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太陽よ、ムーンショットを止めろ!  作者: 白い月
男に狙いをつけたかわいい顔したホーミングミサイル2発が発射されます
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半人前の巫女たちがヴァーレンスに到着

「アリウスさんは、これからお仕事ですか?」

 天馬蒼依てんまあおいがたずねる。

「ん~。それでもいいんだけどね。ちょっと君たちと同行していい? 君たちさえよければ。このままだとフレッドに敗退して引き下がる未来が目に見える」

「う…………」

 ユーナが沈痛な面持ちでうめく。

「え、いいですけど……大丈夫なんですか? お仕事とか……」

 ガートルードが気を遣う。

「仕事はまあ、落ち着いてるし、わたしが魔術師組織『白緑はくりょくの翼』のトップだし、No.2は修行時の妹弟子のヴェザリーヌだし……。まあヴェザリーヌに連絡しておくか」

 そう言いつつ、携帯魔導端末を使いだしたアリウス。

「あ、ヴェザリーヌ? アリウスです。ちょっとね2週間前にファブリスで関わった巫女たちと出会って、今ヴァーレンス港なんだけど、彼女らのサポートをしたいと思うので今日はもう仕事場に行かないかも、何かわたしが必要な事態が起きたらマジックフォンしてね――」

 ヴェザリーヌに一応伝えたアリウス。

 通話を終える。

「あの、すみません……お仕事の邪魔をしてしまったみたいで……」

 ユーナが申し訳なさそうな顔で頭をさげる。

「気にしないで。余裕あるって言ったでしょ。さて、フレッド仕事終わるまでどうしよっかなー」

「どうしましょうか、アリウスさん」

 上目づかいで見上げるようにアリウスの顔を覗き込む天馬蒼依てんまあおい。アリウスに正面から自慢の胸を当ててアピールしている。

「デートします? わたしと。楽しい時間過ごせるように頑張りますから……」

 天馬蒼依てんまあおいがアリウスに誘いをかける。

「いや、君サミュエル君目当てじゃなかったの」

 アリウスが苦笑いしながらいう。

「だって、あなたの話聞いて、お風呂場で、あなたの胸さわさわしてからアリウスさんもいいな~って思い始めたんだもん」

 上目づかいで見上げるようにしている天馬蒼依てんまあおいの目に少し涙が溜まっている。

「じゃあ、どうする? 今水神神社の方でお店出てるから行く? ミハエル君と会えると思うけど」

 とアリウスが言う。

「ミハエルさん? お祭り好きなんですか?」

 上目づかいで見上げるようにして質問する天馬蒼依てんまあおい

「いや、子どもの思い出作りの1つだね。エルフのローレンシアとの子ども2人とリースティアとの子ども2人と、ミレーヌとの子ども1人だったかな? ちっちゃい明日香ちゃんとちっちゃい冬華ちゃんは次元飛び越えて飛びまくってるので除外かな」

 とアリウスがいった足元で声がする。

「何が除外じゃボケ、うんーぽこ!」

 ピンクのチューブトップに赤いチェックスカートをはいた2頭身の子どもがいる。

「はげ、まゆげ、ぶーん!」

 巫女装束を着たちびっ子がいる。ちょうど水鏡冬華を小さくした、というよりは2頭身で描いたような姿だ。

「あ。いきなり現れた。こんにちは、ちっちゃい明日香ちゃんとちっちゃい冬華ちゃん」

「こんにちは」

「こにーちは」

「あら、あいさつできて偉いわね~」

 天馬蒼依てんまあおいがちびっ子2人を褒める。しゃがんで頭を撫でる。

「冬華と似たカッコーしてるお姉ちゃん」

 とちっちゃい明日香が見上げて言う。

「ん? なにかな~?」

「パンツ見えとる。綿100%の子どもらしさがあるパンツ」

「そ、そりゃあまぁ、あなたからは見えるでしょ。わたしミニ袴っていうか、ミニプリーツだし。角度っていうか、背丈の差がすごいんだから。でも女どうしでパンツ見てもアレじゃない?」

「まあな! 特に何も感じんぞ」

「でしょー?」

「でもモハエレは気取ったパンツよりそういう綿の純朴な白さのパンツの女好きって記憶があるのお」

「モハエレって誰」

「ミハエル君の事だよ。一文字言葉ずらして遊ぶんだこの子」

 アリウスから注釈が入る。

「う~ん、そこは怒った方がいいんじゃ……」

 天馬蒼依てんまあおいがちょっと悩むような顔を見せる。

「水鏡さんて子供いたんだ~あの人なんか子ども産んだって感じしなかったから意外。っていうかこの大きさの子どもって普通1人で飛び歩けないよねふつうよちよち歩きジャン。てゆーか親子同じ名前って」

 アンがそう声を上げる。

「まあミハエル君と冬華ちゃん明日香ちゃんが誓約うけいで作った子どもだからね。子宮は未使用だよ。2人とも。神と同じ発生の仕方をしている。この子ら、両親の記憶引き継いでいるし、生まれた時から僕と同じくらいの強さだよ。スペック的にはね」

 アリウスがぶっ飛んだことを言う。

「えー、うっそだー。だって霊気全然感じないよ」

 天馬蒼依てんまあおいが疑いの声を上げる。

「それはきみが強大な霊気を感じられるレベルの高さじゃないんだよ」

「むー! それ半人前って言われてるみたい~」

「あはは」


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