戦力補充のためには追放ヒールをやらねば
RTAPTのマスターは、なんだかよく分からない理屈をこねていた。
「さっきヒールで色々する奴がやられた。あの白虎ぽい女に。
しかし白虎っぽい女はそれ以上こちらを攻撃するつもりはないようだ
つまりあのヒール男にやばい背景があったという事で解釈OK?
戦力補充のためには追放ヒールをやらねば」
と、放送画面に呼びかけるのを忘れていた。視聴回数は2,673,153だなかなかいい数字だこの星の人数かんがえると。
「20階では予測しないアクシデントが起こりましたがこの30階では何が待ち受けているのでしょうか!?」
「あんた、これ板っぺらに話しかけて、精神イッっちゃった人と間違われるよ生放送って気づかない人には。
前街中で板っぺら相手に興奮して声張り上げてる人見てびっくりしちゃった」
サリサがRTAPTのリーダーの方に手を置いて彼の携帯端末を覗く。
「美人ー
動物って感じの動きする子だ
気が強そう。
ケモ耳正面向きじゃなく横向いてんのね」
等のコメントがサリサには見えた。
と、その時、RTAPTリーダーが紅一点の自分らのPTの女性に追放をいきなり言い渡していた。
「キミー。君は追放だ!」
「えっ。ていうかこんなダンジョン奥深くで」
「ヒールばっかりで役に立たないんだ~! だから追放だ~!」
「いや、いやいやいや、ヒール1度もしてないんですけど……」
キミーがそう呟く。
物陰に隠れているグリンは、
「追放て敢えてするならあの子斥候として役に立ってないって理由がこの場合適しているんだけど」
と独りごちた。
「これで追放したキミーは追放の法則により物凄いパワーアップをして僕たちの所に戻ってくるはずだ!」
「そんな法則聞いたことないんだけど……」
とジト目でサリサ。放送画面を見るのも飽きたのか、背伸びをして、RTAPTリーダーから離れていく。
「でかい狼。やる気満々ね。
ちょっとこい、ホワイトライガーと遊んでよ狼ちゃん」
ブォォォン!
ヒュュゥン!
キィィィン!
――と体高5mあろうかという狼の爪とサリサの霊気で伸ばした霊気の半透明の青い爪が激しく空を切る。
その激戦の横では、RTAPTリーダーがキミーにしつこく強くなったかどうか聞いていた。
「追放されたんだ。もう君は片手で星割れるだろう!」
「いやいや、無理ですって。ほっらこれ見て! イダダダ!」
キミーがそこら辺の柱に自分の拳を打ちつける。
当然キミーは痛がる。柱はびくともしない。
「そんなっ――」
RTAPTリーダーは信じられないという様子で声を上げる。
「よしもう一回PTに入れそして僕がまた君を追放する! 追放戦闘力アップも30回くらいすれば、宇宙の帝王に勝てるようになる! なろ! なろう!」
「いやー……なろう! て言われても。ていうかリーダー、宇宙の帝王て誰ですか」
「5体合体だ! 追放ファイブ!」
「あの、わたしたちのPTリーダー入れても4人でちょくちょく現れる助っ人ぽい人達はリーダーのノリに乗りたくなさそうですし5にはあと1人足りませんよ」
「追放ライダー! 追放レンジャー!」
「…………それ以上すると頭おかしいと思われますよリーダー」




