1話 クソギフトをもらったよ!やったね!
初投稿です
幼い文ですが暖かく見守ってくれると幸いです
「…へ?」
今日から高校の新学期…初日から遅刻するだなんて事態を避けるべく、いつも以上に早く準備を済ませ、若干の緊張と期待をのせ…家を出るべくドアノブに手を掛けた時だった…気づいたら僕はここにいた。
ただ真っ白な空間…白、それ以外に存在しない部屋。
部屋と言ってもただの部屋ではない、物凄く大きい…それこそ壁や天井が見えぬほどに。
「何処だここ?」
「おやややや!こんな空間に気配を感じたと思ったら!純真無垢そうな少年が居るではありませんか!」
そんな小芝居めいたセリフを吐きながら突如目の前に現れた少年…身長は160センチくらい、年は13か14くらいだろうか…
特に目を引くのはその美しい容姿、この空間とマッチした肩まで伸びる処女雪のように美しい白髪とすべてを見透かしてるかのようなブールアイ、肌は真っ白で一切の汚れはなく、おしゃれ過ぎず…かと言って質素すぎない白い神服…そしてそんな誇張した白の雰囲気をぶち壊すように付けてある金色のチョーク…いや首輪だろうか。
「ありゃりゃ…まさかよりによって"此処"に落ちてくるなんて…」
そんな事を言い…少年は両手の人差し指をこめかみに当て眉間にシワが寄るほどギュッと目を瞑りムムムムムと、アニメや漫画でしか見ないような…如何にも私困ってますよ的なポーズをとった。
「ね、ねぇ…君?もしかして君は此処が何処だかわかったりするの?」
少年の視線を合わせるよう少し屈み、今この現状を理解しようとそんな問を飛ばす
「知ってる…僕は何でも知ってるよ―黒柳 士郎クン」
「!?(名前を!?)」
「ふふっ…そんな警戒しないでよ、ちょっとからかってみただけじゃん!」
まるでイタズラが成功した子供のようにケタケタと笑う
「き、君は?」
「ん?……そうだな…強いて言うなら"元神様"ってやつかな」
「元神様?」
「そうだよ…おっとっと、そうだった時間がないんだった」
自称"元神様"の少年は思い出したかのように口にする
「…時間がない?」
「そう…時間がないの…時間がないから細かい説明はすべて省かしてもらうけど…士郎クン、君には異世界に行ってもらうよ…勿論キミに拒否権はない、有ったとしてもそれを行使させてあげることは残念ながら今の僕には出来ないんだ」
「…い、異世界?」
先程から神様だの異世界だの突拍子もない言葉に脳の処理が全く追いつかない
「ゴメンよ…ホントはちゃんと説明してあげたいけど…君の肉体ではこの空間にはそう長くは居られないんだ」
パンッ!
少年が手を叩くと、なんにもない空間から回転するルーレットらしき物が現れた
「なっ!?」
「君には今から、このダーツを投げてもらって異世界で生き抜くための"ギフト"決めてもらう」
そんな訳のわからないことを言いながらダーツを矢を渡される
「何をボーッとしてるのさ!早くしないと君の体は消えちゃうよ!」
「えッ!?…あ、えっと…!……うりゃ!」
体が消える、なんて物騒な事を言われパニクってしまい適当にダーツを投げる
投げたダーツはヘニャチョコな軌道を描きながら奇跡的に回転するルーレットに刺さる。
「さぁ…どれどr………………」
ルーレットを見て硬直する少年
なんだろ…物凄く嫌な予感がする…
「お、おめでとう士郎クン…君のギフトはレアギフトだよ」
「…な、なんですか?」
「……………"不死爆耐久"」
「不死爆耐久?……因みに効果は?」
「どんな強力な爆発を喰らっても必ずHP1で耐える能力かな……あ、あはははは…で、でも使いみちによっちゃ物凄く役に立つと思うよ…!」
明らかなゴミギフト…少年の心遣いが逆にコッチのライフを削ってくる
「えっと…あ!…モウソロソロジカンガダ!」
「え?ちょっと待って!」
「ははっ…色々とゴメンよ士郎クン…せめてもの謝罪として素の能力なんかは高めに振っとくから!…だからどうか君が異世界で幸せに生きていくことを心から願うよ…それじゃあ!」
「ちょっと!…ッ!?」
目の前が真っ白に包まれる
「ふぅ、やっと行った…しかしまさかあんなギフトを引き当てるなんて」
残った少年はただ一人、先程のことを思い出しクスクスと笑う
「だけど…きっと士郎クンなら大丈夫だよね?」
そんな誰かに聴こえるはずもない問を溢す
「お願い士郎クン…」
「僕の世界を救っておくれ」
まだ本性を表していませんが主人公はちゃんとイカレ野郎なのでご心配なく…。