こんな時にしか
「ただいま」
当然返事はない。両親は共働き、下の兄弟は二人ともまだ保育園だろう
私ははぁとため息を着くと二階にある自分の部屋に行った
雨が降っていたため部屋はとても寒い
濡れたランドセルをふきながら窓を見た
「まだやまないなぁ」
ランドセルから宿題の漢字ドリルを取り出す
4年生になってから宿題の量も増えた…
ため息をつきながら黙々とノートに漢字を写す
それから30分してから下の部屋の電話が鳴った
出るとクラスメイトの女の子からだった
電話の内容はいつもそう
「連絡帳書き忘れたから教えて!」
それは三人連続でかかってきた
私は明日の時間割と宿題を告げると用意されていたおやつを持って部屋に戻った
おやつを食べながら黙々とノートに漢字を写す
なぜだろうポロッと涙が流れた…
「なんでこんな時にしかみんな電話してこないの?」
そう思ったらどんどん涙が溢れてきた…
「教室で遊ぼうって行っても入れてくれないじゃん」
「時代遅れだって馬鹿にするじゃん」
「みんなグループあるのになんで私だけ…」
気づいたらノートがびしょびしょになっていた
それでも私は泣き止むことが出来なかった
部屋の窓が私のノートと同じようにになったころようやく泣きやんだ
ノートの濡れた所をティッシュでそっとふく
鼻をかんでまた宿題に取りかかろうとしたところノートの近くにかわいい封筒があることに気づいた
「あれ?さっきまでなかったのに…気づかなかっただけかな?」
きっとパパかママだろう
そう思って手紙を読むと…
また涙が溢れてきた