いただきます
色々あったけれど夕食時間帯に自宅へ着いたミハエル。
「いい加減顔治しなさい」
と水鏡冬華の忠告で彼女の呪禁――傷禁を受ける。
これは超常現象による治療ではあるが、プロセスが違う。病禁も似た作用である。ガン利権とか呪禁道が表に出ている以上不可能である。ガン利権病院潰れるべし。
自然治癒をどうこうではなく、呪禁で対象が傷ついた現実を禁止するのである。だから、対象がどんな状態でも現実など蹴っ飛ばして構わず元の状態に戻す。
当然怪我や病気が軽いほど改変に必要な念は小さくて済む。
そして念による改変なので対象が念で最後まで抵抗できる。
「……ありがと」
ミハエルがお礼を言う。
食卓へ。食卓にはすでに夕食が並んでいるもうそういう時間だ。
「あ、明日香、帰ってたんだ。おかえり」
「ミハエルこそおかえり~。なんかやけにぞろぞろ」
桃色のチューブトップに赤いチェックミニスカート、桃色のつけ袖をつけた、赤毛(オレンジ色の髪の腰までストレート)碧眼の女だ。
「こちら明日香、わたしの嫁。冬華の親友で光の力がすごくて天狗連中に睨まれてる女。光縮地法と言って光を纏い空間を早く移動する天空をかける素早さ自慢の2刀流の女。彼女はよく飛び歩くから結構レアいぞ出会うのは」
カイアス勢に向かってそう説明するミハエル。
「人をレアキャラ扱いすんなって」
「あ、どうもカイアスでミハエルさんのお世話になったリディアです」
「どうも。ボクは明日香ですよろしく」
と、リディアを先頭にして挨拶が続いてゆく。
「なにぃ~帰ってきたの~ミハエル!」
と食べ物の匂いがするの方――台所から声がする。
そこを見やると、腕よりも太く足よりもやや太い黒竜のしっぽを生やし頭には竜蛇の角を左右に生やした茶髪赤目の女にしては背が高い黒竜フィオラ=アマオカミが見えた。そしてその後ろに茶目黒髪ポニーテールのタイトな黒いミニスカ女の東雲波澄が見える。
「おかえりなさい、ミハエルさん……に大勢」
東雲波澄がおずおずといった感じで話しかける。
結構な数の多さにびっくりしたのだろう。
そしてまた延々と自己紹介の流れ。
「あ、おっかえりー」
青髪緑目のリースティアと、
「おかえりなさいミハエル」
金髪碧眼のエルフのローレンシアが顔を見せる。
「おかえりなさいミハエル様」
ミハエル黒騎士団副団長の黒髪茶目ミレーヌ・ローゼンベルグも姿を見せる。三人は、ミハエルとの普通の子どもがいる組だ。
「黒騎士団は変化ない?」
「ええ。特には……ミハエル様こそ大丈夫でしたか」
「まあ、大丈夫」
そして普通の子どもじゃないのがいる組が話している。
「明日香ちゃんちっちゃい方はどうなったのよ」
「君のちっちゃいのと同じでどっか飛んでったよー待てって言っても光の速さの3倍で走るから正直追いつくのしんどいあの子らには。正直子育てしてる感じはあまりしないかな。強さもボクや冬華とほぼ同じだし」
水鏡冬華、菊月明日香のミハエルとの子どもは誓約で生まれたのだ。なので生まれた瞬間から凄き強さを持ち、親に匹敵する霊力を持ち、だがそれをはなにはかけず、道端のウンチツッツキゲームに夢中な日々を送っている。両親の記憶のコピーを持っている。
だが誓約で生まれた彼女らは、まだまだ不思議な部分がある。
いつまでも背は成長せず2D化したような外見で、名前は親と同じ名を好んだ(冬華の子ども:冬華、明日香の子ども:明日香 なので呼ぶ時はちっちゃい冬華(明日香)と周りは呼んでいる)、大人になりたいと思った時だけ一気に7頭身くらいになる。睡眠もガス交換(呼吸)も霊気を食べるので物質の食事も必要ない。だが、お菓子に弱い。敵対した時は神クラスの霊気を潜り抜けるよりお菓子で釣った方が容易い。喋りは子ども以上に子ども。
「戻りたい時に戻るでしょ。あの子らは」
「あの子らわたしとちょい似た生まれ方してるからね~何かあったらわたしに聞けばいいよー」
と桜雪さゆが答える。ミハエルが頷いて、
「その時は頼む」
「まっかせんしゃーい」
「ま、何はともあれ」
食卓についてミハエルが言う。
「えっと、わたしたちもいただいても……?」
とリディア。
「構わんよ。ここでカイアス組を立たせてってある意味きつくない? 一応蓄えある方だし、なくても物体作成で無から食べ物作れるし」
「じゃあご夕飯もらいます」
「どーぞ」
「いただきます」
「いただきます」
席についたみんながならって、いただきますを言う。




