ヴァーレンスに到着
ヴァーレンスに到着した。地形が地形だけに返ってきたという感触が強い。左右陸地がしばらく続くこの感触。
「この陸に挟まれて水の上を進む景色が続くと戻ってきたって感じするな~」
「ええ、そうですねミハエルさん」
水鏡冬華がミハエルの横で同意する。
リディアがぼんやりとつぶやく。
「ヴァーレンスって仕事あるのかしら……」
といいリディアは右手の指でミハエルの服の裾を摘まむ。
「ええ? あるよ。
うちの国は、変にむやみにマスクしろとかマスクしない奴は雇わないとか無意味な奴隷的拘束しないし」
「あー言われたことあるマスクつけろ勤務中は何もしゃべるな。奴隷じゃないんだから無理ですーて言ったけど」
とリディアが答える。リディアはミハエルが見る限り行動も機敏だし魔法使いとしても優秀だ。
(そんな優秀な彼女が職にもつけずカイアスではあのようにしていたのも経営者の奴隷を扱うような待遇に逆らっていたからだろうな)
とミハエルは推測した。
(そんなクソ経営者は言う事聞かなきゃ飢えて死ぬだけ。絶対生意気な女もお金様にひれ伏す時が来る。なんて考えてたんだろうな)
それは違う、とミハエルは断言する。
(金で人は飼えない。腹の据わった彼女のような人は)
とミハエルはリディアを見る。
(勇気をもって逆らえば、そういう支配層はただのデブじじいだから無力だ。
組織で困るヤツってのがどういうヤツかって言うと、言うことを聞かないヤツだ
1+1が2にならない。
こっちは理由があって指示を出していて、指示の理由もキチンと全員に説明しているのだが一定数は全体に対して出された指示に従えない。
指示を忘れたり、処理能力が低かったり、天邪鬼だったり。
こっちにも理由があって従わない。(←これがわたし(ミハエル)邪悪なルールには命を賭けて従わない反逆する
理由は色々だろうが、まあ、そう言うことはある。
別に問題はないのだが。これを問題と思うのならそいつは人間ではない。ロボットだ。他人が同じ動きをしていないと発狂するロボットだ。
ただ、要するにだ、
『上の人間にとって常に困るのは、言うことを聞かない人間がいる』
と言う事だ。
能力の低いマネージャーにとってはこれは特に致命的な問題だ。
死ねと言っているのに→言うことを聞かない人間がいる(死なない)→これは困るのだ。くそ経営にとっては
組織で困るヤツってのがどういうヤツかって言うと、言うことを聞かないヤツだ
▲▲▲▲死ねと言っているのに死んでくれないのは困るのだ(神風特攻させて現政府への不満を口封じ)!!!!▲▲▲▲
じゃあ、どうするのか?
結論から言うとどうにも出来ない。
指示に従わない人間に指示に従わせることは最初から難しいのだ
指示に従わない人間に指示に従わせようと努力する事はマネジメントとは呼ばない
それは『愚行』と言うのだ。
{だから、普通は、組織には指示に従わない人間がいる
彼と彼は従わない、無理だろう、と言う予測を最初から行い、そのフォローアップ、エラー処理まで計画的に行うのが通常の組織のマネジメント技術なのだ}
普通の業務ならそれで良い。ただ、今回のカイアスの場合中央が吹き込まれているのが、
『業務の問題はそれが大量殺人、人類の絶滅作戦』
と言う事で、指示に従わない人間がいますでは後処理に困るのだ
これが悪魔の悩みどころ。知らねえけどな皆殺しに従ってくれないなんて泣きごと。
指示に従わないのが少人数なら後からどうにでもなる。
マネージャーが残りの人間を直接殺して回れば良い。
政府の指示やメディア、マスコミの指示を無視する。
言うことを聞かない、逆のことをする。
これだけで彼らはお手上げだ。
全く言うことを聞かなくなった人間ほど手に負えない物はないのだ。
緊急事態条項? やれば良い。
人権剥奪? やれば良い。
預金封鎖? やれば良い。
不正選挙? やれば良い。
そんなことをする政府には税金もわざと未払いにすればいい。反逆の意思をしめせ!
カイアスの国民は政府や官権の言うことを聞かないだけで良い。
基本的に彼らはそれが増えると見せしめどころの数ではなくなり(100億人収容できる牢屋なんて用意してる国はない)、それに対して何も出来ないし、彼ら政府や官権の犯罪者としての立場はどんどん悪くなっていく。
いくら裏金蓄えても金自体意味のないモヒカンワールドか物々交換の優しい世界にすれば民衆の勝ちである。
こっちは、世紀末の世をモヒカンとなりたくましく生きるだけだ。
役人と言うのは昆虫の様に一定の習性がある。
役人と言うのは言われたことだけをなあなあに処理するのが通常の業務で、責任も出来るだけなあなあにする為に、色々な仕掛けを作っている。
先生方が良いと言った、政府が良いと言ってる、上司達が良いと言ってる、だから、その通りにやりました。自分の頭で考えてない。昆虫である。
手柄は勿論、上手に根回しをした私のモノですが、責任は勿論、私のセイではありません。彼らの仕事と言うのは基本的にこういうものだ。
彼らは上司の言うことに従うと言う基本的性質があるが、世論の強い反対に直面した時に、強行出来ないと言う弱点を持つ。
そうなると、上に無理だから中止してくれ、と泣きつく。
いつもならそれで良いだろうが、悪魔の計画では
▲問題は、それが大量殺人だった▲
と言うことだ。
役所に行けば、私たちは奉仕者ですだの何だのゴタクが書いてあるが、国民を殺してご奉仕などと聞いたこともない。
かつてどこぞの軍事司令官は、1万人の組織を動かすには10人の賢い人間がいれば良い、と言った
では、10人の賢い人間が詐欺だけを駆使して1万人を皆殺しに出来るのか?
結論から言えば、ノーだ
1万人を殺すには3万人の余り賢くない人間が必要なのだ)
「わたしが従業員に対するむやみな奴隷的扱いは禁じるようルール広げてるからな。
今回さカイアスを自分の目で見てきたけど、マスクして労働とか奴隷の光景そのままだったよなカイアス国で時々見たあれ。
マスク脳は病気だわ、マスクしない人をわがままという。他人に着けさせる方がわがままだぜ。世界中でマスク外しているのに自分の振りは見て治さない。自分の自然免疫何一つ信じてない。
あいつら外見だけ人間でその実自分自身の自然免疫を敵視するエイリアンだね。
腐海に沈んだ世界って言うなら、わたしやリディア今すぐここで死んでないとおかしいもんね? マスク一度もしてないしわたしたち。
その時点で分かれよ、ウイルスこわい催眠術にかかっている事に。目に見えないからって騙せると思うなよ。
いつからそれが本当にあると錯覚していた? 細菌理論が本当だと錯覚していた? 本当は環境理論だよ。
×細菌理論:病気と闘うには症状を治療する事が必須。細菌こそがこの世の全ての病気の原因物質である←これが間違いで、
○環境理論:病気と闘うには病気が発症しない健康な体を作る事が必須。病気の酸性、低酸素の細胞環境は、有毒&栄養素不足の食事、有毒な感情、および有毒な生活習慣によって引き起こされる←こっちが本当。
本当は外から来る恐怖の大王的ウィルスなんて何もないよ。でかい幻想だけ。世間体だけ。全く。
地球の第二次世界大戦とやらの雰囲気を感じるぜ。
世間体だけで周りと同じ行動とって勇気ある真実を訴える人をけなして殺しにかかる。悪魔の風見鶏人め。
いくら論理的にマスクが意味ないことを諭しても
『やらなかったらもっとひどかった』
と妄言をほざく。クレームが怖いだけだろうにやってるポーズとしてマスクが免罪符なだけで。マスクに塗られている化学物質で体が弱っているのに諭そうとする慈愛のある人に牙をむく。
大体マスクの白さは二酸化チタンの白さだぜ? 自分が重金属汚染されてるの気づかずにバカなこった! 17~4394μgだぞ。この二酸化チタン量は、長時間計算すると曝露許容量(3.6μg)を超えている。
色でさえ白で誤魔化せば騙されてくれる! マスク業界はウハウハだろうよ。
マスクなんかない、素顔で御笑顔のやり取りが一番の薬だよ。
マスクなんかしてたら
『苦しい時はお互い様みんなで手を取り合って』
すらできやしないもんね顔も見せねえ奴なんかに。
カイアスでもマスク率高い地域程万引き率高くて強盗窃盗が高い頻度で起こっていた」
ミハエルはリディアの方を向いて、
「マスクしてたらリディア、君が美人て気づけないままだ。
子どもも親の表情覚えられないままだ。マスクが邪魔でな」
それを言うとリディアはミハエルの顔を見て頬を赤く染める。ミハエルの袖をリディアが指で摘まむ。
「たらしめ……」
などという冬華の声も聞こえたりしたが。
「ライオンのオス……」
というサリサの声も聞こえたりしたが。
「同民族が同民族をばい菌扱いしてさ。
そんなに無菌室を好んで自分が細菌のバランスで生かされてることも忘れて死にてえのかって言いたくなるよ。
ヴァーレンスはそんなアホ対策は無駄と切って捨てる。”見えるマスクって免罪符”欲しがるアホには住みづらいし。
ああ、ただ、平和だから冒険者~モンスター倒して脳汁ドバドバいえ~いていうのはないだけで。モンスターとか太古の遺跡から出ようとしないしな。
そういうのは魔導PCゲームでどうぞって感じかなー。
それに君たち5人わたしの黒騎士団と連携されるもの的でわたしが雇ってもいいし」
「あっ、それはありがたいですね。あまりうちら5人は危ないことじゃないと生きていけないわって感じじゃないから別にいいんだけど」
「うん、じゃあそういう事で進めていい?」
「あ、はいよろしくお願いします!」
「そんじゃ、船降りたらオーヴァンに会いに行くか」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「オーチャン帰ったよ。ほらこれ。フレッドがまとめ上げてくれたの基本としてまとめた」
ヴァーレンス城内部。ミハエルが紙をぺらぺらさせてオーヴァン=フォン=ヴァーレンスに話しかける。
オーヴァン=フォン=ヴァーレンスはミハエルからまとめた紙を受け取り、
「で。やっぱ悪魔裏から糸引いてた?」
「思いっきり。向こうの穏健派と連携してこれから悪魔の思い通りにできないよう穏健ムード作るつもり」
「まあ、一番大国な上に一番不安定だから狙うわな」
とオーヴァン=フォン=ヴァーレンスが鼻から息を出しながら言う。
オーヴァン=フォン=ヴァーレンスの格好にリディア達カイアス勢は驚いているようだったがミハエルはそこら辺は無視した。
(王冠マントまではいい。あとは毎日頭剃って銃弾や気功波すら弾く筋肉鎧強調のふんどし1枚だからな)
「まあ、オーチャンそこら辺詳しくは今後つめていこうじゃない」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
王と謁見後。
「ねえ。アレが王様? ギャグか何かじゃなくって?」
「あれがうちの王様。ヴァーレンスが上下水道整ってんの彼のおかげよ~。
彼がいなかったら、街中今よりゴミだらけなはず」
「あまりそうは見えない……」
フローター・クレーヴの隊長リディアがヴァーレンス王の胸板を思い出しつつそううめく。
「第一印象だけではすべては掴めないってこった」




