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勇者「魔王倒したし帰るか」  作者: 湯葉
僧侶の手記
44/50

164ページ~166ページ

 ここ数日、夜の馬車でお酒と煙を楽しむのが日課になってきた。

 みんなの顔も明るい。


 勇者が、戦争がどうの、滅亡がどうのと話していたが、よく覚えていない。

 六が五になったのがそんなに大変なことなのだろうか?


 誰かの顔が浮かんだが、知らない女の人だったので忘れることにした。

 思えば、昨日のこともよく思い出せないが、きっとどうでもいいことなのだろう。



     ◆



 何か辛いことがあったのに思い出せない。


 頭が重い。体がだるい。

 街に到着したことだし、今日は早く眠ろう。

 辛いことは全部忘れよう。


 明日はいい日でありますように。



     ◆



 どこまでもどこまでも青空が広がっていたこの日のことを忘れない。


 戦士と魔法使いが祝福する中、小さな教会で彼が指輪をくれた。

 涙が止まらない。

 嬉しいのに、幸せなのに、悲しくて辛くて涙が止まらない。



 嬉しくてごめんなさい。

 幸せでごめんなさい。

 私の幸せを祈ってくれた、あなたの顔を思い出せなくてごめんなさい。



 この日だけは忘れたくない私を許してください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 話が複雑なところがとてもいい。 [気になる点] 特になし [一言] 私は地下帝国議会の代表の娘 いつかこれが大事なヒントになるだろう。
[一言] 心が壊れていく。大好きな勇者から貰った指輪。もう遅すぎた指輪。コレから何処に行くのかわからない。
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