35 魔法学校のハーマイオニー
王立魔法学校
十三歳から入る事ができ、最短で三年で卒業出来る。
しかし、入学するには試験を受けなければならず、誰でも入れる訳ではない。
大金を積めばどうにかなるという噂もあるが、普通の人は数年間受験勉強して試験を受けるそうだ。
「へえー。マイさんって頭いいんですね。」
「わたしが頭がいいんじゃなくて、みんなが頭わるいのよ。あんな試験のために何年もかけるなんてどうかしてるわ。」
ちなみにマイさんは半年間受験勉強して一発合格したらしい。
天才肌というやつだ。
当時、その美貌もありマイさんは一躍時の人だったとマルフォイさんから聞いた。
「じゃあマイさんも魔法を使えるんですよね?」
「私は身体強化魔法しか使えないわよ。使えたとしても魔法使いとしてたべていくつもりはないわね。」
当たり前でしょみたいな顔をされても困るんですけど……
「じゃあ、マイさんは何の為に魔法学校へ行ったんですか?」
「卒業資格を得るためよ。」
そう、王都の官僚として働く為には、魔法学校の卒業資格が必要だ。
学校では、政治経済等の魔法とは関係ない分野も存在し、一度も魔法に触れないで卒業する生徒も多いらしい。
ーーじゃあ名前代えろよ。
と思ったのだが、魔法学校の正式名称は国立ホグワッツ専門学校というらしい。
ただ、学校が一番力を入れているのが魔法分野の研究らしく、それ目当てで入学する人も多い為みんなそう呼ぶらしい。
「でも、凄いですね。卒業生で冒険者になる人って、あんまりいないんですよね?」
「そうね。いちおう学校卒は就職率百パーだから。よっぽどの理由がないと冒険者にはならないわね。」
聞くとマイさんは冒険者になる前は王宮勤めだったらしい。
しかし、セクハラ上司を半殺しにしてしまい、クビになった。
その上司が仕返しに手を回し、王都ではちゃんとした仕事につけなくなってしまったそうだ。
仕方なくこの辺境のエイオンで冒険者をしているらしい。
「マイさんも苦労してきたんですね。」
「別にいいわ。退屈な王宮勤めより、こっちのほうが性にあってるし。」
「なら、よかったです。」
「明日もはやいわ。もう寝ましょう。」
そう言ってマイさんは武器の手入れを終え、寝る体勢になった。
マイさんは寝る際薄着一枚になるのでポッチが見えているのだが、セクハラ上司のように半殺しになりたくないので黙っている。
僕もお布団を敷いて寝ることにした。
あ、そう言えば。
「マイさんって、今何歳なんです?」
「二十一よ。」
結構年上だった。