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不死身で無能な最強の盾  作者: Hoto
第一章:金髪碧眼の魔法少女
3/3

金髪天使の悪魔な一面

昨日投稿出来ませんでした。

申し訳ございません。


 フレヴィと共に冒険者になる事を約束した後。

 

 俺の寝る場所に関してちょっとした言い争いになった。


 「マモルさんがベットを使ってください!!私は床でいいですから…」


 「いや、そういうわけにはいかねえよ…。女の子を床に寝かせるわけにはいかない。俺が床に寝る」


 「私だって、お客様を床に寝かすわけにはいきません!」


 「お客様って…。どちらかというと侵入者だけどな、俺」


 「そうかもですけど…。それでも駄目なものは駄目です!!」


 と、そんな感じで議論はかなりの時間に及んだ。

 意外とフレヴィは頑固なようだ。


 そして結果として、


 「どうしてこうなった…」


 「ちょっと恥ずかしいですね…」


 何故か一緒にベッドで寝る事になった。


 お互い気恥ずかしさで、反対側を向いている。


 「明日は早い、もう寝ようぜ」


 さっさと寝てしまおう。

 そうすれば、恥ずかしかろうと関係ない。


 「そうですね、おやすみなさい」


 「おやすみ」


 そう言って俺は目を閉じる。

 おやすみなんて口にしたのは久しぶりだな。

 心が温かくなるのを感じた。



 ◇◇◇



 あの、こんな最低なギャグを口にしたくないんだけどさ。

 …股間が温かくなるのを感じてます。


 この一言で、先程の感動が台無しである。

 いや、こうなるのも仕方ない。


 「むふふ…ホットドック…もふもふ…」


 先程から、フレヴィが寝言を言いながら俺に巻き付いてくるのである。

 人間抱き枕状態だ。

 背中に胸が当たってて感触がすんごい。

 しかも、裸姿を思い出してしまう…。


 ところでホットドックって何だよ。

 もふもふって事はペットの犬の名前なんだろうか。

 あったかい犬という意味だと思ってつけたのだろうか。

 意外と間抜けな面もあるようだ。


 あれ、でもこの世界で英語はどういう位置付けなんだろうか。

 言語理解で、この国の言語は全て日本語になって聞こえているわけだが。

 英語に聞こえるのは実際はどこの言葉なんだろう。

 まぁ、考えても仕方ないか。

 その辺は適当に辻褄が合っているという理解で問題ないだろう。

 

 「うー…寂しかったんだから…ね…」


 その一言にはっとする。

 そうだよな、彼女は俺に会うまで一人で最初の街に向かっていたんだ。

 きっと凄く心細かった事だろう。

 

 なら、これくらいいいか。

 今日はおとなしく抱き枕になっておくとしよう。



 ◇◇◇



 「う、うわぁぁ…!?」


 フレヴィの悲鳴で目が覚める。

 どうやら、ようやく自分が何をしていたのか気付いたらしい。


 とりあえず、何かフォローをいれるか。


 「おはよ、フレヴィ。ホットドックは食べ物の名前であってあったかい犬ってわけじゃねえぞ」


 「……ッ!!」


 ぼふん。

 そんな擬音でも聞こえてきそうな勢いで、フレヴィの顔が赤くなる。

 ありゃ、追い打ちだったか。


 「う、うわぁぁぁぁぁ!!」


 フレヴィは叫ぶと、布団に包まってしばらく出てこなかった。

 


 ◇◇◇



 あれからフレヴィが立ち直るまでしばらく待った後。

 フレヴィに服を買ってきてもらい、それに着替えた。

 今までの服だと、何かと目立つからだ。 


 ちなみに、フレヴィはトンガリ帽子を被り、魔法使いの装備になっている。

 杖を背中に装備していて、いつでも戦闘可能のようだ。

 外ではそうしておくのが安全らしい。

 やはり日本と違い、異世界は治安が悪い。


 そして二人で朝食を食べて、俺達は宿を後にした。


 一人で頼んだ部屋に二人泊まってしまった事について、何か問題が起きるかと思ったらそんな事は無かった。


 「さて、これからどうすんだ?」


 「えっと…誰かの馬車に乗せて貰って、最初の街へ連れて行って貰う感じですね」


 なるほど、ヒッチハイク的な感じか。

 

 「でも、そんな都合よく馬車が通るもんなのか?」


 「大丈夫ですよ。最初の街は色々な商人が訪れますし…」


 そういうもんか。

 そんな風に様々な事をフレヴィに聞きながら歩いていると、一つの馬車に遭遇した。


 「すいませーん!最初の街へ行きたいんですけど、馬車の荷台に乗せて頂けないでしょうか?」


 フレヴィが商人に交渉する。


 「おっ、冒険者の人かい?助かったよ…実は今回護衛を雇えなくてさー」


 馬車に乗っていたおじさんは、気の良い返事で俺達を乗せてくれた。

 おい、待て。

 今なんか不穏な言葉を聞いた気がするんだが。

 護衛雇ってないって…。


 大丈夫だよね?これがフラグで盗賊が襲ってきたリしないよね?


 そんな風にビクビクしながら、俺はフレヴィに続いて幌の中に入る。

 中には、商品でも入っているのだろうか。

 沢山の木箱が所狭しと並んでいた。


 そんな中、空いているスペースにフレヴィと対面する形で座る。


 「これからどんくらい、馬車に乗るんだ?」


 「そうですねー、夕方には最初の街へ着くと思いますよ」


 となると、約半日は馬車に揺られて過ごす事になるのか。

 その事実に、俺は少しうんざりする。


 でも、フレヴィはこんなのを何回も経験してるんだよな。

 男の俺が音を上げては情けない。


 俺は余裕を見せるべく、軽く冗談を言ってみる。


 「昼寝をする時は、寝言に気を付けろよ?」


 「マモルさん。初級の炎魔法って、拷問代わりに使えるんですよ?」


 フレヴィがにっこり笑ってそう言ってくる。

 この子、怒らせたらヤバいタイプだ。

 

 「ごめんなさい、許して下さい、調子に乗りました」


 「よろしい」

 

 どうやら怒りを収める事に成功したようだ。

 こんな序盤からジャパニーズ土下座を披露せずに済んでほっとする。


 俺達はそれから、他愛もない話をしながら移動時間を過ごした。




 ◇◇◇



 あれから数時間が経過し、時刻が昼過ぎになった頃。

 突如馬車が急停車し、反動で荷台が揺れる。


 「――――ッ!?」


 何があったんだろうか。


 『商人さんよぉ、悪いがあんたの商品は全部頂いてくぜ?』


 ガラの悪い男の声が聞こえてくる。


 「……oh」


 思わず外人風に絶句してしまう。

 どうやら、フラグは無事回収されてしまったらしい。


 「盗賊みたいですね」


 フレヴィが小声でそう告げてくる。

 幌の隙間から外を見ると、5人の盗賊が立ち塞がっていた。


 「…だな。フレヴィ、奴らを倒せる魔法はあるか?」


 「はい、一応。しかし、少しばかり時間が掛かります」


 「分かった、その時間は俺が稼ごう」


 軽く作戦会議を済ませると、俺は荷台から降りて、盗賊どもの前に姿を現す。


 「あぁ?てめぇ、冒険者か…?」


 「ボス。こいつ、ただの一般人でっせ。武器も防具も持ってない」


 真ん中にいた男に対し、その左にいた男が笑いながら訂正する。

 そう、装備は最初の街で整える予定なので、現在俺は丸腰だ。


 時間稼ぎか…どうしたものか。

 最悪、自動回復があるので、盗賊達にフルボッコにされてれば済む話なのだが。

 それは最後の手段にしておきたかった。


 とりあえず、ブラフで誤魔化してみよう。


 「おいおい、盗賊共。俺の実力を知らずに軽率な判断にでたら、痛い目を見るぜ?」


 俺は厨二病全開でおどけた調子でそう言う。


 「丸腰だから一般人?違うな。貴様ら如き、丸腰でも余裕と判断しただけだ」


 「そんな実力者がこんな所にいるわけねえだろ!」


 一番右端の盗賊(恐らく下っ端)がそう言って俺の顔面を思い切り殴る。


 「はぶぁ!?」


 俺は情けない悲鳴をあげてその場に倒れた。

 そういえば俺のステータス、よくは確認しなかったが防御力が異常に低かった気がする。

 幸い、殴られた頬はすぐに回復して痛みは引いた。

 吸血鬼舐めんな。


 「てめえ…やってくれるじゃねえか」


 俺はヨロヨロと起き上がる。


 「今度はこっちの番だッ!!」


 俺は全力の拳をさっき殴ってきた盗賊に向かって放つ。

 吸血鬼の驚異的な身体能力を見せてやるよ!


 しかし、俺の拳が盗賊の一人に到達するより前に。

 別の盗賊が間に入り、盾を構える。


 ゴツン。

 俺の拳が盾にぶつかる。


 「…いってぇぇぇ!!」


 いくら吸血鬼でも、所詮はレベル1。

 盾を突き破る事は出来ず、俺は拳を痛めた。


 「こいつ…やっぱり一般人でっせ!」


 「さっきのは虚勢かよ!!」


 盗賊共が俺をあざ笑う。

 そんな中、その中心にいたリーダーと思われる男は、


 「もういい、さっさと殺せ」


 そう言った。


 そして一人がナイフを構えて俺に迫ってくる。


 「…………ッ!!」


 不味い。

 その盗賊は、もうふざけている様子は無い。

 どうやら本気で俺を始末するつもりのようだ。


 回復するので死ぬ事はないだろうが、さすがにナイフで刺されるのは怖い。

 俺は恐怖でその場を動けなくなる。


 「マモルさん!その場から離れてください!!」


 丁度そのタイミングで。

 フレヴィが俺に向かって警告する。

 どうやら、魔法の詠唱が完了したらしい。


 もう時間稼ぎの必要はない。


 俺は急いでその場を離れようとするが、


 「…ッ!!」


 躓いて盛大に転ぶ。

 そして幌の中から死角になる。


 「爆流火炎(フロウフレイム)…!!」

  

 フレヴィは俺が逃げたと思い、魔法を発動する。


 突如、盗賊共が立っている位置に魔法陣が浮かび上がる。

 そして、その範囲には俺も入っていた。


 「な、なんだ!?」


 「中にまだ護衛がいたってのか!」

 

 「やべえ、逃げろ!!」 


 盗賊共が逃げようとするも、間に合わなず。

 魔法陣から大量の炎が噴き出し、盗賊共を焼き尽くした。

 …俺もふくめて。

 



 ◇◇◇



 「あ、マモルさん起きましたか?」


 意識が覚醒すると、フレヴィが俺の顔を覗き込んでいる。

 何だか昨日と状況が似ていて、俺は笑いを漏らす。


 「ふはっ――ッ!?」


 全身の皮膚が痛む。

 どうやら身体のあちこちが火傷しているらしい。

 

 まわりを見ると、黒焦げになった死体が転がっていた。

 …フレヴィさん、容赦ねえな。

 まぁ、人殺しとか言ってられない殺伐とした世界なんだろうけど。


 俺も黒焦げになったのだろうが、回復したのだろう。

 恐るべき、吸血鬼。


 俺は何とか起き上がる。


 「えっと…どれくらい時間経った?」


 「一時間くらいですかね」


 結構時間が経っているようだった。

 最も、俺も盗賊動揺、一度黒焦げになったはずだから当然か。


 しかし、俺は一度死んだはずだ。

 回復能力は死からも回復するという事なのだろう。

 たしか、心臓をやられない限り平気なんだっけか。

  

 そういえば。


 「フレヴィ、思いのほか冷静だな」


 「どういう事ですか?」


 「いや、一応フレヴィの魔法で俺は焼き尽くされたわけだからさ。狼狽したり落ち込んだりしてるかな、と心配しただけだ」


 「別に回復するし、良いじゃないですか?」


 フレヴィは笑顔でそう答える。

 何この子、意外とドライ。


 「はは…そうだな…」


 俺は苦笑いで返す他ない。


 そういえば、馬車の商人さんはどうなったのだろう。

 ふとそう思ってそちらを向くと、商人は化け物でも見るかのような目でこちらを見ていた。


 まあ、当然だな。


 「えっと…あの人はどうする?」


 「口止めはした方が良さそうですね」


 そう言ってフレヴィは商人の方へ向かい、何やら話し出す。

 商人が滅茶苦茶ビビってるのが見て取れた。 


 うん、やっぱフレヴィさん容赦ないな。

 風呂場の時、よく俺が無事だったものである。

 問答無用で殺されなくて良かった。


 そう思いながら、俺は交渉(?)しているフレヴィを眺めた。


焦って書いた為、文章がいつもより読みにくかったかもしれません。

以後気を付けたいです。


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