝ち取れず養育費を払う義務が発生するというのが今の法律らしい。

 これは、浮気とかDVをせずに真っ当に生きてる男にとってあんまりにもあんまりだ。

「地球じゃあ女性の胸先三寸で男性の人生が潰される。そんなの結婚したくないわな地球の男性。ちょっとした事でもすぐセクハラ扱いされるから、そもそも女性と話す事が社会的に危ないし、そりゃあ結婚から逃げる人増えるわな。普通にさようならだけで満足しろよ金金言わずに」

「まぁ、そうですね……女性の立場が弱いのも問題ですが法律で下駄履かせすぎても男が結婚から逃げてますからね……」

 そもそもヴァーレンスでは遺伝子修復政策がだいぶ進んでいて、ノアの大洪水の時の寿命、つまり男女ともに1200歳まで生きられるのだ。

 寿命1200歳の社会では少子化でちょうど良い。

 少子化で騒いでいるのは税を納める奴隷が少なくて裏金蓄えられない政治家が吼えてるだけなんじゃない? 地球みたいな家畜箱、地獄で。

 奴隷にね、お前は奴隷だって、言ってしまうと気付いちゃう。

 自覚させない方が、昔の奴隷制度よりずっと効率がいいって人類は長い歴史でたどりついた。

 この世界は無知で行動しない人間にはとことん残酷だよ。


 これはヴァーレンスの貴族一部とかではなくて街中で酔っぱらって立ちションしてる男ですら寿命1200歳で衣食住を自分で無から想像できるほど霊気を操れるのだ。まあ、絵心がないとデザインがヘニョヘニョでしか具現化できないが。

霊波動士や魔法使いには美術の才能がより重視される。

挿絵(By みてみん)

「勤めてる神社でさ。

 霊力あるのわたしだけだからさ。

 因縁消滅の加持祈祷頼まれるんだけどさ。

 無理なのよ。因縁消滅って家に接着された物なんだから。

 先祖供養で因縁が消滅すると一般的には言われるけど、そう簡単に因縁の消滅はしないわ。これは霊力高くても無理。

 はがせない仕組み的に。

 因縁消滅の加持祈祷をする事で身体や心が軽くなる、でもそれは身の穢れが一時的にとれるからであってまた身が汚れたら同じ。またお風呂入らないといけないようにね。

 因縁で縦横の法則てのがあって、ひいじいさん、祖父、父とか先祖の縦の関係が、長男、次男、三男といった横の関係で出てくるっていうのがあって。

 これだと、ひいじいさんが女で身を崩したら、長男も女で身を崩すように家の因縁でそうしむけられる。

 これメンデルの法則と同じこと言ってんのよ。

 男性は男性同士、女性は女性同士で見るのよね。

 つまり歴史は繰り返すのを家の中でも繰り返されるのよ。

 自分がした行いの償いを、子供に押し付ける因縁。親選ばせてくれって言いたくなるわよねこれ聞くと。

 しかも、わたし幕末に巫女一族の家族全員維新志士に殺されたからね。ほぼ一家全滅の因縁えちゃった。でも、わるいけど半分竜神になったわたしだから竜神の念をもって一家全滅の因縁は跳ね返させてもらうわ竜神までそんな法則にしたがうと思ったら大間違いよ」

「まったくだ! 竜神はこの世のものじゃないからな。わたしも竜神の念で跳ね返す。母は最高の母といえるが、父は最悪だ。父を剣で決闘して殺さねば母の命守れないなんてあんなクソの因縁つぎたくないわ、父だけ変えてくれ。母のなら笑顔でついでやるけどな」

 ミハエルがため息とともにそう漏らす。

「ふふふ。そこら辺知らずにわたしに家族の呪殺願ってくる人もいるけどさ。

 先祖からの因縁を何故自分が背負うのか? って考える必要があるわね……。嫌だろうけど自分自身の人生にその因縁が必要不可欠であって、ごみ箱に捨てるみたいに加持祈祷でバイバイできないのよね。

 それに因縁消滅の加持祈祷は兄弟がいる人の場合血族の誰かがババ抜きのババを押し付け合う如く背負う事になるのよ。

 だからミハエルさんは剣聖騎士団のリーダーのフィンさんて弟いるけどあなたの家の場合特殊で実質一人っ子だから逃げられない。絶対あなたが受けなければいけないわ。わたしも一緒に受け止めてあげるけれど。

 わたしも逃げられない。幕末に家族もう全員死んでるからわたししか受け取る人いない。わたしも因縁消滅なんて無理。

 だからさ。ミハエルさんは自由に羽ばたくより女を抱えて何かを学べって事なんじゃないかしら」

「まあね、子供とデメリット抱えても逃したくない人と思わせてくれれば損得関係なしにするよ。君とか特にそう思えたから行動に移したし。冬華。

 時間、趣味、自由に出来る事をと結婚を天秤にかけた時に結婚に傾けばするし自由に傾けばしない。てのが一般的じゃない?

 娯楽の少ない時代は、子育ては夫婦の娯楽としても機能した。

 今結婚がメリットと言えるケースは、家政婦とベビーシッターを雇う感覚か、ホントにどちらかがベタ惚れしている時かな……。

 あ、大昔の霊波動や魔法による物流さえもなく人力が全てだった頃ならメリットはあったね。原始時代とか。

 大家族でなければ生きても行けず、もち余裕も生まれない。生存率低い大家族になればなるほど生存率上がる。

 現代はこれを気にする必要がない。

 だから、結婚の意義も生き死に関わるような重要度を持たないし、敢えて選ぶ意義に疑問が上がる。文明が発展すれば人は少子化あるいは死滅する運命なのかもね」

 とそこで一息お茶を飲むミハエル。

「結婚してくれてありがとう」

「あぁ、冬華。ま、今日は寝ましょうか」

 とそういうミハエル

「うん。こっちへ……」

 水鏡冬華がベッドの中に入る。

「おやすみなさい」

「おやすみなさい」

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