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平凡な高校生の俺が異世界召喚イベントをスルーしたら3つの世界からお迎えが来ました  作者: 六角真茅
魔王討伐の旅のお供は軍人、召喚士、村の騎士
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scene2

まずは『はじまりのまち』への道中イベントでも書こう……イベントは何だ?


「あ?ねぇよそんなもん」

「? 佐藤、なに急にブツブツ呟いてるんだ」

「冒頭に困って一行目から遊んでる馬鹿がいたんだよ、分かれ」

「分からん」


草原から山道に入り、はじまりのまち的な代物のゲートを発見した。以上

イベントなんてなかった。


「……あれは、検問?」

「みたいですねぇ。私が知ってるRPGはセキュリティなんて皆無で、他人の家に押し入ってベッドを占領しようが、家に置いてあったアイテムをかっぱらおうがお小言一つ貰わない世界なんですがねぇ、検問なんて正直意外です」

「現実でやったらただの空き巣だろう、それは」

「もう、桜庭ちゃんはマジメですねぇ。例えですよ例え」

「ま、別に検問くらいいいんじゃねぇの?やましいことした訳じゃないんだし」

「既に数名並んでいるな、面倒くさい。まあいい、私たちはここでは(、、、、)何もしていないしな」

「……何もしてないけど、私たちの服装は……」

「「「あ」」」


学生服(夏服)が一名に軍服が一名。ローブと鎧が1人ずつ。

後半はともかく、前の2人の服装が浮きまくっている


「桜庭、大丈夫かね、俺ら」

「知らん、乗り込め」

「わぁい^^」


思いっきり不審者を見る目で見られた。


「おたくら、大道芸人か何かか?」

「違う!何をどうすればそう見える!?」

「いや、そんな変な服着てるやついないもん」

「ぐぅッ……!」

「まさか、お前さん達、魔王軍の手先ではない、よな……?」


門番と不審者①が言い争う(というよりも桜庭が一方的に詰め寄る)中、佐藤一郎という名前の不審者②は考えた。無いに等しい脳みそをフル回転させて考えた。その結果、


「Ohオニーサンいい観察眼だネー。俺たち4人、芸で稼ぎながら全国旅してんだヨー」


相手の誤解に便乗する高校生。


「(うわぁ、ちょび髭あたりが似合いそうな胡散臭さですよぉ……)」

「(演技力はあるんだな、あいつ)」


佐藤は胡散臭い口調のまま尋ねる。ぶっちゃけ、魔王軍が何なのかすらよく分からないが、ノリで何とかしよう思ったらしい。


「で、ニーサン。魔王軍の連中はこの辺でも何かやらかしたのかい?俺たちは旅から旅の根なし草でネ、この辺の噂には疎いわけヨ」

「ああ……何を思ったのか奴ら、この町の北口の郊外に居を構えやがってな。新人の冒険者の多くがまともに町の外に出れなくなってんだよ」

「Oh!それは大変そうだナ~。冒険者が、ネェ」

「ま、さすがにまずい状況だからな。俺たちも大陸全土から冒険者から冒険者を募集したんだ。お前さんたちの前にも並んでるやつがいたろ?あいつらも冒険者になるためにここまで来たらしい」

「ナルホド~。俺たちはただ芸をするためにここまで来ただけなんだけどォ……ニーサン、冒険者ってのは、大道芸人でもなれる代物なのかい?」

「まあ、可能だと思うが。じゃあ、とりあえずお宅らは冒険者志望ってことで登録していいのかい?」

「それでいいヨHAHAHA」

「うむ……じゃあ、通ってよし。強制はしないけど、冒険者になるならその変な服装は改めることを勧めるぜ」

「善処するヨHAHAHA!」

「で、お宅ら名前は?」

「佐藤一郎」

「む……桜庭遥だ」

「アレクサンドラ・コストマロヴァでぇす」

「……リン」

「分かった。ま、達者でな」


何とか町のゲートをくぐることに成功した4人。しばらくして、佐藤はニヤリと笑って言った。


「ちょろいだろ?」

「はい!佐藤さんもめっちゃ胡散臭かったです」

「……それ、褒めてないと思うの」

「リンが俺の考えていたことを簡潔丁寧に言ってくれたので、俺から言うことは特にないな」

「さて、佐藤が門番から引き出した情報からだと……冒険者?だったか。それになればここにいても文句は言われないわけだ」

「まあ、そういうのは町のギルドに行けば何とかなるって相場が決まってんだ。逝ってみようぜ」

「……漢字変換、間違ってる」

「ああ、書いてるやつがゲーム下手糞だから、よくこの漢字使ってるらしい」

「心の底からどうでもいい」

「でも、ギルドってどこですかぁ?こんな広い町から建物一つを探すのは簡単ではありませんよ」

「それなんだよなぁ…………ん?」

「……どうしたの?」

「何だ、こりゃ?」


佐藤は自分のこめかみを指で押さえ、


「いや、町の構造が勝手に頭の中に入ってくる(、、、、、、、、、)んだが」

「ごめん、もう一回言ってくださいな」

「だから、見てもいない町のどこに何があるかだとか、メインストリートやら裏道やら、そんな物の情報が勝手に頭の中になだれ込んできやがったって言ってんだよ……」

「……もしかして、『旅人』の次元の影響を受けているの?」

「え?」


この時、佐藤一郎の体は、自分が引きずり込んだ3つの次元の影響を受けていた。

今の佐藤は学生であり、同時に人型飛行兵器のパイロットの軍人であり、召喚士であり、そして旅人だったのである。

春イベ楽しいです(白目)

毎度毎度、何でこう投稿が遅いんですかね?

という訳で、気が付いたらこの作品、メインで書いてる小説よりも多くのアクセスを頂き、なんとブックマークまで頂いてしまった。ありがとうございます


いやぁ正直、本条ハルキよりも佐藤一郎の方が書きやすいんだよなぁ(小声)

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