もももも~ん、ここはわたしの出番かな~
「じゃあ、ゴーレム倒しますか。黒竜閃――春月」
水鏡は水鏡鬼神流の技を披露してゆく。
と――
(ターゲットがいない!)
「冬華さん! 後ろ!」
「!?」
水鏡冬華はヒールと名付けられた訳の分からない呪文を後ろからまともに食らった。
「ぎっ!! 位置おかしい! さっきお前……これは……」
「ヒールで空間転移した。空間と空間の癒し具合を見極めれば可能だ」
「んなアホな――意味分からないわ!」
思わず突っ込みのセリフが出る。
腕や足が勝手に動こうとしている。
(呪禁なら解けるが……)
水鏡冬華は暗殺対象を惑わせるために呪禁を唱えるかまよったが、
「もももも~ん、ここはわたしの出番かな~」
そう言って桜雪さゆが降りてくる。
「半竜ったら真面目な風でいて油断も隙もあるんだから~、相手してあげる」
「ふん、あんたとは毎日稽古してるでしょ!」
そういって繰り出すのは黒竜閃――秋炎、炎の霊気を纏わせたリーチの長い乱切りだ。
「桜閃――秋魔」
さゆも黒竜閃秋炎と同じような技で対応する。
「やっぱり操られての水鏡鬼神流は大したことないわねー、ちょっと吹っ飛ばすわね、春雷!」
左手から発せられた春雷と名付けられた光の衝撃波が水鏡冬華をまるまる包みこむ。冬華は壁に激突して煙にまかれた。
「助かった。喧嘩してくれて」
さゆの後ろからそんな声が聞こえた。
「べっつに、あんたを助けるつもりでしたわけじゃないけどね~サリサ」
ヒールの意味拡大解釈してたルシファーの力やどした奴が脱力してる。
なぜならサリサに左手で喉笛をやられていたからである。
RTAとして生放送されている画面では
「おい仲間どうしで戦いが?
状況よめなーい。
なになに~?」
とリスナーが騒いでいた。




