こちら側で人畜有害なのが2人いるわね
「1階は小手慣らしだね。みんな~適当にモンスター刈って鳴らしておこ~」
黙っていれば優等生っぽい子がメンバー全員にそういう。
「どうやらあの一番人畜無害ぽい顔がリーダーのようです」
とグリンが冬華に伝える。
「こちら側で人畜有害なのが2人いるわね」
冬華がダンジョンの天井あたりを見つつそうぼやく。
その言葉が終わらないうちに炎がそこらじゅうに氷柱もそこらじゅうに生えた。
「うわあっ、ダンジョンのしかけかぁ!? えー。我々は予想外のアクシデントに見舞われています。しかし、僕たちは――」
リーダーぽい男は驚いている。だか驚いたまま画面を見ているリスナーに答えようとしたが、ピンク色の邪魔が入った。
周りは吹雪と桜吹雪両方が渦巻いている。
「これが魔導で通信してんの? はぁ~い、雪女のももめだよ~よろしくねっ!」
桜雪さゆが通信器具を奪い取りそう挨拶する。
「ちなみにサリサも見かけたから戦場舐め腐ったPTはサリサに殺されるよ~。
セーラー半竜もいたけど、セーラー半竜のパンチラ録画しちゃった人は半竜に殺されるぞ♪ そいじゃ~またねー」
リーダーに通信機器返してどこかへ行く桜雪さゆ。
「あんのバカ女…………!」
「ま、ま、落ち着いて水鏡さん」
グリンが水鏡にそう声をかける。
「あ、グループが下の階に降りるみたいですよ」
グリンがそういう。グリンの恋人と冬華は桜吹雪と普通の吹雪が舞う中その様子を見やる。
「あ、右2歩前3歩落とし穴です」
グリンが罠を発見です。
「あ、んっ。ありがと」
水鏡冬華が礼を言いつつ落とし穴の位置を把握する。
部屋に近づくと桜吹雪と普通の吹雪の影響で水鏡冬華のセーラーのスカートがめくれ上が――
ばっ!
戦闘も起きなさそうだし水鏡冬華は両手を使って前後ろパンチラを抑えていく。
「やっぱ、おさえるんですね」
「あんたねえ、見せたがりの変態じゃあるまいし隠せる時は隠すわよ」
「す、すみません」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「20階だっけ」
「ええ、はい20です」
冬華がグリンに確認を取る。ダンジョンをすんなり進んでゆくPTメンバー、リーダーも魔法を放ちながら応戦している。
さてPTメンバーの中で暗殺指令のターゲットがいる。
リーダーより人畜無害そうな顔をした茶髪の男の子がそうだ。身長は160cm台。聖なるヒールを食らえ! とヒールを連発しているがヒールで相手にダメージを与えたりヒールで鑑定の効果ヒールで自分のパワーアップを出したり好き放題である。
(いやいや、そりゃあ練った念がそれなら口に出すフレーズは何でもいいけど何でもヒールは逆にやりづらくない?)
水鏡冬華はそうジト目でツッコミを入れた。
「サリサがやりそうだけど……でもチャンスがあったらわたしがやるか」
ちなみに暗殺は生放送で流して構わないとの知らせが出ている。
ルシファーの悪魔パワーをこの星で使おうとすると世間は冷たい、ということである。
そう先日行われたルシファーの力浄化作戦から逃げたものが今回参加している。逃げたのにこのイベントに参加するという事は性格的に目立ちたがり屋な部分が強調されているのだろうルシファーに。
20階を守るのはゴーレム、10mはありそうな。
「乱戦で行けるか……?」
水鏡冬華はグリンに伝える。
「協力する体でルシファーの力やどした奴殺すわよ!」
「はい」
そしてRTAPTメンバーの前に姿をあらわす水鏡。
「こいつに手間取るとRTAとしちゃボロボロじゃない? わたしも手伝うわね」
「あれ、僕ら以外にPTいたの!? あらーありがとうございますー。視聴者さんサプライズです、セーラー服着た美人さんが来てくれました。すごい美人で画面映りもいいですね~」
「ちょっと。アレ水神神社の巫女さんじゃない!
異世界に島流しにあったけど戻ってきた不死身の皇帝ミハエルの嫁だよ嫁!
うひゃー美人がパンスト足惜しげもなくさらしてるよ」
と放送画面ではコメントが一気に湧く。
「………プー」
その様子を見てRTAPTの紅一点の女性はふくれっ面をしている。
(早くイって! 早くイって!)
そう冬華はRTAPTのリーダーに願っていた。乱戦でこちらの計画を実行しようと思ったら自分が先頭に立っちゃいけない。
「リーダーさんあなた方がメインでお願いします」
「はーい、足がすらっとしたお姉さん」
RTAPTがゴーレムと戦っている。これで乱戦に混ざるチャンスだ。




