悪は悪で存在価値はあるわ。それでも見過ごせない悪ってのはあるけど
とある日の王城の広場。そこで金髪貴族――ミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒと王冠かぶって立派なマントを着てフンドシを身に着けた以外は筋肉鎧だけ――つまり裸なオーヴァン=フォン=ヴァーレンスとアリウス=シュレーゲルは4人と向かい合っていた。
1人は元ムーンショッターのヒーラー浄化してルシファーリンクありの超能力を除去してから、遺伝子修復されたイントロンによる効果により、再びヒーラーとして復帰した彼女。
「あ、あの、選抜してくださりどうもありがとうございます」
「うむ」
「あ、はい。むしろ君の暴走から始まったことだけど」
ミハエルがそういうとヒーラーの身長160cmの女の子は背を縮こまらせて
「うぅ…………」
とつぶやく。
「俺まで行かせるとは。なんなら王様、あんたが直接行けばいいんじゃねえのギャグみてーな筋トレパワーでミハさんの黒竜光波もかき消したじゃん」
ミハエル、オーヴァン、フレッド、アリウスがよく知った中なので口調はくだけている。公の場合だとそうもいくまいが。
「この前のあれ、地球から来た核ミサイルだって気合いだけで消滅させてるしな。胸に思いっきり空気吸い込んで
『かーーーーーーーーーーーーーーーっ!』
『あいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやーーーー!(拳を1撃核ミサイルにぶち込むごとに『あいや』と1回叫ぶ)』
で脚力だけで大気圏の外まで飛んで核ミサイル消滅だもんよ。放射能の汚染濃度すら、
『消えんかーーーーーーーーーーーーっ!』
って地面に拳叩きつける事により放射能汚染キャンセルしたし」
「オーヴァン国王。呪禁師のわたしとしてはあなたも呪禁師ではないかと推測いたしますが、魔法使いとかではなく、魔法、霊波動、超能力、妖力などの上の概念、呪禁……念をエネルギーに、攻撃防御共に直接変換しすぎている。
それは、念をエネルギーに変える技術、念で宇宙法則を問答無用で突き破る行為は、神が直接使う呪禁のプロセスそのもの」
と喋ったのは水鏡冬華。王に会うなら巫女装束のがマシかと思ったのだが、セーラー服&パンスト姿である。彼女なりの考えで、パンチラしたときに恥ずかしくない格好を選んだ(巫女装束よりセーラー服&パンストの方がパンチラの色的刺激が少ないと彼女は思っている)。
「黒竜神の巫女よ。俺はそこらへんの技術は知らぬ。筋トレして気合い入れたら、筋トレパワーにより、核汚染ですらドーにでもなったというだけの話だ。筋トレ最強伝説!」
筋トレ最強伝説! と宣言すると共にポーズをとる国王。
「う、う~ん」
困ったように水鏡冬華が唸る。かなり珍しいケースだ。それこそギャグマンガでしか出てこないような。
(これで政治や常識持ってるからギャグキャラとも言えないのよね~)
ヴァーレンスの上下水道の良さはこの頭毎日きれ~にそってる筋肉バカ王の功績なのだ。おかげでヴァーレンスでは病気の発生が減った。オーヴァン=フォン=ヴァーレンスによって。
「話を戻そう! 色々な思惑によってここに揃ったものがカイアス王国に潜入する」
オーヴァンが話を戻す。
「サリサ、もう行ってるけどね」
ミハエルがそうつぶやく。
「うむ。あのホワイトライガーもミハエル、お前の指揮下に入れんとな。いきなりこの星で領土No.1のカイアス王都消滅とか……やらかしかねん」
国王の言葉にミハエルが頷く。
「ええ、そうなったらこの星の政治大混乱ですからね、難民問題も出てきますし……悪は悪で存在価値はあるわ。それでも見過ごせない悪ってのはあるけど……でも毒壺をいきなりひっくり返して世界にぶちまける事はない」
水鏡冬華が付け足す。




