第4章 知識と技術の奪還
俺はセーラの話を聞き終え、空になったグラスを置いた。 セーラはまだ「聞くだけ」と言われたことを守り、自分から「復讐したい」とは口にしない。だが、その魔力は彼女の感情に呼応して、静かに、そして激しく渦巻いていた。
「知識の独占か。なら、独占する『知識』そのものがなくなれば、あいつらもただの老人だな」
俺はセーラに向かって不敵に笑った。彼女の復讐は、必ずしも血を流すことだけじゃない。「賢者の塔」がその権威の拠り所としているものすべてを、根こそぎ奪ってやるのが一番堪えるはずだ。
「セーラ、案内しろ。お前が欲しかった資料も、奴らが隠し持っている禁忌の書も、魔晶石も……一枚の紙、石ころ一つ残さず『回収』してやる」
賢者の塔:静かなる略奪
俺たちは「テレポート」で、大陸北部の険しい山脈にそびえ立つ「賢者の塔」の最上階へと跳んだ。 高度な探知結界や自動防御魔法が張り巡らされているが、今の俺の「空間把握(神級)」と「ディスペル」の前では、ただの薄紙も同然だ。
「いい? ミノル。この塔の地下三階から地上十階まで、すべてが書庫なの。特にお目当ては最深部の『禁忌書庫』よ」
セーラが興奮を抑えきれない様子で指示を出す。
「ああ、分かっている。歩いて回る必要すらない」
俺は塔の中心で目を閉じ、魔力を全域に浸透させた。 「空間把握」で塔内のすべての「物質」を特定し、魂や生命を持たない「無機物」……すなわち本、巻物、魔導具、魔晶石、さらには壁に刻まれた魔法陣の触媒である金粉に至るまで、すべてをターゲットにロックした。
「……アイテムボックス、全開。……『空間一括収納』」
一瞬の虚無
シュンッ……! という、空気が吸い込まれるような音が一度だけ響いた。
次の瞬間。 数万冊の魔導書で埋め尽くされていた棚は空っぽになり、台座に飾られていた伝説の魔導具は消え、研究室の机の上のペン一本、インクの一滴すらも消滅した。
塔の中にいた老賢者たちは、自分が読んでいた本がいきなり手の中から消え、座っていた椅子(魔導具)が消失したことで、床に尻もちをついた。
「な……何が起きた!?」 「本が……私の研究記録が……すべて消えたぞ!?」
阿鼻叫喚の叫びが塔内に響き渡るが、俺たちは姿を隠したままだ。
リザルト
俺たちの「アイテムボックス」の中には、今や一国の国家予算を数百年分注ぎ込んでも買えないような「人類の叡智」が山脈となって積み上げられている。
賢者の塔の全資料(魔導書、魔導具、素材)の完全回収に成功しました。 経験値を獲得しました。
「……ミノル、本当にやっちゃうなんて。あはは! 見て、あの賢者たちの顔! 知識を失って、ただの抜け殻じゃない!」
セーラは涙を流して笑っている。 彼女が長年、血の滲むような思いで積み上げ、そして奪われた研究も、今すべて俺の手元にある。
名前:ミノル(新川 稔) レベル:66(限界突破) HP:75,000 / 75,000 MP:100,000 / 100,000
【新規取得】
超高速解析:回収した膨大な資料を一瞬で読み解き、自分の知識にする。
「さて、次はこれをどう料理するかだ。……セーラ、この山のような知識、お前の好きに使っていいぞ。新しい拠点に『真・賢者の塔』でも建てるか?」
「……知識だけ抜いて終わりだと思ったか?」
空っぽになった書庫の真ん中で、腰を抜かして震えている老人たちを見下ろしながら、俺は冷たく言い放った。 「セーラ、お前の人生を奪い、知識を私物化して停滞を招いたこの老害どもに、余生を過ごす権利なんて必要ないだろ」
セーラは一瞬目を見開いたが、すぐに口角を吊り上げた。 「……ええ。彼らが一番恐れていたのは『知識の消失』。でも、その次に恐れるべきは『因果応報』よ。……ミノル、やって」
賢者の塔:老賢者たちの終焉
俺は「念動」を使い、逃げ惑う老人たちを一人残らず塔の中心広場へと引きずり戻した。かつて彼らがセーラを糾弾し、その資格を剥奪した「審判の間」だ。
「自分たちの権威を守るために、どれだけの才能を殺してきた? お前らが独占していたのは知恵じゃない。ただの『腐敗』だ」
俺は指先を向け、新魔法「フレア」の術式を、今度は広域ではなく「個体指定」で多重起動させた。
「……『指向性極小フレア・連撃』」
ドォォォォォン!!という重低音とともに、一人一人の老人の足元から白銀の火柱が立ち昇る。 彼らが自慢していた防御魔法も、使い古された古い理論の結界も、俺のレベル66の魔力の前では霧散した。
「ぎあぁぁぁ! 我々の知識が、権威があぁぁ!」 「助けてくれ、セーラ! 君の理論は認める、だから――」
「今更遅いわよ。……さよなら、魔法の歴史を止めていた化石たち」
セーラの冷徹な言葉とともに、炎はすべてを飲み込んだ。 誇りも、虚栄心も、そして醜い老体も。すべてが熱量へと変換され、この世界から跡形もなく消え去った。
賢者の塔・上層部(老賢者および幹部)を完全に殲滅しました。 経験値を獲得しました。 レベルがアップしました。
「……ふぅ。これで、この大陸の魔法の進歩を妨げていた『壁』はなくなったな」
名前:ミノル(新川 稔) レベル:67(UP!) HP:85,000 / 85,000 MP:110,000 / 110,000
知識は俺のアイテムボックスに、そしてそれを阻んでいた者たちは灰に。 賢者の塔は、今はただの「巨大で空っぽな石の筒」と化した。
「ミノル……最高よ。なんだか、今までで一番頭が冴え渡ってる気がするわ」 セーラは晴れやかな顔で、俺の腕に抱きついてきた。
「……まだ、空気が濁っているな」
老人たちは消したが、この塔の隅々には彼らの腐った思想に染まり、セーラを嘲笑った「悪党」の弟子や協力者たちがまだ隠れている。「鑑定」を広域展開すると、壁の裏や隠し通路で震える卑小な反応がいくつも浮かび上がった。
「一人残らずだ。セーラを苦しめた連中の血で、この塔の汚れを洗い流す」
俺は「念動」と「空間把握」を組み合わせ、塔内に潜む悪党たちを強制的に排除……ではなく、その場で「圧縮」し、肉体ごと消滅させた。慈悲など微塵もない。文字通りの「根絶やし」だ。
新魔法の開発:天災の具現「四重暴風」
悪党を掃除し終えた俺たちは、塔の外へと出た。 「知識は抜いた。悪党も消した。……なら、この『独占の象徴』そのものも、この世から消してやる」
俺は空中に浮遊し、MPを40,000注ぎ込んで大気の流れを完全に支配下に置いた。イメージするのは、逃げ場のない「風の牢獄」であり、すべてを細切れにする「見えない刃」だ。
「セーラ、ルナ、離れてろ。……吹き飛ばすぞ」
俺の指先から、四つの異なる「暴風」が生まれ、巨大な塔を包囲するように展開された。
【新規取得魔法:天災魔法(大気系)】
タイフーン:広域の気圧を操作し、周囲を絶望的な暴風雨に叩き込む。
サイクロン:中心部に向かってあらゆる物質を吸い込み、粉砕する渦。
ハリケーン:超高速の突風で、構造物を「面」で押し潰す。
トルネード:一点突破の巨大な竜巻。地盤ごとねじり上げる。
「これらすべてを重ねる。……『クアドラプル・ディザスター』!!」
激突。 タイフーンが塔を揺らし、ハリケーンが外壁を剥ぎ取り、サイクロンが瓦礫を吸い上げ、そして中心で猛り狂うトルネードが、数千年の歴史を持つ「賢者の塔」を地盤ごと天高くへと引き抜いた。
「……あはは! 凄い、凄いお掃除ね、ミノル!」 セーラの歓喜の叫びが暴風の中で響く。
巨大な石造りの塔は、空中で四つの暴風に揉まれ、まるで紙屑のように細かく、文字通り「塵」へと粉砕された。後には、かつて塔があったことすら疑わしいほどの深いクレーターが残るのみ。
賢者の塔に潜む悪党の生き残りを完全に殲滅しました。 「天災魔法」により、賢者の塔を構造物ごと完全に粉砕・消滅させました。 膨大な経験値を獲得しました。
「……ふぅ。これで空気が美味くなったな」
名前:ミノル(新川 稔) レベル:70(限界突破) HP:100,000 / 100,000 MP:150,000 / 150,000
【称号:天災を統べる者】
レベル70。MPはついに15万の大台だ。 俺は崩壊した跡地を一瞥し、仲間たちの方を向いた。
「さて、これで聖教国に続き、賢者の塔も消えた。次はカレンとルナ、お前たちの番だ。……エルフの里だったな。あそこも、これくらい『風通し』を良くしてやるよ」
カレンは爆乳を揺らしながら不敵に微笑み、ルナはその豊潤な腰をくねらせて俺の隣に並んだ。
「賢者の塔」が塵となり、空に舞った灰が消えるのを見届けてから、俺たちは拠点のテラスへと戻った。
レベル70に到達した俺の感覚は、もはやこの世界の理そのものを掴みかけている。だが、そんな力よりも今は、隣に座るカレンとルナの「心の刺」を抜くことが先決だ。
「カレン、ルナ。……次は、お前たちの番だ。エルフの里で何があったのか、全部話してくれ。……聞くだけだ。今はな」
俺がそう促すと、二人は顔を見合わせ、重い口を開いた。
カレンの過去:血統という名の呪縛
「……私は、人間とエルフのハーフ。ただそれだけの理由で、里では『不浄の種』と呼ばれていたわ」
カレンは自慢の長い足を組み替え、自嘲気味に笑った。
「エルフの里『シルヴァニア』は、純血主義の塊よ。ハーフの私は、どれだけ斥候としての才能があっても、里を守るための『使い捨ての道具』としてしか扱われなかった。私の超嗅覚も、彼らにとっては『獣の血が混ざった証拠』でしかない。……最後は、私が手に入れた希少な魔晶石を長老たちが横領し、それを指摘した私を『盗みの罪』で追放したの」
彼女の瞳には、森の静寂を憎むような激しい色が宿っていた。
ルナの過去:美貌への嫉妬と「禁忌」のレッテル
続いて、ルナがその豊潤な胸元をなぞりながら、ため息とともに語り出した。
「私はね、ミノル様。里で一番の魔導具師だったの。でも、私の作る道具は『効果が強すぎる』『造形が扇情的すぎる』って、保守的な長老たちに目をつけられて……」
彼女の才能は、エルフの伝統的な魔法体系を根底から覆すものだった。
「彼らは私の美貌を『若者を惑わす毒』だと蔑み、私が開発した便利な道具をすべて『禁忌』に指定して没収したわ。その挙句、私に『精霊を冒涜した淫婦』なんて汚名を着せて、里の広場で魔力を封じて追放したのよ。……あの時の長老たちの、ねっとりした嫉妬の視線……今思い出しても吐き気がするわ」
ルナの腰が怒りで細かく震え、周囲の空気が彼女の魔力に反応してピリピリと放電を始める。
二人の共通点:腐敗した「長老会」
「結局、あの里を牛耳っているのは、数千年生きて思考が石化した『長老会』なのよ。自分たちの権威を脅かす新しい才能も、混ざり合う新しい血も、すべて『悪』として排除する……」
「ええ。彼らは森の精霊に守られていると自惚れているけれど、実際は精霊を檻に閉じ込めて、その力を搾取しているだけ。……あんなの、森の癌細胞でしかないわ」
二人の話を聞き終えた俺は、静かに拳を握った。 聖教国、賢者の塔、そしてエルフの里。どこもかしこも、上に立つ老害どもが若い芽を摘み、私欲を「正義」や「伝統」で塗り固めている。
「……ハーフを道具扱いし、才能と美貌を嫉妬で踏みにじったか。おまけに精霊まで私物化しているとはな」
俺のMPが、彼女たちの怒りに呼応するように静かに、そして深く脈打ち始めた。
「ハーフを道具にし、才能を嫉妬で縛り、精霊を私物化する……。その腐りきった『伝統』ごと、長老会を引きずり出してやる」
俺たちは迷うことなく、エルフの里「シルヴァニア」へと跳んだ。 里は幾重もの迷いの霧と、精神を狂わせる強力な隠蔽結界で守られていたが、レベル70に達した俺の「空間把握(神級)」の前では、道なき道が赤裸々に映し出される。
「カレン、ルナ。……準備はいいな。お前たちを縛っていた古い鎖を、今ここで粉砕する」
エルフの里:静かなる強襲
俺は「念動」を極限まで圧縮し、里を包む巨大な大樹の結界に、目に見えない「楔」を打ち込んだ。
「……『空間固定』」
ピシリ、と空間にヒビが入るような音がした瞬間、里を守っていた霧が晴れ、中央にある「長老会の議事堂」が姿を現した。
「な、何事だ! 我らが聖域を侵す不届き者は――!」 「精霊の加護が……消えた!? 馬鹿な!」
慌てふためき、議事堂から出てきたのは、豪華な法衣に身を包み、傲慢さと虚栄心を煮詰めたような顔をした12人の長老たちだった。
「カレン……! それに淫婦のルナ! 貴様ら、どの面下げて――」
一人の長老が杖を掲げ、カレンを指差して罵倒しようとした瞬間、俺は指先を動かした。
長老会・全員拘束
「……黙れ。お前たちの不快な声を聞きに来たわけじゃない」
俺は新しく構築した拘束魔法を起動させた。単なる物理的な拘束ではない。対象の全関節と、魔力の流れ、さらには発声器官すらも「固定」する、逃げ場のない檻だ。
【取得魔法:念動応用】
次元の鎖:対象を空間そのものに縫い付け、自死すら許さない絶対的な拘束を行う。
「がっ……あ、あぁ……!?」
12人の長老たちは、まるで目に見えない巨大な手に握りつぶされたかのように、宙に浮いたまま硬直した。手足は不自然な角度で固定され、魔力を練ろうとしても、俺の鎖がその魔力を瞬時に「徴収」して霧散させる。
「ルナ。……こいつらが、お前の魔導具を奪い、汚名を着せた奴らだな?」 「ええ……。その中心にいる、一番偉そうなのが最高長老のゼノスよ。私の研究を『淫らだ』と言いながら、裏で全部自分のコレクションにしていたわ」
ルナが冷たい瞳で、震える老人を見下ろす。
「カレン。……お前を使い潰そうとした連中だ。逃がさないように、一人ずつ俺が『ロック』してある」 「……ありがとう、ミノル。……さあ、ここからが本当の『お話』の時間よ」
エルフの里・長老会全員(12名)の身柄を完全に拘束しました。 経験値を獲得しました。
里のエルフたちは、自分たちが神聖視していた長老たちが、ただの無力な老人として宙に吊るされている光景に、言葉を失い立ち尽くしている。
「さて。まずは全員の身柄は確保した。……だが、こいつらだけじゃないはずだ。里の中で甘い汁を吸っていた『悪党』の選別を始めるぞ」
「……長老会だけじゃない。この里の土壌そのものが、腐った根に侵食されているな」
俺は拘束した長老たちを宙に吊るしたまま、さらに魔力を練り上げた。レベル70の「空間把握(神級)」と、進化した「万物鑑定(神級)」を並列起動させ、シルヴァニアの全域を網羅する超広域サーチを開始する。
「一人も漏らさない。長老の腰巾着としてカレンを虐げた者、ルナの技術を盗み見て嘲笑った者……表向きは清廉潔白を装いながら、裏で私欲に溺れた『悪人』すべてをな」
シルヴァニア全域サーチ:悪意の選別
俺の魔力の波動が、森の木々や建物を透過し、里に住む数千のエルフたちの深層意識と過去の行動ログを強制的に暴いていく。
「……見つけた。地下の秘密私庫でルナの魔導具を愛でている強欲な神官、カレンを罠にハメて笑っていた元同僚の斥候たち、そして、長老の不当な命令を喜々として実行していた実行犯ども……」
俺の視界の中で、里のあちこちに点在する「悪意の反応」が赤くハイライトされていく。その数、数百名。
「……逃がさん。……『次元の鎖』」
里の悪人・一斉拘束
パチン、と指を鳴らした瞬間。 里のあちこちで悲鳴が上がった。
民家の隠し部屋から、訓練場から、そして華やかな並木道から。赤い反応を示した悪人たちが、目に見えない鎖によって強引に引きずり出され、次々と中央広場へと「転送」されてくる。
「な、なんだ!? 身体が動かん!」 「助けてくれ! 私は何もしてな――」
問答無用。言い逃れなど「鑑定」の前では無意味だ。 数百人のエルフたちが、長老会と同じように「次元の鎖」によって手足と魔力を封じられ、広場の上空に巨大な「肉の塊」のように折り重なって吊るし上げられた。
エルフの里「シルヴァニア」に潜む全悪人を特定しました。 ターゲット総数、412名。全員の完全拘束を完了。 経験値を獲得しました。
「……壮観ね。里の『膿』がこれだけ溜まっていたなんて」 カレンが鼻をひくつかせ、蔑みの目を向ける。
「本当。……ミノル様、これで里の機能は完全に停止したわ。残っているのは、何も知らずに怯えている一般市民か、私たちが追放されるときに密かに涙を流してくれた数少ない善人だけよ」 ルナが俺の腕に寄り添い、冷たく笑った。
名前:ミノル(新川 稔) レベル:71(UP!) HP:110,000 / 110,000 MP:180,000 / 180,000
レベル71。MPは18万に到達した。 広場の上空には、絶望と恐怖に顔を歪めた悪党たちの「林」ができている。
「……全員殺すのは簡単だが、それじゃあこの里にこびりついた『腐敗』の根は変わらないな。カレン、ルナ。こいつらをただのゴミとして焼く前に、里の連中全員に、自分たちが何を崇めていたのかを正しく理解させてやろう」
俺は「事象改変」を使い、広場の中央に巨大な「断罪の円形裁判場」を瞬時に作り上げた。そして、宙に吊るしていた長老会12名と、400名を超える悪党どもを、逃げられないように結界を張った被告席へと叩き落とした。
「セーラ、塔から回収した魔導具の中に『真実を映す鏡』の術式があったな。それを空中に投影しろ。カレンとルナが受けた仕打ち、こいつらが裏で啜っていた甘い汁……すべてをこの里の国民に開示する」
エルフの里:白日の下の断罪
俺は「念動」で、怯えながら遠巻きに見ていた数千人の一般エルフたちを、強制的に裁判場の傍聴席へと集めた。
「エルフの国民ども、よく聞け! 今日ここで行われるのは、お前たちが『守護者』と仰いできた者たちの皮を剥ぐ、真実の裁判だ。裁くのは俺じゃない、被害者であるカレンとルナ、そして真実を知ったお前たち自身だ」
セーラの魔法によって、空中に巨大な映像が浮かび上がる。
最高長老ゼノスが、ルナから奪った魔導具を自室で愛でながら、彼女を陥れる計画を練っていた醜悪な笑顔。
カレンが命懸けで持ち帰った獲物を、元同僚たちが嘲笑いながら横領し、彼女を「不浄」と罵る工作を行っていた現場。
地下に閉じ込められた精霊が、長老たちの私欲のために魔力を吸い取られ、枯れ果てていく悲痛な叫び。
「な……なんてことだ……! 私たちは、あんな連中を信じていたのか!?」 「カレン様……ルナ様……私たちはなんて酷いことを……!」
真実を突きつけられた国民たちの間に、衝撃と、そして激しい怒りが燃え広がっていく。
判決の時
「……さあ、国民ども。お前たちの『伝統』を汚し、同胞を傷つけ、精霊を弄んだこいつらに、どんな罰が相応しいと思う?」
俺は拘束魔法を一部解き、被告たちが国民の怒りの声を直接聞けるようにした。 「殺せ!」「精霊の糧にしろ!」「二度と日の目を見せない地下牢へ叩き込め!」
怒号が地鳴りのように響く。もはや、長老たちに味方する者は一人もいない。
エルフの里「シルヴァニア」にて公開裁判を挙行。 長老会と悪党たちの罪状を完全に暴き、国民の支持を得ました。 経験値を獲得しました。
「……ミノル様。胸のつかえが、少しだけ取れた気がします。……でも、こいつらに死という安らぎを与えるだけじゃ、まだ足りないわ」 ルナが冷たく、だが確かな意思を持って長老たちを見つめる。
「ええ。死ぬまでこの里の底辺で、私たちが味わった屈辱と、自分たちが犯した罪の重さを噛み締めさせるべきよ」 カレンもまた、静かな怒りを燃やしていた。
名前:ミノル(新川 稔) レベル:72(UP!) HP:125,000 / 125,000 MP:210,000 / 210,000
レベル72。MPは21万。 俺たちの影響力は、もはや一国の王すら平伏させる次元に達した。
「……決まりだな。死よりも重い、永劫の贖罪を与えてやる」
俺は裁判場の中心で、天高く右手を掲げた。 絶叫し、命乞いをする長老ゼノスと412名の悪党ども。その頭上に、巨大な魔力の渦を発生させる。
1. 魔力の完全剥奪
「お前たちが権威の拠り所にしていた魔力……すべて俺が引き抜いてやる。二度と魔法も、精霊の加護も受けられない『空っぽの器』になれ」
俺は新魔法「魔力徴収(神級)」を最大出力で発動した。 被告席から、赤黒い魔力の奔流が噴き出し、俺の掌へと吸い込まれていく。長老たちは見る間に老け込み、肌は枯れ木のようになり、魔力を失ったショックで地面を這いつくばった。
2. 精霊への糧
「奪い取ったこの膨大な魔力……。俺がもらうんじゃなく、お前たちが傷つけた精霊にすべて返してやる」
徴収した魔力を俺の「精製」で純化し、里の心臓部である「精霊の大樹」へと流し込む。 同時に、拘束された悪人たちの「生命力」の一部を、精霊の苗床へと繋ぎ止めた。彼らは死ぬことも許されず、一生をかけて自らの生命エネルギーを精霊に捧げ続ける「生ける肥料」となったのだ。
3. 里の再建:新たな「シルヴァニア」
枯れかけていた大樹が眩い光を放ち、一瞬で瑞々しい緑を取り戻す。里全体に、かつてないほど清浄な魔力が満ち溢れた。
「エルフの国民ども! 長老会は消えた。今日からこの里を導くのは、お前たちが追い出した、この二人だ」
俺はカレンとルナを壇上へ上げた。 「……ミノル様。……みんな、これからは血筋や伝統なんて言葉で、誰かを傷つけるのは終わりよ。私たちは、新しい魔法と、本当の共生の道を歩むわ」(ルナ) 「鼻が曲がるような腐った匂いはもうしない。……これからは、美味い飯と自由な風が吹く里にするわよ」(カレン)
国民たちは、かつての非礼を詫びるように跪き、新たな指導者の誕生に歓喜の声を上げた。
エルフの里「シルヴァニア」の腐敗を完全に浄化しました。 悪党の魔力を剥奪し、精霊の糧としての永劫の贖罪を課しました。 里の指導者にカレンとルナが就任。ミノルとの強固な同盟が結ばれました。
名前:ミノル(新川 稔) レベル:75(限界突破) HP:150,000 / 150,000 MP:250,000 / 250,000
【新規称号:精霊の守護神、救国の王】
レベルは75。MPは四半世紀分の魔力に相当する25万。 聖教国、賢者の塔、そしてエルフの里……大陸を歪めていた主要な勢力はすべて俺の手で「掃除」された。
「……ふぅ。これでようやく、ゆっくりと『里の再建祝い』の料理が作れるな」
俺は「事象改変」を使い、里の広場に巨大な石造りのオープンキッチンを創造した。 ガルドが鍛えた伝説の鍋、セーラが解析した古代の調理法、カレンが嗅ぎ分けた極上のスパイス、そしてルナが魔導具化した最高級の食器。
再建の始まったエルフの里「シルヴァニア」に、穏やかな夕闇が訪れる。 黄金色に輝く精霊樹の下、俺たちはガルドが自ら打った巨大な鉄板を囲み、最高級の肉を焼きながら、まだ語られていない「残り二人の過去」に向き合うことにした。
「ガルド、タイガ。……聖教国、賢者の塔、そしてこの里の長老会も片付いた。次は、お前たちの番だ。……何があったのか、聞かせてくれ」
俺がそう言うと、豪快に肉を喰らっていたタイガの手が止まり、ガルドは愛用の槌を傍らに置いて、深く重いため息をついた。
ガルドの過去:技術の収奪と「黒の商会」の罠
「……わしの過去は、ドワーフの誇りを踏みにじられた泥塗れの歴史だ」
ガルドは、皺の刻まれた武骨な手を焚き火にかざした。
「わしはかつて、ドワーフの王都で『神の指先』と呼ばれる彫金師であり、鍛冶師だった。だが、隣国の軍事国家『ガレリア帝国』と繋がる巨大な『黒の商会』が、わしの打ったオリハルコンの武具を大量生産しようと持ちかけてきた。わしは断ったよ……武器は人を守るものであり、侵略の道具じゃないとな。……それが、破滅の始まりだった」
商会はガルドに「偽造工作」を仕掛けた。 彼が打ったとされる剣が戦場で折れ、高名な騎士が命を落としたという嘘の証言を捏造し、ガルドを「稀代の詐欺師」としてギルドから追放。さらには彼の工房を「賠償」の名目で全て差し押さえ、ガルドの編み出した秘伝の技術書を強奪したのだ。
「奴らは今、わしの名を使って、粗悪な、だが殺傷力だけは高い武器を帝国の兵士に売り飛ばして暴利を貪っておる。……ドワーフの魂を、金に変えおって」
タイガの過去:白虎の血筋と「人間兵器」への改造計画
タイガは焚き火を見つめたまま、低く、唸るような声で続けた。
「……俺の部族、白虎族は……『ガレリア帝国』の実験場にされた」
かつて大陸最強の武勇を誇った白虎の獣人たちは、帝国の卑劣な奇襲と、特殊な魔導兵器によって捕らえられた。
「帝国の連中は、俺たちの強靭な肉体と魔力特性に目をつけたんだ。……同胞たちはみんな、生きたまま肉体を弄られ、自我を奪われた『人間兵器』として改造された。俺は、その『完成体候補』として選ばれ、奴隷商会に一時的に預けられていたところを、ミノルに拾われたんだ。……俺の家族も、仲間も、今も帝国の地下で『肉塊』として繋がれている……」
タイガの周囲の地面が、漏れ出した殺気でミシリとひび割れる。 「黒の商会」が金を稼ぎ、その金で「ガレリア帝国」が軍備を整え、獣人やドワーフを食い物にする。二人の敵は、この大陸で最も強大な軍事力を誇る「国家」そのものだった。
巨悪の正体:軍事帝国ガレリア
「なるほどな……。ドワーフの技術を盗んだ商人と、獣人を兵器に変える皇帝か。……趣味の悪い組み合わせだ」
二人の話を聞き終えた俺の胸に、静かな、だが極めて熱い「破壊衝動」が芽生える。
「ガルド、お前の技術は俺が取り戻してやる。……タイガ、お前の家族を弄んだ連中は、俺がこの手で『解体』してやるよ」
俺のMPが、レベル75の深淵から湧き上がり、周囲の空気を震わせる。 聖教国や賢者の塔は、まだ「権威」という化けの皮を被っていた。だが、次の相手は剥き出しの「暴力」と「技術」を誇る帝国だ。
ガルドとタイガ、二人の凄惨な過去を聞き届けたミノル。さて、どう動きますか?
「黒の商会」の資金源破壊: 大陸全土に広がる商会の拠点を、ミノルの「空間把握」で同時に特定し、一晩ですべての財宝(と盗まれた技術書)を「回収」する。
帝国軍事基地の「掃除」: タイガの同胞が囚われている帝国の研究施設へ乗り込み、改造を行っているマッドサイエンティストたちを「フレア」で焼き払う。
帝国首都への直接降臨: ガレリア帝国の王城の真上に拠点をテレポートさせ、レベル75の圧倒的な魔力圧で「降伏」か「消滅」かを突きつける。
「ガルドの技術を汚し、タイガの家族を売り飛ばして得た金か……。そんな血生臭い硬貨、この世に一枚も残しておく必要はないな」
俺は「鑑定」と「空間把握」を極限まで同調させた。 世界中に張り巡らされた「黒の商会」のネットワーク――本拠地から場末の出張所、果ては偽装した隠れ家まで、そのすべてを魔力の糸で繋ぎ止める。
「一人も、一銭も、逃がさない。……カレン、タイガ、準備しろ。今夜、この大陸から『商売』という名の略奪者が消えるぞ」
黒の商会:一斉処刑の夜
俺は「アイテムボックス」の機能を外部に拡張し、特定の魔力反応(黒の商会の紋章や契約書を持つ者)を自動で追尾する「広域殲滅陣」を構築した。
「セーラ、転移の座標を固定しろ。……行くぞ」
本拠地の崩壊: まずは帝都の隣にある巨大な商会本部。俺は姿を見せることすらなく、上空から「念動」で建物の強度をゼロにした。 「……崩れろ」 一言。巨大な石造りのビルが、中にいた幹部たちと共に砂の城のように自重で崩壊した。
幹部たちの末路: ガルドをハメた張本人である会長と重役たちは、俺の「空間断裂」で逃げ道を塞ぎ、タイガの前に引きずり出した。 「……俺の仲間を『商品』と呼んだのは、お前か?」 タイガの怒りの拳が、彼らの腐った欲望ごと、その肉体を粉砕した。
全拠点の同時掃討: 大陸全土に散らばる支店。俺は新魔法「サイクロン」を、各拠点の座標に「極小・超高圧」で一斉に発生させた。 外からは一瞬、建物が歪んだように見えるだけだ。だがその内部では、悪党たちが金貨や帳簿と共に、分子レベルまでズタズタに切り刻まれている。
技術の奪還と資産の回収
「ガルド、お前の技術書……今、返してやる」
俺は「アイテムボックス」へ、商会が溜め込んでいた全財産と、ガルドから盗んだ秘伝書、そしてタイガの同胞に関する実験データを「回収」した。
「黒の商会」全拠点(計1,280箇所)を完全に破壊。 構成員および協力者、計8,500名を全員殲滅しました。 没収資産:金貨10億枚相当、希少鉱石、古代遺物多数。 経験値を獲得しました。
「……ガハハ! これだ、わしの魂がこもった本物の記述だ! ミノル、礼を言うぞ!」 ガルドが涙を流しながら、取り戻した技術書を抱きしめる。
「……次は、帝国だ。俺の家族を待たせるわけにはいかない」 タイガの瞳には、黒の商会を潰した程度では収まらない、静かな怒りの炎が燃え続けている。
ステータス・チェック
名前:ミノル(新川 稔) レベル:78(限界突破) HP:180,000 / 180,000 MP:320,000 / 320,000




