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太陽よ、ムーンショットを止めろ!  作者: 白い月
おまけ 祭りの後のいたずら男3人の毒牙
169/375

いたずらはバレる――得たものはいたずらの達成感と彼女の涙と怒り

 夜中の2時。

 妖怪が踊る時間帯である。

「ふっふふ~ん! ふふふ~ん!」

 妖怪雪女の突然変異、桜雪さゆは、フレッドの家出の騒動を天から見てかけつけ、宙に浮きバレない位置から携帯魔導端末で鼻歌交じりでパシャパシャしまくっている。

「うっ、うっうううーーううう~~~~~~うううっ、なんで? 昨日寝る前にトイレ行ったのに、なんで!? わたしのここバカになっちゃったの?」

 ユーナがおもらししたような水たまりを見て信じられないといった心持ちで泣きはらす。

 フレッドは何も言わない。

(しょーじき、ど~しよう。ここで普通にいたずら成功したように振る舞っても天馬蒼依てんまあおいにバラされるからなあ)

「つかの間の勝利でもせめて味わったら?」

 ミハエルがフレッドに小声でそういう。

「おっけ、そうすっか!」

 フレッドがミハエルに小声でそう返す。

「まさかおもらしするとは思わなかったよ!

 ほら、ベッドから起きて!

 シーツ洗わないと」

 フレッドが白々しくそういう。

「ひうううぅぅぅぅっ、待って! わたひが、わたひがあなたのベッドを汚したんだからわたひが洗います、うぅぅぅぅうううぅぅ……!」

 信じられない事態に顔をくしゃくしゃにして泣きながらユーナがそうこたえる。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 天馬蒼依てんまあおいがどうしているのかというと――

「あはは…………夜中なのに元気だね」

 困り顔のアリウスに羽交い絞めにされて動けないでいた。その状態で暴れている。

「早く離してよ! アリウスさん!」

 足もバタバタさせている。ミニ袴というかミニプリーツスカートなので、パンツが見える。

「痛いからやめて! 足暴れすぎ。痛いよう…………!」

 アリウスが涙ちょちょぎれそうになる。

「離せ! 離せアリウスさん! ユーナに本当の事を伝えないと彼女本気で心に傷負っておもらし癖ついたらど~すんのっ! 責任とれるのっ!?」

「そんなトラウマなんてこんな和やかな雰囲気で発生するわけが……」

 ガンッ!

「いたっ!」

 アリウスの弁慶の泣き所に蒼依あおいのかかとがさく裂した。

 思わず羽交い絞めしている手を緩める。

「よしっ!」

 天馬蒼依てんまあおいがダッシュでユーナの元に駆け付ける!

「ユーナ! 騙されないで! それあなたのおしっこじゃない! コップで組んできた水よ!」

「えっ!」

「この、こいつら、女の子に、油断も隙も無い、女の子にいたずらするのが好きな小学生みたいな大人3人のアホ男どもが企んだのよ!

 ユーナ、感じで分かるでしょ! ユーナの膀胱からっぽじゃないはずよ! それにおしっこのにおいしないはず!」

「…………うん。そういわれれば」

 お腹の辺りを抑えて、片方の手でにおいを確かめながらユーナが呟く。

 と、のそのそとアリウスが現れる。

蒼依あおいちゃん、抑えられなかったよ~~~~」

「ベランダからえらい表情した天馬蒼依てんまあおいが見えた時点で負けは予想していたさ……」

 と、フレッド。

「完敗だな」

 と、ミハエルが負けを認める。

「…………」

 口をぎゅっと結び、無言で男3人を睨みつけるユーナ。

 そして、反則負けの報いとして、何でも言う事を聞く事を約束させられた男3人であった。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「面白っ!」

 パシャパシャ!

 飽きもせずパシャリながら、妖怪春女は宙に浮いて面白いネタを撮影し続けた。

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