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勇者「魔王倒したし帰るか」  作者: 湯葉
僧侶の手記
25/50

90ページ~94ページ

 魔物の声が近いと記した後、私たちの匂いを嗅ぎつけたのか、狼のような魔物が数匹現れた。


 どうにか撃退するも、戦士の傷は深い。



     ◆



 癒しの魔法を限界まで使い、気絶しては起きてまた使う。


 出血が激しかった為か、戦士はしきりに寒いと言う。


 夜、魔物が群れをなしてやってきた。

 戦士は虫の息だ。



     ◆



 私も魔法使いも傷だらけ。戦士はいつ死んでもおかしくはない。



 私が覚えているのはここまでだ。



     ◆



 勇者が戻ったのはそれから三日が過ぎてからだったという。


 私たちの遺体は激しく損傷していたものの、蘇生に必要とされる、肉体の半分は残っていたらしい。

 獲物を保存する習性を持っていた魔物に救われるとは、なんとも皮肉なものだ。



     ◆



 死ぬという事。蘇生するという事。

 変わり果てた魔法使いの姿を見て理解していたつもりだった。


 だけれど、自分の認識が甘かったことを身を持って痛感させられた。

 生き返ってからのことは思い出したくない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 死ぬことさえできない勇者一行。もう既にアンデッド一行に成り下がっても、魔物を倒す一行。あの時に死んでいれば魔法使いも、僧侶も幸せだったはずなのに。
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