僕に言わせたら、はっきり言って死神だね。探偵なんて
貿易も終えて、ブルゴーニュからヴァーレンスへ向かう途中。
死体が一つ。みんなが使う船の中にある広間に20歳の男性の死体が1つ宙ぶらりんで放置されている。
そこには出雲建、名探偵 明星一、ミハエルとミハエルのグループ(水鏡冬華、桜雪さゆ、フレデリック=ローレンス、サリサ=A=ティーガー、家出娘 鬼頭千紗、勇者ジェムズ、元アイドル・リュディーナ=ローズ、フローター・クレーヴのリディア=ド=フレージュ、同じくフローラ=ド=ステヴナン、同じくカトリーヌ=ディ=ルパージュ 、同じくエミリエンヌ=ド=アレル、同じくクロディーヌ=ド=ロアン、マリナ=ド=エロワ、ティム=S=ハーティリー )、と陶芸家モーリス=フラマン、女性の工芸家ルル=ルルル、アンティークな燭台を作る家に生まれて燭台を作り続けている男アラン=アカリー 、後呼ばれた男船長スイリー=ナンテ=カンベンがその場にいた。
明星一がミハエルを見つめながら言う!
「犯人は、この中にいる! そして奴は自ら名乗り出る事となるんだ!」
「…………なんで君わたしから目を離さずに言うの」
明星一に真っすぐ見つめられて戸惑いつつもそう言うミハエル。
「まぁまぁ、ここは落ち着いていきましょう!」
出雲建が(キラン☆ミ)と輝きながらのんびりとそういう。
「わたし犯人のトリック解読すんの面倒よー」
ミハエルが眉を上げつつそういう。
「そりゃあトリックすっ飛ばせれば簡単でしょうけど………」
水鏡冬華がそう唸る。すると出雲建が、
「簡単じゃないか。神ならではの方法で、そこらへんとばすの」
「ええ? 神ならでは? それって、神の領域に踏み込んだ人って意味ですよね? イズモさん100%の神ではない半神ですし。この場に正真正銘100%の神いませんし」
水鏡冬華がそう唸るように考えつついう。
「わたしめんどくさいのパース。誰かトリック解明お願い」
と桜雪さゆがテキトーな口調でぼやく。
「僕やっていい?」
出雲建が解決法を試すようだ。と出雲健は明星一に剣を向けた。
ビュビュビュンビュンビュンンンンッ!
ためらいなく剣を振るう。
まるでマジックショーでも行ったかのように明星一の体が13分の1に輪切りにされ、骨の硬さなど気にしないがごとく切り刻まれた明星一の13分の1が左右にバラバラに飛んで行く。
「終わり(キラン☆ミ)。推理ショーをルシファーのオーラで行わない限り惨劇は起こらない。つまり死神は探偵そのもの」
「う~ん……出雲さんにはやっぱ逆立ちしても敵わないなあ」
桜雪さゆが出雲の太刀捌きを見て負けを認める発言をする。珍しいことだ彼女には。
「わたしより強い……」
サリサが素直に強さを認める。
「お見事。可哀そうな気もしますが、ルシファーと転生契約をしてルシファーの力で悪魔人間に転生したのはまずいですね……悪魔ルシファーの力で推理ショーいくつもして犯人暴れさせるのですからね……」
水鏡冬華が言葉短めに褒める。褒めた後でルシファーの力に少々言及する。
出雲建は、終了を宣言しつつ、紙を取り出して剣についた血糊をふき取っている。
「ルシファーの力関連で問答無用で斬ったのだと霊気探知できるわたしたちはわかるけれど、霊波動習得してない人に説明お願いね出雲くん」
ミハエルがそういい、バラバラの千切り明星一の上にかかっている黒いもやを霊気の青いオーラで包み、黒の瘴気を消しにかかる。
とその作業をするミハエルの横で出雲建が言葉を続ける。
「僕がこの船に乗った理由その2。あ、その1はラスト素戔嗚たちがいる事ね。
神から堕天使の処刑命令が下った事、罪状は推理ショーしすぎ。
女神に化けたルシファーの力でお前は何になりたい好きな自分に転生できるぞで華やかに事件を明かす名探偵になった奴が暴れようとしていたから、それを阻止せよと天津日高日子波限建鵜草葺不合命《あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと》に指令を受けていたから。
この明星一という少年の推理ショーのせいで、意味もなく関係者を集めた真犯人を追い詰める推理ショーなんてものをするせいで、真犯人の突発的な自殺だの被害者の知人の復讐殺人だのが横行している。
僕に言わせたら、はっきり言って死神だね。探偵なんて。
推理ショーなんてする奴のせいで惨劇が起こっている。
『初めにヤルなら推理ショーをする名探偵だ』
事件の真相がわかったのなら、後は騎士団、警察組織に伝えて任せればよい。この船にだって騎士団はある程度同乗しているのだから。
騎士団の捜査が既に入っている事件でも彼は危険な推理ショーを開催して無駄な血を流している。
怒り狂った真犯人を対処する能力もないのに殺人犯を糾弾して追い詰め暴発させる。これは殺人の手伝いじゃあないかい?
怒り狂いどころか追いつめられた犯人は自殺するかもしれない。推理で犯人を追い詰めてみすみす自殺させてしまうような探偵。殺人者と何が違うの?」
にこやかな表情でそこまで言ってのける出雲建。
「僕これでも地上人として日本武尊に殺される前はね。出雲王国のトップとして戦場で最前線に立ちながら国を守っていたんだ。
僕は推理ショーするアホを守るために最前線で剣ふるってるわけじゃないんだけど。
ここはアレクサンダーと僕は同じだね、ティルス攻略を意地でもしたマケドニアのアレクサンダー。
アッシュールバニパルやネブカドネザルも攻略失敗したティルス。ベネツィアのモデルの都市。ヴェネツィアって見てみなよ、あれティルス、フェニキアの作りじゃん!
アレクサンダーは、港から島まで海に堤防を築くほどの異様な執念で強引に攻め入って来て、フェニキア人8000人を皆殺しにした。残った2000人は島の城壁の周囲に磔にした。人格者のアレクサンダー大王をそこまで怒らせる事をしたんだよ。
現地女性と結婚し、降伏した敵にも寛容で、一般人の大量殺害なんて絶対しなかった人として有名なヘレニズムのアレクサンダー大王を。
繁栄したテュロス・カルタゴの裏に潜む恐ろしさには身の毛もよだつものがある。ギリシア人は彼らを天道にも人道にも反する民族として恐れを抱いていた。ミケーネの暗黒時代200年続かせたのもフェニキア人。
ニムロデの頃や海賊商人奴隷商人フェニキア人(ヘロドトスは「歴史」で彼らを人さらいの代名詞と評した)=ネフィリムから変わってないなあ。
バベルの塔建設時代から同じやり方。
そりゃカインの一族、カナン人、ハム=フェニキアはノアに呪われるしアレクサンダー大王は、
『あいつらを同じ人間と思ったらだめだ! 敵ですらない! 同じ人間ですらないエイリアンだ! あいつらはいつの時代も儀式殺人をする。人肉を食べる』
と叫んでフェニキアを殲滅しカルタゴの最後やヒラム・アビフが治めていたモロク信仰ティルスの最後になる。
そしてモロク神に生贄を捧げてた。奴隷の子供を。チュニジアのカルタゴ遺跡から2万体の子供の骨を収めた壷が出土してる。
焚書、歴史消滅、暗黒時代で塗り替えて俺様の天下。歴史の空白時代、暗黒時代は大体今の騒動の首謀者の血筋。ルシファーに恩恵食らってるものの血筋。
推理ショーって、そいつらののやり筋にちょっと似てたからね。
ひとつへの筋書きへ誘導と。
その陰に隠れたものの暗黒時代のように消滅。
わたしとしても、日本の出雲建としても腹が立った」
「出雲君」
「なんだい、ラスト素戔嗚」
ミハエルに向かってラスト素戔嗚と呼ぶ出雲建。最新の素戔嗚という意味だ。
「黒いアテナ、て本を思い出してね、君の話聞いてると」
「ギリシアの文化の起源はエジプトだって言ってるアレね。
ピタゴラスがエジプトで秘儀参入して教えを受けた。
プラトンもエジプトで秘儀参入した。
アトランティスはギリシャを植民地化していたことを伝えたソロンも、エジプトの神官から話を聞いてる。
ギリシアとエジプトの関係は密接ね」
「あの……、すいません」
とリディアがおずおずと手を上げる。
「他の星の闇に埋もれた本当の歴史とか言われてもわかんないんですけど~」
「あーまあ、ごもっともな意見」
とミハエルが呟く。
「でもねーこの星自体の悪魔ルシファーの陰謀って大体暴露しちゃってバレてんのよね。となると、こっちで陰謀企んでる奴が元々いた地球、奴らのダンジョンである地(獄の)球にどうしても話行っちゃうのよねー」
「つまり、わたしたちかなり押してる……?」
リディアがそうおそるおそる言う。
「そうだね(キラン☆ミ)」
出雲建がそうキラキラ輝きながら言う。
そして続けて、
「もうこれで大丈夫だよ(キラン☆ミ)」
「あの探偵役抹殺したのはともかく、犯人は……?」
フローター・クレーヴのメンバーのエミリエンヌ=ド=アレルが口を開く。
「犯人は怖気ついたよ(キラン☆ミ)」
「えっと、それって……」
フローター・クレーヴのメンバーのフローラ=ド=ステヴナンが戸惑ったように呟く。
「このまま怖気ついて中止にしてくれれば問題なし。
起こすのならその時考えるってやつだね。
あのまま推理ショーしてたら一番危ない流れになってたからこれでいいのさ。
この状況で事を起こすって自信すごいからね。自信過剰どころか自信2乗だよ(キラン☆ミ)」
キラキラ輝きながら僕の前では血は流させないよ宣言をした出雲建であった。




