四章『少年』
少年は語りかけてきた。
「お前達…ここの住人じゃないな?何処から来た」
それにはエルバが答えた。
「ああ!俺達は人間界から来た人間だ!」
少年はその答えに驚きを見せた。
そして、遠くでよく見えなかった顔がよく見えてきた。
つまり近寄ってきたのだ。
「人…間?何故だ…ありえん…」
イリーがこれまでの状況を説明した。
が、失敗に終わった。
「信じてくれ!」
「信じられん言葉を出しても無駄だ。ブラックウィンドの手先は始末する」
少年が言った事が気がかりになったザクセルが聞いてみた。
「待て!今ブラックウィンドと言ったな?お前、ホワイトソウルの奴か?」
少年はそれを聞いて再び驚いた。
「何故ホワイトソウルを知っている…」
「レベッカという少女から聞いたんだ!」
イリーも加勢し、叫んだ。
「レ、レベッカだと!?…そうかお前らあいつの仲間か」
少年の顔つきがこわばった顔から優しげな顔へと変わっていった。
「すまない、君達がブラックウィンドなワケが無いな。手先が昼間からここに来る筈が無い」
少年はやっと理解したようだ。
「やっと分かってくれたか」
エルバが安心して構えた体を直してため息をついた。
今考えてみるとこの少年のライトアームズが気になる。
イリーはそんな事を思っていた。
「すまなかった。僕はジュノー:モリス。ホワイトソウル団員です」
いつの間にか口調が丁寧になっていた。
その事に無駄な気をかけたザクセルはため息をついた。
その直後にジュノーが言った。
「ところで、何故貴方達はサウスシティに?」
質問に探りなどは感じられなかった。
そこでザクセルが答えた。
「ああ、この世界について何か分かるのはこの街にある資料館だけだからな」
「良く知っていますね。それもレベッカから?」
「ああ」
少しの間皆が口を噤む。
沈黙を破ったのはジュノーだ。
「僕はこの世界の人間ですから、何でも聞いてください。それと…」
ジュノーが顔をイリーに向けた。
「その地図は役に立つので、絶対離さない様に」
見抜かれていたと思うとイリーは驚きを隠せなかった。
思い切り顔にも出ていた。
「では、資料館に行く必要は無いですね」
「ちょっと待て」
背を向けたジュノーにエルバが声をかけた。
「何故だ」
「…僕が居れば、この世界の事なんてわざわざ資料を見る必要も無い、って事ですよ」
ジュノーは向けた背を再び返してこちらを向いて言った。
「…確かに、そうだと思うわ」
ミルも同意した。
「…分かった、だが、武器調達くらいはさせてくれるだろ」
「いいでしょう」
そして、サウスシティの中心部に入った。
「ここで、銃器を集めると良いでしょう。刀類はこの世界では全く役に立ちませんよ」
ジュノーが銃専門店の入り口で言った。
店は外から見てもなかなかの品揃えだった。
「いらっしゃい!」
店員が声をかけた。
「あ、金銭はトラブルが発生しないように僕が支払います」
と、小声でジュノーが言った。
皆は、人が「銃」というイメージだけで書くようないたってシンプルな9ミリの銃器を選んだ。
「調達はこれでいいですか?」
とジュノー。
「ああ、これだけで十分だろ」
銃器の他にも、ホルスターや弾をいくらか買った。
値段の心配は無用だったので、ガンガンと買った。
「これでいいだろう」
ザクセルが言うと、ジュノーが分かったと言う顔をして会計に向かった。
残った四人は先に外に出るようにした。
しばらくするとジュノーが出てきた。
「安いモンです」
どうやら話によると、ホワイトソウルかブラックウィンドの人間はほとんど半額らしい。
「これからどうします?皆さんは」
その質問に答えたのはイリーだった。
「僕らはとりあえず、ホワイトソウルの本拠地に行ってみたい」
「それがいい。一番安全だ」
ザクセルが付け足した。
「では、本拠地に行きましょうか。本拠地は、イーストシティですよ」
一向はさっきまで乗っていた車の場所へと向かった。
「では向かいましょう」
こうして、本拠地、イーストシティへと向かった。
肩が痛いです…
がんばります。