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太陽よ、ムーンショットを止めろ!  作者: 白い月
ファブリスって意外と文化混ざってる?
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エセ忍者、エセ外国人

「あ。さっきの忍者」

「この忍者レティチュ・ド・エーロが現れたからには悪は一網打尽デース!」

「悪じゃないよわたし」

「ほんとですか~?」

「ここで行われてる超投資戦に来ただけだもん」

「おう! 商人さんでしたか~? でも着ている物は貴族のものでーす」

「まあ、そうだね」

 木から木へと、びゅんびゅん飛びつつ忍び装束からはみ出そうなほど、まんまるく体に似合わないほどの巨乳をゆらし、近づいてくる身長160cmくらいの金髪エルフ忍者を見たとたん、ミハエルは半眼、呆れ顔になった。

(子供じみた顔つきに合わないくらい、パンツ色っぽいな。あともうちょっと揺れたら乳首見えそうなくらいゆれてる)

 男としてその瞬間は逃さなかったが。

「おい、この忍者っ子に教育施したやつ出てこい! エセ忍者なのかエセ外国人なのかキャラ固めてこい!」

 ミハエルがそんなことをわめく。

「後それやめておいた方がいい」

 ついでに言っておく。

「ホワット? どーれでーすか~?」

「そのバフォメットマーク きつねみたいにするあれ。アイラブユーの手話っていいはる人もいるけど、それバフォメットマークだから。

 わたし自分でその手の形したくないから口で言うけど」

「ホワット? これですかー?」

「それそれ。もう二度としない方がいいよ。

 普通の印は結んでいいけど、九字とかね。干支の印とか。臨兵闘者 皆陣列前行とかはいいけど」

 といいつつ、ミハエルは干支の印をいくつか結ぶ。

 レティチュはミハエルが印を結ぶのを見て感心した様子だ。

「印結ぶのすっごい早いですね~! 貴族と見せかけて忍者マスターですか?」

「いんや。忍者の自覚はゼロだね。で、さっきの話、コルナサインっていって悪魔に忠誠を違うってサインなんだ。それ誰かにしろって言われてするようになったの?」

「いいえ。なんか漫画でそこそこ見るからやってみただけでーす」

 ニコニコと答えるレティチュ。

(これは本気でよく分からず真似てたっぽいな……)

「なるほどね……」

「パツキンのあんちゃーん、あなた忍者道に詳しいとお見受けしましたね! 正しい忍者道を教えてくださーい!」

「えーやだー」

「ううっ! あんちゃんは意地悪です! こんなにわたしがおっぱいゆらして頼み込んでいるのに」

「それは男としてちょっとゆらぐけど。

 あそこのね。黒髪のセーラー服着た水鏡冬華っていうんだけど、あの人が忍者道知ってるよ」

「ちょっとぉぉぉぉ!!! あなたに押し付けて逃げようと思ってたのに、そんな胸はみ出しそうなエロ前面に押し出したミニスカ忍び装束着た、ちんどんや押し付けないでよぉ!」

 抜き足差し足で超投資戦の会場へ船で戻ろうとしていた冬華。そう人生うまいこといかないものである。

「ちんどんや? 初めて聞きました! それどんな意味ですか? ちんって男の人の大事なあそこですか?」

 冬華にレティチュがびゅんっと素早く聞きに行く。

 その時彼女のロングポニーテイルで隠れていた背中をミハエルは見た。

【花より団子】

 おおよそ忍び装束につけるにふさわしくない語句である。

(なんか、外国人が意味を気にせず四文字熟語かっこいー! てつけてるあの感じだな)

「違うわよ! そのちんじゃないつーに」

「ちん、ちん、ちーん!」

 レティチュがわめく。

「ええい言うな下品な! 小学生並のふざけたノリね!」

 水鏡冬華が叫ぶ。

(手足伸び切っただけの子どもだな……)

 ミハエルがそんな感想を抱く。

「女忍者、くのいちは任務を遂行するため、体を駆使すると薄い本で読みました! ちょっと言うの恥ずかしいですが、わたしもいつか一人前の忍者としてあやかしの術を使う時が来るのかとイメトレを……! 普段見えないような場所もきちんと整えております!(ドキドキ)」

「別に使わんでいいし。薄い本に毒されすぎだし」

 半眼で水鏡冬華がそう漏らす。

「この子、運動神経は良いけどアホなのでは……」

 レアがぼんやりと。

「レアにはあんま言われたくないんじゃない……?」

「何がですか。わたしとこのエセ忍者同レベルって言いたいんですか」

「エセじゃないでーす! 忍者デース!」

そりゃあ今回の船旅でもわたし同人誌持ち込んで読みましたが、こんなタイプの人間と同類扱いされたくないですね」

 と抗議するレア。

「う~ん……」

 水鏡冬華はうなり声を上げる。

「悩まないで下さいよ。わたしは頭脳も明晰、ミハエルさんの溜め込んでる宇宙論の本も読みあさってますよ。

 こんなエロ前面に押し出したエロだけで芸のない服装のエセ忍者とは頭の出来が違うのです」

「エセじゃないでーす! 忍者デース!」

「…………」

「…………」

 ピースピース。

 忍者だと自己主張するレティチュの背後を取るサリサ。とフィオラ。

 そして2人してピースを連発している。それを見てリィルが笑っている。

 さすがにホワイトライガーの因子を持っている者だ。タイガーのように忍び寄ることはお手の物だ。フィオラは隠密に特性のなさそうな鳥の翼を持つ黒竜の因子だがバレずに忍べている。

 「見てくださいよこの子。胸のとこ、はだけそうなくらいの胸に網模様じゃないですか。網タイツならぬ網おっぱいですか。エロに攻めすぎだと思いますよ」

「えっへへ。照れるデース」

「褒めてませんが」

「ええっ! ガガーン!」

「ミニスカメイド服が言えた事じゃないと思うけれど……」

「ミニスカメイドは網おっぱいよりは数段マシでしょう」



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