表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽よ、ムーンショットを止めろ!  作者: 白い月
カイアス王国からヴァーレンスへ帰りまーす
68/415

リュディーナ=ローズ

 リュディーナ=ローズ

 カイアス王国で一時期No.1のアイドルだった彼女。チアガールの衣装を着て大きな胸をバインバインに弾ませながら踊る姿がお茶の間に大うけし、人気爆発した彼女。

 魔導ビジョンは魔力さえあれば自分の魔力で動く。人力で。カイアスで普及しており、魔導ネットみたいに即インタラクティブな通信はできないが映像と音を遠隔まで運ぶことができるとしてカイアスでは人気である。

 地球では魔力じゃなく電気で動くTVと呼ばれているものらしい。

 魔導ビジョンはヴァーレンスではインタラクティブじゃない事が理由にそこまで普及していない。

 やらせ発覚→リアルタイムでやらせだ! インチキだ! と視聴者が直接糾弾できないため。

 ヴァーレンス人は映像と音で洗脳されるのはとても嫌がる。

 嘘はすぐ嘘と糾弾せねば気が済まない。魔導ビジョンのような大掛かりなものは。小さいい事は気にはしないが。

 で、その胸を武器にNo.1アイドルとなったリュディーナ=ローズがなぜ戦場にいるのか。

「戦場のチアガール?」

 勇者ジェムズがそう呟く。彼女のアイドル的イメージならそう浮かんでくるだろう。

 だが、表情を見ると元気づけに来たとは思えない、絶望し、涙で頬を濡らしている。うつむき加減で。

 アイドル風の格好ではなく、普通の娘のようなカジュアルな格好でパンストがびりびりに破れている。

「あれ、アイドル? わたし芸能界の情報ゼロだが、あの雰囲気、死にたがっている顔にしか見えないぞ、あの子」

 とミハエル。彼もまたヴァーレンス人らしく即座に視聴者がツッコミ入れられない魔導ビジョンは嫌い1台も家におかず、魔導インターネットだけで情報収集する家庭である。

「あ~リュディーナ=ローズって今は全然だよ。一緒に芸能界入りしたヴァレリーを死に追いやったって噂が立っちゃってさあ。ヴァレリーの手紙と言われるものでリュディーナが憎いって綴られてたのがネックだよね。後は手紙に書いてあることは本当なんですか!? ってマスコミが噂を元に執拗に追い立てて。

 元気いっぱい暗い顔一切しないって言うイメージも崩れちゃったね」

 と勇者ジェムズ。ミハエルは首をかしげながら、

「お前、魔法ビジョンはある事ないことで洗脳しやすいツールだぞ! ニュースですらな! 本当に起こったんだか。

 その手紙本当にヴァレリーの手紙なの? ライバルか何かが爆乳アイドルと陥れようとしたんじゃないの? ヴァレリーが自殺でリュディーナの人気をあの世に連れて行ってやろうとか考えてそんな手紙したためたって可能性は?

 そういう手なんて転がってるでしょ芸能界って。政治の場ですらあるのに」

「随分と、わたしに関するうわさが好きなようですね」

 リュディーナが幽霊じみた顔で不機嫌そうに口を開く。もっと普通に言うなら追い込まれた人間の顔だ。本当なら、明るい雰囲気でうわーおっぱいおおきいですね~さわっていい? いいわけないでしょ! ポカーン! とそういう頭の使わない能天気な場に合ってそうな者なのに。

「戦士様、どなたか刃物1振り貸していただけませんか? なんならわたしを斬ってくださいませんか? 根も葉もないうわさが広がらない世界に行きたいの!」

「そんなんはい、ていう人いないわよ。わたしらの面々じゃあね」

 水鏡冬華は右の腰の刀に手を添えながらそう答える。

 グオリがアイドルは無視して口を開く。

「ミハエル殿。カイアスの兵器について……」

「あ、あぁ。続けてくれ」

「陸船……というものがあります」

「なにそれ陸を走る船?」

「はい。魔導で走る地上の船です。ガレアスを地上で走らせるようにしたものです。飛行船みたいに天空まではあがらず、地上すれすれです。主に突進してなぎはらう兵器ですね。大砲もついてますが」

 グオリは北西を向くと指さした。

「そうちょうど北西の方向から近づいてくるアレのように」

「おいおい。アレは怖いな――みんな回避しろ!」

 いい加減鬼頭千紗には離れてもらう。

「あのね左腕にからまったままじゃわたし動けず船に引かれちゃうからね。離れて避けようね千紗ちゃん」

「んっ……」

 千紗がようやく離れてくれた。

(本当、体が大人なだけの子どもだな、まあ環境も変わった事だしこれからばんばん心も成長するさ)

 周りを見ると全員――いや。

 死にたがりの爆乳アイドルが微笑んでいた。陸船ガレアスの目の前に立って。

「あーもう! 度胸試しみたいな真似しなきゃいけないのか!」

 ミハエルはそう怒鳴ると、呪禁じゅごんを唱える。

滅功念鎖陣めっこうねんさじん…………」

 ミハエルに守られたリュディーナは、涙があふれる目で訴える。

「死なせてぇ! もう噂はこりごりなの! 頭おかしくなるのぉ! どこか噂のしない場所で落ち着きたいの!」

「そんなんヴァーレンスだってそうだわ天国まで行かずとも! ヴァーレンス人は変に噂だって言わんようにする傾向が高い、ここで会ったも他生の縁だ。

 20歳くらいに見えるがそこまで絶望しちゃって、いったいこの国はなんなんだ、庶民に絶望してる奴多くないか!? 政治おかしいと民も病んちまう。そんなに命いらないなら、わたしが君の命もらうぜ」

 ミハエルは、いろはにほへとちりぬるを……の文字が一文字ずつ流れそれが鎖のように守る呪禁じゅごんのドームでリュディーナ=ローズと自分を守った。

 ドカッグシャァァァァン!

 轟音を響かせて陸船ガレアスが木っ端微塵になる。

「呪禁を突破しようと思ったらガレオン全体に念を込めないといけない。そんな大怨霊じみた真似さすがにしてないだろと思ったがよかった~」

「なんで、わたしを、助けるの……」

「わたしの良心に聞いてくれ。胸が痛いんだよあんなのを放っておくと」

 呪禁を突破したらしたで手は2,3個考えていたが。要はこちらにあたらなければいい。正面から止めるのが最終目標じゃない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ