表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い太陽~Black my son~ 暗黒竜騎士ダイ マツモトの奇天烈オゲレツ冒険譚  作者: むきむきパいパん
ダイの朝だち、友だち、そして旅だち
4/68

04 魔法使いって、格好いいよね

カラスの声で目が覚めた。


携帯を見ると、まだ五時前だ。



「よし!今日こそ三文得するぞ!」




体を起こし、机の上に新品のノートを広げる。




ノートの最初のページの真ん中に、脱童貞と書く。




これは目標達成シートといって、誰もが知っているプロ野球選手が行っていたものだ。




現状を分析し、自分に足りないものや、これから何をすればいいか具体化する事で、真ん中にある目標を達成する事が出来る優れものだ。




僕は次々に必要事項を書き込んでいく。




「やはり必要なのは引き締まった体だな。筋トレも少し強度をあげなければ。」




渡邉から聞いたのだが、女の子にも性欲はあるらしい。

それを刺激するためには、男らしい体を見せつけて発情させるのが一番だろう。




「それから、オナ禁もするか。」




これは保健の時間に習った技である。

自分の欲求を他の物にぶつける事によって、本来より強い力を発揮する事が出来るのだ。今回は性欲を我慢して筋トレにぶつけるということだ。




「それから腕立ての回数を35回に増やせば完璧だな。」




目標達成シートの完成である。



所要時間約10分




たったこれだけで僕は童貞を卒業出来てしまう。




これ考えたやつ、まじ天才!




1ページしか使われず眠ることになるだろうノートを机の引き出しにしまい、通学準備をする事にした。
















「また早く登校してしまった。」




ゆっくり準備しても時間をもて余し、登校してみたら、昨日と殆んど変わらない時間に学校に着いてしまった。






「あ、松本くんおはよー!」




「おはよう、大水さん」




今日も大水さんが先にいた。




美人は3日で飽きるというが、素朴な顔の大水さんはだんだん可愛く見えてくるから不思議だ。






「大水さんの家、犬飼ってるんだ。いいなー、見てみたいな」




「おうち近いし、散歩してるときに会えるかもね」




そこは家に招待するべきだろ。




つれない女だ。




そんなこんなで、今日も大水さんと仲の良い女子が登校してきてお開きとなった。










「おっぱお」




渡邉が現れた。なぜかどや顔をしていてキモい。




「なんかいい事でもあったん?」




「ゴム、買った。」




「まじか」




まさか制服のままコンビニでコンドームを買うとは、少し渡邉の事を見直した。




「昨日はんぶんこするって言ったけど、お前裏切ったから無しな。」




「昨日は不可抗力だよ、しょうがないじゃん。」




「まぁそうだな、仕方ない。1個だけやるよ」




そう言って渡邉は手をグーにして前に出した。




僕が手を出すと、周りに見えないように手に乗せてくれた。




僕はすかさず手を引っ込め、ポケットに突っ込んだ。




「お前マジいいやつだな! ありがと。」




「気にするな。それより昨日はどこまでいけた?」




「何も無かったけど、もうちょいでやれそうかな?」




「ふざけんな! お前約束を忘れた訳じゃ無いよな?」




「ああ、覚えてる。でも、人生上り坂あり、下り坂あり、そしてまさかありって言うし、その時はその時じゃないかな?」



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

渡邉とは中学一年の時から同じクラスだった。




入学当時僕は、部活訪問で吹奏楽部を見学していた。




その時、先輩の演奏を聞かせてもらったのだが、女子生徒が笛の類(興味無いからわからん)を吹く際、口をすぼめるのに気づいた。








ーーこれ、フェラ顔じゃね?








僕は先輩たちの演奏に魅入っていた。




ふと、横を見ると、目線が先ほどの僕と同じところにある人がいた。














ーー渡邉だ








彼も僕に気づき、そして悟った。






同じ闇を持つものーー






性犯罪者予備軍ーー








僕達はすぐに友達になった。




その時に交わした約束








「「一緒に魔法使いになる」」




30歳まで童貞を貫き通すことが出来たら魔法使いになれる。




僕達は童貞を卒業出来ないのではなく、魔法使いになりたいのだ。




と、自分に言い聞かせていたのだが、おそらく渡邉もやれる状況になれば、すぐに裏切るのだろう。




僕達の友情なんてそんなものだ。












「もし裏切ったなら、罰としてハメ撮り動画俺にみせろよ。」




「了解」




絶対にみせないし撮らないけど、その時がきたら彼に真っ先に自慢してやろう。


















結局今日も大水さんとアドレス交換は出来なかった。







いつ異世界転移するのだろうか……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ