光の神ルー=ラワダvsアリウス
結局殴り合いになった。
「うぉぉぉぉぉぉおおおお!」
身長15mのルーナサがアリウスを右手で掴んで吼える!
アリウスは大人しくわざと捕まっている。
(連動魔法仕掛け放題~)
ウィザード相手に組み付いたりするのは命知らずである。"自分の体内にどんな連動魔法を仕掛けられるか"分かったものではない。
「お前のようなチビなど! 光の騎士が本気を出せば! ひとひねり! なのだ! 余裕! なのだ!」
15メートルからすれば大体チビだろう。
そうアリウスは思ったが口には出さないで置いた。
「おい、光の騎士ルー=ラワダ」
アリウスはルーナサの手に捉われつつ不敵な表情を崩さない。
地の性格からしてこんな不敵な表情しないのだが、戦いとなれば話は別である。
「なんだ」
「お前『今僕は必死です!』 といい直せ!」
アリウスが厳しく言う。光の神に向かって。
「なんだと……!」
「フラガラッハも、アッサルの槍も神の武器が2種類もあっけなく僕の魔封剣で役立たずの代物になった。
だから『僕は今悔しいです! だから神ですが人間相手に必死で行きます!』 と正直に言ってみろ! 図体でかいくせに心はちっちゃい野郎め!」
「ちょうしにのるなぁぁぁぁぁぁぁああ! 人間がぁぁぁぁぁぁ! ふぬううううううううううううう!」
アリウスを握る手を全力で力込めるルーナサ。しかし魔力を表に出し始めたアリウスは全然楽そうだ。
「塩基5つしかないヴァンパイア配列が何調子に乗ってんの。完全な人間”大御宝”は塩基7つだってば。イントロンも目覚めてるからね。
でも大したものだよ。僕の自壊魔法バベルを食らったのに体持ち直してるじゃないか。超速再生持ちか。さすが神様」
「ふっふっふっ。人間の魔法などで崩れるわたしではない! あぁぁあああぁぉぉおおおおおおおぁぁああああぁぁああ!」
滅茶苦茶に叫びつつ、アリウスを20mくらいの高さから渾身の力を込めて地面に叩きつける。普通なら即死である。
が――――
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と、そんなときに積星と共に星(五芒星)にのって空からやってきた神が一人。
天津日高日子波限建鵜草葺不合命《あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと》である。
「アリウスくん、おいしい所もっていくようで悪いが、光の神どうしで決着つけさせてくれ。
『武鵜草葺不合身光天津日嗣天日天皇(タケウガヤ フキアワセズ ミヒカリ アマツヒツギ アメヒノ スメラミコト)』
『富秋足中置天日身光天皇』
『建玉天日身光天皇』
『空津争鳥天日身光天皇』
『玉噛彦天津日嗣天日天皇』
好きな呼び方してもらってかまわんぞ」
どれにせよ長いお方だ。
ウガヤが出てきたことでアリウスは維持が楽な魔封剣の効果を解いた。ヒノモトの光の神、男の天照と瀬織津姫の一番の子どもが来たのだ。もはや必要ないだろうとふんで。