Q - ■<状況1>
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<状況1>
恒星中天に掲げるそんなお昼時。
風光明媚な山河森林花鳥風湖な場所であった。
そこは、自然が豊かに富んでいて、
湖近辺は生きモノにとって棲みよい場所であった。
見渡せば森林が奥深くつづいていて、
そこはさらに静かで落ち着いた景観がひろがっていた。
奥深く踏み入るほどに、
幽邃境(ユウスイキョウ)がひろがっていた。
D「さぁ、全方位警戒怠らないでッ、観光旅行じゃないんだからねッ」
私は、
二人に注意をうながしながら、
周囲を見わたした。
ニャン&ミャー「ニャーさー(ミャーさー)!
うきうきニャー(うきうきミャー)♪」
二人は、
背負ったリュックを
『ゆんゆんユンユン』揺らしてうれしがっていた。
D 「こらッ、そこッ!」
まったくもう、と注意をしてみた。
わからないでも無いけどね。
D「さて、ここら辺なのかしらねぇ。
居もしない星の反対側にとばしてくれるワケないからぁ・・・。
でも、観測室も万能じゃないのよねぇ・・・。」
ニャ「うッきうッきニャー♪」
ミャ「うッきうッきミャー♪」
ニャ「うッきうッきニャんキー、プーキーニャー♪」
ミャ「うッきうッきミャんキー、プーキーミャー♪」
D「もう、ほんとに、この子(個)たちは・・・。」
D「せっかくの、知的生命体のいない静かな場所なんだから、
手早くすませたいわねぇ・・・。」
(以下略)
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<出現1>あるいは<顕現1>
大気空間に、歪みが出た。
大気空間の、かたどりがヒヨメキだった。
ぴくぴくピクピクとひよめきが生じた。
空間の囟(ひよめき)は、ぴくぴくピクピク脈うち出した。
ぴくぴくぴっくん、ピクピクピックン、nnn・・・、
ぴくぴくぴくぅーん、ピクピクピクゥーン、nnn・・・、
ぴくぴくぴっきーーー、ピクピクピッキーーーー、kkk・・・、
大気空間が、ヒヨヒヨピヨピヨふるえた。囟撼した。
しんしんしん、シンシンシン、囟囟囟、nnn・・・、
大気空間が、ガクガクブルブルふるえた。震撼した。
しんしんしん、シンシンシン、震震震、nnn・・・、
大気空間に、位相のズレ[フェイズクリープPhase Creep]が走った。
大気空間の、ズレ線に沿って見える景色が、ズレ断層のように食い違った。
~→見える景色がズレ線に沿って食い違った。
食い違いに耐え切れず、空間が割れた。
『pパッ、キィィィーーーンンンnnnッ!』
あちら側より、
大識量、大識度、大質量の『守護者』が現れ来るとき、
たとえ、大スピードで突っ込んで来なくても、
まして、大スピードで突っ込んで来ても、
相応の空間歪曲、相当の重力歪曲の衝撃を与えてくる。
こちら側では、
空間面において、重力面において、
『空間・重力ホプキンソン・スポール衝撃』により、破壊効果が現れる。
空間の位相面、重力の位相面が、
極限なまでに、ズレ、撓み、歪み、
そして、一気に閾値を超える。
そのとき、
一瞬の空間・重力の臨界状態に突入したことで、
見えるモノ、聞こえるモノ、臭えるモノ、
様々な状態の中から、
とくに、
とりわけ、
視覚効果が現れ出て、浮き出て、湧き出て、
まさに、映る景色もろとも、
空間が、吹っ飛ぶ。
『pパッ、キィィィーーーンンンnnnッ!』
『ズぬぅーんム、ズぬぅーんムムゥ、ズズゥぬぅーんムムるぅ・・・』
ずぬぬ、ずぬぬ、と巨大なブヨブヨ円柱体が姿を現した。
もざざ、もざざ、と多大な触手を蠢かせて、
ぶるる、ぶるる、と身振るいをさせて、
ぞむむ、ぞむむ、とニジリ出てきた。
巨大イソギンチャク的ナニカが!
『もぶゅル、もぶゅル、ぶゅルルル、ぶゅルルル・・・』
『コッーーーォォォンンンnnn・・・、、、』
開静(カイジョウ)セリ。
『コッーーーォォォンンンnnn・・・、、、』
式(識)テンカイ、開始セリ。
『コッーーーォォォンンンnnn・・・、、、』
ワレ、対象ヲ求メタリ。
其レ、対象ト認メタリ。
(※:囟(ひよめき)がぴくぴくピクピク動いてる、
~→囟(ひよめき)だっている、
~→ぴくぴくピクピクひよめいている、
~→ぴくぴくピクピクぴぃ゜ーーーッ♪)
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<遭遇1>
「いきなり来たわね。感知が間に合わなかったわ。」
(ちょっと、景色を眺めてる時間もなかったわ。せっかちな守護者ね。)
これは、
空間を破壊的に叩き割って来たわね。
暴力的な空間遷移ね。あら、空間転移かしら。
いや、変移変転って言うのかしら・・・。
んー、ここら辺の情報うまく共有できてないわね。
あとで、整合性を調えとかなくちゃ。
風姿風体は、『もじゃもじゃブヨブヨ』ね。
これは、『もじゃ君』ね。
遠隔移動は突然だったけど、
『にじにじニジニジ』出てきてるから近接移動は遅そうね。
攻略は、付かず離れずのヒットアンドアウェイね。
でも、あの『もじゃもじゃ』気になるわ。いやらしいわ。何かあるわね。
あの中とか上の方とか、どうなってんのかしらね。気になるわぁ。
そろそろ、全身がすべて出てくるわ。
兎にも角にも、値切り師と斯くの如し、ヤルわよッ。
一瞬で、ここまで観察したならば次の行動にでた。
D「さあ、ニャン君。ミャー君。出番よッ!」
「いってらっしゃいッ!」
「あの『ブヨブー』を、やっておしまいッ!」
連れてきた二人に、
そう掛け声をかけた。
巨大イソギンチャク的ナニカに対して、
(二人にかいッ!)
(それと、『もじゃ君』じゃないのかいッ!)
「ご主人様に、敬礼ニャン。」
「ニャッ!(びしッ) 」(=<☆>ω<☆>=)キュピーン
「ミャッ!(びしッ) 」(=<☆>ω<☆>=)キュピーン
ニャンとミャーは、敬礼をして、目を光らせた。
二人は、ヤル気だ。
二人は、互いの手をリュックに入れあって、取り出した。
丸々とした大きな塊りの “包み” を。
二人は、互いの包みを相手に渡しあって、受けとった。
自信に満ちた顔で望んだ “包み” を。
二人は、互いの手の中の包みを、開いた。
期待と万感のおもいが詰まった “包み” を。
そして、かぶり付いた。
オニギリに!
(オニギリかよッ!
二人は、食べる気マンマンだったッ!
(オニギリをかよッ!
ニャ「おーかか、かかかか、マヨおかかー、マヨおかかーニャッ♪」
ミャ「しーちきちきちき、しーちきちー、マヨちきちーミャッ♪」
(なぁんのッ、歌だよッ!
(“ウメおかか” じゃないのかよッ!
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<対処1>
『ブンブヨ、ブヨヨーン・・・』
『ブンブヨ、ブヨヨーン・・・』
守護者は、まるで踊っているかのように、
その本体全体が、蠕動運動のごとく震えていた。
『ぞわぞわゾワゾワ、ぞわわんゾワワン・・・』
『ぞわぞわゾワゾワ、ぞわわんゾワワン・・・』
本体上部から、
もっさりモサモサ生え捲くって、
全体燃え上がっているかのように、無数の触手が蠢いていた。
その触手は、
1本1本が、ニャンやミャーの腕くらいの太さがある。
それで、打たれたり突かれたり縛られたりしたら、
相当に痛いであろう。
いや、痛いでは済まないであろう。
はじめ、勇ましき。
ニャ「いくニャ、外装剥ぎ取るニャン!はぎはぎニャー!」
ミャ「やるミャ、外装剥ぎ取るミャー!はぐはぐミャー!」
ニャ「いくニャ、内装抉り取るニャン!えぐえぐニャー!」
ミャ「やるミャ、内装抉り取るミャー!えぐえぐミャー!」
ニャ「コア引っこ抜くニャン!ぶっこぬきニャー!」
ミャ「コア引っこ抜くミャー!ぬきぬきミャー!」
守護者、荒々しき。
無数の触手に、
あしらわれ、
いなされ、
うち払われ、
おい飛ばされ、
ニャンとミャーは、
近づくことも、ままならなかった。
近づけても、はかどらなかった。
『ヒュンッ!』
『ヒ゛ュンッ!』
『ヒ゜ュンッ!』
空間を唸らせ、空気をこすり合わせ、空中を引き裂き、
触手の1本1本が殺戮級のいきおいを放っていた。
守護者は、それらを使い、
ニャンを、
ミャーを、
狙い済まして、
攻撃してくる。
数本ならぬ、数十本単位でッ!
「ニャー!」
「ミャー!」
かわいい叫び声が上がっていた。
慌てふためき、転がり回り、もんどり打っていた。
(余裕ぶっこいて、オニギリなんか食ってるからだッ!)
その割りに、攻撃を受けずに、上手く逃げ回り回避し続けていた。
ニャ「ケウケゲン級守護者ニャー!」
ミャ「ざんべと!ザンベト!ざんべとミャー!」
D「ハイハイハイッ!ケウケもザンベも、べつッ!ベツっ!別ッ!」
「見た目が似てるからって、安易なカテゴラ決め付けは命取りよ。しくじるわよ!」
D「対象を瞬時に見抜いて、的確に対応!」
「守護者に同似無し!同値無し!すべてが単一固有独立体!」
D「まだ100%顕現してないわ。式(識)テンカイ始まったばかりよ。」呪式
「基本を押えていきなさい。例外・外法・法魔が来たら私が相手するから。」
D「まぁ、こっち側の人間体では限度があるから、その時は、・・・・・三十六計ね、サシストラ」
(※:さーて、知ーらない、すたこら、とんずら~。)
微動だにせずに。
仁王立ちに両腕組みで眼前の光景を睨み、
いくつもの指示を繰り出し、檄を飛ばしていた。
これはさながら、使い魔を使役する女術者であった。
足を肩幅に広げ地を踏み込んだジャングルブーツ、
両脚にチカラを込めた八分丈のミリタリーパンツ、
両腕を組んで胸を延し上げたタクティカルベスト、
首から上は、
その表情も髪も見えない鍔の広く大きなトンガリ魔女帽。
(※:サバイバル感に、そこだけはトンガリ魔女帽!)
D「最近、胸の先っぽが、ぷっくりポッチリしてきてェ、こすれて痛いのよねェ。」
「痛覚の脳髄系が、コスモスってきたわねェ。サラシ巻いとこうっと♪」
D「星辰の巡り配し重なりは、わが 星態に、この星体にコダマするッ!」
「ドドーンッ!(セルフSE)」
D「ちがうかもーッ!」
「ドドーンッ!(セルフSE)」
D「やっぱり、そうかもーッ!」
「ドドーンッ!(セルフSE)」
D「どうでもいいわーッ!」
「ドドーンッ!(セルフSE)」
右拳を、左拳を、交互に天に突き上げながら、
そのたびカッコをつけながら、
叫んでいた。
対して、
ニャンとミャーの二人は、
てんやわんやに、右に左に、
前に後ろに、上に下に、大騒ぎであった。
ちょっと可愛いトンガリ魔女帽もどこかにすっ飛ばして、
その下に隠れていた猫耳を露わにしていた。
猫人間?猫族?猫使い魔?猫眷属?
それらは
2足歩行できる猫獣人の姿だった。
『猫こども』だった。
D「はいはい、(パンパンッ)、識量たっぷり積んで来てるんだから、
落ち着いて行きなさいよッ」
ニャ「にゃー、ストレスでハゲるにゃー、
ハゲマッハにゃー!マゲワッパにゃー!」
ミャ「みゃー、ストロベリーのハゲンダーツンみゃー、
ベリーハーゲンうみゃー!ハルマゲ丼うみゃー!」
D「相手の識核(コア)をしっかり捉えなさいよ。」
D「機を逃さず、瞬間刹那の判断をしなさいよ。
100%完璧な判断なんか求めてないわ、(私だって出来ないしっ!)。
100%完璧答案欲しさに1週間も1ヶ月も1年も、時間は待ってくれないわよ。
全てが引っ繰り返るからね。最適解・近似解を捻り出しなさいッ。」
D「二人で仲良く協力しなさい。
近似解も10回100回1000回繰り出せば、
最尤解よ。(100回1000回は、ちょっとやりすぎね。)」
ニャ「高見の見物DAi納言様にゃー。
注文が多い両面スクリーマーにゃー。」
ミャ「みゃみゃみゃみゃDAiなミャイトみゃー。
みゃみゃみゃみゃリャンミャンすーみゃらぶしみゃー。」
ニャンは、
守護者に対して、
持ってきた識札を使って、
払おうと、
飛ばそうと、
貼り付けようと、
なんか、全然効果がなかった。
その識札は、
識量・識度が篭められた、
なにやら“ニャン印”の絵文字が描かれた、 ……[=^ω^=]
白い長細めの短冊みたい『カミ』であった。 ……[渦三]
渦旋(カセン)渦(カ)ら舞い、渦るまんか(果)、
果旋(カセン)果(カ)ら舞い、果るまんか(渦)、
因ト、(発)ハッスル♪、『とんッ』、
×
縁ト、(勁)ケィンッ!、『くいんッ』、
∥
果ト、(掌)ショぅット!、『ぱッ』、
7775|『三つを渦らめて、果しおり詰めて、果さねがさねて、果おスずし。』
その裏側には、
絵文字のような、
綴り字のような、
象形文字のような、
いろいろ描かれていた。
たとえば、
“爆” ……[-爆-]
“旋” ……[-旋-]
“斬” ……[-斬-]
と、読めるモノがある。
その他、いろいろ作ったモノに描かれていた。
きっと、間違わないように描いたのだろう。
たくさん作ってきても、
単発で当てていたんじゃ、
効果はほとんど期待できない。
せめて、複数枚で合成攻撃とかすればいいのに。
そのへんが、ニャンたるゆえんであろう。
「そうニャッ!これ、全部いっきに叩き込むニャッ!」
そう言って、全部の識札を両手に持ち直した。
D「ばかニャンッ!もう、考えなしねェ・・・。」
そう言って、腕組みをといて手近な小石を、
ニャンに投げつけたッ!
うん、外れたッ!
「もうッ。」
まあいいわと、おざなり現場監督に徹した。
「違う違うッ、ニャンくん違うミャーッ!」
「思いついたミャッ!」
「お札を “組み合わせ” て使うミャ。」
いっしょに対応してたミャーは、何か思いついたようだ。
D「うん、いいところに気づいたわね。ミャー君。」
「こうすると良いミャ。」
すると、
ほどよい小石を、
識札でつつみ込んで、
『ぐしゃぐしゃグルグルぎゅうぎゅう』に丸めた。
小石といっしょに小さく丸めてあるから、
ほどよく投げやすいモノができた。
それを、
守護者にむかって、
投げつけたッ!
爆(ハ)ぜたッ!
『パsッ!』
触手が1本吹き飛んだ。
効率が悪かった、
それはもう。
D「ミャー君、違うわよォ。」
「識札と “小石” を組み合わせるんじゃなくてェ、」
「識札と識札ァ、合成よォ・・・。」
もう、見てらんないわァ。
とばかりに、額に手を当てた。
とは言え、
このやり方なら、
なんと、守護者から、
ほどよい距離をおいて攻撃できるではないかッ!
わざわざ近づいて、
いや、ほとんど近づけてないが。
そんな、無謀な攻撃をしないですむッ!
・・・・・。
・・・・・・・・・・。
(投擲かよッ!
(原始的だなぁッ!
(始めから、そのくらいやれよッ!
(てか、もっと、カッコイイ方法ないんかッ!
ニャンとミャーは、
ぽいぽい、ポイポイ、“識札つぶて” を投げつけていた。
これじゃ、非効率この上ないことに識札もどんどん無くなっていった。
守護者は、
相手を見下し、
タカをくくっているのか、
いっこうに単純攻撃を続けていた。
『ヒュンヒュンヒュンッ!』
『ヒ゛ュンヒ゛ュンヒ゛ュンッ!』
『ヒ゜ュンヒ゜ュンヒ゜ュンッ!』
触手を唸らせ、
空気摩擦で加熱させ、
空中を引き裂かんばかりに、
触手の1本1本をムチのように振るっていた。
とッ、
その時、
ニャンとミャーの、
守護者に投げつけていた、
“識札つぶて” が、同じ位置でかち合い、
同時に爆(ハ)ぜた、半合成的に爆(ハ)ぜた。
『バシュッ!』
なんの識札同士だったのか、
触手が、数十本いっきに吹き飛んだ。
このとき、
ニャンとミャーは、
互いに顔を見合わせた。
『はッ』とした、
『ぐッ』ときた、
『きッ』と見た。
ニヤリと、“歯茎” を見せ合い、
無言で通じ合い、目と目で納得した。
ニャンとミャーは、
ここぞとばかりに、
同時に同じ場所へ、
識札つぶてを投げ、
次々と爆ぜさせた。
ニャニャニャニャ!
ミャミャミャミャ!
偶然に運よければ、
半合成が起こった。
違う違う違う違うッ!
半分あってるけど、
半分そうだけど、
この場合は、
全ッ然、
『違う違うよ違うから違うってッ!』
ニャンは、
右腕を『ぶんぶんブンブン』、
ぶん回して “識札つぶて” を投げていた。
ミャーは、
左腕を『ぶんぶんブンブン』、
ぶん回して “識札つぶて” を投げていた。
けっこう、
高確率で半合成しだし、
守護者の触手ばかりか、
本体『ブヨブヨ』円柱体部分にも、
損害・損傷を与え出したところで、
当然のように、“識札つぶて” は尽きてしまった。
識札を使い切ってしまった。
D「あらァ、まあ、当然よねェ。」
「さあ、ここからどうするのかしらァ。」
と言いつつ、
立ちっ放しはアレよねェ、
とばかりに周りを見わたしていた。
「ニャぁ・・・↓、、。」
「ミャぁ・・・↓、、。」
二人は、攻撃の打つ手が尽きたことでションボリ静かだった。
守護者は、さっきまでの戦術の変化を分析してるかの様に静かだった。
それぞれ、静かに対峙していた。
「そうニャ!(ピコーン)」
「合成ニャ、さっきのは合成ニャ!」
「あれは、合成だったのニャ!」
「さっきのミャ?」
「ご、合成ミャ?」
「なんですミャ?」
「合成は、合成して合成することで合成できる、合成技ニャンッ!♪」
「それって、合成して合成することで合成できる、合成技なのミャッ?♪」
「そうニャ、そうニャ、そうなのニャン♪」
「すごいミャ、すごいミャ、すごいのミャン♪」
凄い、なにか二人には会話が、意思疎通が、成り立ってるぅ!♪
そんな二人は、この後どう戦っていくのだろうか。
D「識札を無駄につかって、合成に気づいただけェ・・・?」
「識札だけじゃないでしょ、持ってきたのはァ。」
「ほかにもあるでしょ、ほかにもォ。」
***
「!(ピコーン)」
「ニャンぱから~ン♪」
「これが、あったニャー。」
「これを、持って来てたニャー。」
まるで、いま気づいたかのように、
お腰につけたニャン袋を、
上に掲げてみた。
「いるか、いらんか、
いらか、散らかし、あごだし、
鳥居(トリイ)だし魔シ祟(タタ)る、水玉ニャッ!」
「いるか、いらんか、
いらか、散らかし、炒り子だし、
鳥居(トリイ)だし魔シ爛(タダ)れる、風玉ニャッ!」
ニャンは、
(水)の識玉を、
(風)の識玉を、
がさごそガサゴソと手を入れて、
お腰につけたニャン袋から取り出した。
ミャーも、すでに取り出していた。
(地)と(火)の識玉を、
ニャ「おまえー、取り出し “口上” ズルしたニャー!」
ミャ「ちがうミャ、ズルじゃないミャ、『諸般の事情』ミャ♪」
ニャ「ニャニャニャー・・・しょ、諸、はんニャー?・・・」
難しいことには、難しい言葉には、
立ち入らない、踏み入らないニャンであった。
(立ち入るなッ!それ以上は、立ち入るなッ!それこそ、諸般だッ!)
***
ニャンは、
水玉を投げた。
何も考えずに投げつけた。
それは、勢いよく爆(ハ)ぜた。
『シュbワァァァアアアhhh:::・・・』
水流湧き上がり、渦巻く竜巻くなかで、
守護者は、胴体をぶよぶよブヨブヨ揺らし、
たくさんの触手を揺らめかせて気持ち良さそう。
あの守護者は、水属性と相性がいいのかもしれない。
なんなら、回復してるかも。
これは失敗だった。
次は、
ミャーが投げつけようとして、
両手に持った、地玉と火玉を見比べていた。
守護者は、ニャンとミャーの戦術の変化にすぐ対応してきた。
触手の生えた頭部分が、なにやら白色光を放ちはじめた。
『シュrホォォォオオオhhh:::・・・』
頭の部分が、急に二人の側に倒れたかと思えば、
頭の開口部を大きく『くぱぁ』と広げて、
ニャン、ミャーに対して、
ブっぱなしたッ!
爆閃白光に、
『ゴッsパァァァアアアhhh:::・・・』
「ニャっばぁーーーッ!」
「ミャっぱぁーーーッ!」
二人は、あわてフタメキ逃げようとしたが、
これは、もう間に合わないッ、
ニャン思わず・ニャン知らず・ニャン哮[たけ]ることなく、
風玉を投げつけていた。
「あわわわニャー。」
混乱していた。
足元にッ!?
それは、爆(ハ)ぜた。
『ヒュsワァァァアアアhhh:::・・・』
『白光粒子 VS 風振粒子』
旋風吹き起こり、風巻く竜巻く勢いに、
ニャンとミャーは、巻き上がった。
手足じたばた、シッポぴたぱた、
空中であられもない姿と。
それ守護者はすかさず、
触手で二人を捕縛。
頭の大口の中へ、
開口部の奥へ、
投げ入れ、
捕囚し、
捕食。
『ニャばばばばーーー・・・』
『ミャばばばばーーー・・・』
守護者が発射した、
爆閃白光は、運よく避けられたが、
二人の叫び声が、むなしく響き渡った。
D「あらッ、食べられちゃったじゃないのォ、」
「ほんとに、もう、困ったわねェ・・・。」
と嘆きつつ、
D「どれにしようかしらァ・・・。」
「あん、引っかかって取れないわァ。」
と、胸元のポケットから、
ごそごそゴソゴソ『識札』を取り出そうとしていた。
次の、瞬間、
つぎの、刹那、
時がとまり、恒河沙の超極微粒子ひとつぶほど鳴りや、
守護者の頭頂部の開口部より、
一すじの火線が、
『すすススぅーーーーー・・・』と翔け昇った。
そして、
『チカ』ッと輝き、
『ち・か』ッと輝き、、
『(地)×(火)』ッと輝き、、、
守護者のいる空間が、
爆閃火炎に、ド爆(ハ)ぜた。
守護者の胴体が、
『ブオン』っと膨れ上がって、炸裂・爆裂・破裂し、
頭頂部の開口部から、憤怒噴火のごとく火柱を盛んに立ち熾らせた。
それは、もう、
いろんなものを、
吹き上げた。吹き飛ばした。噴き撒いた。
それは、
もちろん、
守護者ばかりか、
ニャンとミャーも無事ではなかった・・・・・。
***
開口部内に取り込まれたとき、
ミャーは両手に持っていた、
火玉と地玉を、
ふいに、
ミャー知らず・誰知らず・親知らず、
『カチ』ッとかち合わせてしまった、
『か・ち』ッとカチ合わせてしまった、、
『(火)×(地)』ッと果・致あわせてしまった、、、
つまり、
偶然に識玉同士で、
合成発果が起こってしまった。
ご都合主義的に、そういうことであった。
***
ニャ「ニャららららーーー・・・」
「ニャりりんニャりりんニャりりんりん、」
「こんなん、なっちゃったニャ~・・・」
「なっちゃったニャ~。」
ミャ「ミャららららーーー・・・」
「ミャるるんミャるるんミャるるんるん、」
「こんなん、なっちゃったミャ~・・・」
「なっちゃったミャ~。」
D「あー、うるさいッ、」
「黙って、背負われてなさいッ。」
「血が抜けたからって、やっぱ重いのよー、」
「二人と、この大きなカタマリと。」
何とも “泥棒ヒゲ” が似合いそうな格好をして、
大きな大風呂敷を、背中に背負いながら、
後ろに向かって注意していた。
D「カオス生(星)命体とかコスモス生(星)命体とか関係なく、」
「あんたたち丈夫よねー。
とりあえず生きてるわよねー。
まあ、・・・そういうモノよねー。」
「でも、身体がバラバラになって、
拾い集めるの大変だったんだからァ。」
文句を言いながらも、よいしょと背負い直して、
第1次帰艦回収時刻が迫るなか、回収ポイントへと急いでいた。
いま、
ニャンとミャーは、
真っ黒クロ焦げバラバラ死体モドキとなっていた。
炸裂・爆裂・破裂した守護者の外装や内臓器官(内装機関)から、
中敷きウスウス装甲シートを取り出して作った、
“大風呂敷” に詰め込まれ包まれていた。
そこで運ばれている最中に、
二人は嘆きの恨み節を、
唱えていた。
もう一つ背負ってるモノ、
守護者の識核(コア)らしき、
薄ピンク色をした肉械のような、
プヨヨンとした半融機結晶のような、
ミャクミャク律動をする脳髄卵のような、
今回の遠征で得られた大事な “成果” であった。
ちなみに、これは見た目とちがって無味無臭であった。
ようやく、
辿りついたは、
お昼時に踏着した場所、
その出現ポイントから少し離れたところに、
“大風呂敷” を降ろして、3人(?)は、腰を(?)下ろしていた。
回収ポイントは、出現ポイントから離れたところにアンカーされている。
これは、追加で人員派遣があっても、
『出現』と『回収』でバッティングしないように設定されている。
いま、
大風呂敷を広げて、 “成果” を中心に置いて、
頭だけになったニャンとミャーは、
その周りを、
『ころころコロコロ』転がりまわり、
『ぴょんぴょんピョンピョン』跳ね回りながら、
持ち帰りに備えての “プレ識素・変「解」(変換)” をしていた。
異宇宙から、地元宇宙へ帰還したとき、
『摂理』の違いによるバッティングで、
ツイ消滅しない様に二人は行っている。
周りを回っていることが、
どんな識効果・識処理になるのか、
ニャンとミャーの独自のやり方なのかもしれない。
ゴー!
はじめ、
プヨヨン、
なかほどは、
ポヨンポルン、
いかほどすぎて、
バリリルバリリル、
せつりけずりならし、
ブルルンヌブルルンヌ、
かたどりおぼろかわりて、
ボロロイボロロイボロロイ、
へんじててんじてなりかわり、
アロロイドルルアロロイドルル、
はくどうみゃくどうりつどうつき、
ニャンタラッタミャンタラッタヘイ!
しばらくした頃、
D「ニャン君、ミャー君、終わったァ?」
ニャ「おわったニャー。」
ミャ「できたミャー。」
頭だけニャンと頭だけミャーは、
『ちょこチョン、ちょこチョン、』
『ちょこちょこ、チョンチョン、』
と小刻みに跳ねながら答えていた。
“成果” は、何やら風変わりに様変わりしていた。
ちょっと硬めに仕上がっていた。
D「そうおォ、」
「じゃ、上出来ねェ。」
ニッコリ笑いかけながら、
D「今回は、はじめっから終わりまで、」
「全部じぶん達で出来たわねェ。」
「えらい、エライ、」
「この調子でがんばるのよォ。」
さてと、
連絡のほうは、
そろそろかしらァと立ち上がった。
あたりを見回して、そなえて警戒をした。
***
もう、
恒星は水平近くまで降り立ち、
景色は仄かに朱闇に暮れ始めていた。
やがて、
回収ポイントの景色空間が、
カスレ、クスミ、コスレたようになって、
雑音ならぬ、“雑線” が入り混じり、
幽らめいた。
すると、
聞き覚えの声が、
あたりに響き渡った。
『j・j・j・・・jn・jn~・・・耳識[ニシキ]テンカイ願イマス・・・』
『耳識展開・・・、経路確立・・・、安定維持・・・、』
『レコグニションポリシー・・・伝播・・・周知・・・完了。』
『レコグニショングリーン・・・・・オールOK』
『コチラ、アソウギ・・・耳識テンカイ、良好、デスカ?・・・』
「ええ、良好よ。」
「おひさしぶりねェ、1日ぶりかしら。」
『そうですね、艦内時間で1日経過しました。無事、回収時刻を迎えられましたね。』
『今回も、事なき祝着のはこび、オメデトウゴザイマス。』
「ありがとう。」
「こっちでは1日たってないわ、自転がゆっくりよォ。」
「星が小さいみたいだから、身体も軽いわァ。」
「時刻も、まだ夕方ごろよ。まだまだ、明るいし。」
『では、さっそくで申し訳ありませんが、“回収” に入ります。』
「そうね、おねがいね。」
「ニャ!帰るのかニャ?」
「ミャ!帰れるのミャ?」
“大風呂敷” のなかで、二人は『ごそごそゴソゴソ』と動き出した。
「そうよ。静かだったけど、いままで寝てたの?」
「帰るんだから、大人しくしてるのよ。」
「ほいニャー。」
「はいミャー。」
しばらくすると、
回収ポイントの景色空間が、急に重く濃密になった。
3人の足元から、さらに濃厚濃密な空間があふれてきた。
『ムゥワァァァァァアアアアアン・・・・・』
空間が、臨界限界いっぱいになった。
そのとき、3人の視界は一転した。
暗転、闇につつまれた。
闇が『ムゥン』と覆った。
暗黒Q体が、
一瞬に生まれ、
一瞬に消えた。
***
ニャンとミャーの、
真っ黒クロ焦げバラバラ死体モドキは、
次元隧道を移動中に、
識素・変「解」(変換)の現象がうまく作用し、
二人の自己再生能力とも相まって、
しっかり復活していた。
身体が消滅したわけでないので、
問題ない再生・復活であった。
この辺りの、
怜悧と詳しい説明は、
シカケ、
ツジツマ、
カラクリ、
リクツ、
とと、
シカケ、
ルール、
カラクリ、
よよ、
時あらば、
機会あらば、
偶然めぐり会えたなら、
星辰の巡り配し重なりえた時にでも。
(以下略)
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<守護者1・・・巨大イソギンチャク(磯巾着、シーアネモネ)的ナニカ>
モッサリル・モッサリアン→ニャンとミャーが対応。
(以下略)
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<母艦居住区3等船室1>
記憶の共有、記憶の継承、記憶の整合性、意識の鮮明化・・・、
識量多大枯渇からの回復、
識量渦大不安定からの回復、
識量不浄混濁からの回復・・・、
回復・・・・・回復・・・・・回復・・・・・。
身体の構成が回復していた。
ワタシは目を開けた。
D「・・・・・。」
ニャ「ご主人!戻ったのニャン?」
ミャ「ミャ(ま)ーすたー!」
D「ああ、回復したようだ。」
2人は開口一番にじゃれ付いてきた。
にじにじり背中を登り出した。
にじにじり胸元を登りだした。
前ルートをミャーが、後ルートをニャンが、登坂攻略し出した。
ワタシ2人を掴み、身体からどかし降ろした。
2人は、再度、同ルートをにじにじ攻略し出した。
ワタシ2人を掴み、身体から退かし降ろした。
2人は、再度、同ルートをにじにじ攻略し出した。
ワタシ2人をそのままに登らせた。
登りきった2人はワタシの頭を挟んでお互いに抱き合い
「ニャー!」「ミャー!」と勝ち鬨を上げた。
顔の前をミャーの腹の毛が覆い、前が見えないままワタシは聞いた。
D「今回の収穫はどうした?」
ニャ「ニャッ!(ハッ!)」
ミャ「ミャッ!(ハッ!)」
ワタシから飛び降りた2人は、部屋の隅に駈け寄った。
転がっていた物に2人は飛び付いた。
ニャ「これニャッ!(ドヤッ!)」
ミャ「これミャッ!(スカッ!)」
ニャンは先に素早く手に取り獲物を上に掲げた。
ミャーは遅れて取り損ない空を握りしめた拳を上に掲げた。
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<事例1>
ニャンはその掲げた獲物、長巻貝のようなコイルのような物を、
両手で持って目の前に掲げて、ジーっと眺めて見ていた。
クイックイッっと手首をひねらせ眺めて見ていた。
中空の螺旋貝にも見えるそれに、腕を通して、
クイックイッっと肘をひねらせ、
眺めて見ていた。
すると、急(Q)に突然天啓を受けたかのようにニャンは叫んだ。
ニャ「ニャンカーッ!(何かーっ!)」
続けてミャーも叫んだ。
ミャ「ミャンカーッ!(何かーっ!)」
2人は電撃を受けたかの様に、
身体を痙攣させ、『びくびくビックン』と震え、興奮し出した。
ニャ「ニャンカーッ、ニャンカーッ、ニャンカニャンカ、
ニャンカニャンカ、ニャンカーッ・・・。」
ミャ「ミャンカーッ、ミャンカーッ、ミャンカミャンカ、
ミャンカミャンカ、ミャンカーッ・・・。」
2人は興奮に併せて両手の拳を上下に激しく振り回し始めた。
ニャンは、今回の獲物ごと両拳を振り回した。
ミャーは、両拳を振り回した。
興奮が最高に達した瞬間、
ニャンの、
高く掲げられた拳から、
今回の獲物がスッポ抜けてスットんだ。
『ガッ、ガッ、ガッ、ガッシャーンッ、』
天上に、床に、天上に、最後に床に、跳ね回り叩きつけられた。
それは粉々に砕け散った・・・・・。
ニャ「・・・カーッ、・・・・・ニャ、ガッシャン、ニャ・・・・・。」
ミャ「・・・カーッ、・・・・・ミャ、ガッシャン、ミャ・・・・・。」
2人は目に涙を浮かべ始めた。
ブツブツ、ブツブツと独り言を呟いていたが、
急に、涙を振り絞り、気も狂わんばかりに、
両手両脚シッポを振り回し絶叫暴走始めた。
ニャ「ガッシャーンッ、ガッシャーンッ、ガッシャーンッ、
ガッシャーンッ、ガッシャンニャー!」
ミャ「ガッシャーンッ、ガッシャーンッ、ガッシャーンッ、
ガッシャーンッ、ガッシャンミャー!」
ニャ&ミャ「ガッシャン、ガッシャン、ガッシャン、
ガッシャン、ガッシャンカーッ!」
ニャ&ミャ「ガッ、シャンカーッ!ガッシャンカーッ!
ガッ、シャンカーッ!ガッシャンカーッ!」
ニャ&ミャ「シャンカッ、シャンカッ、シャンカッ、
シャンカッ、ガッ、シャンカーッ!・・・。」
ニャ&ミャ「シャンカーッ!・・・・・、シャ・・・・・、シャン・・・・・、シャンカ!?」
ワタシは、粉々の破片の中から、
と或るひとつを選り分け手に取った。
D「シャンカ・・・。」と呟いて見た。
■S’(←Sの上に’)an(←nの上に・)kha=シャンカ:
此(シ)宇宙、全宇宙、君に夢宇宙、盲宇宙を統べるものの、
目覚めの時を告げる軍太鼓。
叩くその響きは時も無く位も無く我も無く心も無く、
妨げるもの一切無く響きわたる、時告げ太鼓。
「叩いてはいけない、響かせてはいけない、全ては終わりを告げる。」
『ドゥンドゥンドゥン、ドゥンドゥンドゥン、
ドゥンドゥン・ドゥンドゥン・ドゥンドゥンドゥン、ドゥーーーーーン・・・・・。』
■シャンクの槍、シャンクジャベリン、宇宙法螺貝ドゥン、額に角もちたるドゥン種族
「宇宙数多の『角もち』の中で、我らドゥン氏族ほど優れ誉れたるモノはなし。」、等。
出処出典:無限書庫回廊からQにまつわる文献より。
(以下略)
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<エピローグ1>
いま、
ニャンとミャーは、
元シャンカだったモノの、
砕けとび散り成れの果てたる、
そのなかより摘みだされた一品にて、
ころころコロコロと転がして遊んでいた。
見た目に映る光り輝く光彩は秀麗・美麗・妖麗に、
見たモノみな虜にしたるが如き妖しき怪這いを放ち、
涼しげ琳琅りりりと九音を放ち響かせ息わたらせていた。
其れ、
九色に、
彩られた、
ガラス玉の、
形象象り似て、
からからカラリ、
きらきらキラリ、
くるくるクルリ、
けらけらケラリ、
ころころコロリ。
ニャ「これ、キラキラしてて奇麗ニャ~。」
ミャ「くるくる、コロコロ、目が回るミャ~。」
ニャンは、
あやしく不可思議に、
身体の全体が燐光をまとい出し、
白光の粒子が帯電しはじめた。
ミャーは、
とりわけ摩訶不思議に、
身体の周囲が反れ・タワみ・ユガみ、
空間の重力が渦巻きだした。
ニャ「これニャーにニャニャ、ニャ~∴∵∴∵∴∵・・・」
ミャ「あれミャーにミャミャ、ミャ~@@@@@@・・・」
素早く、
ワタシは、
黒糸(コクシ)を放ち、
2人が遊んでいた、
ビー玉を取り上げ、
『スッ』と、
懐ふかく仕舞いこんだ。
ニャ「ニャニャニャ!いまの何ニャ?」
ミャ「ミャミャミャ!なんか変だったミャ?」
今は、
元通りだが、
ニャンの身には粒子崩壊が、
ミャーの身には重力崩壊が、
それぞれ起こっていた。
ある意味、事象壊変が起こっていた。
ワタシは、
そのことを、
黙っていることにした。




