Q - ■<状況2>
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<状況2>
ワタシは、
踏着して出現した直後、
そこは空中にいることを感じた。
『デンデケデンデケ、デンデケデンデケ、(:BGM)♪』
『ヤンヤンヤーヤーヤーン、ヤンヤンヤーヤーヤーン、(:コーラス)♪』
地表上1万ムートル、
『デンデケデンデケ、デンデケデンデケ、(:BGM)♪』
『ヤンヤンヤーヤーヤーン、ヤンヤンヤーヤーヤーン、(:コーラス)♪』
自由落下状態!、
『デンデケデンデケ、デンデケデンデケ、(:BGM)♪』
『ヤンヤンヤーヤーヤーン、ヤンヤンヤーヤーヤーン、(:コーラス)♪』
(※:ムートル=メートル=m、)
決して、
アイキャンフライではない。
それは、フォーリンダウンであった。
いや、
それはもう、ドロッピンダウンであった。
ニャンとミャーは、
それはもう落下しながら、、
「あニ゛ャま゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ーーー・・・・・」
「あミ゛ャら゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ーーー・・・・・」
手、足、しっぽ、あたま、ヒゲと、
あらんかぎりの、
ありったけの、
あるやんこびったけの、
あれきさんどろすばりの、
あろろろろォーーーンとしていた。
刹那、
背後から、
『チリチリ(、)チリチリ(、)チリチリチルル』と、
空間に錐孔をあけて突き通し、錐裂いて、刺し貫いてくる “ 圧 ” を感じた。
どんな超高速な移動体よりも、
あらゆる超高速な移動音よりも速く、
空間が上げる悲鳴軋裂(アツレツ)のような鋭さであった。
黒糸(コクシ)でニャンとミャーを絡め取り、
地表に黒糸(コクシ)を貫いて自らを引き寄せ、
自由落下から超急速降下に移った。
すると、
今いた空間に、
超高速移動体の推進爆音と、
大火球の爆発爆音が重なり発生した。
更に、
降下を速めて、
地中に貫いて作った黒糸(コクシ)球内に退避[cocooning]した。
(※:黒糸球:[Black Cocoon / Black Cocoon Ball / Black Cocoon Sphere / BC , BCB , BCS])
瞬時に、
ワタシと、ニャンとミャーを、
識素・分「解」(シキソ・ブンカイ)させて、
黒糸(コクシ)の中を移動し、そのさきで実体化した。
そして、
その後を追うように、
何もない空間が爆発した。
続けて2つの大火球が発生した。
(※:大火球=直径1000ムートル[=メートル=m]=1カロムートル[=キロメートル=km]、
小火球=直径100ムートル[=メートル=m])
(※:ここの世界の知的生命体が使用する単位と、イメージ。)
ワタシは、
地下数mのところにある、
地中の黒糸(コクシ)球内で考えていた。
3人で身を寄せていられる急ごしらえの小さな空間であった。
出現直後に既に、感知・察知・探知されていたのか?
そして、
なぜ出現は空中だったのか?
観測室の観測能力も万能ではない。
踏破(↑)穿孔(↓)の着地点が、
空中になることもあり得るのだろうかと考えていた。
ニャ「がくぶるニャ、がくぶるニャ・・・。」
ミャ「ミャ・・・ミャ・・・ミャ・・・。」
あまりのことに、展開も早く理解がおいつかないので、
震えているニャンとミャーの頭を引き寄せつつ、
撫で撫でと撫でながらナンデだろうかと考えていた。
ねこカワをしながら、
なんども、
これは、
守護者のまえに厄介なことを片付けなければならなくなった・・・。
さっきのアレは、
この世界の軍事力の、ほんの一端であろう。
そうなると、
正面からやりあう必要は無い、いやその余裕もない。
チカラは守護者にのみ温存しておかねばならない。
なれば、
これはもはや、
三十六計の一手にて、
走るを上策とするに一転す。
いや、
逃げるが上出来の一点突破!
張ってんオッパイ言ってんのがオテンバ娘である。
そう、
全回避に専念するのが良い。
と考えた。
ちなみに、
ニャンとミャーは、
まだ、ショックが続いてるのか、
急に、
“ 逃げろ ” 為らぬ、 “ 煮ゲロ ” をしていた。
煮ゲロだし煮ゲロたて煮ゲロわき煮ゲロせんじホヤホヤであった。
「困ったモノだ・・・。」
ワタシは、
撫で撫での撫でる手を少しゆるめて、
黒糸(コクシ)を放ちて辺りいちめんのモノを、
識素・分「解」(シキソ・ブンカイ)させて処理をした。
「ふむぅ・・・、」
「地形をすべて確認できなかったな・・・。」
空中にいた時の、
わずかなあいだに見た景色を頭に思い描いた。
平坦な地平を、
遠くの山並みを、
はるかに見えたのは海岸線だろうか・・・。
「逃げるにしても、どっちへ・・・。」
ワタシは、
撫で撫での撫でる手をとめることなく困っていた。
ここに居るあいだは安全であろうが、
時間には限りがある・・・。
(※:黒糸(コクシ)=支柱、移動経路、触手、分解の手、解析の手、伝達の手、お手手の糸と糸をより合わせて糸耳図ゥ!)
(※:黒糸(コクシ)球[Black Cocoon / Black Cocoon Ball / Black Cocoon Sphere / BC , BCB , BCS]
=退避球体[Cocooning Ball / Cocooning Sphere / CB , CS]、退避壕、Q体、)
(※:黒いとバイ、ばいばいバインッ!、くゥーろォーいィーつッry・・・【自粛】、)
(※:Kreuzbein[クロイツバイン]、磔骨十字架、骨十字、仙骨、~→「黒糸吠印ッ!」「バインドッ!」)
*****
「グ・ジー将軍ッ、敵3個体、撃破失敗です。
また3個体の消息いまだ不明であります。」
ゲ・ンズ統括情報戦略将校(参謀)は、そう言って報告した。
彼は、情報を分析して作戦を発案するのが仕事である。
「今回の出現は、予測班の事前報告には無かった。これは、何か?」
第一報をうけて、
グ・ジー将軍は問い返した。
将軍は、南方方面軍を指揮するべく、
ここ南方方面防衛基地の指令官の任についていた。
「ハッ、
今回出現次期:フの月、異例であります。
出現場所:地上1万3千ムートル、異例であります。
出現個体数:3、異例であります。
出現個体形状:小型3個体、全て、異例であります。」
「全てにおいて異例ずくしであります。
ただし、
差異あれど出現個体は、我々と似た姿と大きさであります。
これらの理由すべて、分析班の報告まちであります。」
以上ッ。」
ゲ・ンズ統括情報戦略将校(参謀)は、
手に持った2dホログラム報告書を、
テキパキと的確に、そして一気に読み上げた。
2dの文字列と画像図表が、ホログラムシートに表示されていた。
「急がせよ。」
将軍は、ただ一言のみ指示を下した。
「ハッ。」
参謀は、うやうやしく頭を下げた。
そばの伝令官に今の旨を伝え、情報分析ルームへ向かわせた。
グ・ジー将軍は、
司令室内の作戦指揮テーブルの上に、
投影されている4dホログラムを眺めていた。
これは、
戦略情報の4dマップである。
作戦を発案・発令をおこなう司令室のある、
その防衛基地を中心にした半径1万ムートルの大きさ、
半球エリア内にもろもろの情報が、4dホログラムで投影されていた。
このシステム、相当な探知・解析・分析技術である。
3個体が出現(青ポイント)し地表に移動し、
消失した地点(赤ポイント)まで、
追跡ライン(緑ライン)が表示されている。
赤ポイントからの黄ライン(移動予測ライン)が、いくつか表示されている。
添付表示されている予測値は、どれも10%に満たない、
説得力のないものばかりである。
「(定期出現は先のはず。)なぜなのか・・・。」
グ・ジー将軍は眼を閉じつつ呟いてみた。
そばに控えるゲ・ンズ統括情報戦略将校(参謀)は、
その様を畏れかしこみ恭しく眺めていた。
いつもながらグ・ジー将軍のスラリと伸びつつ決して地に着くことなく、
それでいて先端がちょい上を向き微動だにしないズッシリとした、
威厳悠々たる『尻尾』には見とれる立派さがあった。
わが種族最大の特徴である『尻尾』はただ生えていれば良いというものでは無い。
その様は、大きさ、物腰、見栄えが大事になってくる。
立場と尻尾、この2つを兼ね備えた者こそ、
真の指導者として皆から尊敬され認められる。
ここ、南方方面防衛基地を任されているグ・ジー将軍こそ、
いづれは大将軍となり全防衛軍を率いる御方、総司令官となられるだろう。
対して自分は、常に尻尾を接地させ床面をこすり引き摺っている、
先端など申し訳ていどにも上を向いていない、・・・。
ゲ・ンズ将校は、
立場に対して見劣りする自分の尻尾のことを頭から払いのけつつ、
ついつい口内の舌を噛んでしまうことは否めないでいた。
いま司令室につめているモノ共の姿は、
暗緑色のウロコ状の硬い質感の肌、
透明な薄膜におおわれた眼球、
尻に生えている長い尻尾、
直立歩行の爬虫類型、
知的生命体。
しばらくして、
伝令官はもどった。
ゲ・ンズ将校に先ほどの件を伝えた。
(※:ヒ(火)・フ(不)・ミ(未)・ヨ(与)・イ(井)・ム(無)・ナ(那)・ヤ(夜)・コ(去)・ト(吐)のツキ(月)、)
(※:情報院、情報省、情報庁、情報室、情報戦略、情報戦術、情報行動、情報即応、情報部隊、etc.)
(※:呪法院、呪法省、呪法庁、呪法室、呪法戦略、呪法戦術、呪法行動、呪法即応、呪法部隊、etc.)
(※:法王院、法僧院、法曹院、砲装院、砲科装備科院・省・庁・室、)
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<出現2>あるいは<発現・発露2>
凪いでいた。
空も大気も海も陸も、
陽の光も風の音も潮の香りも花の匂いも、
位相が歪むことなく凪いでいた。
時化ることなく凪いでいた。
大気が、
その場所で、
おルォ大きく、
ゆルゥゆっくりと、
はルァ張り裂けるかのように、
鼓動がはじまった。
たわんだ、
たわわんだ、
たわわんだわん、
たわわんだわんだ、
たわんたわわんだわんだわわんだ、
たわんたわわんだわわんだわわヲん、
ヲん、ヲヲん、ヲヲをん、ヲヲんををヲん・・・・・、
どうしようもなく、
どこまでも切りなく、
どこまでも閉じなく、
どこまでも果てなく、
どこからともなく、ワれんワれなく・・・・・、
割れた。
『nパッ、アァァァーーーンンンnnnッ!』
ふだん、
この守護者が潜んでいるのは、
星の位相がズレた “ 隠遁空間 ” である。
この星のどの場所からも近く、そしてどの場所からも遠い・・・・・。
あちら側より、
(※:以下<出現1>と、同様共通表現。)
大識量、大識度、大質量の『守護者』が現れ来るとき、
たとえ、大スピードで突っ込んで来なくても、
まして、大スピードで突っ込んで来ても、
相応の空間歪曲、相当の重力歪曲の衝撃を与えてくる。
こちら側では、
空間面において、重力面において、
『空間重力ホプキンソン・スポール衝撃』により、破壊効果が現れる。
空間の位相面、重力の位相面が、
極限なまでに、ズレ、撓み、歪み、
そして、一気に閾値を超える。
そのとき、
一瞬の空間・重力の臨界状態に突入したことで、
見えるモノ、聞こえるモノ、臭えるモノ、
様々な状態の中から、
とくに、
とりわけ、
視覚効果が現れ出て、浮き出て、湧き出て、
まさに、映る景色もろとも、
空間が、吹っ飛ぶ。
(※:以上<出現1>と、同様共通表現。)
『nパッ、アァァァーーーンンンnnnッ!』
つぶ、つぶ、ツブリ、
つぶ、つぶ、ツブリ、
かけ、かけ、カケリ、
かけ、かけ、カケリ、
はら、はら、ハラリ、
はら、はら、ハラリ、
ひら、ひら、ヒラリ、
ひら、ひら、ヒラリ、
ふわ、ふわ、フワリ、
ふわ、ふわ、フワリ、
へな、へな、ヘナリ、
へな、へな、ヘナリ、
ほわ、ほわ、ホワリ、
ほわ、ほわ、ホワリ、
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<遭遇2>
ニャ「ぱらぱらパラパラ、なんか降ってくるニャー!」
ニャ『ぱくぱくニャ、パクパクニャ・・・。』
ミャ「ばらばらバラバラ、こまニクばらニクうミャー!」
ミャ『ぱくぱくミャ、パクパクミャ・・・。』
粉々になった空間事象のカケラたち、
ずい分ひろい範囲にバラ撒かれ降らせている。
2人して、しきりに拾っては『ぱくぱくパクパク』していた。
D「食べるな食べるな。そういうモノを。」
D「普段あのようなデカブツ、どこに隠れてるモノやら。」
D「黒糸(コクシ)球の移動を考えとくか、・・・奴が来る前に。」
ワタシたちは、黒糸球を抜け出し、
あたりをコッソリ探っていた時に、
守護者の出現を目にした。
『がりがりガリガリ、がるがるガルガル・・・』
『がしゃシャシャシャーッ!』
『ごりごりゴリゴリ、ごるごるゴルゴル・・・』
『ごしゃシャシャシャーッ!』
『どりどりドリドリ、どるどるドルドル・・・』
『どしゃシャシャシャーッ!』
数十の触腕脚が、地をえぐり、岩をくだき、土砂を巻き上げ、
勢い激しく、猛烈に突進してくる、
巨大ヤドカリ的ナニカ、
守護者が。
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<対処2>
ニャ&ミャ「たらった、らった、らんら~んニャ(ミャ)♪、
たらった、らった、らんら~んニャ(ミャ)♪」
ニャ「災難・受難・遭難対策、
「仏」理学(ブツリガク)光「解」(コウカイ)講座、はじまるニャ~♪」
ミャ「それでは「解」光(カイコウ)ミャ~♪、
とんでも「仏」魂「解」(ブツたまゲ)ミャ~♪」
守護者の動きを、
近くにて感じつつも、
黒糸(コクシ)球のなかで、
何やらおっぱじめた2人であった。
「おいらの属性、(水)と(風)ニャ~♪、
スフっと、ふっふ、ふう~、ふっふ、ふう~ニャ」
「核(コア)からンゲロ、ンゲロ、識玉2つ~ニャ」
いま、ゲロリするの?
いま、ゲロリするの!?
「(水陰)、(風陽)、識玉2つ~ニャ♪」
「因縁、因縁、果け逢わせ~、因縁、因縁、果け逢わせ~ニャ♪」
「陰と、陽とで、果け逢わせ~、陰と、陽とで、果け逢わせ~ニャ♪」
ニャンは、楽しそうに歌い出した。
なにやら、リズムよく唱え出した。
「水煙、風舞い、水煙、風舞う、」
「錆びつき、凍てつき、錆びつく、凍てつく、」
「(氷)となす~、(氷)となす~、ニャン♪」
ニャンは、『でんでけでけデン♪でんでけでけデン♪』、
両手を握って、マラカスを縦に振るみたいに踊っていた。
「ぼくの属性、(地)と(火)ミャ~♪、
チカっと、ひっひ、ひ~、ひっひ、ひ~ミャ」
「核(コア)からンゲロ、ンゲロ、識玉2つ~ミャ」
こっちも、ゲロリするの?
こっちも、ゲロリするの!?
「(地陰)、(火陽)、識玉2つ~ミャ♪」
「因縁、因縁、果け逢わせ~、因縁、因縁、果け逢わせ~ミャ♪」
「陰と、陽とで、果け逢わせ~、陰と、陽とで、果け逢わせ~ミャ♪」
ミャーも、楽しそうに歌い出した。
なにやら、リズムよく唱え出した。
「地湧、火纏い、地湧、火纏う、」
「荒ぶり、渦々舞い、荒ぶる、渦々舞う、」
「(雷)となす~、(雷)となす~、ミャー♪」
ミャーも、『でんでけでけデン♪でんでけでけデン♪』、
両手を握って、マラカスを縦に振るみたいに踊っていた。
「鳥居(トリイ)だし増(マ)し足(タ)る、(氷)と(雷)ニャ~、これをニャ~♪」
「取り出しましたるミャ、鳥ダシ炒り子だしミャ、どうなりますのかミャ、ミャ♪」
ニャンは、得意満面ニコニコ、
ミャーは、興味深々ワクワク。
「それはニャ、・・・(パンッ、パンッ)、ニャニャッ!?」
「ミャミャッ!?」
(氷)と(雷)の識玉が、乾いた音を立てて、
2つ続けて爆(ハ)ぜた。
ニャンとミャーは、
「「(=?◇?=)」」
『はわッ!?』っと顔をした。
「どゆことニャッ・・・、」
「ん~ニャ~、コトダマの糊(ノリ)が悪かったのかニャぁ・・・。」
「そゆことミャッ、」
「きっと、法(ノリ)が悪かったのミャ、次はもっとノリノリで行くミャ。」
ニャンとミャーは、本当は何なのか分かってないが、
そう決め付けた。
「うニャ、次は転ション、アゲアゲ、グルーヴ、グイグイでいくニャ!」
「うミャ、もうリリック、ノリノリなのミャ♪」
せっかく作った合成識玉だが、
いきなり壊れてしまった。
でも、気を取り直して、
再チャレンジする、
ニャンとミャー。
なんのこれ識、
くじけない、
この2人。
いざ、
次!
「ンゲロ、ンゲロ、識玉2つニャ♪」
「(水陰)、(風陽)、識玉2つニャ♪」
「因縁、果け果け、因縁、果け果けニャ♪(かけあわせ~かけあわせ~ミャ♪)」
「陰陽、果け果け、陰陽、果け果けニャ♪(かけあわせ~かけあわせ~ミャ♪)」
「水因、風縁、果け逢わせニャ、水因、風縁、(氷)と成すニャ♪」
「ノリノリのリリック五行でいったニャ!次ぎいくニャ!」
ニャンは、アゲアゲ、グイグイ、ノリノリでいった。
「ンゲロ、ンゲロ、識玉2つミャ♪」
「(地陰)、(火陽)、識玉2つミャ♪」
「因縁、果け果け、因縁、果け果けミャ♪(かけあわせ~かけあわせ~ニャ♪)」
「陰陽、果け果け、陰陽、果け果けミャ♪(かけあわせ~かけあわせ~ニャ♪)」
「地因、火縁、果け逢わせミャ、地因、火縁、(雷)と成すミャ♪」
「ノリノリのリリック五行でいったミャ!ぼくも早いミャ!」
ミャーも、アゲアゲ、グイグイ、ノリノリでいった。
(※:因×縁=果、主原料×添加物・副原料・触媒=反応生成物、とイメージ。)
(※:因→(縁)→果、原料→(触媒)→生成物、とイメージ。)
(※:因縁果×宇津保(ウツホ)×陰陽五行説ver.1での独自解釈、イ●チキこじ付け参照。)
「あとだし、ジャンケンニャ♪」
「あとから、ジャンケンミャ♪」
「ポルポルポーイニャ♪」
「ペルペルペーイミャ♪」
「冷気キンキン氷玉(ヒョウダマ)と電気ビリビリ雷玉(ライダマ)の2つ用意できたニャ(ミャ)~♪」
今度は、爆(ハ)ぜることなく安定していた。
「それから、どうするミャ?どうするミャ?」
「それはニャ、・・・ナイショなのニャ~♪にゃほほ~いニャ♪」
「・・・にゃほミャ?」
「さて、あとは落ち着くまで、隠れてお茶タ~イムニャ♪」
「ミャ♪」
ニャンとミャーは、ひと段落つけることにした。
かたや、
出現した守護者は、
この星の知的生命体と激しく、
いまだかつてないほどに、まさに交戦中であった。
2人は、
がさごそガサゴソと、
リュックより銀白色の銀光沢のボトルを取り出した。
何のことはない、ただの水筒ボトルであった。
これは、
つくりが単純な科学技術、
その構成・構造レベルの低いモノであるから、
異宇宙同士の摂理のかち合いも起こりにくく、
楽に持ち込めるものである。
その、
中身の、
飲食料についても、
携帯者の魂魄識霊(コンパクしきりょう)が、
異宇宙に馴染むときに、あわせて一緒に馴染むことになる。
因×縁=果ら舞う感じが軽いので、かち合いの果てに解きほぐれることはない。
これならば、
ニャンとミャーのチカラでも、
『識』を使って『摂理』の親和・馴染ませが十分できる。
異宇宙の『摂理』に、
砕かれ・潰され・弾かれることもない。
識素・変「解」(変換)もらくらく瞬時におわる。
2人は、
水筒ボトルの口を開けて、
マグカップ蓋に、『とぷとぷトプトプ』と黒い液体を注ぎいれた。
まだ、ほんわりホワホワ湯気があがっていた。
そして、
『ふーふーフーフー』しながら、
口をつけて、飲みだした。
「ニャむ、ニャずず、まずニャ、ニャずずず、うまうまニャ、」
「ニャずず、にがまずニャ、ニャずずず、うまうまニャ、むニャニャ・・・。」
「ミャむ、ミャずず、まずミャ、ミャずずず、うまうまミャ、」
「ミャずず、にがまずミャ、ミャずずず、うまうまミャ、むミャミャ・・・。」
2人して、
同じように飲んでいた。
旨いのか不味いのか、不味いのか旨いのか、
どっちなのか、どっちでもないのか、
仲よく飲んでいた。
それ、
のちに語られることになる、
ター・ポンポン・コーヒーを飲んでいた。
*****
ここ、
南方方面防衛基地、
その方面軍が火力を集中配備している最前線。
防衛陣地内、
怒号令が律し勇ましく、
規律ととのい発せられていた。
「今回の定期便(=守護者)は、しぶといぞッ!」
「給弾ッ、給弾ッ、給弾ッ、」
「急げッ、急げッ、急げッ、」
無反動砲の攻撃部隊が展開されていて、
隊長の号令のもとに次々攻撃していた。
『タt、タt、タt、タt、タt、・・・』
給弾ベルトは、
すれ切れんばかりに焦げた臭いを発していた。
「敵はでかいッ、主照準固定ッ、目測弾着補正で随時発射ッ!」
「てッ、てッ、てッ、」
無反動砲弾がぞくぞく補給され、
つぎつぎ発射されていった。
さらに最前線の頭上を、
後方部隊より発射されている、
いくつもの超高速移動推進体が飛んでいった。
飛翔煙がまっすぐに対象の目標物へつづいていた。
そのさきで、大火球の爆発がいくつも発生していた。
守護者への絶え間ない攻撃が続いていた。
*****
守護者は、揺るがない。
いかな攻撃を受けても動じない。
いかなる攻撃を受けても全て防ぎきる。
超鉄鋼か金剛鉄鋼のごとき強固な外装をしていた。
そして、
『ぶヌんんんーンンンーーnnnーーー・・・』
異様な低周波音がひびき出し、
触腕脚にあらたな動きが起こりだした。
*****
<ナレ風、解説語り>
星命体にとって、
星の表面に発生した、
この星の知的生命体種族など、
寄生体ぐらいに感じているだろう。
いや、露ほども感じていないかもしれない。
そんなコビリ付きのような汚れを、
時おり大海嘯(カイショウ)で洗い流す、
ある意味、守護者の役割のひとつかもしれない。
今まさに、
顕現した守護者が、
知的生命体の生存圏のひとつで暴れまわっている。
もろもろの大きさをした球体形状の群集積層構造都市が、
片っ端から破壊されている。
ここの知的生命体の防衛軍は、
なすすべ(術)もなく次々壊滅させられていく。
千々散々(ちぢさんざん)、
霧々散々(むむさんざん)、
がれきの山がうず高く築かれていく。
知的生命体の文明が、一端から次々崩壊していく。
それは、
きっと、数千年後の豊潤な森の『自然』の形成に貢献するだろう。
この星の知的生命体をすべて殲滅することが出来れば・・・・・。
今、
守護者は活動を停止している。
はるか彼方まで破壊のかぎりを尽くされ、
見渡すかぎりのまっ平らな地形が広がっている。
*****
2人は、
黒糸(コクシ)球のなかで、
がさごそガサゴソとリュックの中へ、
銀白色の銀光沢のボトルを仕舞い込んだ。
のんびりお茶タイムを終えて、
さっそうと立ち上がった。
ついに来たか、
出番が。
ニャ「おしっこニャッ!」
ミャ「おちっこミャッ!」
黒糸(コクシ)球の下に穴を開け、
2人して気持ちよく致した。
オシッコを!
『しーとっとット、しーとっとット、』
『ちーとっとット、ちーとっとット、』
最後に、しっぽを『くりリン』、
お尻を『ぷるルン』と振り致し終えた。
ニャ「ご主人、行ってくるニャン。」
ミャ「マスター、行ってくるミャー。」
バトルタイムに移ったニャンとミャーは、
地下の黒糸(コクシ)球内から這い出した。
*****
あたりは、
見わたす限り瓦礫山となり果てたモノ累々、
知的生命体の死体がおびただしく死屍累々。
その中を、
白煙、黒煙、赤紫の煙がただよっていた。
なんとも言えない、
鉄の焼け焦げる臭い、硫黄テルミット火薬煤煙臭。
汚物臓腑をすり潰し撒き散らした臭い、
腐り爛れの強烈刺激のアンモニア臓物臭。
息をすることも、
目を開けていることも、
困難しごくな惨憺たる酷い状況であった。
いまだ静かに活動を停止して鎮座している、
巨大ヤドカリ的ナニカ、
それ守護者。
やがて、守護者に動く気配が現れた。
そして、
2人は守護者に対峙した。
ニャンとミャーが行動に移った。
「いくニャ、キンキン玉(タマ)ニャーッ!」
ニャンは、守護者に向け氷玉を投げつけた。
いきなり投げつけた。
なんの駆け引きもなく投げつけた。
たぶん、
いや、ひょっとすると、
いや、絶対ッ、なんにも考えなしに投げつけたッ!
・・・・・°。°。°。(((((○
「キンキン凍りニャ!、クリクリ片栗ニャ!、コリコリ肩凝りニャ!」
ニャンは、
『いけいけいけーッ』とばかりに、
両拳を交互に突きだし勢いをあおっていた。
一瞬で、守護者の全体を、
氷結『キンキン!』
識玉『キンキン!』
氷玉『キンキン!』と凍結させた。
守護者にとっては、
[a]あまりの、
[i]いきなり唐突な攻撃で、
[u]動きを止めて活動前の内装機関(内臓器官)の自己診断中か自己調整中だったか
[e]エネルギー充填中か休憩中だったか、それを中断される事となり、
[o]思い切り水を差される形になった。
とは言え、
守護者の外装の全体に細かいヒビ割れを生じさせた。
外装は、常温においてこそ十分な、防御能力を発揮していた。
絶対凍結によって外装の性質に変化がおこった。
脆くなった。
弱くなった。
脆弱になった。
冷気キンキン氷玉(ヒョウダマ)は、
絶対零度の凍結にちかい威力を持っていたのであった。
だがしかし!
急ごしらえの合成識玉では付け焼刃であった。
しょせん、一瞬、
いや、わずかに、
いや、いっとき、
動きを止めさせることしか出来なかった。
いやもう一つ、外装の『ヒビ割れ』を残して・・・・・。
『ガガガーーーggg・・・、グググーーーggg・・・、ゴゴゴーーーggg・・・。』
不気味な音が、
不十分に凍結している守護者の全体から響いていた。
外殻装甲、内装機関(内臓器官)、機械機構、金属構造・・・、
それらが、わずかながらも、
噛みあっていた。
削りあっていた。
擦りあっていた。
軋む音・軋めく音・軋る音を発していた。
動き出すのは時間の問題であった。
そんな中、
ミャーは気づいていた。
決して見逃していなかった。
・・・・・°。°。°。(((((●
「いくミャ、ビリビリ玉(タマ)ミャーッ!」
そのとき、
ミャーの投げつけた雷玉が、
守護者にあたり爆(ハ)ぜた。
雷光紫青(ライコウシセイ)にうずまく炎が、
全体を包みこみ渦(カ)ら舞った。
・・・渦(ウズ)を舞った。
・・・渦巻いた。
その後まさしく、
渦(カ)ら紅(クレナイ)に自(ミズカ)ら狂う騰破(トウハ)が吹き上がった。
守護者のうちから沸騰破壊の炎が立ち昇った。
『ゴォォォオオオーーーンンンnnnッ!』
雷玉は爆(ハ)ぜた。
解き放たれた雷エネルギーが、
外殻装甲の表面を、紫電一閃スパークルと疾(はし)りまわり、
表面に広がるヒビ割れたスキ間を目指し、
いっせいに中へと潜り込んだ。
外と違って、中はいたって脆くて弱くて脆弱だった。
そして、
守護者は、沸騰破壊された。
*****
南方方面防衛基地はすでに壊滅している。
ほかの方位方面防衛基地もひとしく同様である。
今までの出現において、
破壊者(=守護者)を倒すことは出来ていない。
しかし、
必ず撃退している。退かせている。
なのに今回は、異常な攻勢をみせている。
これまでの報告にない、様々な攻撃を見せ、繰り出している。
『アレ』ほどの武装装備をしていたとは想定外である。
なぜ、今回にかぎってあれほどの・・・。
ゲ・ンズ統括情報戦略将校(参謀)は、
基地が瓦解し、
崩落する瓦礫に打ち付けられ、大傷を負う。
傷が重症に近く息も絶え絶えながら、
なにが彼をそうさせるのか、せき立てるのか、
最期の活動報告をするかのように状況分析をしている。
自分がこの現状を正確に把握したところで、
疑問は残る。
いったい、
だれに報告するのか・・・。
どこに報告するのだろうか・・・。
なにを報告をすればいいのだろうか・・・。
ただ、いままで培ってきた軍歴がそうさせるのである。
将軍の身体は、
基地の崩落した天井にあっけなく押しつぶされている。
天井瓦礫の隙間やあいだをぬうように、
青黒い肉汁・体液がドブッジャァー、ドプッピャァー、グジュビュルッピャァーしている。
それは、亡き骸を見るも無残なことだろう。
いや、ありしひの勇姿を見ることかなわぬ凄惨なことだろう。
しかし、
ただひとつ原形を保つものがある。
シッポである。将軍の尻尾である。
付け根部分からきれいに残っている。
崩落した天井の下敷きにならず、
天井瓦礫のそばで、そこだけが千切れ残り、
無事に原形をとどめ、ぴくぴくピクピクと震えている。
わが種族を特徴とする、
生命力の象徴、誇りの化身、業の渇望、
・・・今となっては、将軍の尻尾であるかどうかも意味を持たないだろう。
圧断面からは、青黒い体液が染みだし、垂れ出している。
ただ、
白い筋肉のなかに、骨とは違う何かベツモノが覗いている。
何か白色の、いや違う、何か銀白色のようなモノがはみ出している。
ゲ・ンズは、
なんとか頭を上げて、はっきり見ようとする。
もうほとんど動かない横倒しの身体で、最期のチカラを振り絞る。
骨ッ!骨ッ?骨ッ!?
いやッ!、否ッ!、2つもあるはずが無いッ!
金属ッ!金属ッ?金属ッ!?
なッ!、なぜッ!、なぜにッ!
支柱ッ!支柱ッ?支柱ッ!?
意識がだんだん混濁朦朧とするなか、
最期に、最後の、疑問が頭に浮かんでくる・・・。
まさか、そんな、
まさか、
まさ・・・。
意識暗転、魂魄消散。
*****
その姿は、
守護者のなれの果て。
巨大な巻貝状の外殻装甲だけを残し、
全身あらゆる部位がすっかり沸騰破壊されていた。
宿主なき抜け殻と、
戦場の鳴り止まなかった轟音は、
瓦礫の間に間に落とす影とともに、ひっそりと静まり返っていた。
ことごとく破壊され尽くされた大地には、
守護者の亡き骸・抜け殻だけが大きな影を落としていた。
生え出していた種々雑多な触脚は、今ではもうバラバラにばらけていた。
火燼の燈る灯し火が今だ消えぬ残り火となって、 ……………[残火-1]
ぽつぽつ・ポツポツ・赤々と煌々と、
亡き殻の内側を照らしていた。
亡き殻の、
巨大な巻貝のような、
ガランとしている伽藍洞[堂]の中。
そして、外殻装甲の内側に入り込んだ3人。
「「ほーたる、ほーたる、ほーたるルン♪」」
「「ほーたる、ほーたる、ほーたるルン♪」」
「ルンたった、ルンたった、ルンたったニャン♪」
「ルンたった、ルンたった、ルンたったミャン♪」
「「メらメら、メらメら、メらメらラン♪」」
「「メらメら、メらメら、メらメらラン♪」」
「ランたった、ランたった、ランたったニャン♪」
「ランたった、ランたった、ランたったミャン♪」
ニャンとミャーは、
『がたがたボコボコ』している地面の上で、
おシリを『振゜リン♪振゜リン♪』させて踊っていた。
A:ぷりんぷりん、という言葉はここから発生した言葉であったッ!
B:んな、アホなーッ!
A:信じるか信じないか、それはアナry
B:アナ、なんだーッ!
まだまだ、
残り火は高熱を発していた。 ……………[残火-2]
超鉄鋼か金剛鉄鋼のごとき外装の守護者を、
その身の内より沸騰破壊させ灰燼・焼尽させたのだから、
そこに生じた温度は、マントル・マグマあるいは熔鉱炉と同じであった。
そんな所で踊っているのも、
どうかすると正気の沙汰ではない。
地面だって、まだまだ熱いだろう。
だがしかし、
そこは、
ニャンとミャーであった。
近づきすぎては、
「あちッ、あちちッ、熱いニャッ!#凸」
「こらッ、熱いニャッ!#凸」
「あちち、あちちッ、あちちミャッ!#凸」
「もうッ、熱いミャッ!#凸」
見当はずれな怒りの矛先をむけて熱くなっていた。
それでも、
ニャンとミャーは、
しっポを『振゜ラン♪振゜ラン♪』させて踊っていた。
ワタシは、
あまり熱くない、
少し離れた所から、
その様子を眺めていた。
すると、2人が、
「「あっち、あっち、あっちニャ!&ミャ!」」
と指をさし出した。
別に、『熱ッ、熱ッ、熱ッ、』と言ってる分けではなかった。
2人は、
バラけ捲くっている種々雑多な触脚ではなく、
大洞窟のように亡き殻をさらしている本体のさらに奥の方を指していた。
どうやら、
探しているモノは、ソコにあるらしい。
そして、
これまでの行動、
ニャンとミャーたちは、
おシリやしっポを使いながら、
レーダーが感知・察知・探知するように、
ふりふり・フリフリ・振り振りと踊るようにしながら、
どんな理屈なのか分からないが、2人なりの方位探知をしていたようだ。
これは、
五識展開をして、
2人は身体を張って、
探し求めるモノのが発する、
何か引き付ける、何か引き寄せる、
何か纏わり絡んで包み込んでくる様なモノ、
電気力か、磁気力か、電磁気力か、重力なのか、
そんな五識に感ずる『波動』を探っていたのかもしれない。
見るほどに探る、
聞くほどに探る、
嗅ぐほどに探る、
味わうほどに探る、
触れるほどに探る、
眼識・耳識・鼻識・舌識・身識の、あわせて五識である。
A:『アンペールの魔の手』やな。
B:んなアホな。バカらしい。
こればっかりはニャンとミャーに聞いて見ないことには分からないが、
聞いたからと言ってうまく理屈を説明できるかは、
ニャンとミャーのことなので、
「よく分からないニャー。フンイキなのニャー。」
「うまく言えないミャー。フンワリなのミャー。」
そう答えるかもしれない。
いや、きっとそう答えることだろう。
いま、
探していたモノ、
それ、
識核(コア)は、
たしかに其処にあった。
ただ、
それは、
半透明をした、
大岩くらいありそうな、
ピンク色の立方体ぽい形をした、
『ぶよぶよ、ブヨンブヨン』とした見てくれの、
巨大なカンテンかギモーヴかゼリーかプリンか脳髄豆腐なのか、
そんな、
見てくれの割りに、
沸騰破壊の炎が立ち昇った、
あの熔鉱炉のごとき高温高熱のなか、
よくここまで形を保っていられたものであった。
それとも、
高温高熱にさらされて、
『まゴウッ、まゴウッ、まゴウッ、』
・
『んム゛ヲル、んム゛ヲル、んム゛ヲル、』
・
『じゅグリュ、じゅグリュ、じゅグリュ、』
変形・変質・変容をくり返しながら、
このような形に成りはて残りえたのか。
もう、
すでに、
いまさら、
こればかりは、
判りえないことで、
推し量りえないことで、
はなはだ遺憾の意を禁じえないこと。
印象か確信か、さては確定か計りかねることである。
『こんな感じがするからー。』
か、
『いや絶対そうだからー絶対だからー。』
か、
さては、
『はい証拠そろえて破綻ない理屈が組み上がったと言い切れますからー。』
か。
*****
守護者の亡き殻、
ガランとした伽藍洞[堂]の中、
上のほうは真っ暗で天井も見えない。
ただし、
『ジ・・・ジ・・・』
『ジジ・・・ジジ・・・』
『ジリ・・・ジリ・・・』
中で燈る灯し火、
それ残り火は高熱を、光熱を発していた。 ……………[残火-3]
『チ、チ・・・チリ・・・チリ・・・』
火の雫したたり、火の粉が散るなか、
閃火が舞い落ちるなか、
そんな中、
それを目の前にして、
ニャンとミャーとワタシは、
なんとも言えない感情に包まれていた。
その表面は、
水蜜糖のような甘い香りがしそうで、
ぬめってナメラカ舌触りよく美味しそうであった。
「これは如何としたことか、」
「如何とせぬばかりでは、如何ともしがたいが、」
「はてさて、これはまた、如何とするか・・・・・。」
(※訳1:こいつは、どうしたことダッペーかー、)
(※訳1:どうしようもナカッペーがー、どうしたらヨカッペーかー、)
(※訳1:いんやー、なんだー、どうスッペーかー・・・・・。)
(※訳2:こったらごとぉ、そったらごともわがんね゛ー、)
(※訳2:そったらごとも゛ぉわがんね゛げどもー、いがぁんなしても゛ぉわーがんね゛ーなーぁ、)
(※訳2:あいやまんずまんずぅ、こったらごとぉも゛、いがぁんなくっちゃね゛ーぇ・・・・・。)
ワタシは、しばらく考え込んだ。
(※註:あんたッ、どこのひとッ!?)
さてはさて、さてはさてさて、さてはさて。
さてはさてなり、さてはさてなる。
さてもさて、さてもさてさて、さてもさて。
さてもさてなり、さてもさてなる。
はて、
『ぶよんぶよん、ブヨヨンブヨヨン』
心なしか、
みずから鼓動・拍動・脈動しているように見えた。
『ぶるるん、ブルルン』
『ぶるるん、ブルルン』
それを見ていたニャンは、
なにか身体を『うずうずウズウズ』させていた。
漏れそうなのか何なのか、とどめ溢れそうなのか何なのか。
すると、
いきなりニャンは、
そのピンク色の立方体に向かって、
飛び込んだッ。ダイブしたッ。頭から突っ込んだッ。
『ぶにょうンッ』と変な音とともにニャンは潜り込んだ。
ニャンは、
その一瞬に、
今までにない、
表情をして見せた。
歓喜に唇をわななかせ、
随喜に目をうるませ濡らし、
恍惚の『おほォー』顔を浮かべていた。
そして、
シッポが、遥かに怒張していた・・・。
すると、
ミャーも飛び込んでいた。
第二の『おほォー』顔を浮かべて・・・、
「ニャンばかりか、」
「ミャーよ、オマエまでも・・・・・。」
ワタシは、軽くアタマを振った。
ただ、
ワタシは、
気になることがあり、
そのまま2人を観察することにした。
2人は、
ピンク立方体のなかで、
全身手足とシッポを、
『ピーン、ピーン』
『ビクン、ビクン』
『ピルルン、ピロロン』
『『あばババババば、あばババババば』』
『あにゃニャニャニャニャにゃ、あにゃニャニャニャニャにゃ』
『あみゃミャミャミャミャみゃ、あみゃミャミャミャミャみゃ』
『うにゃニャニャニャニャにゃ、うにゃニャニャニャニャにゃ』
『うみゃミャミャミャミャみゃ、うみゃミャミャミャミャみゃ』
『『おぼボボボボぼ、おぼボボボボぼ』』
暴れているのか、
溺れているのか、
泳いでいるのか、
踊っているのか、
舞っているのか、
それとも、
魔酔っているのか・・・、
そもそも、呼吸は出来ているのか?
しかし、
2人のその顔は、
まるで、いやまさに、
恐怖を裏返しナメしたか、
歓喜・恍惚・愉悦にわなないて、
うち震えるままに、オノノくままに、我侭に、
『おほォー』の表情が、永遠無限にはりついていた。
と、
その中で、
ミャーの表情に変化が、
『ピコーン』
(=!ω!=)
あるいは、
『キュピーン』
(=☆ω☆=)
さらには、
『ドッキューン』
(=QωQ=)
、と訪れた。
ミャーは、
痙攣・引き攣りのように、
バタつかせ、震えていた手足を、
ピーンと正常にしっかりと回復させると、
とある、
行動をとった。
『ガシッ!』
その両手で、
なにかをシッカリ捉まえた。
まさに、ビッグチャーンスを捉まえた。
ピンク立方体のなかで、
「うミャッ!」
「とったミャッ!」
と言ってるのが、
聞こえるようであった。
これは、
どういう事なのか、
探していたモノ、
それは、
識核(コア)は、
ピンク立方体ではないのか、
それとも、
ピンク立方体は、
識核(コア)をまもり包む、
最後の外殻・外皮だったのか、
ミャーは、
そんななかで、
識核(コア)の存在を、
しっかりと感じ取ったのか、
見えうるがごとく、
聞こえるがごとく、
におえるがごとく、
味わえるがごとく、
覚え感じるままに、
ひたすらひたむき、
感じいるがごとく、
ここでも、
身体を張って、
探っていたのだろう。
いや、探っていたのであると、
そう、誠心・誠意をもって固く信じたい。
ミャーは、
ピンク立方体の中で外側を向き、
おもいきり身体をエビゾリに反らせると、
反動をつけて、
ピンク立方体の中から、
『ぼにゅうンッ』と変な音とともに抜け出した。
「とったミャー!」
外へ出ると同時に、
その両手にしっかりと、
本当の識核(コア)をつかみ取って、
ピンク立方体のまえに立っていた。
その姿は、
喜びの表情を浮かべて、
ピンクぬめり汁のベタベタ塗れになっていた。
「ぼく、やったミャ!」
もう一度、勝どきを上げた。
あとに残されたニャンは、
歓喜・愉悦・昇天・ニャンマッシグラな顔をして、
いまだに、
暴れているか、
泳いでいるか、
溺れているか、
踊っているか、
なんんだか身体全身で、わなないていた。
『ぴくぴくピックン、びくびくビックン』していた。
そして、
ニャンの顔は、
恍惚の『おほォー』表情を、
いつまでも、いつまでも浮かべていた。
まさに、アリガタイ『三輪宝』な顔をしていた。
*****
識核(コア)を失い、
その存在を維持できなくなった、
ピンク立方体が『ぷるルン』と、
ひと震えした。
すると、
『ぷパンッ』と大きく爆(ハ)ぜた。
そして、
『ぱァnッ、ぴィnッ、ぷゥnッ、ぺェnッ、ぽォnッ』と飛び散った。
「うニャッ!?」
ニャンは、
ピンク立方体の中から、はじき出された。
「あニャ? あにゃニャ? あにゃにゃにゃニャ!?」
へたりペタリぬめり『ペタン』と座り込み、
それと同時に正気に戻った。
そして、
ここ偶然にいたり、
守護者のなれ果てたる、
ガランとした伽藍洞[堂]の上のほう、
今だ火燼の燈る灯し火の消えぬ残り火が、 ……………[残火-4]
高熱と高音とともに『パチン』と飛び跳ね散った。
ニャンの真上で。
*****
いま、
ニャンは、
目にいっぱいの大涙をうかべて、
頭のてっぺんを、大きく焦がして激しくハゲらせていた。
泣きながら、
地面に飛び散っているピンクギモーヴプリンを、
『ぺろぺろ、ペロペロ、ぺろぺろ、ペロペロ、』舐めまくっていた。
「おいしいニャ、おいしいニャ、おいしいニャ、」
「熱いニャ、熱いニャ、熱いニャ、熱いニャ、」
「おいしいニャ、おいしいニャ、おいしいニャ、」
「痛いニャ、痛いニャ、痛いニャ、痛いニャ、」
泣き笑い痛いな嬉しいな顔をしながら、タップリ味わっていた。
今はもう、恍惚の『おほォー』表情は消えていた。
ワタシは、
ミャーが両手で持っている、
取り出して来たばかりの識核(コア)を見ていた。
その識核(コア)は、
これもまたピンク色をしていて、
やわらかマン丸な球体をしていた。
何とも軟らかい手ごたえをしたモノであった。
『ボク、』
『ぷよんプヨン』
『よろしくネ♪』
そんな声が聞こえてきそうな、
色・艶・形をしていた。
味・匂いも、ともすれば・・・。
「うミャぅ・・・、」
「これ、食べたいミャーッ!」
ミャーは、またトンデモないことを言い出していた。
「ヤメなさいッ。」
ワタシは、
困らせないでくれよと、
ミャーをやさしく叱咤した。
ワタシは、
それを預かり、
素早く懐にしまい、
ミャーの目から遠ざけ、
帰艦の準備にとりかかった。
いつまでも表に出したままでは、
何を言い出すか何を仕出かすかわからない。
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■
<守護者2・・・巨大ヤドカリ(寄居虫、ハーミットクラブ)的ナニカ>
ゴンザリル・ゴンザレス→ニャンとミャーが対応。
(以下略)
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■
<母艦居住区3等船室2>
記憶の共有、記憶の継承、記憶の整合性、意識の鮮明化・・・、
識量多大枯渇からの回復、
識量渦大不安定からの回復、
識量不浄混濁からの回復・・・、
回復・・・・・回復・・・・・回復・・・・・。
身体の構成が回復していた。
ワタシは目を開けた。
D「・・・・・。」
ニャ「ご主人!戻ったのニャン?」
ミャ「ミャ(ま)ーすたー!」
D「ああ、回復したようだ。」
ワタシは、あれから帰艦後、
遠征の内容および完了を報告するために、
4dホログラムシートの書類にまとめ、すぐに提出した。
それから、ゆっくり回復プロセスに入った。
今回は、そう長く掛からずに目覚めることが出来た。
2人は開口一番に、
横に並んで陽気に踊り出した。
右腕左腕シッポを、右横左横、右横左横、
『ぶんぶんブンブン、ふりふりフリフリ』振り回し、
『どんどんドドドン、どんどんドドドン、』両足を踏み鳴らした。
ワタシは、2人の踊りをひとしきり眺めていた。
これは、なにか狩りで獲物をとった後の、
収穫を祝う歓喜・感激・感謝をこめた、
ちょっとした豊穣祭であった。
プチ奉納祭をしていた。
「うん・・・。」
ワタシひとまずの観覧をえた。
そして、2人に聞いた。
D「今回の収穫はどうした?」
ニャ「ニャッ!(ハッ!)」
ミャ「ミャッ!(ハッ!)」
2人は踊りをやめると、部屋の中央に駈け寄った。
そこのテーブルの上に置いてあったモノに2人は飛び付いた。
ミャ「これミャッ!(ドヤッ!)」
ニャ「これニャッ!(スカッ!)」
ミャーは先に素早く手に取り獲物を上に掲げた。
ニャンは遅れて取り損ない空を握りしめた拳を上に掲げた。
ミャ「ミャ。(ニヤリ)」
してやったりと。
ニャ「あニャッ・・・。(ヘナリ)」
してやられたりと。
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■
<事例2>
祭祀にさいし、
ニャ「ニラ玉作るニャー!」
ニャンは、右手に持ったお玉を頭上にかかげた。
ミャ「にらまたくぐるミャー!」
ミャーは、両手で持った中華鍋を頭上にかかげた。
お玉とお鍋を、
2人で頭上に掲げて、
『ココ、コン、コーン♪』
と打ち鳴らし~♪
ニャンは、メインのコックさん♪
ミャーは、お手伝いのアシストさん♪
最初に、
中華鍋の熱した油の中に、
卵、ニラ、御飯、他にもバラバラモロモロお好み入れて、
[1]カニ肉をいれる。
[2]ナゾ肉をいれる。
[3]タカナをいれる。
[4]のりタマふりカケを用意しとく。
[5]柚子コショウを少々々々々々々々々々々ッいれる。
[6]目いっぱい愛情をいれる。
強く炒めて絡めて振り混ぜて、
『ジャーコジャーコジャーコジャーコ、』
『ジャカジャカジャカジャカ、』
『ジャコジャコジャコジャコ、』
『ジャジャジャジャ、・・・♪』
最後に、また卵を加え、軽く炒めて絡めて包み混ぜて、
『ジャコッジャコッジャコッジャコッ、』
『ジャカッジャカッジャカッジャカッ、』
『ジャッジャッジャッジャッ、』
『コッコッコッコッ、・・・♪♪』
祭儀に、印を結び唱えた。
ニャ&ミャ「ニッーラニラニラ、ニラニラニララ~ッ♪、
ニッーラニラニラ、ニラニラニララ~ッ♪、
・・・(中略)・・・
ニッーラニラニラ、ニラニラニララ~ッ♪、
ニララ、ニラニラ、ニラニララ~(ココン)♪」
ニャンは、最後に『のりタマふりカケ』を、
のりのりフリフリに振り掛けまくり、
3皿に盛り付けたニラ玉を、
それぞれ配膳した。
ニャ「出来たニャー(チラリ)」
ミャ「出来たミャー(チラリ)」
2人はワタシをチラ見した。
ニャ「出来たニャー!(ジロリ)」
ミャ「出来たミャー!(ジロリ)」
2人はワタシをジロ見した。
ニャ「出来たニャーッ!(ギロリ)」
ミャ「出来たミャーッ!(ギロリ)」
2人はワタシをギロ見睨み付けた。
D「・・・お、おぉ・・・イタダコウ。」
食事のアイサツを唱え、
目の前の皿に、スプーンを挿し入れようとした時、
『キィーィィィイイインンンnnn・・・』
ニラ玉御飯の上に深青の『印』が浮かび上がった。
その『印』を、スプーンで丁寧に掬い取り、口に入れ食した。
スプーンの中に、ニラも少々御飯粒も少々くっ付いて来たが一緒に食した。
■Ni-(←iの長音<削除>、或は、iiの二重母音</削除>)ra=ニーラ:
此(シ)宇宙、全宇宙、君に夢宇宙、盲宇宙を統べるものの、
存在を解き明かし指し示す、鍵となる隠されたる印。
「彼の者、此の者、其の者、印を見るも忘れ、聞くも忘れ、語るも忘れ、
書くも忘れ、彫るも忘れ、覚えるも忘れ・・・(中略)、
されど、
在らずも成らず、在らざらずも成らざらず・・・、
在らざらるなかりけむも成らざらるなかりけむ・・・(以下略)。」
■漆胡Qの青、深Qのブルーサファイア、小説「青の時」、等。
出処出典:無限書庫回廊からQにまつわる文献より。
(※:補遺:ニーラ・ターマ、或は、ニーラ・ターマストゥーラ、
=伝説上の忌まわしき封印されし最強・最凶の「ショク」の
レシピ・秘法・目咀度(メソド)のひとつ。
ショク=食、色、蝕、触、喰・・・、等、
出処出典:無限書庫回廊からショクにまつわる文献より)
(※:補遺:ターマ(ス)、或は、タマ(ス)、
=漆黒(の闇)、幽黒(の闇)、烏黒(の闇)、蒙黒(の闇)・・・、等、
出処出典:無限書庫回廊からショクにまつわる文献より)
(以下略)
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■
<エピローグ2>
いま、
宇宙母艦「バーサーカー」、
その母艦居住区の3等船室において、
<font color=#F8F4E6>アイボリー</font>色の落ち着いた感じの床面に、
そこの雰囲気とは全くをもって、
アイ入れないモノが、
あった。
ニャンとミャーは、
元ニーラだったと思われるモノ、
成れの果てたる何とも言いようのない、
ぷんッと臭えるような雰囲気を兼ねそなえた、
黄金テリ輝くなめりにめらすぬめりねめらすのめりる姿。
それを、
2人して、
ジッと見ていた。
なぜニーラだったモノと、
それを認識できてるのか、不可避の不可思議であった。
なぜニーラだったモノが、
ここに存在しているのか、罷り通る摩訶不思議であった。
さて、
はては、
なぜなのか、
さてもビックリ、
このようなるモノが、
船室内のここ床のうえに、
威をはって存在するのだろうか?
まあ、
臭いの方は、
ぷんッとした雰囲気だけで、
エアコン脱臭フル稼働中なのか、
または、識素・分「解」(シキソ・ブンカイ)を、
あるいは、識素・変「解」(変換)をほどこしたのか、
鼻識を起動・展開してみても、なんもかんも感じ取れない。
要は、臭わない。
「なんニャ?」
「なぜミャ?」
「どういうことニャ?」
「どうしてなのミャ?」
「おいらじゃないニャ。」
「ぼくも違うミャ。」
2人お互いの顔を見合わせながら、
「じゃ、だれニャ。」
「そう、誰なのミャ。」
「だれニャッ!だれニャッ!」
「誰なのミャッ!誰なのミャッ!」
『ニャろり』
『ミャろり』
2人は同時に、
ワタシの方を見た。
「違うぞ・・・。」
「そもそも、Q収したら外には出ないぞ、ワタシは。」
摂取したモノは、如何なるもモノも取り込める。
ワタシは、軽く手をふって否定した。
「やっぱり、だれニャ、だれニャ?」
「そうなの、だれミャ、だれミャ?」
「ニャッ!?」
「ミャッ!?」
2人お互いに顔を見合わせながら、
お互いを指さした。
「「犯人はッ・・・、」」
「おまえニャッ!」
「きみミャッ!」
「ミャーなのニャッ!」
「ニャンくんなのミャッ!」
「ミャーのなのニャッ!」
「ニャンくんのなのミャッ!」
「ミャーのモノなのニャッ!」
「ニャンくんのモノなのミャッ!」
「ミャーの出したモノなのニャッ!」
「ニャンくんの出したモノなのミャッ!」
「ミャーの出したウンコなのニャッ!」
「ニャンくんの出したウンコなのミャッ!」
「ミャーのウンコなのニャッ!」
「ニャンのウンコなのミャッ!」
「ミャーがウンコなのニャッ!」
「ニャンがウンコなのミャッ!」
「ミャーがウンコニャーッ!」
「ニャンがウンコミャーッ!」
「ミャーがウンコーッ!」
「ニャンがウンコーッ!」
「ウンコのミャーッ!」
「ウンコのニャンッ!」
「ウンコミャーッ!」
「ウンコニャンッ!」
「ウンコミャーッ!」
「ウンコニャンッ!」
「ウンコミャーッ!」
「ウンコニャンッ!」
「ウンコミャッ!」
「ウンコニャッ!」
「ウンコミャッ?」
「ウンコニャッ?」
「ウンコミャッ!?」
「ウンコニャッ!?」
「ミャッ!」
「ニャッ!」
「ミャッ?」
「ニャッ?」
「ミャッ!?」
「ニャッ!?」
「「あー、入れ替わってるミャッ?? & ニャッ??」」
(=?◇?=) & (=?ω?=)
「みゃみゃミャッ!」
「にゃにゃニャッ!」
「あみゃみゃミャッ?」
「あにゃにゃニャッ?」
「うみゃみゃミャッ!?」
「うにゃにゃニャッ!?」
「入れ替わってるミャーッ!!」
「入れ替わってるニャーッ!!」
慌てふためき、
面食らっていた2人は、
ワタシに助けを求めてきた。
ワタシが観たかぎり、
【六識】起動・展開せずとも、
ニャンは、いつものニャンであり、
ミャーは、いつものミャーであり、
何も変わっていない、と判るのだが・・・。
まあ、
せいぜい、
キャラ語尾が、
とっちらかっている。
脳髄発果の異キ違イが起こって、
2人は激しく混乱しているだけだろう。
自分と相手の存在をカン違イしているだけだろう。
ゲシュタルト崩壊からモヤモヤになった認識に、間違った自己暗示を掛けているのだろう。
ワタシは、
2人に両の手のひらを見せた。
2人は、
「ミャ!」
「ニャ?」
『(!_?)』と、
こちらの手に気づき、
不思議そうにジッと見入った。
ワタシは、
両の手を、
『パンッ!』
と打ち鳴らした。
2人は、
『ハッ!』として、
気がつき目がさめた。
それは、
2人の乱れた心を平らにナラして整えた。
いやそれは、
2人の心をまどわす “ 乱れ ” を討ちて平らかに均して整えた。
そのとき、
すべての、
2人の “ 乱れ ” は、
散り失せ滅し、消えさった。
そう、これは、とりもなおさず、
『パンッ!』に際して、
晴ればれと心おだやかに深く信じいり、帰依なさった。
『パンッ!』をうけて、
心が晴ればれとなり穏やかなるままに落ちつき鎮まり、
まるで仏ごころが芽ばえたかの様に、
疑わずに深く深く信じきり、
乱れを払い拭い清め、
帰依なさった。
(あれッ! 2人は何処へ行こうとしてるのッ!?)
2人は、
『ハッ!』として、
乱れ晴ればれ吹き飛び颯々払いのけて心は、いま開かれた。
黒ずんだ塵埃に覆われ吹きすさむ乱れた心は、そのとき啓かれた。
「おいらは、おいらニャーッ!」
「ぼくは、ぼくミャーッ!」
これは、
まさに2人にとって、
起こるべきことが起こった。
「『天上天下、ニャンが独尊ッ!』」
「『天上天下、ミャーが独尊ッ!』」
『どどどドドドぉぉぉおおおォォォオオオーーーんんんnnn・・・』(:背景SE)
みずから声を発したか、
うちなる声を呼び起こしたか、
つらなる効果音は必要だったのか、
そうなのか斯うなのか如何なのか何なのか、
そして、
ワタシの、
起こした『パンッ!』、
手の内より発したるモノは、
もっとも外なる果てへと遥かに響きわたった。
ニャンとミャーの意識は、
あっという間に宇宙まで広がり、
自分たちの存在を俯瞰し『ハッ!』と気づいた。
「ちっちゃいニャン!」
「ちっちゃいミャー!」
自分たちのちっぽけな存在に気づいた。
:::::内なる外へ、打ち鳴る外へ、打ち鳴る素とへ、
:::::
:::::外なる内へ、素と成る内へ、素と成る宇宙へ。
:::::
:::::存在を解き明かす鍵をつかい【輪】【転】させた。
:::::
:::::いや、素も素も、鍵たる “ 存在 ” を拓いた。
表は表で閉じていたのに、
裏は裏で閉じていたのに、
表と裏があわさった、つながった、開かれた。
表は表でなくなり、
裏は裏でなくなり、
表も裏も境が、境界が、境界面がなくなった。
閉じていたモノは、開かれて、
隠れていたモノは、明らかになり、
絶たれていたモノは、繋がり出して、
潜在していたモノは、顕在していった・・・。
いったい、なにが!?
*****
床面にあった、
アイ入れないモノは、
もう、もはや、そこにはなくなり、
いついかなるときにか、いづれともわからぬうちに、
いかにいかようなりとも、いいしれないニオイをあとに遺した。
もう “ 存在 ” は失われ、
その存在は、存在しなかった存在へと、
新たな存在へと遷り移ろい変わりはて消えていた。
散り失せ滅し消え果てり。
そもそも、
いい加減でぞんざいな存在、
あり得たのかもしれない不確かな、
わかり得たのかもしれない不明瞭な、
そんな薄ぼんやりと漠然とした有耶そこはかとなく無耶ほのめいている。
ぶらぶら彷徨いそぞろう存在。
ぞろぞろブラブラ漫ろう存在。
腹おちする、
腹におちる腑におちる、
身につく身になる、
これは、
普通には得がたい後ろ盾を、
十分に得られたかもしれない。
いま、
ワタシは、
“ 存在 ” を、
解きあかしたる、
解きほどきたる、
解きくみしたる、
解きさとりたる、
“ 鍵 ” を臓腑におさめクルム。
すべてを、
うけいれて、
腹おちして、
腑におちる。