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AnotherAfter the WILD GLOUND  作者: Ground Of Glound-華麗なるおじさんの脚
1/1

ベータ版

俺、ユウヤ。高校3年生で、エアネトゲやってんだ。

え? え??? エアネトゲって何かって?


はは笑。とりあえず説明すると、ネトゲしたいけどPCもゲーム機もネット回線も無いっ

て場合、頭の中でネトゲを想像して仮想プレイしようじゃないか。

っていうゲームの事を、エアネトゲってんだ。覚えておくように。


それで今日はそのエアネトゲの新作「VividVeatVenus-ビビットビートビーナス」を新

規プレイするところなんだ。

いや、やっぱり「AnotherAfter the WILD LOUND-アナザーアフター・ザ・ワイルド・

グラウンド」にしよう!

早速ID登録しなくちゃな☆


【♪Youya Watanabe♪】


登録完了♪


『――ワイルド・グラウンドへようこそ――』


はじまったぞ!! ビビットビートビーナスだ!!

視界が眩しい! 次の瞬間、目の前が真っ暗になった。そして、目が見えてきた。


「うわっ!? 何処だここ!?」

『ここはなんじゃったっかな……ちょっとたんま……』

「え!?」

『あーこれじゃこれ。「足の裏王国」だここ』

「足の裏!? え!? どゆこと!?」


頭の中に直接声が聞こえる……俺は一体、どうなってしまったんだ……エアネトゲの

やりすぎか……?


『ベータ版じゃよ。そういうことじゃ』

「そういうことだったのか!!!」


そうだった。俺は「AnotherAfter the WILD LOUND-アナザーアフター・ザ・ワイルド

・グラウンド」をプレイすることにしたことにしたんだった。忘れてたぜ♪


そんなこんなで俺は街へ繰り出した。


『ここはあれじゃよ……足の裏王国首都「まつ毛の先っちょ」じゃ』

「おぉ。いきなり首都かー!」

『悪い奴がいっぱいいるから気を付けるんじゃよ』

「へー」

「そういえばさ、「AnotherAfter the WILD LOUND-アナザーアフター・ザ・ワイルド

・グラウンド」って何するゲームなんだっけ?」

『説明書を読まんかったのか……「ワイルド・グラウンド」はあれじゃよ……横スク

ロールオープンなんとかRTPSGじゃよ。つまり、何をするかはプレイヤーが決めるわ

けじゃ』

「へー。とりあえず金融王にでもなるかー!」

『おぉ、あっぱれじゃわい』


そんなこんなで俺は金融王になるべく資金集めをすることにしたことにしたんだ。


そしてそうすると、そうやって彼は、するとどうだろう。


『フム。まずは資金集めじゃな。指名手配されとる悪い奴を退治してギルドから報酬

を貰うんじゃ』

「よし! 手配書を貰いに行くぞー!!!」


そして、そうすると、そしたら、やっぱりやがて間も無く、するとどうだろう。

しかし、そうしたらそうやって、それでは、その瞬間、その時だ。

それなのに、それにもかかわらず。そうであるのならば、それに、それにしても。

さらにそればかりかそれはそれとして、それはさておき。それでも。

また、


俺はギルドに向かった。ギルドに到着した。手配書を引きちぎった。


「これが手配書かー。悪そうな奴ばっかりだなー!」

『フム。この「ヨール・ゴグ」って奴はどうじゃ? 弱そうじゃよ』

「たかし。そんじゃこいつで決まりだな! 「ヨール・ゴグ」を討伐するぞー!」


俺は、「ヨール・ゴグ」とかいう弱そうな奴を捜索しだした!!!

とりあえず森の中を捜索してみよう。


「この辺に森ってある???」

『森林か……そうじゃな、北東600キロ地点に「思い出し笑いのシワ」という森林があ

るぞい』

「へー。なんかめちゃくちゃやばそうな森だなー!」

『うむ。ここはバッツカックという狼が生息していて非常に危険な森林じゃ』

「へー」

『まあなんとかなるじゃろう』


そんなこんなで俺は、思い出し笑いのシワ森林を目指した。そして到着したんだ。

その時じゃわい。


「おっ! 旅人さんかな!?」

「あ? 誰だお前?」


いきなり変な奴が喋りかけてきたんだ。


「いやー! まさかこんな所で旅人に出会うなんて、奇遇だな! 僕は今日「ワイルド

・グラウンド」を始めたばかりの新規ソロプレイヤーの「アツオ」だ! よろしく!」

「え、なんか用? 今忙しいんだけど」

「そう警戒するなよ! ただでさえ同時接続人口の少ないエアネトゲでこうして出会え

たんじゃないか! 協力していこう!」

「マジなんなの? いきなり馴れ馴れしすぎだろお前」

『ゴホッゴホッ』

「あれ!? なにこれ!!! 今なんか声聞こえたんだけど!!!」

『ベータ版だからじゃよ。そういうことじゃ』

「ベータ版だからか!!! ベータ版すげー!!!」

「チッ」

「あっ! 何処行くんだよ! おーい!」


俺は歩き出した。思い出し笑いのシワ森林に向かって。

その時じゃわい。


「ちょっと待ってくださ―い! アツオさーん!」


若い女性の声だ。俺は振り向いた。


「あ! 森上田じゃないか! どうしたんだ?」

「さっきの話、私でよろしければ……」

「おっ! 気が変わりましたか! いやーありがたい! よろしくお願いしまーす!」

「最初に断っておいてなんですけど、こちらこそよろしくお願いしまーす!」

「なになに~? 君森上田っていうの? よろしくねー♪」

「あっ、よろしくお願いします!」

「おっ! やっぱり君もパーティーに加わる気になったのか! よかったよかった!

よーし! チーム名は「膝の皿にお絵かき♪」で決まりだー! えいえいおー!!」


こうして俺は、「膝の皿にお絵かき♪」と行動を共にする事にしたことにしたんだ。


「対話アプリのID教えてよー♪」

「そういうのはちょっと……」

「対話アプリやってない感じ? そんじゃメアド教えるからさ、送ってよ♪」

「ほえー。手配書かー。ちなみに誰を討伐するつもりなんだ???」

「チッ、うっせーな。そこの「ヨール・ゴグ」っていうクソみたいな名前の奴だよ」

「あーこれかー。強そうだなー」

「は? そいつのどこが強そうなんだよ。ふざけんな」

「ヨール・ゴグ……その名前って、確かS級魔術師の超大物で、このゲームのボスキャ

ラの一人だったはず……」

「おお! 森上田は物知りだなあ!!!」

「いやいや。ちょっと説明書に目を通しただけですよ」

「へー。ボスキャラねぇ……こんなのがボスキャラとかマジうけるー」

『ボスキャラじゃったのか……あまりにも弱そうな名前故、ワシも勘違いしてしまった

のう』

「てかさ、バッツカックとかいう狼全然出てこなくね?」

「確かに! 思い出し笑いのシワ森林は結構危ないって聞いてたけど、これなら問題な

く進めそうだなー!」

『あーたぶんベータ版だからじゃよ。そういうことじゃ』


そんなこんなで俺達は野営を張って寝ることにしたんだ。



「俺のこと完全に女の子だと思ってるよねあれ。どうしよう。本当のこと言った方が

いいかな?」

「いや、やめとけって。実は男だなんて知れたら何してくるか分らねーぜ? なんかや

ばそうな感じだったろ? あいつ。一時の夢を見させてやるのも大人の仕事ってもんだ

ろーよ。大体お前のその格好が悪いんだろうが」

「妄想の中でくらい……可愛い女の子でいたいだろ? ……それより、あの子アツオへ

の当たり強くないか? 何か気に障るようなことでもしたの?」


と、そんなこんなで夜は更けて行ったのじゃった……


「あー気持ちのいい朝だなー。さってと、ログインするかなー」


俺は起き、ワンダー・グラウンドにログインすることにしたことにしたことにしたん

だ。


「へいっ! ユウヤ! 起きたようだな! どうだ? 調子はどうなんだ!?」

「うっせーな! いきなり意識リンクしてくんなよ!」


クソッ、これは知人のリュウバだ。野球サッカーとかいう意味の分らないスポーツを

してる変な奴だ。まったく迷惑な奴だぜ。

そんなこんなで俺はワンダー・グラウンドにログインしたことにしたことにしたんだ


そんなこんなで「膝の皿にお絵かき♪」と合流した俺は、「ヨール・ゴグ」とかいう

奴の捜索を再開していた。

そして「粉砕したカカト街」に到着したところだ。


「ほえー。ここが「ヨール・ゴグ」が拠点にしてるっていう街かー! かなり発展し

てるみたいだなー!」

「巨大都市って感じですねー!」

「クッソ、広すぎだろ。どうすんのこれ。どうやって探すの? ベータ版なんだから

もっとプレイし易くしろよ。こういうただマップが広いだけでいきってるゲームって嫌

いなんだよなー。森上田ちゃんもそう思わない? むかつくよね♪」

「いや……私はそのー……」

『ゴホッゴホッ』

「まあまあそんなこと言わずに! 早速聞き込み開始だー! えいえいおー!」


そんなこんなで俺達は「ヨール・ゴグ」とかいう奴を見つけ出したんだ。

案外あっさりと見つかったんだ。


「こいつが「ヨール・ゴグ」か……なんだ、やっぱりただのおっさんじゃねーか」

「いやーでもかなりの巨漢じゃないかー? 2メートル位ありそうだぞー???」

「変化魔法というのを使ってくるらしいですし、そのへん注意していきましょう。

私は実戦初めてなんで、なるべく足を引っ張らないように気をつけます」

「あー大丈夫大丈夫♪ 森上田ちゃんは俺が守るから♪ ってか、森上田ちゃんが

あんなのに触れられるのとかマジ勘弁だから、後方から支援してくれてればいい

よ♪ 前線は俺にまかせといて♪」

「あっ……はい!」

『ん……あ、戦闘が始まったみたいじゃのう。……若者達よ、健闘を祈っておる

ぞい!」


そうだ。戦闘が始まったんだ!

ヨール・ゴグ、お前は俺が倒す!

見ててくれよ! 森上田ちゃん!!! 森上田ちゃんマジ天使!!!


「なんだなんだ!!! おじさんの体が変色していってる!!!」


ヨール・ゴグとかいう奴の体がメタリックなグリーンに変色しだしたりした。

なんだ? ただ色が変わるのが変化魔法??? 笑止!!!

こんな奴速攻でぶった押してやるぜ!!!


「おいアツオ!!! 弾幕よろ! 俺に当てるんじゃねーぞ!」

「オッケー! そんじゃいくよー!!! ババババババババ!」


アツオが弾幕を張ってる内に俺はヨール・ゴグに接近した。

喰らえ―!!! 俺の拳!!!


「痛ッッッてええええ!!! 何だコイツッッッ硬てえッッッ!!!」


次の瞬間、俺は吹き飛ばされた。何だ??? 何がどうなってるんだ???

俺の意識は薄れて行く……


「ユウヤッ!!! あッ! 森上田ッ!!! アッ!!!」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


そして俺の意識は回復した。意識は鮮明になった。

時間にして数秒ってところかな……俺の意識が飛んでたのは。


「痛ッてぇ……なんだ……?」


俺は瓦礫に埋もれていた。意味分んねー。なにこれ? どうなってんのマジで。

なんか地響きするんだけど……


「クソッ、ヨール・ゴグ、テメェ!!!」


俺は目の前に現れたヨール・ゴグに魔法の剣を振りかざした。カキンッ!!!

魔法の剣は目の前で砕け散ったんだ。

その後の記憶はない。気がついたら、俺はベッドの上で寝ていた。

どうやら俺はヨール・ゴグに負けたらしいんだ……

あ???

なんだこのクソゲー!!! ベータ版だからってふざけてんじゃねーぞ!!!


俺は怒りのあまり枕を天井に思い切り投げつけてやった。


「クッソ、やっぱり「ビビットビートビーナス」にしておくべきだったな!」

「もう二度とやるかこんなクソエアネトゲ!!!」

「森上田ちゃん誘って「ビビットビートビーナス」やるわ!!!」


――こうして、一人の若者の戦いは終わったのじゃ……

若さとはいいものじゃのう……見ていて眩しいわい……        完

他の連載が完結しだい本編が始まります。

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