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■34:玩具

 僕は今日、茨木とテーマパークへと遊びに来た――……手を繋いで。それは、良い。本日は、僕の貸切だからだ。誰も見ていない。しかし、良くない事がひとつある。


「っ……」


 茨木が大人の玩具を手に持っていて不穏だ。これは、フォンスで動く、実験品らしい。


 何がきっかけだったかと言うと、これも初詣の日である。あの日、凛達に渡した挨拶の品だったのだが、僕は中身を茨木に任せておいた。すると後日ギルから羞恥と怒りが綯交ぜになったような連絡があって、「ローションとゴムを大量に感謝する」と言われたのである。最初、何の話か分からなかった僕の前に、その時、箱が出現した。


『サンジェルマン侯爵が実験的に作った試作品だそうで、あいつらからこちらに届いた挨拶の品だが、くれてやる。俺達には、使う予定が一切ない』


 と、ギルは言っていた。その箱を、僕は茨木とソファに並んで開けたのである。

 すると色々と入っていたのである。


「青海くんの実験品らしいけど……こ、これって」

「フォンスの科学化実験の産物ですね。ギルベルト様が既に倒しておられますが、ミサイルとフォンスを融合させていたかのような、あの北欧の施設に関しては、色々と調べる事がありましたし……」


 そういう事なのだろうかと考えていたら、不意に意地の悪い顔で、茨木が僕を見たのだ。


「私達は、使ってみましょうか?」

「え」

「お嫌ですか?」

「――……ううん」


 少しだけ顔を覗かせていた好奇心を見透かされて、僕は俯きつつ赤面しながらも、茨木の言葉に同意した。


 こうして僕達のテーマパークでの一日は、アトラクションには二つしか向かわずに幕を下ろした。玩具で遊んでいた。それから僕は茨木に横抱きされて、寝室に直行し、シーツに体を預けてすぐに眠った。


 そして目が覚めてから、茨木に伝えた。


「僕はやっぱり茨木が一番だから、もうこういうのはいいや」


 すると苦笑した茨木が、曖昧に頷いた。


「考えておきます」


 その答えに、僕はその後泣かせられる日も来る気がした。だが、何も言わなかった。気持ち良かったのは事実だからだ。それに――茨木が、ああいうのが好きならば、僕は受け入れたいと考えたのである。僕は、茨木が大好きだから。



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