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太陽よ、ムーンショットを止めろ!  作者: 白い月
カイアス王国からヴァーレンスへ帰りまーす
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出会いの季節

「はぁ~いダンスは楽しんでくれたかな~? それでは、次のイベント出会いの季節に移りたいと思いま~す」

 出会いの季節。

(何かのイベントの名称だろう。フレーズから想像できるものはあるが……)

 ミハエルは素直に親友に聞いてみる事にした。

「フレッド、わたしたちより早くここに来てたんだろ。わかる?」

「みんな俺になってみよーって事だよ」

「はあ? ナンパしろって!? この場にいる全員で?」

「なんかねーチョコ渡すと同時に愛を告白する文化がここら辺の地方にはあるらしいのよ。俺それ絶対お菓子野郎どもの陰謀でしかねーと思うんだけどよ」

「同感。告白の時なんて自分で決めることができない奴がまともな家庭築けるとは思えんな。男も女も意思が薄い!」

 そこまで断じるミハエル。

「意思が薄いって半竜!」

「なんでわたしにフるのよ」

「だって、あなた結構縁起気にする方じゃん」

「それは、こう、あるでしょ? 星の巡りとか、運気とか……。

 わたし巫女なんだけど。巫女ならそーゆ事気にすべきじゃあないのかしら?」

「まあ、納得させられやすい理由ですわね~~~お~ほっほっほっ」

 と人影でワインが置いてる所が影になった。

「あなた、何か用? こんにちは、なんか冬華の若い時に似てるわね……何、半竜姉妹ここにいた? 髪質とかは違う感じするけど」

「バーカ、わたしは家族も姉も幕末に死んでるって言ったでしょアンタには」

「ま、星いくつも旅すりゃ他人の空似くらい出会うか! 宇宙で3人いるんだっけ?

 1人は闇霎くらおかみ様でしょ半竜と瓜二つなの」

「いうほどわたしと似てるかしら? 似てないんじゃない? 闇霎くらおかみ様は、本当にわたしとそっくりだけど、この子はあんまり」

「えっと……旅の方ですよね? 興味湧いたんで来てみたのですが、邪魔じゃないですよね?」

「えっ、旅してないんだけど」

 とミハエル。水鏡冬華はこの女に危険を察知したのか、

「邪魔。あっちいっ――」

「邪魔じゃないよーお話しよしよー」

「春女――」

「情報収集しなきゃいけないでしょー、何か感じて断ろうとしたの分かるけどさ~、この子危なっかしく思えないし」

「いや危なっかしさめっちゃ覚えるんだけどわたしは……。あんたはそこらへん吹っ飛んでるから危ない感じなかっただけでしょ

 わたしこの子から"家出娘"的なにおい感じるんだけど……

 世界に自分の居場所がなくて彷徨ってる人特有のアレを……」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「親は転生する3か月前に交通事故で2人とも死にました。

『美形で他にも才能持ってる人って、他で運ない』

 んだよ~って知り合いの言葉がずっと頭の中で響いてました。

 それから3か月わたしは精神的にゾンビみたいだなってずっと思ってる状態で街を歩いてる気分でした」

 とランチこちらが奢ってあげた時に元ムーンショッターで一番の美人、水野陽夏の事を思い出す。

 水鏡冬華、彼女とて幕末生まれで、超美人&運動神経抜群だが、幕末の戦火で一気に家族全員失った身である。

 水野陽夏はキャンディスと共に今ミハエルの家でメイドとして働いている。ミハエルに近い距離で生きられるからという理由で。

 あわよくば、ミハエルとのHなハプニングを期待しているのは彼女の態度でわかった。スカートもできるだけ短くしてミハエルに足を見せて誘っているのは動きでわかる。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「陽夏と同じ雰囲気を感じるのよね……似てるって言ったらわたしよりも陽夏かも」

「誰ですか? 陽夏って」

「別に……」

「ミハエルさん狙ってるメイドのひとり!」

「こら! 春女――」

「ミハエルさんて不死身の皇帝がそんな名前だったような……」

「不死身の皇帝呼ばれてんぞ!」

「うーっせーフレッド! もーやだな~異世界に島流しにされて戻ってきたら変なあだ名つけられるし」

「あっ、えっ、本物ですか? 嘘、王都に近いこの街にいて大丈夫なんですか? カイアス稀代の宮廷魔術師がヴァーレンスの公爵に倒されたって話題ですよ。わたしは国への忠誠心ゼロですから、ていうかこの街のほとんどがそうですから大丈夫ですが」

「う~ん、移動した方がいいかな……」

「いく? ミハエルさん」

「そうだな、よし、今日は野宿だ――」

 と椅子から立ったミハエルを無理矢理押し戻す陽夏と同じ雰囲気を感じる(=失うものが多すぎてこの世に居場所を失くした)女。

 無表情でいるのが普通みたいな。

 無表情でやり過ごすのが危険があまりでないそんな場所で暮らしてきたような雰囲気を感じる。とミハエルは彼女に対して思った。

 彼女が話しかけてきたのもミハエルがその環境から自分を引っ張りだしてくれる。そう願っての事にミハエルは無表情を愛想のよい形に一生懸命変えてぎこちない表情で愛想を振りまく彼女を見て思った。

「えっと……旅の方ですよね? 興味湧いたんで来てみたのですが」

 の千紗のセリフ。旅してるならわたしも連れていって。と本心が隠れているとも思えなくもない。

 興味湧いたので、これは嘘だ。いや、嘘と断じる程ではないかもだが。興味じゃなく今の環境から連れ出してくれる白馬の王子様にミハエルをみたてたのだ。

(彼女の表情の動きからしてそう間違っちゃいないだろう)

 とミハエルは思った。

「ミハエルさん。待ってください。野宿なんてする必要ありません。わたし鬼頭千紗って言います。わたしあなたに興味があります」

「わたしは千紗さん? には興味ないんだけど。手足が伸び切っただけの子どもにはね。体だけ大人でも心はガキ臭いのよ――」

「わたしはミハエルさんと話しています。外野は黙っててください」

「…………あんまり人の彼氏に誘惑の鱗粉りんぷんかけないでよ、居場所ないって感じの人間のにおいするから、それはかわいそうだと思うけど、だからって、あんたのろうぜき目の前で見逃せるわけないじゃない」

「…………」

 冬華と千紗が睨み合う。火花が出てそうだ。

 本当に鬼頭千紗がミハエルを体――というか乳房の弾力で押し返したので胸で弾いた形になり胸の弾力で椅子まで弾き飛ばされた感じになったミハエル。

「…………」

 千紗は顔が紅潮していた。

 彼女の乳房に弾かれた時にミハエルは気づいたことがあった。

(ブラなしの感触。硬いの2つ当たった。大きいのブラ高いって冬華から愚痴聞いた事あるしブラ買う金ないとか。

 ついて来ようとする理由に仕事がない金がないっていうのはある人はいるだろう)

 奴隷解放運動や暴動がおこってる、魔導ファランクスが出ている街で街中で普通に仕事できるわけがない。

(あるいはもうちょっと個人的な理由――体使ってでも自分を街から連れ出してくれる白馬の王子様を捕まえようというたくましい心)

「すみません、ちょっと席に戻るので行かないでくださいね」

「ああ……」

「ミハエルさん、今のうちに逃げましょう。あの女はまずいですって」

 などという水鏡冬華の声が聞こえたりしたが――

 鬼頭千紗は元々座っていたところに戻ると、

「ねえねえ、パスカル。わたしあの人とさっきまで話してたんだけどね。あの人と話すととっても楽しいの~」

 で、パスカルがすごい不機嫌そうに

「ふぅ~~~~~~~~~ん。そう。

 すごいね~楽しかったのねーすごいすごいね~」

 ってふてくされて言う。これは、彼氏彼女の最初の難関て感じでよくある展開ではある。

 で、彼女が怒ってその彼氏の態度にちん……があるあたりをグーで殴る真似をした。男としてはそこ狙うのはマジでやめて欲しい。

「なんで急にそんなおかしい態度になるの!」

「びびった~~~~~~~~っ。

 はあ!? 僕は全然変じゃないし。知らない男とあんなニコニコ話せるほうが変なんじゃない!」

「ぐ……なに! 彼氏以外には笑顔みせちゃいけないわけ!? わたしの表情まで指定したいの? パスカルくんは」

「別に、別にさ。楽しかったんだろ! お前はヴァーレンスの貴族と話してて」

「そりゃあ、楽しかったよ。これ普段合わないような人とコミュニケーションを楽しむって企画のパーティーだよ」

「別に無理して僕となんか喋る事ないだろ。あの男と時間いっぱいまで喋ってこいよ。俺は面白い話なんてできねーしさ」

「なにそれ……パスカルくん変だよ。おかしいよ! それわたしに気を使ってるの? そんな使われ方しても全然嬉しくない! 嬉しくないよ!」

「童貞大爆発な話運びしてんな~パスカルくん。彼女が他の男と楽しそうに話してるのパット見ただけで逆切れかますんて包容力以前の問題よ……器小さいわ。で彼女に距離置かれて勝手に傷つくグラスハート」

 パスカルの隣に座ってた彼の友達が、助言を言い始める。

「どうすりゃいいんだよ!」

「怒るな怒るな! そんなん器用な真似は君の様子見てたら無理なのわかってるから、素直に嫉妬してました。君にあたっちゃってすみません。これしかないでしょ、君には。ついでにあそこに彼女誘え! 彼女と距離深めたければ」

「…………うん」

 だが、パスカルが誘う前に鬼頭千紗はミハエルの前まで戻っていった。

「…………」

 この時、パスカルのヴァーレンス人に対する印象が悪くなった。

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