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黒い太陽~Black my son~ 暗黒竜騎士ダイ マツモトの奇天烈オゲレツ冒険譚  作者: むきむきパいパん
ダイの朝だち、友だち、そして旅だち
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09 順風満帆

僕は夢の出来事を思い出しながらリビングに向かった。


父と弟がテーブルについて朝食を食べている。


「おはよう大ちゃん」

母が声をかけてきた。


「おはよう」


小さく挨拶して席につくと、弟が話しかけてきた。


「兄ちゃん最近夜中にうなされてるみたいだけど、大丈夫?」


「ああ、大丈夫」


こいつは弟の涼だ。中学二年生で、僕とは一歳半差だ。


僕が六月生まれで涼が十二月生まれ。


つまり僕が産まれて半年程で母は妊娠したことになる。


赤ん坊の僕をほったらかして、おせっせなんかしてるから僕の性癖が歪んでしまったのだ。


反省して欲しい。


「確かに顔色はいいみたいだね。何か良いことでもあったの?」


「それなりに」

含みを持たせて答えた。


ーー弟はモテる。

身長は僕と同じくらい高く、テニス部なので身体も引き締まっている。


顔のパーツは僕と似ているのに、余裕があるためかイケメンオーラが出ている。


しかも、こいつには非童貞の疑いがかかっている。


去年の三年生の女子と付き合っているのだ。


同じテニス部の先輩で、綺麗な顔立ちで真面目な性格の子だ。


彼女が高校に入ったら別れると思っていたが、どうやら続いているらしい。


しかも、中学に情報が入ってこないため、たまに告白されているという噂もある。


女の敵だ。


こいつにはいつか天罰が下るだろう。


しかし、そんな僕も半分童貞を卒業している。


こいつと同じ側の人間になってしまったのだ。


僕も人の事を言えないな


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

教室につくと渡邉がきた。


相変わらず不細工だし、エグい下ネタを言っている。


しかし、今日はそんな彼を許せてしまう。

大人の余裕ってやつかな?


「大ちゃん、今日なんかキモいよ。うっすら笑顔なんか浮かべて。」


「はは、僕ももう15歳だし、年相応に振る舞おうと思ってね。」


彼とこれ以上会話していたら、僕の品位が疑われてしまう。


「悪いけど、また。」


僕は立ち上がり、大水さんの席に向かった。



「やあ」

大水さんに片手を上げて挨拶した。



彼女はおそらく処女である。

僕の大人の魅力がどれだけ上がったか、試すには持って来いだろう。


「あ、松本くんおはよー」


「大水さん、今日も綺麗だね」


「うん、ありがとう。松本くん今日は雰囲気ちがうね。」


「まいっな。そんな風に見えちゃうかぁ」


僕の大人の振る舞いに、さっそく大水さんは気づいたようだ。


「今日の松本くん、なんか面白いね」


ーー今ならいける気がする


「そういえばさ、アドレス交換してないよね? よかったら、どう?」


「ごめんね、学校に携帯は持って来てないんだ。校則でもだめってなってるし」


みんな隠して持って来ているのに、真面目な人もいたもんだ。


「そっか。じゃあ僕の番号書くから、後で登録して。」


そういって僕は大水さんのペンをとり、机の上においてあるノートのはしに番号を書いた。


「大水さんの番号も教えてよ。」


「えーと、こんどワン切りするね。」


「了解! それじゃあよろしくね。」

そういって僕は自分の席に戻った。



意外と上手くいった。

脱童貞までのカウントダウンは始まっている。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「人のノートに勝手に書くなんて、サイテー」


大水さんと僕とのやり取りを見ていた女子が、大水さんに近づいて言った。


「うん。あたらしいペンとノート、買わなくちゃ。けっこう気に入ってたのにな……」


そういうと大水さんは別のペンを取り出し、ノートにかかれた電話番号を塗りつぶした。

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