聖女婚約破棄令嬢賢者最強追放
「そういや、アリウス君からね、ムーンショッターの特徴みたいなの聞いてるよ」
と、出雲建。ミハエルは、
「特徴?」
と聞き返す。
「うん。ムーンショッターは特定のキーワードを口に出しやすいんだ。
男性なら、最強、賢者、追放
女性なら、聖女、婚約破棄、令嬢」
「聖女婚約破棄令嬢賢者最強追放。あとステータスっていきなり叫ぶ習性ね。なんか謎解き真面目にやりたくない羅列だな」
ジト目で、ミハエル。出雲建も苦笑いしながらキラン☆ミと輝いている。とそこに水鏡冬華が口を挟む。
「謎っていうより希望の欠片かも……もっと言うと欲望の欠片。
いや、わたし女だからその羅列でそう思うんですけどね、聖女、婚約破棄、令嬢ってものから想像すると~、ね」
生暖かい空気がその場を支配する。
「つまりー、世知辛い世の中なんて、ぶっこわれてー、夢みたいな世界で、聖女としてちやほやされたい~、気に入らない相手とは婚約破棄したーい、令嬢になって日常思い悩まなければイケナイ事は、ゼロにした~い
ってわけね!」
桜雪さゆがそうぶっこむ。
「隣の芝生は青く見えるの究極系ね……」
水鏡冬華がぼやく。
「そんなの宇宙の端から端まで探してもないつーのにね~! わたしや半竜だって神の巫女としての仕事あるんだしさ~」
と、さゆ。冬華が隣で頷いてる。ミハエルが付け足す。
「でも、裕福かはともかくわたしたちの星で冒険者は楽でしょ。はっきりいって下水道お掃除部隊だもん、あの人ら。そして、それが疫病の発生食い止めてるし。人間が作る薬なんて効果ない上下水道の整備が疫病減らしに即決してるんだよ。薬(自然の薬草は別、アレはアレで効果ある。非自然の薬が問題)は上下水道の効果の恩恵を自分の物だと言って恩恵を横からかっさらいすぎなんだよ。震災あると分かる水が整わない地域で病気が流行りやすいか水道民営化してる国は自殺してる国だな。
害虫まみれでうんこ水を飲んでたレベルから上下水道をまともな水にする事がどれほど大事か」
「まぁ~、ね。ゲームみたいに町出たらドーンてモンスター遭わないしねー。
一部の遺跡の内部くらいでしょう。モンスターいるのって。しかも外には出てこないし」
さゆがそう付け足す。
「カイアス王国の荒れた地方なら盗賊団がモンスター代わりか」
ミハエルがそう続ける。
海の向こうのカイアスは規模だけでいうならこの星最大だが、戦力で言うならヴァーレンス王国が一番である。
この星はヴァーレンス地方にエネルギーの高い生き物が偏っており、エネルギー波一発で星を消し飛ばせる個体がうじゃうじゃいる。
なので銀河列車からは『築5分、駅から5年の星』と呼ばれている。
呼ばれては、いるが、実際に粉々になったことはない。何せ男の天照ほか八百万の神々が地上を歩いているためそんなことをしたら神に止められてお仕置き食らいまくるからである。八百万の神々の実在がストッパーになっているのである。
「あぁ治安悪いからねカイアス奴隷解放運動とか起こってるし」
と冬華。呆れと共に冬華は言い捨てた。
「本当、狙うなら他の星にすればよかったのに、ムーンショッターも」
お手上げのポーズをとって冬華がそう言った。




