恋する乙女はステーキとパフェをリスみたいなほっぺをして食べつつヴァーレンスへ
「それで、いつ頃お仕事終わりますか、フレッド」
ユーナがたずねる。
「お仕事終わったくらいに会いに行こうと思います」
「え~~~会いたくない。ドア開けないよ~」
「~~~~っ。本当に、あ、ああ、あなたは、本当に、わ、わたしの事嫌いなんですか。な、なら、わたし…………」
ユーナが泣きそうになる。
「ダメだよ弱気になっちゃ! 涙こらえて! ちょっとフレッド! 住む所引き払ってまで外国まで男追いかける女の気持ちちょっとは考えて! あってあげるくらいい~ジャン!」
天馬蒼依がガンガン言う。
「引き払ってって、野宿覚悟してまで来るんかい! おめーよお」
呆れた口調でフレッド。
「おめーにおめー呼ばわりされるいわれはありません~~~~~っだ!」
「とにかくよー、そこが第一次防衛線でしょ」
「なにがよ」
本当は分かっていたがここは知らないふりをしておく天馬蒼依。相手の懐に入れば、後はおっぱい攻撃なりパンチラ攻撃なりキス攻撃なりなんなり強引な手段も使える。
人生変わる好きな男を手に入れるためなら、品性の1つや2つ捨ててやる。
「家に入られたら、もしうまくいかない場合追い出すのにも苦労するじゃねえか」
フレッドは言う。
「追い出すの!? こんないい子を!? ユーナ料理も掃除もがんばるって張り切ってるんだよ! あんたのために! ユーナおっぱいも自信のあるわたしよりちょっとでかくて爆乳でアンタ好みだと思うんだけど! 足はわたしの方が美脚でいいって自信あるけど!」
天馬蒼依がキンキン声と言われても仕方ない剣幕で怒る。
「あ、ちょっと切ってもいい? この調子だとお昼食べる時間まるまる潰れそうなんで、マジックフォン切ってご飯食べたい」
と、アリウスが口を挟む。
「ね、蒼依ちゃんはいろいろ言いたそうな目つきしてるけど」
とアリウスが付け加える。
「お腹空いたー」
アンがそううったえる。
「確かにいつまでたっても終わらなさそうですね……」
ガートルードもそういう。
「そーゆーわけだから! フレッドごめんねー食事の時間取っちゃって」
「いんやー前もって知らせてくれてありがとーアリウス。
こういうのってさーいきなり自分ちのドアの前に女が座り込んでるの目撃するより事前に知らせてくれた方が印象いい――というか、びっくりしないですむからねー」
そして通話は終わった。
「さて、ご飯にするかな。君たちもあそこからご飯もらってきて食べよう。何食べる?」
アリウスが女4人にそういう。
天馬蒼依は、お肉のステーキ3枚にデザートにパフェ4つをもらってきた。華奢な体からは考えられない量だ。華奢な体といえば、巫女装束でやや印象が和らいでいるがロケットおっぱいもすごい。華奢な体であのおっぱいサイズあわなすぎ、病気じゃない? って女性ならいう人いるだろう大きさだ。
「蒼依もらいすぎ~。いつもそんくらい食べてるのになんでわたし並の体格にならないんだろうね?」
と銀髪のアンが疑問をぶつける。アンはステーキ1枚にパンに味噌汁3杯だ。
「何か特殊な消費の仕方してたり? 普通に栄養じゃなくって、霊力に変えてたりとか!」
ガートルードがそう指摘する。
「ガーちゃん、それじゃあわたしの巫女の原動力ステーキとパフェになっちゃうじゃ~ん」
「ん~、ん~」
アリウスが何か言いたげなのをガートルードが気づく。
「どうされたんですか?」
といい、ガートルードがアリウスの右手に自分の左手を重ねる。ガートルードのほっぺは赤い。
天馬蒼依はステーキとパフェに夢中で気づかず、ユーナは食べ物取りに行っているので気づかずなので、女グループで気づいたのはアンだけだった。
(おお、あの引っ込み思案のガーちゃんが大胆な行動にー! これはガーちゃん攻めてるぞ~!)
アンがそわそわしている。
「いや、原動力の話さ。例えば自分についている守護霊にエネルギー送る目的で自分の食べる量以上の食事を毎日とるけどずっとチビだった子とか知ってるから……。
守護霊がもういいって言ったあと同じ量の食事取ってたらぐんぐん背が伸びたんだ、その子」
「へえぇ、そぅんな、こっとおぉ! があぁるぅんでぇすぅねえ!」
天馬蒼依がステーキを食べつつ、パフェを口にもっていきつつ、喋る。のであまりうまくしゃべれない。正直食い意地はり過ぎだ。
「蒼依、行儀悪すぎ。ていうかよくそんなに食べられるわね。しかも3食それ位の量だもん、1日5000KCいってない? なんでその食事量でわたしより華奢なの蒼依……胸と足は健康的に太いけど」
料理を取ってきたユーナは蒼依の食事量にドン引きした。