ヴァーレンスの携帯端末技術=出雲健のひのもとの携帯端末技術
ブルゴーニュ。ヴァーレンスから真東に位置する島国である。北の方はちょっと荒れてて、他は土も良い農作物に適した土地だ。
ヴァーレンスとは貿易が盛んで、ヴァーレンスからは食料、骨とう品、漆器など工 芸品や民芸品、美術品、縫製品、衣服など、ブルゴーニュからは食料、骨とう品、工芸品や民芸品、縫製品などあと少々家畜など。
また、ブルゴーニュには「星の言葉に耳を傾けよ」という言葉がある。これは、農耕も星をみて決めよと言うことである。
この関係かシャーマンが天文学を学んでいることも多い。
そして、彼らは13年ごとに世界に重要なことが起こることを星からよみとっていた。
結構神秘的な事が多い。ヴァーレンスの方が神秘的な事が多いがブルゴーニュでもあることはある。
例えば、今河原で平べったい石集めしている出雲建。彼もブルゴーニュの神秘に引かれてやってきた者でもある。
「星の言葉に耳を傾けよ~か、よい伝えだと思うよ~、平べったい石に霊力当てて~端末のディスプレイに早変わりさせて~耳を当てて耳を傾けまーす」
と出雲建が独り言を言っている。
携帯端末。古代日本においては、これは端末自体特別なものを必要とせず(河原で平べったい石ならなんでも)、霊気を操ることができる人なら、石ころで、なんなく端末になる。
霊気を通した石を耳に寄せれば、神本人とも通話できるのである。友達と話すように。
自分の霊力で動かして動かした物を映す鏡を平べったい石で代用すればいいのだから、ケータイショップなるものは火明星の特にヴァーレンス王国には全く必要ない。
ユーザー自身の霊気で携帯端末の機能を再現できる。テレパシーのカテゴリーだ。
これは古代日本由来の技術で、嘘霊媒師でなく本気で霊力がある占い師は占いの水晶をスマートフォンとして使っているし、そもそもこれをこういう扱いした人間は出雲建なのだ。
古来髪が長いほど霊力が強いとされてきた時期、出雲建があそこまで(今でも長いが)女のようにストレートの直毛、ロングヘアーだったのも、河原の石をスマートフォンの画面として霊力で支配しやすいようにしていたという面もある。
それを日本武尊があんな出雲建の殺し方をしてしまったために、出雲建が手中にしていた霊力でそこらへんの平たい石を自由自在に魔導端末のディスプレイ化する霊波動の伝播が途切れ、ヒノモトのテレパスに類した通信技術は失伝する事となる。
そして幽霊となり光の神(天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊《あまてるくにてるひこあめのほあかりくしたまにぎはやひのみこと》、天津日高日子波限建鵜草葺不合命《あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと》)の元に参った出雲建がヴァーレンスにつき、ヴァーレンスの携帯端末技術=出雲建のひのもとの携帯端末技術となる。
「あの船に乗るか、冬華くんも、さゆくんも乗ってるし、ラストスサノオがいるね」
出雲健は、そう呟いて船に向かった。
が、途中で平和には似合わない光景を見かけた。
村人が一人、立てられた棒っきれにくくりつけられている。
「助けてくれー! 助けて!」
必死に助けを求めている。
出雲建はゆっくり歩いてその光景に近づいてゆく。
「おい、背の高い美人が来ると思ったら男じゃねえか。男なら背が高いなんてことはねぇな。おれより頭半分低いぜ」
と180cm台の荒くれが向こうから近づいてくる出雲建を見て言い捨てる。
「遊んでやろうか! 男なのにそんだけ女じみた美人なんだ髪ロングヘアーだし抱いてみたら気持ちいいかもしれねえぜ! ――ゴーギャン!」
そんなことを言った荒くれが一番最初に出雲建の左に持った剣の錆になる。続いて――
「やたー!」
「ポチ!」
「ちょも!」
「ぽうっ!」
「ふんがっ!」
「いちーえん!」
「ミヤ!」
「やめてやめてとヴぇて!」
「モディ!」
「リアーニ!」
「俺様のさまんさ!!」
やられる衝撃で意味のある事を言えず、変な断末魔を残してゆく荒くれ。
「ちょっと待って! 俺は助けてくれるんだろ? 船はあちらからお乗りになれまぁ~す! ヴァーレンス行きとカイアス行き御船が出ておりますー。ほら案内して上げたし! な!」
ぐわし!
出雲建は勝手に案内した荒くれの顔を笑顔で左手で鷲掴かみにし、村人が括りつけられている所までやってきた。
村人は出雲建の手で自由の身になる。
荒くれは出雲建の手で縛り上げられる。
「君の好きにするんだ」
村人にそういい、立ち去る出雲建。出雲は立ち去る直前、霊気で物質作成の魔法じみた事を行い霊気を物質化したのこぎりソードを村人の足元に投げ捨てた。
「えっ……えっ」
のこぎりソード、縛られた荒くれ、出雲建の背中と順に見ながら、戸惑う村人を放置して出雲は港に向かう。
血糊を紙でふき取りつつ出雲建はその場を去った。
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「おい、あれどう見ても貿易品下ろしてる人襲われてるよな! 助けに行くぞ!」
それだけ言って、ミハエルは船からとびおりて取っ組み合いに参加する。
「インヴィジブル・ハンド」
リディアは、駆け寄るよりも早いと判断し(自分が女だから取っ組み合いに参加するよりましという考えもあった)念動系の魔法で交易品をパクろうとしている連中を邪魔する。
呪文は相手に聞こえないほどに抑えて唱える。
別に音が届かないと魔法の効果範囲も届かないというわけではない。この世界の魔法は、マナ、シャーマニック・マジック、霊波動、魔術、妖気、悪魔の邪気、サイキックと言い方が違うだけで中身が同じ(波長は使う個人によって違うが)、当然ランクも同じ概念だ。念が届く範囲が効果範囲だ。
それらの上に呪禁があり呪禁は神が扱う手段そのものだ。念で世界を変える技でこの世の全ての法則を無視して念の通りの世界に変える。念同士で争いになったらより強い念が通るのである。
呪禁は、魔法や霊波動みたいに変えたい現象に繋がる現象を必要としない(何かを温めたい→炎を出すと途中の現象がいるかどうか。
呪禁で死を願えば途中の現象(トラックにひかれた燃やされた等)が何も起きずに”死だけがいきなり生誕”する。
当然いきなり死を呼ぶ呪禁は呪禁の使い方としてはエネルギー効率も最悪で神より禁じられた呪禁の使い方である。
そして魔法を相手にかけてからリディアはミハエルに近づく。




