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その後
美月は完全に回復し、僕たちは高校を卒業した。
大学では同じ学部に進み、いつも一緒に過ごしている。
時々、美月は言う。
「あの時の夢、本当に夢だったのかな?」
「どうだろうね」
「でも、あの夢があったから、現実の大切さが分かったの」
「俺も同じだよ」
僕たちは手を繋いで、キャンパスを歩いている。
現実世界は完璧じゃない。でも、愛する人と一緒に歩んでいく道のりは、どんな仮想世界よりも美しい。
あの赤い月の夜は、僕たちに本当の愛を教えてくれた。
仮想の恋は、現実の愛に変わったのだ。