表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

復讐者、ヴェンディカトーレ

作者: シロガネ

 昔々、魔族と呼ばれる恐ろしい集団によって人々が怯えて暮らしていた時代。


 ”ニホンジン”と呼ばれる者達が、とある国の女王様によってこの地に降り立った。


 ”ニホンジン”達は魔族と呼ばれる恐ろしい存在の討伐のため、先頭に立った。


 私たちは、”ニホンジン”を勇者と呼び、彼らと共に魔族討伐へと動いた。


 数年後、”魔王”は討伐され、世界は”ニホンジン”の手によって平和になり、そして”魔王”がいたという記憶は過去へと消えていった。


 そして誰しもが平和に暮らして――




 そこで、本を読んでいた老人が突然、口から血を吐いた。

 それによって本に血が付着する。


 老人の胸の中央からは、剣が生えていた。生えていたといっても、本当に生えているわけではない。後ろに立っている者が老人を背後から剣で刺したのだ。


「……誰だ……お前は」


 ゆっくりと老人が後ろを振り返ろうとするが、それより早く刺した人――女性は、何も言わずに右手に持った一気に剣を引き抜く。壁に血が飛び散った。

 老人の体がゆっくりと傾くと、どすっという音と共に地面に倒れた。傷からは絶えず血が流れている。


 女性は剣を抜いた体勢のまま、息絶えた老人につぶやいた


「日本人に……すべてを奪われた者です」


 まるでタイミングを合わせたように、言い終わると同時に部屋にある窓側の壁が吹き飛んだ。一瞬で土埃が舞い上がり何も見えなくなる。



 部屋の窓を吹き飛ばしたのは、街――それも貴族が住む内側の地区を囲むように作られた、城壁に備え付けられている大砲。本来は外を向いているはずの大砲が、守るはずの貴族街の方を向いている。向けられているのは、1つの建物。


 だがそこは舞い上がった土埃によって、部屋どころか建物の一部も見えなくなっている。


「あそこだ! 撃て、撃て、撃て!」


 大砲のそばで、全身鎧を着こんだ兵士が叫ぶ。それと同時に10門近く並んだ大砲から次々と砲弾が撃ち込まれる。そのたびにレンガ作りの建物が崩れていく。


 さらにその建物の周囲には、30人近くの兵士が包囲している。この兵士たちも皆、全身鎧を着こんでおり、手には剣や片手で持ているような小さな盾、兵士と同じぐらいの大きさの盾、身長の1.5倍はあるであろう長さの槍を持っている。


「ヴェンディカトーレを殺せ!」


 兵士の1人がそう言うと皆、手に持った剣や槍を空に向かって掲げる。



 ――と、いまだ土煙を上げる家の中から剣が飛んでくる。その剣が1人の兵士の胸に深々と刺さった。


 それと同時に兵士の上に女性が飛び降りてきた。

 大砲の弾が撃たれても尚、生き残っていたのだ。うまく避けたのか、それとも当たらなかっただけなのか。


 白い肌には傷一つ付いていない。


 近くにいた兵士がようやく気が気が付いた。


 それと同時に、女性は剣を兵士から抜く。返り血が兵士に飛ぶが、兵士は身長ほどもある大きな盾で返り血が付かないように己の体を隠した。意図したより、反射的に隠している。


 それでようやく事態に気が付いたのだろう。兵士が女性に気が付き、取り囲もうとする。


 だが女性は焦りもせず、ゆっくりと立ち上がった。

 本来なら真っ白なビキニに真っ白なパレオ、左肩が隠れるように付けられた真っ白なマントという、防御力が一切ないような服装だが、いまは返り血のために所々赤く染まっている。


 返り血は服だけではなく、露出している白い肌にも付いており、肌が一層白く見える。


 顔は、スッとした鼻。小さな口。キリっとした眉。ややつり上がった目という、まるで神の手によって作られたように整っており、髪は色が抜けたように真っ白。

 左耳の少し上には花を催した黒い髪飾りが付けられている。


 ヴェンディカトーレ。それが彼女の名前。


 兵士をじっと見ていたヴェンディカトーレだが、突然口角を上げ、フッと笑った。

 兵士たちがさらに距離を詰めようとした瞬間、ヴェンディカトーレは兵士に刺さっている剣を握ると、後ろへ跳んだ。


 飛んだといってもいい。人によってはそう見えるだろう。


 空中で体を回転させながら、兵士達の頭上を飛び越える。

 3メートルほど飛んで着地すると、すかさず兵士の1人を切りつける。切りつけられた兵士は、鎧を着ていたにもかかわらず、胸から血を出して倒れた。


 だが興味がないのか、着地するや否や前へと飛び、再び兵士の頭の上を通過。

 着地地点にいた兵士の胸に剣を突き刺しながら兵士の肩に着地。

 刺された兵士が倒れる前に、すかさず土台のように踏んで、別の兵士へと飛んでいき、胸に剣を刺しながら兵士の肩に着地。その兵士が倒れる前に、再び別の兵士の方へと飛ぶ。


 まるで蝶々が花から花へ飛び回るようだが、白い蝶々が飛んだ後には兵士が血の海に沈んでいく。


 飛び回る度に兵士の命が消えていく。ある者は胸を刺され、ある者はヴェンディカトーレが空を飛んでいるときに切りつけられ死んでいく。

 まるで、死ぬためにこの場にいるかのように。


 兵士だってやられっぱなしにはなりたくない。だがヴェンディカトーレのトリッキーな動きに翻弄され、傷どころか剣を振る暇さえない。


 離れたところにいるにも関わらず、気が付けば隣の兵士(なかま)の上に着地し剣で刺している。



 翻弄されたがために、陣形が崩れた。1か所空間ができる。

 そこにヴェンディカトーレが音もなく下り立つ。


 もちろん絶好の機会とばかりに兵士が攻撃しようとする。


 だがそれよりヴェンディカトーレの方が早かった。その場で1回転しながら剣を薙ぎ払う。

 まるで花びらが開くように、兵士たちの血があたりに広がり、飛び散った。


 斬られた兵士達が金属と石がぶつかる音を立てながら倒れる。あたりは兵士たちの血によって真っ赤に染まっている。

 そしてこの場で立っていたのは、返り血で真っ赤に染まっていたヴェンディカトーレただ1人だった。


「いたぞ! あそこだ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」


 ヴェンディカトーレが休憩する間もなく、増援の兵士がやってきた。先ほどの兵士達と同じだが、人数が明らかに多い。


(別に殺してもいいが、面倒だ。何よりさっさと日本人を殺さないとな。一旦引くか)


 ヴェンディカトーレは兵士を見ると、素早い動きで裏路地へと入っていった。






 これは、ヴェンディカトーレという名の女性の、復讐者であり、残酷な過去を持つ女性の歩んだ、血みどろの復讐劇の物語である。

読んでいただきありがとうございます。

戦闘シーンの描写が苦手と言うことで、練習で書きました。


かなり苦手と言うことで、とあるゲームの戦闘シーンを参考にしたのですが、記載は……


あらすじと題名ですが、それっぽく書いたので、あまり意味はありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ