悪魔と昆虫って、なんか似てるよね
魔法でささっと水着に変えて、川の水をパシャパシャ自分の胸に当てるアリウス。
それを見て女グループ4人は色めき立つ。
「アリウスさ~ん、こっちこっち!」
天馬蒼依がぴょんぴょんしながら呼びかける。当然彼女の華奢な体に似合わないロケットおっぱいも揺れる。彼女はアリウスを射止めるためにわざとおっぱいぷるんぷるんやっている。
天馬蒼依以外の3人もアリウスを待ち遠しくしているのは顔を見て分かった。
そして、アリウスと天馬蒼依、アン=ローレン、ガートルード=キャボット、ユーナ=ショーペンハウアーはしばらくビーチボールを使って遊ぶ。
「アリウスさ~ん、ハイ!」
「え~とじゃあ、ガーちゃん、はい!」
「わ、とと、ハイ、アン!」
「ほーい、じゃあユーナねー、はい、っと」
「おっけー、じゃあ蒼依! ハイ!」
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数十分後――
アリウスは川の向こうをじーっと見ていた。
「悪魔と昆虫って、なんか似てるよね」
「え、なんですか? いきなりそんなこと言いだして」
天馬蒼依が驚いたように言葉をつむぐ。
「距離遠くて感知できない? 悪魔がこのヴァーレンスに降り立ったよ」
「え? ええ? えと、じゃあ、どうするんで……」
天馬蒼依が恐る恐る聞く。
天馬蒼依以外のアン、ガーちゃん、ユーナの3人にも緊張が走る。
「蒼依ちゃん、手出して」
「え? 手ですか。はい……」
戸惑いながらも言う通りにする蒼依。
「ここで待っててもいいけど、僕の家の鍵渡しておくから僕の家に避難していいよ」
「あ、あの、鍵だなんて……そこまで信頼してくれるの……期待しちゃっていいんですか」
アリウスから自宅の鍵を受け取り顔を赤らめる天馬蒼依。
「…………はい? いや、わたしは安全を考慮して……」
「…………まったまた~行動は大胆なくせに口じゃあシャイなんだからぁ! だって鍵、男の人の鍵なんてもらっちゃったら、わたしいけない想像たくさんしてしまうもん~」
天馬蒼依は手は赤くなってる自分の頬に当てて、足もくねくね、お尻もフリフリ、体もくねくねさせながら、アリウスの背中に恥ずかしがりつつ右手で紅葉をべちーん! としてしまう!
「痛った~~~~~~! 何すんの蒼依ちゃん!」
アリウスが涙ちょちょぎれながら悲鳴を上げる。
「じゃ、じゃあわたし行ってくるから! 危なくなったら鍵使って僕の家に避難するんだよ!」
アリウスが純白の翼を顕現化させ、空に飛びあがった。
「アリウスさんの翼ってすごいね。必要な時だけ実体化できるんだ」