プロローグ
あなたは何を望む?
富?
名声?
悲しみ?
怒り?
憎悪?
力?
それとも…
戦い?
違うのかい?
だったら…あなたは何を望むのかな?
…人?
愛する人?
へぇ…
なら、いまここで戦っている彼は…あなたとそっくりだ
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「うぉぉぉぉ!」
一人の青年が一人の男と戦っている。
「チィッ!」
青年は刀を持っている。
男の方は光を発する剣だ。
今、青年の刀が男の肩をかすめた。
「許さねぇ…てめぇっ!」
青年の刀は鋭く、早い。
確実に男の体力を削っている。
「何だ…このすさまじい気迫は?」
男の光る剣が青年の首に向けられる。
「くっ!」
「ここまでだな…ガキ!」
男は剣を振りかざす。
が、青年はそれを刀で受け止めた。
「なにっ!」
「負けねぇぞ…」
刀で剣を弾き返した青年は、そのまま後退する。
「…ここまでか」
男が呟いた。
「今回は見逃してやるが、次は容赦せんぞ」
男はそういい、光る剣を消して走っていった。
「ま、待ちやがれ!」
走ろうとする青年を近くに居た女性が止めた。
「待って!今は休憩を取ったほうがいいわ」
「…あ、ああ…」
彼(青年)の名前は、イリー:ザイル。
近くの女性は、ミル:イルク。
「イリー、彼女は生きてるわ。焦らないで」
「分かってるよ、ミル。だけど…」
気持ちは分かるが、今は休めと言いたそうにミルが睨む。
「わ、分かったよ…」
そもそも、この世界に放り込まれたのはワケがある。
またまた新連載です。
結構書いたものが溜まっていますが、頑張ります。