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Q  作者: ねこまんま
5/206

Q - ■<状況4>

■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<状況4>


いま、

ワタシは、

空中にいた。



すわッ、

一瞬の浮遊を感じた。

いや、刹那の無重力を感じた。



すぐ傍の、

ニャンの顔は、

でへっと笑顔の様な、

ぎょへっと強張り顔の様な、

そんな、ニコイチ合体な表情で、

身体を金縛りにさせて青ざめていた。



一瞬こちらに向けた顔は、目が助けを求めていた。

見ていないが、ミャーも同じような表情をしていただろう。



だが、

ふぅッと、

嫌な感覚と、

次のQ速落下ッ!



五臓六腑が、

七転八倒もんどりうって、

イカ天エビ天マグロ丼ドンドン喰らわされた。



おいしいのか、

きもちいいのか、

いくらもむわたも、

イクラもハラワタも、

うらがえり、えづいて、

飛び出すような感覚に陥った。



まあ、

内臓があるならば、

そんなこんなの話だが・・・。



ただ、

そのとき、

ニャンとミャーの、

2人の顔を確認できたが、

すでにもう、白目を剥いていた。





*****





ワタシは、


ニャン達とともに、


宇宙母艦『バーサーカー』の、


次元特務エリア S の中央にある円盤ステージから、


次元踏破を、          ……[Dimension Traverse:DT]


いつもの様に行った。


次元隧道を、          ……[Dimension Tunnel:DT]


スムーズに通り、安心・安全・安定のままに出現した。


わたりあるくは、


準位宇宙          ……[The Level Universe:LU]





ちょいと凸凹、

□△マルっと違うが、


またの機会があるならば、


宇宙準位          ……[The Universe Level:UL]


アップロードではないッ!?

やっぱ、アップロードじゃんと云うオチでもないッ!?


闇黒準位          ……[The Darkness Level:DL]


ダウンロードではないッ!?

やっぱ、ダウンロードじゃんと云うオチでもないッ!?





識核 (コア)の、          ……[Recognition Core:RC]


探索転移を、          ……[Dragnet Transfer:DT]


無事に終える。


そのはずであった・・・・・。





*****





『 どッポぉぉぉおおおォォォオオオーーーーーーんんんンンン・・・、、、。。。』





仰ぎ見る空は、


落ち行くままにも、


なんと、青かったか・・・。





空の高くに出現、と同時に急降下、

海面に叩きつけられて没し、

海中の深くに沈みゆく、

其黒之三人衆こと、     ……[Black Trio:BT]

黒衣の影法師。     ……[Black Clothes Shadow / Silhouette:BCS]





『 ぶくぶくぶく、ブクブクブク、 ・。゜〇 ○ 、 ・。゜〇 ○ 、 ・。゜〇 ○ 、』





海の藻クズと、

海のモズクと、

消え果つるのか。





ワレラ3人、

そうそう柔な存在ではないが、

数百メートルの高さから落下すれば、

それなりにも衝撃を受けることになった。



そこはそれ、衝撃は衝撃、

けっこう、物理ダメージを受けた。

やはり、喰らわないですむには越したことが無かった。



ワタシは、

海中に没し沈みながらも、

海中での緊急の避難場所として、

すかさず黒糸 (コクシ) 球をつくった。     ……[Black Cocoon:BC]



黒糸 (コクシ) を放ち、

ニャンとミャーを絡め取り、

絶賛おぼれ中の2人を引き寄せて救出した。



そして、

黒糸球 [Black Cocoon:BC] 内を、

いそいで呼吸可能な大気で満たした。



『 ニャばババババばぁーーーッ!』


『 ミャばババババばぁーーーッ!』



この2人、

助かったというのに、

まだ溺れているつもりらしい。



『 じたばたドタバタ、ぶいぶいブンブン』


『 じたばたドタバタ、ぶいぶいブンブン』



2人して、

両目をギュっとつぶり、

両手両脚と単しっぽを暴れさせていた。



果たして、

今回もこの出現ポイントは、

観測室の手抜きか、制御室の手落ちか

はたまた、何の罰ゲームか、水責めの刑なのか。



それとも、

またまたの、

守護者の固有スキルか・・・。



ワタシは、

やれやれと自身とニャンとミャーの濡れを、

黒糸 (コクシ) を使って乾かしながら考えていた。



『 わしゃ・しゃしゃしゃしゃ、シャシャシャシャ・シャーーー・・・』 と、



黒糸 (コクシ) を使い、

ズブ濡れをすっかり Q 引・Q 収し終わり、

ニャンとミャーは、すっかり乾いた身体でくつろいでいた。



今回も背負ってきた、

ずぶ濡れとなったリュックの中から、

ラップぐるぐる巻きのオニギリを取り出していた。



「完璧なのニャー! おいらの勝ちニャー!」


「濡れてないミャー! ぼくも勝ちミャー!」


「でも、ちょっと染みてて塩味きいてて美味しいニャ。」


「塩オニギリなのミャ。」





海中にあるため、

水圧のせいもあり、

黒糸 (コクシ) 球内は、

内側が 『 ぼよんボヨヨン』 していた。



「ぼよよん、ボヨヨン、ぼよよんニャー♪」


「ぼよよん、ボヨヨン、ぼよよんミャー♪」



2人して跳んだり跳ねたり跳ねまわったり、

転がったり寝転んだりと、

せわしないこと。





「ニャぁ・・・・・なんか、外が見たいニャ。」


「うん、ぼくも見たいのミャー。」



黒糸球 [Black Cocoon:BC] は、

ただの黒っこい球っころに過ぎない。

観光できる遊覧窓がついてる訳ではない。





2人は、

跳び跳ねに、

飽きたら飽きたで、

黒糸 (コクシ) の性質を、

スケスケの透明に変えて、

黒糸球内に海中窓をつくり、

海中遊覧を楽しもうとしていた。



が、



「見えるように見えるままに、変えるのニャ!」


「眼識 (ゲンシキ) ニャ!」


「見たいように見たいままに、変えるのミャ!」


「眼識 (ゲンシキ) ミャ!」



眼をマルマルとして、

眼ヂカラを込めていた。



そもそも、

眼識というモノは、

そういう類のモノなのか、

それとも、そういう使い方もアリなのか。



ニャンとミャーが、

互いに見つめる一点で、

2人の視線が交差している先で、



『zんずずずず、ズズズズ、ツ゛ツ゛ツ゛ツ゛・・・・・』



黒糸 (コクシ) を、

自由に好きなように、

識素・変「解」(変換)させようと、



それは、

一点を中心に、

ゆがみ波立ちはじめ、

黒糸 (コクシ) 球の内壁が、

なにやら変化をはじめていた。



と、突然ッ、



『 ドッバァーーーッ!』



失敗したッ。

黒糸 (コクシ) 球の内壁に、

大穴が開いて、海水の鉄砲水が噴き出した。



『 ニャぶブブブブぶーッ、ニャびゃっビャビャビャビャびゃーッ・・・・・』


『 ミャぶブブブブぶーッ、ミャびゃっビャビャビャビャびゃーッ・・・・・』


『 『 あぷあぷ、アプアプ、ニャニャニャッ! (ミャミャミャッ!) 』 』



ニャンとミャーは、

海水を顔面に、まともに食らい捲くり浴びせられた。





「何をしてる、何をしてる。勝手なことを・・・。」



ワタシは、

2人して上手くできるかと、

成り行きを、それとなく見ていたが、

こりゃダメだ、とばかりに急いで繕い直した。



そして、

ワタシが、

代わりに海中窓を作ってやった。



「これこれニャ、ご主人、さすがニャ!」


「マスター、ありがとミャ!」





海中のなか、

3人を包んだ黒糸 (コクシ) 球は、

次第しだいに、海面へと、

ゆらりユラリと浮上していった。





透明度の高い海は、

恒星のエネルギーを、

いっぱいに取り込んでいる。



大いに潤う栄養素、豊かに富めるプランクトン、

それに伴う多種多様な海洋生物たち、

この星における海洋生態系は、

繁栄栄華を誇っている。





たとえば、





急降下爆撃機のように、はげしく潜航浮上を繰り返し、

海中の獲物を狩る、擬・小型シャチ。



それは、

ひげモジャ潰れ眼に、

腐りタダレた逆さま顔と、

それに続く胴体・尾びれをしている。





戦略爆撃機のように、ゆうゆうと海中を泳ぎ、

海底に影をおとす、擬・中型エイ。



それは、

内臓やら腸やら心臓やらが、

デロリと集合した顔と胴体、

それに続く尾びれをしている。





浮遊大陸のように、悠々と海面を泳ぎ、

いっとき海底に夜をもたらす、擬・大型クジラ。



それは、

あらゆる異形が蠢き、

エヅクおぞましき白骨骸骨、

それらにビッシリ覆われた全身をしている。





超透明度な海、

陽光ゆたかな海底は、

浅瀬どころか水深数十mでも、

絢爛にして色とりどりの珊瑚樹林がひろがり、

小魚、擬・エビカニ、魔乳ボヤ、イソギンチャックルベリーなどが生息している。





「あっちは、飛行してるニャ。」


「こっちは、海中でゆらゆらミャ。」



ニャンとミャーは、

まじまじと眺めていた。

ほニャ~、へミャ~と目を丸くして、

黒糸球より見える海中の様子に感心していた。



「こんなもんが泳いでるニャ。きもいニャ。」


「あんなもんが泳いでるミャ。ぐろいミャ。」



「ひどい見てくれニャ。」


「ひどい設定ミャ。」



と言いつつも、

海中を泳いでいる、

彩り外観が大いに不気味めいた、

この星に生息している様々な生き物に、



「じゅるじゅるジュルジュルニャ~♪」


「じゅるりらジュルリラミャ~♪」



2人して、

口のはしから、

よだれ汁を垂らしながら、



見入っていた。

いや、魅入っていた。

これまた、心とりこに奪われていた。



食べる気やる気だった。

いや、食べたい気分マンマンだった。





「プリンッ! びっぐプリンッ! ばけつプリンッ! ぺたプリンなのニャッ!」


「シューくりーむッ! びっぐシューッ! かぼちゃシューッ! だぶるシューなのミャッ!」



「そんなものは泳いでいないぞ。」



とりあえず、ワタシは否定しておいた。



どうやら、

溺れかかったショックで、

軽い酸素欠乏症になったのだろうか。

いっとき脳髄不全を起こしているのだろうか。



『刺シュっ』


『刺シュっ』


【感知→形象→探査→「解」く】

2人の脳髄を整えることにした。



ニャ「pッん゛ニ゛ャ゛ッ!」


ミャ「pッん゛ミ゛ャ゛ッ!」



2人は、

少しビックリし奇声をあげたが、

その後は、スッキリした表情になっていた。



「あ~、特大カラアゲ泳いでいないかニャぁ・・・。」


「む~、特大ギョウザでもいいミャぁ・・・。」



「・・・あまり、効果はなかった、か・・・。」



ワタシは、つぶやいた。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<出現4>あるいは<桜冠を戴く4>


恒星の陽ざしほころび、うららかなる桃源境に、



うす赤いろの   花ビラあふれ、

うす黄いろの   花ビラいっぱい、

うす瑠璃いろの 花ビラうるわしく、

うす紅いろの   花ビラえりしうむ、

うす桃いろの   花ビラおしげなく咲き誇れる。



その、

上空の、

大気中には、



浅薄ほのかに桃色の、

舞いあがる、

舞いかおる、

舞いほこる、

おおきな、オオきな、オウきな、球体が浮かんでいた。



うす桃色の、オウきな、球体であった。

渦旋 (カセン) 渦 (カ) ら舞っている、球状空間であった。     ……[s-1]



そのモノは、

球体の中央にいた。

球体の内側に、そのモノの影を落としていた。

ゆらゆらユラユラと、その影をユラめかせて浮遊・遊泳していた。

ゆるゆるユルユルと、その尾をクネらせて浮遊・遊泳していた。

ゆろゆろユロユロと、その舌をウネらせて浮遊・遊泳していた。



そのモノは、

『 るろるろルロルロ』 と、

その舌を壟 (ウネ) らせて、その舌先を中心に渦を発生させていた。

その渦は、大きく膨らんで、自らを包み込むオオきなオウきな球体へと成長していた。



渦旋 (カセン) 渦 (カ) ら舞う、球状空間であった。     ……[s-2]



そのモノは、

桃源境の花々の、咲き揃う、咲き誇る、咲き乱れる、

すべてのハナビラを、吸い上げて、吹き上げて、巻き上げていた。



渦旋 (カセン) 渦 (カ) ら舞う、球状空間であった。     ……[s-3]



そのモノは、

『 るろるろルロルロ』 と、

その舌を壟 (ウネ) らせて、その舌先を中心に渦を発生させていた。

その渦は、勢いツムジ巻き、舞いオドル渦巻きとなり、生きた渦竜へと成長していた。



そのモノは、

自らが作り出した、

渦 (カ) ら舞う渦旋 (カセン) の渦竜 (カリュウ) を、星天まで翔け昇らせた。



渦竜は、星層の冷気を巻き込み纏わせて、いっきに翔け降りてきた。

雷光紫青 (ライコウシセイ)、神罰鉄鎚のように、

轟雷、劈いて突き破るように、

雷撃急降下のように、

球体のなかに、

突入した。



渦竜は、その身を解凍し、

星の冷気を一気に、

解放した。



爆 (ハ) ぜた。



『シュッハ゛ァァァアアアーーーーー・・・・・』



そのモノがいる球体のなかで、

白塵と桜渦が、幾重にも重なった。

氷塵と桃渦が、幾連にも連なった。



渦旋 (カセン) 渦 (カ) ら舞う、球状空間であった。     ……[s-4]





『 zッfぉぉぉおおおォォォオオオーーーンンンnnn・・・』





そのモノは、

これら、 “ 舌渦 (ゼッカ) ” の、

でき映えに喜んでいた。



口元がわずかに吊りあがった。

ニヤリと笑みを浮かべていた。

でき栄えに満足していた。



いや、

でき栄えに満足していたのか、



それとも、

何に満足して、

感じていたのか。





そして、





もはや、

そのモノは、

その場には留まらず、

『 すっイン』 と身を翻すなり、



どこぞへなりとも、

はるか上空の彼方へ、

飛翔遊泳しながら消え去った。





それは、

魚類に特有の、

流線型の体躯をして、

頭部が独特の形状をしていた。



この星の、守護者であった。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<遭遇4>


いま、

3人を包んだ、

黒糸 (コクシ) 球は、

海面みなもゆれる大海原に、



ぽつんとポッカリどんぶらコッコー、

広々としたなかに浮いていた。





『ぷか、プカリ、』


          『ぷか、プカリ、』


                    『ぷか、プカリ、』





*****





恒星ゆるゆると穏和、


陽射しやわらかに柔和、


海原ひろびろとして平和。





すると、



海面に、

白い波スジが現れた。



そして、

波スジの下から、



『 スぅ、』



遥か、

海面に、

潜望鏡のようなものが、



1本、



『 ススぅ、 スススぅ』



2本、3本、



10本、20本、30本・・・・・



いくらでも、

どれだけでも、

ありあまる勢いで、



ガチャガチャと、

グチャグチャと、

ゴチャゴチャと、



剣山針山の如きモノ、

姿を見せて現わす程に、

どんどん迫りきたる勢い、



その浮島のような景観の様は、

七宝色に彩りあふれる、

不可思議なれる、

珊瑚樹林。



否、

其れ、

奇異奇械な、

アンテナの群れ。





その守護者は、

頭上に奇異奇械を冠し、

頭部形状からして摩訶不思議に、

T字型をした頭は、眼の位置が横に突き出していた。

それ、まさしく、巨大ハンマーヘッドシャーク的ナニカであった。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<対処4>


ここの守護者は、

ワナを仕掛けていた。

この星の天空あらゆる場所に、



渦旋 (カセン) 渦 (カ) ら舞う、球状空間ならぬ、

いろいろな力場[Force Field:FF] を仕掛けていた。



これ、 “ 舌渦 (ゼッカ) ” の要領で作り出して、

そこかしこに仕掛けていた。



その力場のワナは、



円状もあり、             ………[舌渦円]

輪状もあり、             ………[舌渦輪]

球状もあり、             ………[舌渦球]

アミーバ不定状もあり、      ………[舌渦網]



自由に気ままな遊び心のままに、

作っていた。



そして、

すべてのワナを監視していた。



それまるで、

不可思議珊瑚樹林のような、

アンテナ群は、このためのモノであった。

まさに、ロレンチーニ・コーラル・フォレストである。



この力場のなかに、

入るなり、

囚われるなり、

迷いこむなり、

ひとたび立ち入ったならば、



問答無用で、

海面に叩きつけられる。

なんなら、

海の底、奥深くに沈められる。



或いは、

底抜け脱糞、

トンプク・トリオン、

天空へ空高くへと跳ね上げられる。



もはや、

この星の、

知的生命体にとって、

空を自由に飛ぶ事は、不可能であった。





*****





海面に浮かぶ、

黒糸 (コクシ) 球の中で、



「来たニャー!」


「来たミャー!」


「ここでは、場所が悪すぎる・・・、陸地が・・・、」



ニャンとミャーは、

目をマルマル大きく見開いて、

向かってくるモノ、

その異様な光景に釘付けになっていた。



遥かな海面より、

頭部を、

胴体を、

尾部を、

身体を浮上させてきた。

潜水艦が浮上するかの様に、

しだいに、全体の姿を海面に現した。



そのまま、

水しぶきを上げながら浮上しつつ、

まとう海水を流れ落としながら、海面を離れて飛行しつつ、

遥か彼方より、どんどん、こちらに向かってきた。



海面には、

空中を飛行する影を映し、

飛行風圧によって白波を巻き上げていた。





いきなり、


『 カパッ』


口を開けた。



舌を、『 るろるろルロルロ』 『 れろれろレロレロ』 としながら、

舌渦・舌砲撃を放ってきた。

長々遠距離攻撃である。



『流舌乱 (リュウゼツラン) 』 を発射してきた。



『 zッウ゛ォォォオオオーーー・・・』


          『 zッウ゛ォォォオオオーーー・・・』


                    『 zッウ゛ォォォオオオーーー・・・』



しかも、乱れ撃ち。



更に、それらの攻撃は、



ひとつは、

海面をスレスレに飛んできて、

海水を吸い上げ、渦 (カ) ら舞いながら、

力場[Force Field:FF] がうまく手伝って、

性質が変化していき、

              『 流舌乱 (リュウゼツラン) Featuring 水撃波 』 となった。



あるいは、

空中をヒュンヒュンと飛んできて、

大気を巻き込み、渦 (カ) ら舞いながら、

力場[Force Field:FF] がうまく手伝って、

性質が変化していき、

              『 流舌乱 (リュウゼツラン) Featuring 衝撃波 』 となった。



さらには、

空中をズンズンと突き進んできて、

空間を巻き込み、渦 (カ) ら舞いながら、

力場[Force Field:FF] がうまく手伝って、

性質が変化していき、

              『 流舌乱 (リュウゼツラン) Featuring 歪曲波 』 となった。





いまや、

3人は、黒糸 (コクシ) 球ごと、

もんどりうって、叩きつけられて、

あっちこっちそっちどっちと、吹っ飛ばされていた。





『 流舌乱 Featuring 水撃波 』 による、水竜打撃を受けていた。



『 流舌乱 Featuring 衝撃波 』 による、旋風斬撃を受けていた。



『 流舌乱 Featuring 歪曲波 』 による、螺旋突撃を受けていた。





なんとか、

黒糸 (コクシ) 球は、

属性攻撃に耐えていた。

くしくも、破壊をまぬがれていたが、

このままだと、そんなに長くは持たないだろう。





「た、大変なのニャーッ!」


「し、死ぬうミャーッ!」



「・・・ニャばいっちゃポンぱらりんニャ!?」


「・・・ミャらんこりっくペンぱらりんミャ!?」



「くッ・・・このままでは、埒があかぬ。・・・ジリ貧か・・・、」



3人様々、三者三様に、

黒糸 (コクシ) 球のなかで、もんどりうっていた。



それでも、

なにか、策はないものかと耐えていた。

黒糸 (コクシ) 球の強度も、まだ持ち堪えていた。





「!」



ワタシは、

さっきの時の、

ニャンとミャーの “ 言葉 ” を思い出した。





『見えるように見えるままに、変えるのニャ!』


『見たいように見たいままに、変えるのミャ!』





「うん・・・、」


「試してみるか。」


「ニャンよ、ミャーよ、手伝えッ!」



「ニャイニャイさー!」

「ミャイミャイさー!」



2人から、

調子の良い返事が帰ってきた。



「ワタシのするように、真似をするのだぞ。」



「一識テンカイッ!」



【眼識 (ゲンシキ) 】を起動し、

前方の守護者にむかい、

視線を凝らした。



【眼識】を遥かに展開させた。



「テンカイニャッ! (ミャッ!) 」



ニャンとミャーも視線を凝らした。



3人いっしょに、マルマルと●●と眼を丸くした。



守護者の、

攻撃に耐えながら、

黒糸 (コクシ) 球を安定させるのは苦労したが、

黒糸 (コクシ) を、海面上に四方八方に展開して、バランサーにした。



海面にうかび波うち揉まれて、足場が悪いことも心配していたが、

遥か彼方の守護者に向かって、3人の視線を合わせる事は、

黒糸球も安定し、そう難しくはなかった。

視線ブレ補正機能もうまく働き、

照準も、だいたい合った。



●●三重項状態+項間交差[Triplet State + Intersystem Crossing:TSIC]



三者三様の視線が重なる状態をつくり、

その重なりは、

新たなる、

普通は在りえない、

交差スル遷移、いや、

それすなわち、降参スル戦意、降下スル能力値、

これらを、守護者のステータス (状態) に与えまくった。



そう、

敵の戦意を、

敵の防御を、

敵の能力そのものを、

下げ下げダダ下がりに、喪失、弱体化させた。

デデデ、デデデ、デデデ、デバフ、De-buff効果を与えた。



『 Piッ、Qぅ u u u U U U ーーーーー n n n・・・・・ 』



まさに、『 デデデの星 』 を上げた。



いま、



守護者にむかい、

3人の重なり交差する 『 視線 』 は、



それ、

さらに、

発動中において、

修練度合いがQに増し、

スキルレベルは上がっていき、

三重【業】となり、『 死閃 』 を放っていた。





<♪♪♪>

星のめぐりの渦らまうは、

それ果ら舞うは、

カルマ[星] とカルマ[業] ことほいで、

さらにカルマン[業雲]、結いやわす。


魂魄識霊 (コンパクしきりょう)、

三つ蔵のこと。


(ホイのホ~イ♪)

</♪♪♪>





「まるまるマルマル、しっくり、くりくりクリクリ、じぃ~~~ニャッ!」


「みるみるミルミル、もっこり、こりこりコリコリ、じぃ~~~ミャッ!」


「ん・・・・・!」



(^・し・^) ジー


(^・も・^) ジー


(・ん・) ジー





時にゆだねて、          ………[カーラ]

方位さだめし、          ………[ディシュ]

我のもとめる、          ………[アートマン]

心のままにと、          ………[マナス]





3人の中の何が、そうさせるのか、

3人の何が、そうなるのか、

因縁、果らまり、

四つの門が、

開かれた。

極微小、

にも。



『視ッ!』



守護者は、ちょうど眉間の辺りに、点が穿たれた。

その身に持てる、存在を保ちたる時量が、

吹き出る煙の様に、漏れ出した。

白い煙が螺旋ほぐされて、

花咲く花ビラの様、

その点からッ!



『シュヲぉぉぉおおおーーー・・・』


                『シュホぉぉぉおおおーーー・・・』


                                『シホぉぉぉおおおーーー・・・』



そして、

煙とともに、

その身もろとも全てが、

遥かな全方位へと向かいながら、

拡散・発散・霧散するままに消え果てていった。



四方へと、

散り散りに散った。





また、

ある意味、

時量の漏洩のままに、

身体の表面からも崩壊していった。



『 ちりちりチリル、ち゛り゛ち゛り゛チ゛リ゛ル゛、』


『ちるるるる、チ゛ル゛ル゛ル゛ル゛・・・・・』



蒸発して消散するかのように、

沸騰して発散するかのように、

守護者は、蒸沸してしまった。

守護者は、成仏してしまった。

きれいに、浄化されてしまった。



やおらぐ様に、

やすらぐ様に、

やわらぐ様に、

やりきる様に、



それ、

ことほがれ、

祝福されるかのように。



もしかすると、

この世から消える時、

守護者の一瞬の表情は、

口元が穏やかにほころび、

フンワリと笑みを浮かべていた・・・、かもしれない。





清浄寂滅と、

この世から解き放たれ、存在を清浄に還す。

とても清らかで、静かなところに身をおいた、かもしれない。



生滅遷流と、

今ひとたびの存在から離れ、新たに巡り立ち返らす。

生まれ生まれ生まれて死んで、死に死に死にてまた生まれる、かもしれない。





守護者とは、

巡りめぐって、

また、この世界に、

現れてくるのだろうか。



新たな命を得て、

新たな姿を得て、

新たな時を得て、

新たな・・・・・、





*****





「ちゃぷちゃぷ、ニャンニャン、ちゃぷ、ニャンニャ~ン♪」


「ゆらゆら、ミャンミャン、ゆら、ミャンミャ~ン♪」





いま、

ポツンと、

ワタシたちは、

海の上に浮かんでいる。



黒糸 (コクシ) 球を半分に割って、

半球の救命ボートにして、

中に乗っていた。



この星の海水濃度は、どれほどなのか、

それは、分からない。



帰艦回収時刻まで、

まだ、間がある。



潮風に晒されるまま、

ベタ付きたくは、

ないものだ。



3人は、

ただただ、

潮風に吹かれ、

浮かびゆくままに、

広い大海原のなかで、

ゆったりユルユル、たゆたうっていた。

ノンビリのんののーん、タユタユしていた。





今、

3人は、

海の上に浮かび、

大きくユックリ繰り返される、

海面のウネリ盛り上がり、張り膨らみ具合、



それ、

まるで、

海面のオッパry・・・違ッ!



星のユースタシーを、          ……[eustacy / eustasy]

ゆったりノンビリ感じていた。

恒星の陽ざしを、ユルユルと浴びゆくままに・・・。





『 ぷかぷかぷかー、プカプカプカー、ぷんかぷんかぷーん、プンカプンカプーン、』





眺め見る海は、


浮かび行くままにも、


なんと、青かったか・・・。





ちなみに、

黒衣の影法師 (カゲホウシ) こと、黒之三人衆たちは、

紫外線・熱線の対策された黒衣を、

身に着けていた。





そんな中、

遠く離れた、

海のうえに、

もうひとつ、

青い水平線に、

見え隠れ現れ消える様に、

なんだか、とても不思議なモノが、

ぷかり、プカリ、ぷかり、プカリ、と浮かんでいた。





*****





後々になって、

言いわけを並べ立て、

あのときは大変だったと、

もっともらしい事を言い出して、

あとだし、いんちき、うそつき、えびめし、おためし、かまめし、くりめし、ごまめし、



そんな事をおぼしめし、



そんな事をしてたら、何も手に入らない。

そんな事を繰り返してたら、何も成しえない。

そんな事を積み重ねていたら、何も変えられない。



誰も、

相手にしない、

見向きもしなくなる。

見放され、突き放され、石を投げられる。



やるべき時にこそ、

やるべき事をやる。

やるべき者がやる。


やるべユルユルと、

やるべきままにと。


歩むままに成せり。

歩むに成し遂げり。



其処を去らず、

其処を逃げず、

其処を離れず、



必死に守り抜くのである。

死にもの狂いで戦うのである。

存亡をかけて運命を賭けるのである。



それでこそ、

煉獄よりも抜け出せて、

果てなき先に、

得られるモノがある。

背に腹かえぬモノがある。

業に打ち勝つモノがある。

兎角亀毛もありえるモノと成りえる。。





其れ、

3人は、

逃げなかった。

踏みとどまった。

戦いぬいて勝ちのこった。



だから・・・、





いや、





まあ、





その、





ええ、





それは、

そもそも、

3人にとり、



海の上ということで、

逃げるところは無かったのだが、

足場を変えることは出来なかったのだが、



目的を考えれば、ここで戦わないで逃げていたら、

ここまで来て、3人が苦労している意味がないのだが・・・・・。




 




 




 




 

どっとはらい、


どっと大笑い、


どこかの大洗、


ザザザ、ザブーン、


潮さいは奏でられる。


月の光りが降りそそぐ、どこかの浜辺で・・・・・。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<守護者4・・・巨大ハンマーヘッドシャーク (撞木鮫) 的ナニカ>


デンパリアン・デンパラゾーン→ニャンとミャーとワタシが対応。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<事例4>


帰艦後、

ワタシは、

識量消耗過多により、

すぐにも、ベッドに倒れ伏した。



ウラがエリ、

ヨミがエリ、

回復に入った。





*****





あちらのワタシは、

途轍もない、途方もない、トンでもない、

物理ダメージを受けていた。



こちらの私は、

その裏返りダメージがきている。



いま、

いくら、

身体組成が、

カオス生命体に、

存在が傾いていても、

身体の芯から全体へ広がる痛みは、



もう、その閾値を超えている。

これ、もはや、苦しみ業苦となり、

いや、それこそ、業Qと成り果てる。



意識は、

闇黒に囚われ、

冥々朦々にして、

気をしっかり保つのも、

酷く辛い状態に陥っていた。

この先ずっと、このまま未来まで続くのならば、

「アンタンら、それ目ィモウ、回しすぎてツライワー。」



もう、

それは、

魔渦 (マカ) フシギ、

魔耶 (マヤ) カシ、

魔揺 (マユ) レ、

魔酔 (マヨ) エルは、闇黒の渦 (ウズ)。

呑まれて見たのは、いつの日か・・・・・。



闇黒の渦 (ウズ) から、

あがき足掻いて、浮かび上がり、

うめき呻いて、這い上がり、

もがき藻掻いて、抜け出して、

ねじれ曲がりて、からまる螺旋。

ハマリて見たのは、いつの日か・・・・・。



それほどの、

本当に、それほどの、

痛みを越えて、苦しみが現れていた。





『 曲がりくねった道は、クネクネして楽しい。 by海尾水 』





D「もうッ、 楽しくないわよッ!」





そんなこんなで、

どんなこんなか、

なんともかんとも、



「はあ、 ひっひー、 ふう、 へんッ、 ほほんほー・・・・・、」



と、

息も、

苦しげ。



今、

まだ、

胡坐をかき、

ベッドの上にいた。



和らがない、

痛み苦しみ。



気が遠のくまま、

身体を横に出来ないままに、

足首を両手でつかみ身体を揺らしていた。



D「こうしてると、 少しは、 苦しいのが、 紛れるかしら・・・。」



痛みも熱も苦しみも、

マックス全開バリバリ・バリスタ伝説状態、

ほぼ素肌あらわの、スッポンポン全裸ポンポン・タヌキ囃子状態、



そんな、

すがたで、

ひとり頷きながら、

ひとりごちながら、

ひとり納得していた。





ちなみに、

そばで見ていた、

ニャンとミャーは、

足首ホールド胡坐掻きユラユラ状態が、

おもしろ気に入ったらしく、

それをマネして、

部屋の中でユラユラさせながら、

転がり回っていた。

遊んでいた。





*****





D「今回も、数多 (あまた) 幾多 (いくた) の艱難・危難・苦難・険難・困難ダったわねぇ、

  ・・・ん、何よそれ・・・、言わないわよ、言うもんですか、

  言うわけないじゃない、こんなに大変だったのに、

  ・・・・・それを、何ダって言うのよッ、

  絶対言わないわよッ! 絶ッ対ッ、

  言わないんだからねッ!」





D「それにしてもねぇ・・・・・。」


D「まさか、こっち側の身体にまで影響あるなんて、」


D「こんなに、身体じゅう青アザだらけ。 ひどい打ち身よ。」


D「青アザとこんなに仲よく馴染みになっちゃって、まさに青ナジミよッ!」



いま、

彼女は、

全裸ながら、

ほぼ身体じゅうの、

あっちこっち、そっちどっち、

いろんな所に、湿布シートが貼られまくっていた。

場所によっては、大きなマエバリか、特大ニップルレスになっていた。



サキッポ、

チクビ先端辺りが、

オッパイ湾曲にくらべて、

いい感じに主張多めの腫れぎみ、

とんがり我儘デッパリ膨らみに実っていた。



プックラぱかんと、

プックルぷくんと、

プックロぽこんと、

ふ゛っくり乳輪してるので、

貼った湿布シートがうまく貼れずに、



ペランと落ちては、

ペリンと剥がれては、

ペロンと捲れては、

そのたび毎に、

あらッ、はわッ、まあッ、やだッ、わおッ、と、

貼り直していた。



D「もうッ、 度がすぎたパフィーニップルはこれだから・・・。」





D「回復するまで、もう一眠りするわ。」


D「起こしちゃダメよ。」


D「あなたたちも、今回は大変だったんだから、早く寝なさい。」



そして、

白いシーツを、

露わになった素肌に、

すり合わせる様にして、

腿の間に挟みこむ様にして、

身体にクルリと纏える様にして、

ベッドのなかで眠りに落ちていった。

 

  

   

    

     

      

       

        

         

          

           

            

『 ビゥィーン、ィンィンゥィン♪ 』


『 ビゥィン、ビゥーィン、ビゥーィン、ビゥンビィンィン♪ 』





やがて、


なにかが、


はじまった。





ニャンは唇を、

ビィンビィロ・ビンビンビン、

口琴のように鳴らしはじめていた。





ニャ「言ったぁ、言わぬわぁ、言わナガヒメ~、

    言わぬがハナのサクヤヒメ~、

    言わながスネてもナガスネヒコ~、

    言うわヤクスもニョライぞお~、

    言うわタヤスくヤスクニの~、ニャぁ~♪」



『 ニ゛ャゥィン、ニ゛ャゥーィン、ニ゛ャゥーィン、ニ゛ゥンニ゛ィンィン♪ 』


『 ニ゛ゥィーン、ィンィンゥィン♪ 』



『 ぽっぴん、ぽっぴん、ぽっぴんぴん♪ ぽぴ~ん n n n ・・・・・♪』



ミャ「ポッピンピン、ミャぁ~♪」



いま、

ミャーの手にあるモノ。



それは、

今回の獲物を、

帰艦するに際して、

異宇宙同士の “ 摂理 ” のかち合い、相反しあい、

つい、ほんの、出来心てきな消滅をふせぐ為に、

識素・変「解」(変換)をほどこしたモノ。



その結果、

姿形が変わり果てたモノである。



それを、

ミャーは、口にくわえて、

ぽっぴん、ポッピンとさせていた。



それは、

その姿形はまるで、

穢れをはらい、厄をおとし、

災いをとおざけ、ゲンをかつぎ上げ、

ありのままに、コトホがれるるモノだった。





それ、

ポッピン、



または、

ビードロ。





■Nanda=ナンダ:

 此 (シ) 宇宙、全宇宙、君に夢宇宙、盲宇宙を統べるものの、

 祝福の調べを奏でる幻 (ゲン) 楽器。

 宇宙竜斗 (リュート) 、或いは、宇宙の重芯・摂理をささえる『竜斗』のこと。

 宇宙漏斗、宇宙漏斗゛、宇宙微漏斗゛、宇宙微斗゛漏。

■宇宙放牧・遊牧・牧畜種族の名称、宇宙の闇黒暗渠を泳ぎまわる闇黒カエル、等。

 出処出典:無限書庫回廊から Q にまつわる文献より。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<母艦居住区 3等船室 4>


記憶の共有、記憶の継承、記憶の整合性、意識の鮮明化 ・・・・・、


識量多大枯渇からの回復、

識量渦大不安定からの回復、

識量不浄混濁からの回復 ・・・・・、


回復 ・・・・・ 回復 ・・・・・ 回復 ・・・・・。


身体の構成が回復していた。





いつもの船室の中、

静かに呼吸をくり返し、

ベッドの中に横たわるまま、



ワタシは目を開けた。



天井全体が、

白色光の照明システムで、

室内は、柔らかい光に満たされていた。

3等船室に似つかわしい飾り気のない質素な照明である。



ワタシは、身体を起こした。



顔の右側面、左側面、

貼られていた湿布シートが、

ぺらり、ペラリと、はがれ落ちた。



D「そうだった・・・、」


D「あちら側には、ずい分とダメージが現れていたようだ。」



ニャ「ご主人!戻ったのニャン?」


ミャ「ミャ ( ま ) ーすたー!」



D「ああ、回復したようだ。」



2人は開口一番、

毎度のようにワタシにじゃれ付いてきた。



ニャンとミャーは、

にじにじり胸元を登りだした。

にじにじり背中を登り出した。



登坂攻略ごっこをする2人に、

ワタシは、かまわずに聞いた。



D 「今回の収穫は、どうした?」


ニャ「ニャッ! (ハッ!)」


ミャ「ミャッ! (ハッ!)」



ワタシの身体から離れた2人は、部屋の隅に駈け寄った。

いつもは、その辺りに転がしてあるのだが、

それ、そこには何も無かった。



2人は、同時に、

はたと気がついた。

なんなら、頭のうえに、

ピコンと小旗が立ちハタめいた。



ニャ「これこれ、これなのニャ。」


ミャ「それそれ、それなのミャ。」



ニャンとミャーは、

部屋の中央に据えつけ置かれているテーブル、

その上においてあるモノを指さして言った。



それは、

テーブルの上の、

白くて底の浅い丸平皿に置かれていた。



「あニャ? また、変わっちゃったニャ!?」


「うミャ? もう、変わっちゃったミャ!?」



今回の、

守護者の、

識核 (コア) の、

成れの果てである。

摂理なじませの識素・変「解」(変換)を施したモノは、

『擬・ポッピン』 から、なにか訳のわからぬ 『大きな玉』 になっていた。



いや、

それは、

玉でなく、

どことなく、

そこはかとなく、

玉と云うには歪で、



それは、

黒色の糸のような、

茶色の紐のような、

褐色の弦のような、



がじゃがじゃ、ぐじゃぐじゃ、ごじゃごじゃ、

がしゃがしゃ、ぐしゃぐしゃ、ごしゃごしゃ、

と絡まりまわった、

包まりまわった、

縺れまわった、



がしゃがしゃドクロ、

がしゃドクロ、

ガラシャ髑髏、

いやいやや、

餓者髑髏、



なにか、

そんな面影の、

ただようモノだった。



もしくは、

闇黒髑髏・・・・・。





■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<エピローグ4>


「祝福ニャ~♪」


「至福ミャ~♪」



「幸福なのニャ~♪」


「幸福なのミャ~♪」



「楽しいのニャ~♪」


「楽しいのミャ~♪」



『びんでぃん、ぶんどぅん、ぶんどぅ びりびん、びんびん♪』


『どぅんびん、でぃんびん、どぅいどぅい、どぅんどぅん♪』



『びんでぃん、ぶんどぅん、ぶんどぅ びりびん、びんびん♪』


『どぅんびん、でぃんびん、どぅいどぅい、どぅんどぅん♪』



『どぅんどぅび、どぅんどぅび、どぅんどぅんどぅんどぅん♪』


『どぅんどぅび、どぅんどぅび、どぅんどぅんどぅんどぅん♪』





ワタシは、

そういえばと、

ふと疑問を覚えた。

ニャンとミャーの2人は、

そんなこと、どこで覚えたのか、

自分の上唇と、下唇とを、

爪を引っ込めた指で、

爪弾いていた。



そういえば、

たくさん持ってきた識札を、

ビィンビィロ・ビンビンビンと、舌と唇で指舐めて、

ぺらぺら、ペラペラとめくっていたなぁ・・・・・。





ニャンは、ミャーは、



なにやら、響き渡る音の波に、

酔いしれるままに、

酔い酔い酔いの、

酔い気分に、

浸りきり、

酔える、

まま。



ニャンとも、ミャーとも、



気分よく、メロディーを奏でていた。

気持ちよく、ハーモニーを奏でていた。

お気楽ご気楽に、リズムを刻み奏でていた。




 




 

『ゆだねよ。 流れのままに、』


『さすれば、・・・・・』




 




 

と、唐突に、



「ご主人、おいら、眠いから寝るのニャ~。」


「マスター、ぼくも、寝るミャ~。」


「・・・ああ、オヤスミ。」



唐突のままに、

演奏会は終了をむかえた。



2人は、同じ一つのベッドに飛び込むと、

布団をあげ、かぶり込み、

布団の中に、すべり込み、

布団へ丸々、もぐり込み、



2人して仲酔いままに、

とりも直さずに、

すかさずに、

寝た。



『 ニャぷぅ~、ぴる・ルルルル・る~・・・・・』


『 ミャぷぅ~、ぴる・ルルルル・る~・・・・・』




 




 

それ、

部屋の中央、

テーブルの上、

丸平皿の中にあり、



そのポッカリ開いた、

眼窩の奥に湛える漆黒、

そこ深い闇が広がっていた。



モノ言わぬ闇黒髑髏は、

ただただ黙って、

座していた。




 




 

いま、

冗長する駄b・・・違ッ!・・・・・違うからッッ!!



いま、

冗長する時の中、

奇跡の一欠けらが、

其れ、最後に、はまり込んだとき、



すべては、

ことほがれる、

解きあかされる。




 




 

(そのヒトカケラは、キミだ。)




 




 




 




 

(おでぇ? おででつかぁ? おでのことぉ?)


(バーンッ!)


(おまえじゃねーッ! 引っ込んでろッ!)


(でへ、 でへへ、  でへへへへ・・・・・。)




 




 




 




 

■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<うそエンディングロール & NGシーン>




 

『うそつきは、相手にうそを、なすりつけ。』




 

ぱんぱらパンパン、ぱんぱんパンパン、

ぱんからパンパンパーンッ♪

ぱんからパンパンパーンッ♪




 

ぱーぱぱぁーーーぱ、パーパパァーーー♪

          ぱーぱぱぁーーーぱ、パーパパァーーー♪

                    ぱーぱぱぁーーーぱ、パーパパァーーー♪




 




 

■■■ 『ゼーグルケ』闇黒大激槍を、咆哮・撃砲ッ!

■■■ 黒糸球が『どっぱーーーんッ!』ぶっとび瞬間蒸発ッ!

■■■

■■■

■■■ 監督「オマエの出演予定はココじゃねーッ!!」とガチギレ! のシーン





■■■ ロケ場所の近くの浜辺で、大きなパラソルの下で、お茶してた出演待ちの3人は、

■■■ びっくりして食べてたアイスクリームを落とした。

■■■ 『 びしゃッ 』

■■■

■■■

■■■ し・も・んの顔ではなく、

■■■ (^・д・^) デー

■■■ (^・д・^) デー

■■■ (・Д・) デー のシーン





■■■ 遅刻してきた守護者『デンパリアン・デンパラゾーン』、

■■■ 気を取り直して、黒糸球に『 流舌乱 Featuring 各種 』をブチ当て捲くる

■■■ 勢い増してコントロール外れて、海岸近くのスタッフ待機場所に、

■■■ 『どっぱぁーーーーーんッッ!!』ぶっとび大惨事ッ!

■■■

■■■

■■■ 監督「オレの作品をぶっ壊すきかーッ!!」とガチギレ! のシーン





■■■ 三つ目族の監督は、ふだん閉じてる第三の目『額眼』を開眼ッ!

■■■ どこかの三つ目族艦長とは逆。

■■■ 『ピキュワァーーーーーンッ!!』

■■■ あたり一面、瞬くまに闇黒視界に染め上げたッ!

■■■ 『事象【怪】変ッ!』

■■■

■■■

■■■ そして、今の大惨事を元に戻した。 のシーン





■■■ それを見ていたニャンは、

■■■ (^☆▽☆^)ピキューンッ♪ なんか、ヒラメ開いたッ! いや、閃いたッ!

■■■ 『事象【怪】変ニャッ!』

■■■ 別に、何も起こらなかった。

■■■

■■■

■■■ ただ、・・・・・竜斗が、・・・・・ズレた。 のシーン





■■■ 監督「おい、助監ッ! テーブルの上にドクロねーぞッ!」

■■■ 助監「あれー、おっかしーなー、用意しときましたよー。」

■■■ 監督「あれー、じゃねーよッ! ねーじゃねーかよッ! 早く用意しとけッ!」

■■■ 助監「はい、監督。・・・しかし、おっかしーなー、足でも生えたかなー。」

■■■

■■■

■■■ テーブルの脚の陰に、それはいた。

■■■ その姿は、頭蓋骨に両手両足が生えたナニカみたいだった。

■■■

■■■

■■■ アンコクドクロことアンクロちゃん。

■■■ アンクロちゃんことアンクちゃん。

■■■ アンクちゃんことアンクー・・・・・。

■■■

■■■

■■■ そして、不気味な笑いを幽かに響かせていた。

■■■ 「しっしっしっしっ、シッシッシッシッ、死ッ死ッ死ッ死ッ・・・・・」 のシーン




 




 




 




 

ずんだらズダラコ、


ズラズラぺっちゃんこ~♪




 




 




 




 

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人より解き放たれよ!

異霊 (コトタマ) ふりて、

言祝がれよ!




 




 




 




 

4つの財布をもつ世代。

4つのポケットをもつ世代。

4つの子ども銀行をもつ世代。



そう云われていた世代があった。



すべての世代が、

あこがれていた、

うらやんでいた、



すべての世代から、

憧れられていた、

羨まれていた、



いまや、

裏返った。



いままで、

溢れていた幸福は、

不幸の汚水で穢された。



社会に出て、

怨みがましく、

恨みまくりの、

見っとも無い世代と相成った。



年配の世代、

年少の世代、

上下に挟まれる世代から、

蔑まられていた。



あの当時、

皆から羨まれた、

あれほど世に愛された、

黄金ミレニアムな世代だったのに。



何も選ばないことが、カッコイイことなのか、

自分から動かないことが、カッコイイことなのか、

黙っていても何でも手に入ることが、カッコイイことなのか。



なぜ・・・、



やはり、

それでも、

世界が憎いと言い、

すべて、世界が悪いと言う・・・・・。



なんの創意工夫もできず、

なんの生き残り努力もできず、

なんのコレシキ六識展開もできず、

涅槃でチャーハン食べ食べモーハンセイできず、

お尻プリっとモウコハーン見せ見せモンゴリあはーん電ギルっ!

共感共鳴共有しようねボクらの星めくキンポウゲ・パクリ・メソッド皇帝閣下ッ!



いづれは、

自分の花が、咲くころに、

時分の花が、散るころに、

彼岸の花が、甦るころに、



自由の罠を、知るころに。



ころころ、にんにんにーん、

ニンコロッ!





人が、人らしく、

花が、花らしく、

空が、空らしく、



そんな、

当たり前が、

日常だったころに、



独裁総理の手足となりて、

腐敗邪悪の手先となりて、

そんな、警察庁長官など居なかったころに、



思い馳せるころに、



時代は遥かに、

斜陽にたそがれる。



ころころ、にんにんにーん、

ニンコロッ!




 




 




 




 

ひとつ、

ひとより、

ひとがよく、

ひとりよがりに、

気づきヂカラを上げるには、

日ごろより内から湧き上がりし八艘跳びの発想をハッと想するが如し。



それ、

すなわち、

眠りて夢のなかでも、

痒きところを痒きのうちに、

無為無我無心に手をのばして掻くが如し。

マコの手で、かきかきマコマコ、マコ掻痒の如し。

自然のままにして、溺れること染まること塗 (まみ) ることなく。



どっぽぉーーーんッ

ぶくぶくぶくー、 ・。゜〇 ○ ◎ 、 ・。゜〇 ○ ◎ 、 ・。゜〇 ○ ◎ 、

おぼれたーッ!





とっぴんぱらりのぷっぷくぷ~♪



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