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黒い太陽~Black my son~ 暗黒竜騎士ダイ マツモトの奇天烈オゲレツ冒険譚  作者: むきむきパいパん
ダイの朝だち、友だち、そして旅だち
38/68

38 メンヘラ

「申し訳ありませんが、明日から少しお休みを頂きたく存じ上げます。」




「え?」




マイさんが不安な顔をしている。




「待って。何が不満なの?直せることなら改善するから。怒らないから、教えて?」



こんな弱気なマイさん今までみたこともない。




「マイさんが悪いわけでは無いんです。僕の不安を解消しに領都に行きたいなって。」




「今の稼ぎじゃ満足出来ない?わかったわ。あなたの食費も松風の維持費も全て私が出すわ。」




「いえ。宿代を出して貰えるだけでも僕は満足しています。そこまでして貰う訳にはいかないですよ。」




このままでは究極完全体ヒモ男になってしまう。




「駄目よ!あなたが死ぬ時、手を握ってるって約束したじゃない!私を置いてどこかに行くなんて許さないわ!!」




「そう言われてもですね…もう決めた事なので。」




ガチャ。



マイさんは部屋のドアの鍵を掛けた。




「この部屋から出たいなら、私を倒していきなさい!」



マイさんが立ち塞がった。



まさか自分の寝泊りする部屋でボス戦が始まろうとは。




「あのー、すいません。ちゃんと戻ってきますんで、許して貰えないですか?」



「いいえ。あなたは死ぬまでもうこの部屋から出ることは無いわ。どうしても出なきゃ行けない時は、あなたを縛り上げて私の監視のもとに外出することになるわ。」




「そこまでします?」




「言ったでしょ?私にとって約束は死より優先されるって。逃げ出したら私、死ぬわよ?」





まさか自分を人質にするとは。




「逃げたりしませんよ。領都の教会に行きたいんです。僕の病気が治ったら直ぐ帰って来ますから、信じて下さい。」




「なによ、そう言う事なら早く言ってよね。」





よかった、許して貰えた。




もしかしたらマイさんはメンヘラなのかも知れない。




しかし、その日は単独行動することは出来なかった。



依頼をこなして大衆浴場に行っても、マイさんは脱衣所の前でずっと待っている。



「おい、どうしたんだよあれ。」





マルフォイさんが僕に話し掛けてきた。




「ああ、僕が逃げ出さないよう見張ってるんですよ。」





「お前なにしたんだよ…」




宿に帰ってからも監視は続いた。




松風のブラッシング中も隣で見ている。





「ブルルル(ちょっと、ご主人との大事な時間を邪魔しないでよ。集中出来ないじゃない!)」




マイさんと松風はにらみ合っている。




魔獣と獣人で通じ合うところでもあるのだろうか。




あ、これは獣人差別的な事を考えてしまった。





「いい?部屋で大人しくしてるのよ?」





「はい。わかりました。」





マイさんの入浴中はさすがに部屋で待たされた。





しかし、南京錠を買って来て外から鍵を掛けられてしまった。





しかし、明日から領都に行くので今日1日の辛抱だ。大したことではない。






翌朝




「じゃあ、領都に行きましょ。」



僕が旅の準備を終え部屋を出ようとすると、マイさんが言った。




「あれ?マイさんも来るんですか?」





「当たり前でしょ?あんたがいないと依頼も受けられないじゃない。せっかくだからついていくわ!」



「はあ、そうですか。」


僕は松風に跨がった。


松風は嫌がったが、マイさんも乗せてくれた。




今日もブラッシング2時間か…

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