表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

大丈夫!

 どこまで私の人生は恵まれているのだろうか。


 優しい両親と、少し生意気だけど、本当は甘えん坊の妹。

 そして大好きな私の恋人、斎藤祐介君。


 こんな充実した生活を送れるなんて、よほど私は前世で善行をしたんじゃないかと思う程。


 祐介君と初めて会ったのは今から3年前。

 当時あまりにも勉強が苦手だった小4の私を心配した両親によって、なかば無理矢理通う事になった学習塾。

 そこで私は運命の出会いを果たした。


 その日も勉強について行けず、半泣きで塾から逃げるように帰ろうした時、入って来た祐介君とぶつかった。


『ごめんね大丈夫だった?』


『……好き』


『…え?』

 今思い出しても恥ずかしい、まさに一目惚れだった。

 それから週4回、真面目に塾へ通うようになった。

 もちろん祐介君と会う為。

 (よこしま)な理由だったかもしれないが、違う小学校に通っていた私にとって、祐介君に会う方法はこれしかなかった。


 頭の良い祐介君と、残念オツムの私では違うクラスで、同じ授業を受ける事は出来ない。

 だから自習室だけが、私にとって祐介君と会える唯一の空間だった。


 早い時間に授業を終え、そのまま自習室で祐介君が来るのをひたすら待ち続けた。


『こんにちは…』


『あ、また会ったね』

 これだけの会話をするのに一ヶ月も掛かってしまった。

 なんと私は初心(うぶ)だったんだろう。


 会話が出来るようになれば、しめたもの。

 自習室で雑談は出来ないし、ダラダラ時間を潰していたら追い出されてしまう。


 祐介君に勉強を教わるフリをしながら、次の会話へ繋げる日々。

 やがて自然な空気を作れるようになり、祐介君の事を沢山知り、益々恋に落ちて行った。


『祐介君、中学は何処に?』

 小五になったある日、祐介君に聞いた。

 彼が居るのは、私立中学進学コース。

 私も成績が上がったので、次は祐介君と同じ中学校に受験しようと考えた。


『仁成中学だよ』


『…そ、そうなんだ』

 頭がクラクラした。

 仁成中学といえば、名門中の名門でその名を知られていた。


『母さん、私もっと勉強頑張る』


『美愛?』


『だからお願い!』

 決意も堅く母に家庭教師を着けて貰えるよう頼みこんだ。

 一般家庭の我が家にとって、かなりの負担となったが、ここは譲れない。

 私が将来、素晴らしい旦那さんを連れて来る為だったから。


 努力の甲斐もあり、小6から私も祐介君と同じコースのクラスになれたのだった。


『君が祐介君?』


『は…はい』


『家の娘を宜しくね』

 その頃になると、私の行動が祐介君から来ていると両親も気付き、何回か言葉も交わすようになっていた。

 模擬試験も合格圏内に入り、これで将来は安泰と思っていたのだが…


『と…特進クラスのパンフレット』


『うん、先生に仁成中学の特進を勧められちゃってね。

 一応は目を通したんだ』


『へえ…凄いね』


 祐介君と私のお家で勉強をしている時、彼の鞄から見えた仁成中学特進クラスの特別パンフレット。

 それを見た瞬間目眩がした。

 仁成の特進といえば、偏差値70オーバー。

 私が富士山の頂きに手が届いたと思ったら、祐介君はチョモランマみたいな絶望感だった。


『…私も行く』


 諦める訳にはいかない、私は呟いていた。


『美愛ちゃん無理しないで、一緒に仁成行けたら僕は満足だから』


『…ダメ』

 ここで諦めたら女が廃る。

 私が祐介君と並び立つには、そう決意したのだ。


『分かったよ、頑張ろう』

 こうして更に死に物狂いの勉強が始まった。


『他には何も要らない。

 祐介君との未来以外は…』

 そんなうわ言を繰り返していたらしい。

 それだけ必死だったって事。


『あった!』


『やったね、僕もあったよ!』

 そして試験が終わり、発表の日。

 私は祐介君の家で二人、パソコンの合格を見て叫んだ。


『祐介君大好き!』


『は?え、美愛ちゃん?』

 爆上がりテンションとは恐ろしい物。

 私は勢いに任せ、一世一代の告白をしていた。


『…うん、こんな僕で良かったら』


『やった!やったよ!!』

 今思い出しても、あれは人生最良の日だった。


 それから半年が過ぎ。

 今日も祐介君の部屋で一緒に勉強をしている。

 仁成中学は中高一貫、でも成績が悪いと、内部進学は出来なくなる。


 更に特進クラスは、成績が振るわないと、翌年には一般クラスになってしまう。

 地頭の良い祐介君と違い、平凡なオツムに恋のドーパミンで奇跡を起こしただけの私。


 いつもテストは特進クラスの真ん中付近をウロウロ。

 祐介君はクラスで常にトップを争っている。

 私の勉強を見てくれなければ、間違いなく今の成績を維持する事が出来ない。


「美愛ちょっと休憩しよう」


「そうね」


 祐介君が大きく背伸びをする。

 3年で背も伸び、私を軽く追い越してしまった。

 元々容姿には優れていたが、これは益々成長が楽しみ。

 今も性格は穏やかで、祐介君は本当にカッコいい。


 実際祐介君はクラスの人気者。

 彼に憧れる女子は今も後を絶たない。

 私という彼女が居るのにも関わらず…あいつらめ…


「どうしたの?」


「なんにも」


 おっといけない。

 嫉妬深い女は嫌われるよね。

 祐介君に嫌われたら私は生きていけない。

 心が死んで、次に身体も死ぬ。

 それだけ私は祐介君が大好きだ!


 私達がまだ13歳だとか、正式に付き合いだして半年だとか、そんなのは関係ない。

 寧ろ残りの人生、それだけ長く過ごせるって事なんだから。


「ちょっと待ってて」


 妄想する私を他所に、祐介君が部屋を出ていく。

 きっとお茶を用意しに行ったのだろう。

 こんなさり気ない気配りも出来る彼…


「…好き」


 祐介君のベッドにダイブする。

 鼻腔をくすぐる彼の香り、これは至福の時。

 悪いねみんな、彼女の特権だよ。


「ムフフ…」


 枕に顔を埋める。

 思わず身悶えそうになるが、我慢だ。

 ベッドのシーツが乱れでもしたらバレてしまう。


「いらっしゃい美愛ちゃん」


「お…お邪魔しております」


 ノックの音に飛び上がる。

 慌てて身体を起こし、ベッド脇に座り直した。

 入って来たのは、祐介君のお婆ちゃん。

 美味しそうなお茶菓子を乗せたお盆を手にしていた。


「勉強大変ね、頑張ってる?」


「は…はひ」


 リビングテーブルから勉強道具を退ける。

 お婆様は微笑みを崩さず、お茶菓子を並べた。


「祐介は紅茶を淹れてるから、もう少し待っててね」


「か…畏まりました」


「フフ」


 お婆様はそっと私の髪を触った。


「髪が乱れてるわよ」


「ふぇ…」


 さっきのベッドが原因なの?

 私とした事が…


「はい、大丈夫よ」


 お婆様は私の髪を整えて、にっこり微笑む。

 これはバレたね、なんという失態を見せてしまったんだ…


「あ…ありがとうございます」


「気にしないで、初恋は若い人だけの特権よ」


 小さくウィンクしながらお婆様は出ていく。

 なんてオシャレな人。


 田舎に住む私のおばあちゃんは、いつも飼い猫と取っ組み合いの喧嘩してる、えらい違いだ。

 本当の貴婦人とは、あんな方を言うのね。


「お待たせ」


「あ…うん」


 次に祐介君がティーセットを手に入って来た。

 なんだか頭がぼーとする。


「良いなあ」


「何が?」


「素敵なお婆様って」


 おっといけない、心の声が出てしまった。


「まあね、自慢のおばあちゃんだから」


 祐介君は、おばあちゃんっ子。  

 そして、おじいちゃんっ子で、一緒に暮らしている。


 彼のお母さんは少し離れた街に住んでいるが、私はまだ会った事が無い。

 お父さんは8年前に両親が離婚してから、一度も会ってないそうだ。


「だけど美愛も羨ましいよ」


「そうかな?」


 私のどこが羨ましいんだろ?


「お父さんとお母さんが居てさ、美咲ちゃんも」


「うーん」


 両親はいいとして、なんで妹の美咲まで出てくるんだ?

 アイツと来たら、家に祐介君を連れて来て以来メロメロになってしまったんだよ。


『次はいつ祐介兄ちゃん来るの?』

 って、煩くて敵わん。


「今日はありがとう」


「ううん、こちらこそ」


 名残り惜しいが、今日の勉強はここまで。

 明日も会えるけど、寂しい。


「またね」


「…はい」


 祐介君のお祖父様が笑う。

 さっきの醜態をお婆様から聞いたのかな?

 恥ずかしくて顔を上げられない。


「大丈夫よ」


 お婆様はにっこり笑った。


「本当に美愛ちゃんはいい子ね、いつでも大歓迎だから」


「はい!」


 良かった。

 そうだよね告げ口みたいな事、お婆様がするはずないもん!


 自転車に跨り、足取りも軽く自宅に到着。

 玄関の扉を軽やかに開けた。


「ただいま!」


「…おかえり、お姉ちゃん」


 迎える美咲、なんだか寂しそう。


「お母さんは?」


「残業だって」


「また?」


 お父さんがまだ帰ってないのは分かるよ。

 いつも9時過ぎだし、でもお母さんは、ずっと6時までに帰っていたのに、最近は残業ばかり。

 今日も時計は午後7時を回っていた。


「…お腹空いた」


「待ってて、何か作ってあげる」


 とにかく美咲に何か食べさせよう。

 幸い簡単な料理なら私も出来る。


「美味しい」


「良かった」


 嬉しそうにサンドイッチを食べる美咲。

 私より一つ下の可愛い妹。


「ただいま!

 ごめんなさい遅くなったわ」


 焦った声でお母さんが入って来る。

 手にスーパーで買ったと思われる惣菜が握られていた。


「遅いよ」


「ごめんね、急に残業が入っちゃって」


 お母さんは美咲に頭を下げる。

 さっき帰ったばかりの私と違って、美咲はずっと留守番してたから、寂しかったんだろう。


「お母さん、そんなに忙しいの?」


「うん、山口部長がどうしても明日の会議に使う資料を手伝って欲しいって」


「へえ…」


 4年前にお母さんは今の会社へ派遣で入った。

 2年前に正社員になれたのは、その山口部長って人が、お母さんの働きを認めてくれたからって言ってたけど。


「なんかモヤつく」


「何が」


「別に」


 言ったところで取り合ったりしてくれないだろう。

 胸騒ぎを覚えながら自分の部屋に入った。


「って事があってね」


 翌日学校で昨日の出来事を友達に話す。

 もちろん祐介君には言えない、こんなのは単なるグチ、恋人にする話じゃない。


「なんか怪しい!」


「美愛、お母さんに釘刺した方が良いって」


 やっぱり食いつくよね。

 女の子って、こんな話も大好き、私もだけど。


「ねえ、その話詳しく教えて」


「祐介君?」


 突然祐介君が話の中に入って来た。


「あの、単に私が寂しいって話で」


「そう…そうだよね、美愛が」


 祐介君が来た事で友達の雰囲気が変わる。

 それを察した祐介君、目配せをしながら向こうに行ってしまった。


「美愛」


「…祐介君」


 学校からの帰り道。

 いつもは楽しいお喋りなのに、今日は会話が弾まない。


「ちょっと寄って行かない」


「どこに?」


「僕の家」


「今日も?」


 連日お邪魔して良いのかな。


「お願い」


「分かった」


 そんなに真剣な顔をされたら断れない、最初から断る気もないけど。


「あら美愛ちゃん」


「こんにちは」


 祐介君の家に着くと、お婆様がいつもの笑顔で私を迎えてくれた。


「今日はどうしたの?」


 いつにない真剣な祐介君に、お婆様も心配そう。

 私達はリビングに集まった。

 まだ午後5時、仕事のお祖父様は帰宅してない、緊張が高まる。


「さっきの話、おばあちゃんにしていいかな?」


「うん」


 祐介君はお婆様にさっきの話を始めた。

 静かに聞くお婆様。

 しかし、徐々に表情が険しくなっていった。


「確か美愛ちゃんのお母さんが勤めてる会社って、ア・ダルティ商事だったわね」


「ええそうです」


 お婆様は母の勤める会社を覚えていた。

 家族ぐるみの付き合いだけど、そんな些細な会話まで記憶してるなんて。


「ばあちゃん…」


 お婆様の様子に祐介君も心配そう。


「美愛ちゃん、今日お母さんをここに呼んで貰える?」


「母をですか?」


「ええ、私の勘違いなら良いのだけど」


「分かりました」


 お婆様の迫力に圧倒されながら、母にラインを送った。

 暫くするとお母さんからラインが返って来る。

[祐介君のお婆様から大切な話がある]と書いたのが良かったのか、返事は思ったより早かった。


「残業が終わったら来るそうです」


「連日の残業ね…本当に…」


 お婆様は小さく呟いた。


「後は私達に任せて、これからは大人の時間だからね。

 きっと大丈夫よ」


 お婆様はきっぱりと言う。

 どういう事か分からなかったが、ここは信用しよう。

 祐介君は私の手を握り、しっかり頷いてくれた。


 帰宅すると妹が私に抱きつく。

 どうしたんだろ?


「さ…さっき…お、お父さんが」


「お父さんがどうしたの?」


 まだ時刻は6時を少し回った位、普段なら帰って来る時間じゃない。


「凄く怒った顔で、一旦帰って来て、また出て行っちゃった…」


「そう…お父さんまで…」


 何やら大変な事になってきた。

 でも祐介君のお婆様が言った

『大丈夫』の言葉を信じよう。


 数時間後、お母さんからラインが来た。

[今日は遅くなるから、夕飯は出前で済ませて欲しい]と書かれていた。


 食欲なんか無い。

 妹は泣き出してしまい、私も…


 誰だろ?

 突然家のインターホンが鳴る。

 モニターには


「…祐介君」


 そこに映っていたのは祐介君だった。


「…どうしたの?」


 玄関を開けると祐介君は静かに微笑む。

 だけど、いつもの笑顔じゃない。

 何かを抱えたような表情をしていた。


「携帯、連絡したんだけど」


「あ…」


 携帯はテーブルに置いたままにしていた。

 次はどんな連絡が来るか、怖くて出る事が出来なかったのだ。


「美愛が心配してるだろうから、それに僕が向こうに居ても役に立たないし」


「そう…」


 心配して来てくれたんだ。

 本当に祐介君は優しい…


「美咲ちゃん、大丈夫だからね」


「祐介兄ちゃん…」


 美咲も祐介君を見て、ようやく泣き止んだ。


「一体何があったの?」


「話は後、先ずは何か食べよう」


 話より先にご飯って事ね。

 ここは祐介君の言葉に従うようにしよう。


「何か作るね」


「わ…私も」


 美咲は自分の部屋からエプロンを持って来る。

 私達は二人並んで料理を作る。

 美咲は笑顔を浮かべ、それが無性に私の気持ちを落ち着かせた。


 簡単な食事を終える。

 食欲は無かったけど、何とかお腹に入れる事が出来た。

 美咲は祐介君にベッタリ、いつもなら腹も立つけど、今日はそんな気持ちにならない。


「一応の話は着いたみたい。

 今は今後の事を話し合ってるよ」


「今後?」


 何の話が着いたんだろ。

 それに今後と言われても。


「大丈夫…美愛ちゃんのお母さんは…僕の母さんと違うから」


「そう…」


 そこに触れてはいけない、祐介君の為にそう思った。


「良いなあ…お父さんって」


「良いの?」


「うん、しっかり美愛も美咲ちゃんも愛されててさ」


 なんだか辛そう。


「僕の母さんは…そう…」


「いいよ、無理して話さなくても」


「うん、祐介兄ちゃんが辛くなるんなら、美咲も聞かない」


「そっか…ありがとう」


 本当は知りたい。

 けど、祐介君に無理させてまで聞きたくない。

 祐介君のお父さんとか、お母さんの事は複雑そうだ。

 子供の私には分からない事情もあるだろう、なにより祐介君の悲しい顔を、これ以上見たくない。


 深夜遅くに両親は帰宅した。

 帰るなり、お母さんは私と美咲を抱きしめて泣き出した。


「ごめんね、美愛…美咲…」


「うん」


「大丈夫だよ」


 私達はお母さんに笑った。

 さっきまでだったら、一緒に泣いていただろうけど、祐介君のお陰だ。


「祐介君」


「おじさん」


「ありがとう…お陰で手遅れにならなかったよ」


「良かった」


 お父さんは祐介君をしっかり抱きしめる。

 照れた顔の祐介君、でも安心してるのがよく分かった。


 それから数日が過ぎた。

 お母さんは暫くふさぎ込む日もあったけど、今はすっかり元に戻ってくれた。


 お父さんは仕事を早く終わらせるようになり、お母さんに寄り添って、なんだか良いなと思った。


「おはよう!」


「おはよう美愛」


 一緒に学校へ向かう。

 数ヶ月が経った、祐介君に変化はない。

 でも私をいつも気遣っているのが分かる。

 だって、あれから私の家まで毎朝迎えに来るようになったし。


 両親の仲も良好、今回の事で、ますます祐介君の事が好きになったと確信した。


「そろそろ2年生か…」


「そうだね」


 気づけば中学生活も1年が過ぎようとしていた。

 ここ数ヶ月長かったような…ううん、これも宝物の思い出になるよ。


「二人共待って!」


 後ろから来るのは…美咲?


「どうしたの?」


「私も祐介兄ちゃんと同じ学校に行く!」


「え?」


 そんなの初めて聞いたよ?

 そりゃ美咲は昔から頭が良かったし、仁成中学は充分合格圏内だったけど。


「諦めないって決めたの」


「何をだい、美咲ちゃん?」


「今は内緒!

 姉ちゃん勝負だよ」


 美咲は私にビシッと指をさす。

 さすが我が妹、良い表情ね。


「受けて立つわ!」


 腰に手を当て、フンと胸を張る。

 姉の貫録を舐めんじゃないよ。

 譲れない戦いの火蓋は、こうして切って落とされる。


「覚悟してね祐介」


「そうだよ祐介兄ちゃん」


 祐介君はよく分からないような、それでいて穏やかな笑顔で私達を見つめていた。


「「…大好き」」


 私は妹と呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
息子君良い子だしいつかお父さんとの関係は戻ると良いなあ
過去の悔恨があったから、別の家庭は助けれた。 お祖母さん達は本当に良い人たちだったんですね。 バカ娘の過ちからしっかりと学んで次に繋げたし、 全て話していた(様子からするとめちゃめちゃ配慮しながらの説…
息子君が良い子過ぎて泣ける。無理してないといいのだが…。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ