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Q  作者: ねこまんま
202/206

Q

■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■

<状況23>

<その9-16>

<盗賊、現る。>


ジャヴォとソフィアも、

夕方になる前には、

買い物も終わり、



二人は、

公共駐車場につくと、

配送ドローンが届けた、

お店ごとの買いもの荷物を、

反重力浮遊クラフトに積みこんだ。



この時間、公共駐車場は平日ながらも盛況であり、

夕方の買い物にむけて、利用が増えている頃合である。

買い物客にとり、駐車代が無料なことは嬉しいかぎりである。



だが、

ジャヴォたちは、

帰宅のしたくに、取り掛かっていた。

客足の増えかたとは逆に、早々の帰り支度である。



住んでいるところが、

『シュタットル』 市の近場ならよいが、

『アルムット』 村までの帰り時間を考えれば、

買い物を切り上げるのに、ちょうど良い頃合である。



ジャヴォが、

買い物パックや、

買い物コンテナを荷台につみこんで、



ソフィアは、

『銀球』 をつかって、

買い物リストをチェックしていた。



緑色パーカーの背中に垂れているフードのなかに、

すっぽり納まって、待機していた銀球が、

『 ふよふよフヨフヨ 』 浮上して、

リスト照合を補助していた。



購入品と配送品に間違いがないか、

ホログラム投映させながら、

ソフィアと銀球とが、

ダブルチェックで、

見比べていた。





そして、

軽く食事をすませて、おトイレもすませた。

 

  

   

    

むッ!


むむッ!


むむむッ!

 

  

   

    

ソフィアちゃんのおトイレを、

描写するわけなかろうがーッ!

乙女の音入れを・・・、



書くわかなかろうがーッ!

恥をしれーいッ!

こんバカちんガーッ!

 

  

   

    

 

  

   

    

*****

 

  

   

    

 

  

   

    

ジャヴォが、反重力クラフトを運転して、

『シュタットル』 市からの帰り道、



広くて長い一本道の、

幹線道路を滑走していた。





「陽も明るいうちに帰れてよかったわい。」



ジャヴォは、

心なしか運転も軽やか、

買い物の帰りとは思えない、

疲れを感じさせない様子であった。





「この辺りは、まだまだ危険ですから、ほんと良かったです。」



ソフィアも、

ドライブシートの左隣り、

ナビゲートシートに座りながら、

心配とは裏はらに、気持ちは和らいでいた。





戦後の、

不安定な世の中で、

今だ盗賊たちが出没していた。

まだまだ、一掃されずに生き残っているのである。





「今日は、けっこうな弾丸ショッピングじゃったが、

 ソフィア殿、疲れてないですか?」



ジャヴォは、横目でチラとソフィアの表情をうかがった。





「いえ、ぜんぜん大丈夫です。」



ソフィアは、疲れを感じさせないニッコリ笑顔でこたえた。





「さすが、若いですな。 うん、羨ましい。」





「ジャヴォさんこそ、車椅子を押しっぱなしで大変だったでしょ?」





「なになに、わしはこれでも鍛えてますから、大丈夫じゃよ。」


「それに、ソフィア殿は軽いですから。」





「ええ、両脚がないですからネ。」



ソフィアは、そのまま受け答えニッコリかえした。





「あー・・・、しもうた。

 そういう意味じゃぁ・・・、なかったんじゃがぁ・・・・・。」


「失敬、誠にもって失敬つかまつった。 失礼の極みでござった。」



ジャヴォは、言ってしまってから、ハッと気がついた。

ついつい失念していたことに恐縮していた。

体の事情で軽いとはいえ、軽々と、

言ってしまったことに。





「いえいえ、わかってますよ。 そんなつもりじゃ無いことくらい。」


「このくらいで気にしてたら、いまの世のなか生きていけませんから。」



ソフィアは、とくに気にした風もなく、

ことばを続けた。



「だって、うちのお兄ちゃんなんか、」



『ソフィアは脚がないくせにナマイキなッ!』

『なんでも自分でやろうとするなッ!』


『もっと俺を頼れッ!』

『もっと俺を馬車馬のごとくコキ使えッ!』

『もっと俺を奴隷のごとく悪しざまに罵れッ!』



「こんなんですよぉ。 もう、気を使ってるのやら使ってないのやら、」


「怒っていいのやら、すなおに頼っていいのやら、」


「最後の、 “ 罵れッ! ” なんて何なのかしらぁ、

 もう、やんなっちゃう。 お兄ちゃんったらぁ・・・・・。」



ソフィアは、

ちょっとプリプリとして見せた。





「ふッ・・・、はははッ、ハハハハハーッ・・・、

 なる程に、ルッター殿らしい。」



ジャヴォは、

われ知らずと、笑いがもれ出した。





「ねえ、でしょう。 プっ、あははッ、あははははーッ。」



ソフィアも、

それ知らずと、笑いにつられ出した。


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