まだスカート談義
「波澄ねぇ、呪禁の練習一緒に誘ってその時に聞いてみようかな~スカートの事」
水鏡冬華はそういって、両腕で頭の後ろに回す。
そのポーズのまま船に乗る。
レティチュも流れで船に乗る。ミハエルたちは誰もそれを責めない。
「ミニスカで思い出した。ミハエル、リディアたちフローター・クレーブの面々何やってんの」
ミハエルの方を向いて、声大きめに聞いてみる。男グループに囲まれているミハエルとは、その程度には距離はあった。
「え? 言わなかった? 彼女ら魔導PC10台くらい自分たちの貯金で買って、それ今王都ファブリスで売ってるはずだよ」
「あぁ~、そんなこと言ってたわね。あれ、でも秘密の店の合言葉リディアとフローラが解いたんじゃ……」
「まあね。あれからわたしに声かけてフローター・クレーブのみんなで船からPCだして売りに行ったよ。ファブリスは小型の船で自由に使って良いって置いてあるの太っ腹だねえ。引退した船なんかで大型船まであるらしいけど自由に使っていい船。何かリディアに用あるの?」
「あるといえばあるし、ないといえばない……。彼女ミニスカどういう気持ちで履いてるか聞いてみたかっただけ!」
「なるほど。ていうかミニスカ履く時の心理てそんな枝分かれする物なの? 足涼しくなりたいとか、男の視線集めてみたいとか、彼氏にだけみせたいとかじゃないの?」
「女は複雑なんです~」
あっかんべ~をミハエルにする水鏡冬華。
「あっそ……そういえばパンスト脱いでるね」
「……ええ。さすがにこの気温じゃパンストは無理だわって思って脱いだの」
ここで、水鏡冬華はミハエルに疑問をぶつけた。
「あのさ。ミニスカで面と向かって座った時さ。どうしても見えないでしょって防御してるのに必ずだれか男の人はチラ見してるのよね。太ももと太ももの間を
ミハエル、この時の男の心理を教えてくれるかしら。
パンツへの執念に恐ろしさを感じるわ」
「えっ、わたしでもチラ見するよ。見える可能性低かろうがイケメンでもするよ、なあクロード! アリウスくん! 君らも見るよなあ」
「えぇ? こっちに振らないでくださいよ! そういうの振って大丈夫そうなのフレッドじゃあないんですか!」
クロードは苦笑いでそう答え、
「え? 僕はそういうのに夢中になった覚えは……」
アリウスはたじたじな顔でそう答える。
ミハエルはフレッドを指さし、クロードに応える。
「フレッドこの秘密の店から出港準備してるもん今は」
「だからって、なぜ僕に……」
「イケメンだから」
「団長の方がイケメンですってば!」
「えー、そこはゆずるよ」
「いやいや、どうぞどうぞ」
「いやいやいや、どうぞどうぞ」
そんなやり取りを水鏡冬華は半眼で見やる。
「アホみたいな譲り愛してんじゃないわよ男同士で。質問に答えてくれる~?」
ミハエルが口を開く。
「どうして女のデルタゾーンみるのかって?
そりゃあ第一にエロい心。当り前だけど。
次に、次に……」
「次に?」
「あれ、これカイアスで言わなかったっけ?」
「? 聞いてないわよ?」
「あぁ、口には出さなかったんだっけ? じゃあ口に出して言うか。
パンツが見えそうだ。という時。
何はなくとも男としては女のパンツが見えそうな瞬間は反応しなければいけない! これは種族的特徴である。これがないとなると、男からすれば男女の性別の概念すら否定するレベルだろう。
別にその人とその後口説いてエッチしようという気がなくてもパンチラ見えた瞬間は抑えておかねば当たりを逃した気分になる。男とはそういうものだ。
そう、男は
”パンツが見えたかどうかで、くじ引きの気分になっている!”
男は女のスカートの中でくじ引きをしているのだ! だから服脱がれると気分が思いっきり覚める。
服を全部きっちり着ておいてのパンチラが価値が高いのだ。
服脱いで見えるのなんて当たり前だから”くじ引きに当たった”感じがしない。
こんな感じなので、パンツが単独で部屋に置いてあっても魅力全く感じないぞ。女が履いているときだけだな。
だから下着ドロの気持ちは全く分からない。
まあ、ありていに言うと、『隠されたものは見つけ出したくなる』っていうトレジャーハンターと同じ心理だ」
「……バッカみたい。
あぁ、思い出した。フレッドもそんな事と似たことを言っていたわねカイアスで『女のスカートの中で今日の運勢占ってるんじゃないわよ……』
って言った事は思い出したわ」
水鏡冬華があっかんべ~をする後ろで、サリサとフィオラは何か話している。
「つまり、サリサ。あんたのような3段フリルスカートがミハエル受けが良いのね」
「でもフィオラみたいな足の外半分見せつけるようなお尻フリフリのスリットドレスもミハエルの視線釘付けじゃない」