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<状況23>
<その7-4>
<バー『リンダ』>
集合時間になった・・・、
『 カララン、クルルン、コロロン♪』
ドアが開かれた。
ドアベルが転がるように鳴った。
バー 『リンダ』 へようこそ。
「わぁーおォ♪」
入口に立ったマードック兄は、
リンダに目を留めるなり、歓声をあげた。
やや柔らか目の紫色のフォーマルスーツをサッパリと着こなし、
『スカイノッド』機械工房で働くときの作業着姿とは打って変わっていた。
「お、これはこれは。」
続いて入ってきたエルドライヒ弟は、
兄の声に気づくや、その先に視線をやり感嘆していた。
パーっと明るい橙色のフォーマルスーツをパリッと着こなし、
普段の理知的な会話からは考えられない陽気な見映えのするモノであった。
「サカルなよ、エロババア。」
「ソフィアには見せられんッ。」
ルッターは、
扉を入って、リンダに気づくや否や毒づいた。
彼は、
黒のアーミールックでやって来た。
いや、戦闘時の服装そのものであった。
もちろん、
里山自宅からここまで浮遊戦車で乗り付けていた。
他のメンバーは村の中なので、ここまで歩いて来ていた。
もしかすると、
いや、もしかしないでも、
これがルッターの正装であり、
ほぼ普段着であり部屋着であり、外出着であった。
その服装が表すように、
『心是常在戦場也』
ルッター日々の心得であった。
それは決して、
生臭なのではない。
面倒くさがりでもない。
ましてや、普段着を持ってないとかない。
いや、きっと、それこそは、ルッターの生き様であった・・・・・たぶん。
今晩は、
銀球を、頭周りの浮遊軌道に『 ふゆふゆフユフユ』 浮遊させていた。
これは、
ソフィアから出掛けに、
もしも、何かあるといけないから、
フローティングさせてって、と言われていた。
ルッターへの心配か、それとも、妹としての気掛かりか。
そう、きっと、なおのこと、妹もまた『心是常在戦場也』なのかもしれない。
女の、戦場なのかもしれない・・・・・。
「眩しいくらいじゃわい。」
ジャヴォは、頬髯を、『わしゃわしゃワシャワシャ』 っとさせて喜んでいた。
緑みの柔らかい温もりある灰色をした作務衣のような服装をしていた。
もろ腕をだして脛をだして、袖丈はちょい短めに詰まっている。
でも、身をつつむ感じは総じて全体ゆったりしている。
飲み食いには、まるで打って付けの格好であった。
じゃんじゃんボリボリ食べ捲くるであろう。
ジャヴォだけに。
ところで、
ルッターたちは、
帰りはどうする気なのだろう・・・。
地下への階段を下りて、
バーのドアを開けるたびに、
入口を抜けて挨拶をするたびに、
『 カラン、コロン』 ドアベルが鳴るたびに、
来る男、来る男は、思い思いの感想をもらしていた。
もう、
すでに、
先に始めてる、
トルツク爺さんにならい、
みな席に着くなり、
酒や料理を並べてる最中でも、
適当に、並べてあるもので始まり出した。
「全員そろった所で・・・、」などと声もあがらず、
「リンダ、今日も美しーよー。」
「リシアさん、素敵ですよー。」
「なんだ、兄弟して飲み屋のネーちゃん口説きかよ。」
「ルッター殿、社交辞令じゃ、社交辞令。」
「じーさんッ、そっち酒ばかり並んでるなー。」
「こっちの魚ムニムニとチェンジ、チェンジ!」
「なんじゃなんじゃ、ぶしつけに。わしゃ、魚より肉が食いたい。」
「ルッター! やけに肉料理が並んでるのぉ。」
「リシアちゃんの心づけ満載じゃのぉ。ほッほッほッほッ。」
「ルッター! 肉くれッ、にくニク!」
「こっちも肉、肉ッ! 魚とチェンジだ、ルッター!」
「兄さん、魚や野菜を始めに食べると良いんですよ。」
「血糖値が、上がりにくくなるんですよ。」
片や、
「婆さんの干しブドウに比べると、中々に熟れたサクランボじゃのぉ。」
「ほーッ、ほッほッほッほッ、ほーッ。」
リンダは、
トルツク爺さんに、
エロセクハラ紛いを受け、からかわれていた。
それでも、
『もう』 と言いつつ、
自らの熟れたエロボディラインに、
自信ありげに微笑む顔は、満更では無かった。
そして、
歳のわりに、
トルツク爺さんは、
眼鏡なしでも、視力が良かった。
たいして、
リシアのほうは、
スカート丈が膝下まである、
白い清楚なワンピースドレスを着ていた。
リンダに比べれば、そこそこ清楚かもしれない。
だが胸元は、豊かに張っているモノを立派に主張していた。
スレンダーなど、
見かけ倒しならぬ、
見かけ棒倒しならぬ、
見かけ棒涸らしならぬ、
からし菜オカラ納豆茶漬け。
見かけたらお願いしたい、
見かけられたら押し倒されたい、
見かけ振りかけ押しかけ浴びせられたい、
見かけること余りない着やせするタイプであった。
要は、
リンダの娘にして、
オッパイは大きかった。




