ガラルの夢の世界
水野陽夏と空夢風音とアン=ローレンとガートルード=キャボットがターゲットになったようだ。
真っ二つが元通り(になったように見える)ガラルが視線を向けると彼女らのスカートがひとりでにめくれあがる。
「やあっ、やめて!」
空夢風音がスカートを抑える。
(霊波動で防護できる事に気づいてないなあ)
空夢風音が自分のスカートと格闘しているのを半眼で青い自分の霊気に包まれたサリサは見る。
「霊気出せば防げるよ~」
サリサが声を出す。
「霊気を出して! 呪禁そのものを教わってなくても抵抗自体は霊気だせるなら誰でもできる」
フィオラが親切に教える。
「あ。本当ですね。良かった、わたしの恥ずかしい姿見ていいのはひとりなのに」
自分の霊気で青白く包まれた空夢風音がそう言い、落ち着いて胸をなでおろす。
「こっの、スーパーナチュラル(超常現象)をエロ目的で使うな!」
この星に来てからミハエルに手ほどきを受け、少しは霊気を出せるようになった水野陽夏も青白く白光し、なんとか抵抗し、落ち着く。
「霊気って、魔力でもいいのかな」
アンが疑問を口にする。ミニスカートを抑えながら
「いいわよ。早く出しなさい」
フィオラが答える。
「そこの白い子も速く」
フィオラがガートルードに魔力展開をせかす。
「はい! ――――あ、変なスカートにかかる不可視の力防げました!」
フィオラがガーちゃんの笑顔に笑顔で応える。
「お、本当だー魔力でも抵抗できるね~」
アンが感心したような口調でスカートから手を離す。
レダのスカートもめくりかえるが、グリン君が霊気で邪気をカットしてなんなきを得た。
「レダ。大丈夫?」
「ありがとう。グリンくん」
「お、グリンくんやさしいね」
水野陽夏がグリンくんを褒める。
「陽夏さん……なんか少し見ないうちに最初感じてた騎士感が鳴りを潜めてお姉さん感が増しましたね……はは」
グリンくんがそう答える。
「そういう君はもう悪ガキ感が完全に消えたじゃない。ルシファーに支配されてた時の。今の方がモテるよ!」
「あはは、そうですかね?」
頬をポリポリとかいて、グリンくんが答える。
「うんうん! すごい感じよくなった」
と、水野陽夏。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「俺はガラル=エン=ベイン。ヒーローに憧れるティーンエイジャーだ」
「それもう聞いた」
桜雪さゆがナレーションに突っ込む。
「不死身の皇帝ミハエルが教会で発狂し教会の子どもたちを斬り始めたのを止めようとして体を真っ二つにされた。俺は――――」
「それももう聞いた」
桜雪さゆがツッコミを追撃する。
「……………………」
「嘘の歴史の作るので頭いっぱい? 嘘で塗り固めると大変よね~整合性取るためにウソどんどん増やさないといけないから」
「俺は邪魔をしてくる十二単の女を懲らしめる事にした。女だからといって甘く見ていた俺の責任だ。人に甘すぎる俺が悪いんだ。俺のやさしさが、悲劇を生んでしまう……。
十二単の女は発狂し教会の子どもを虐殺し始めたからだ」
「ちょっとー。わたしツッコミ入れてたら虐殺犯にされたんですけどー!」
「…………まあ、ひどいわね。ツッコミ入れられてうっとうしいってのは分か~るけれど」
パンストがエロく破られたセーラー服の水鏡冬華が桜雪さゆを半眼で見やる。
「半竜エロ~い! その破れパンスト足で息子さんに足絡ませて誘惑するのね~~~~っ!!」
「アホ言ってんじゃないわよ!」
(……読まれた)
水鏡冬華が桜雪さゆに応えながら胸中でうめく。今夜ミハエル相手に破れたパンストで攻めてみようと思っていたところであった。
なので水鏡冬華は破れたパンストも誘惑用に捨てずにとっておくつもりだ。
「ガラル君! わたしも戦います!」
「ありがとう! 楽園永久」
と、新女キャラが登場した。茶色がかった黒髪のセーラー服でミニスカパンストでなぎなたを持っている。
「あれ……」
水鏡冬華がうめく。
「ちょっと、あれ…………」
桜雪さゆも冬華とは別人のセーラー服パンスト姿に驚きのうめきを発する。
「あれ、半竜! わたしが初めてあなたと会ったときのあなたに似てるわ! 髪の色茶髪はいっているのは違うけど」
「わたしも自分でそう思ったわ。新選組と活動する前の箱入り娘感が抜けていないわたしに似てる」
と、2人して新女キャラをそう評価する。
「確かに、冬華をあまり苛烈な人生送らせないでいた感じがする…………」
ミハエルまで、そんな感想を抱く。
「そして冬華、キミに似たあの茶色がかった黒髪の女の子がガラルのダッチワイフらしいな」
「やめてよ! 自分に似た子がダッチワイフだなんて、わたしまで寒気が走っちゃうわよ!?」
冬華が寒そうに内またで、両手で自分を抱きしめてブルブル震える。
「あははは…………でも10代の時くらいならああいう妄想くらいしたけどね~」
「あなたの妄想は…………もっと女から見ても笑えるくらいよ」
「そう?」
「うん。エロい妄想もするけどさ、あなたは…………。なんていうか、じめじめ感がないのよね。
まだ女から見ても笑って許せるというか。でもガラルのはなんか、後ろ暗さ? じめじめ感があって女から見ると怖いわよ…………」
「う~~ん、なるほどー…………あ、そういや気づいた点が一つ」
「なによ?」
水鏡冬華がたずねる。
「あのね。あの子が戦います言ったじゃない。あいつ即ありがとう言って下がったよな。一番前衛を女性にするってどーなんよ!?
女に言うなら
『女が戦うなんて、そんなジェンダーフリーいらないよ。
女の子ならさ。
君くらいの年齢なら、おいしそうにソフトクリーム食べて彼氏と共にはしゃいでる頃だろ。
そんな子が血なまぐさい真似しなきゃいけないなんてむごすぎるだろ。
わたしに戦いは任せておけ。
君はわたしが帰ってきた時、温かいご飯でも用意しててくれ。君の温かいご飯が、わたしを癒す』
じゃないの? わたし、おかしい? フレッド? アリウス?」
ミハエルが疑問を呈する。
「おかしくねー。かわいい女の子を戦場に置く方が怖いな戦争経験者としては。自分の知覚の外では守れねーし状況次第では。女の惨殺死体見たくねーし、男もだが」
「わたしもミハエルくんの考えが普通だと思うよ。冬華くんやさゆちゃん、サリサくんやフィオラさんは、わたしたち3人に匹敵する力を持つ例外だからいるだけで」
「いやアリウス俺お前らよりは、よええし」
「あはは」
アリウスはフレッドの意見を笑って流す。
「あ。まあ、ねー」
水鏡冬華が同意する。
「あの、わたしミハエルさんに言われれば、ミハエルさんを守るために一番前で戦っても……わたしがんばれますあなたが……褒めてくれるなら」
空夢風音がそう言ってうるんだ瞳でミハエルを見る。
「それなんだよ。あの楽園永久とかいうぶっ飛んだ名前の子」
「え、どれですか?」
空夢風音がうるんだ瞳でミハエルを見て質問する。