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黒い太陽~Black my son~ 暗黒竜騎士ダイ マツモトの奇天烈オゲレツ冒険譚  作者: むきむきパいパん
ダイの朝だち、友だち、そして旅だち
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16 コスパ最強

僕はギルドを出て、下水道へと向かった。


エイオンの街ではたくさんの人が生活している。

そのため、生活排水も多く、下水道にはネズミが大量に生息している。


「それにしても凄い臭いだ。」


鼻がおかしくなりそうだ。


「渡邉なら、この臭いでも抜けるんだろうな。」

排水の中には、人間の排泄物も混じっている。その中には当然女性のものもあるだろう。

ネタにするには十分だ。


ーーしばらく歩いていると、生き物の気配がした。


「そろそろかな?」

そう言うと、気配のした方に意識を向け、指ぱっちんをした。


「パチン!」


すると平衡感覚を失ったネズミ達が出てきた。



ーーそう、僕の新必殺技だ。


声を出す方が威力は高いのだが、小動物や耳の良いやつにはこれで十分だ。


何より指ぱっちんで敵を倒すのは格好いい。



暴れ狂うネズミにとどめをさすと、それを大きな布袋に積めた。


ネズミ狩りの最大の利点は一体あたりの賞金にある。


魔獣はものによって賞金が決まっており、熊などの大型獣は一体あたり銀貨五枚、オオカミなどの中型獣は一体銀貨二枚、ネズミなど小型のものは一体銅貨七枚である。


つまり、ネズミ三体でオオカミ一体の賞金を越えるのだ。


ーー駆除証明の為には獣の頭を持ち帰る必要がある。


オオカミ狩りをした時は頭を切り落とす作業が気持ち悪いし、時間がかかッた。


その点ネズミは小さいのでそのまま持ち帰っても良いし、首の骨を折れば血で汚れる事もない。


ーーネズミがコスパ最強なのである。


僕はネズミを乱獲していく。

こいつらは他の魔獣と違い放っておくと直ぐ増えるので、いくら狩っても問題ない。


本来は臆病ですばしっこく、捕まえるのは大変なのだが、僕の音魔法とは相性がいい。


おかげで稼がせてもらっている。


「今日はこのくらいでいいかな?」


袋はだいたい一杯になった。


僕は冒険者ギルドに戻ることにした。



ーーギルドのセルフカウンターに向かう。



ここでは最大四人が同時に精算をすることが出来る。



カウンターの前には物置台があり、そこに冒険者カードの差し込み口がある。

ーー冒険者カードを差し込む。


まずは魔獣の種類を選択する。台の前には魔獣の名前が書かれたボタンがあるのだ。


魔獣の種類を選ぶと、一匹ずつ台に載せていく。

全てのネズミを載せると、決定ボタンを押す。


すると冒険者カードに勝手に今回の報酬が加算されるのだ。


台に載せた魔獣の死骸はセルフカウンターにいるお兄さんに渡すと処分してくれる。


ーー不正出来ないのかって?


聞いた話だと、セルフカウンターのお兄さんがちゃんと見ているらしい。


前にも魔獣の数と報酬が合わないという苦情や、同じ位の重さの石ころを載せた人がいた。

しかし、魔獣の死骸はその日の閉店まで保管されているし、お兄さんが目を光らせている。

僕の知る限りでは、計算間違いなど見たことがない。


それに、疑うのなら最初から正規のカウンターに並べば良いのだ。


そういうわけで精算を終えるとギルドを出ようとした。



ーー入り口の扉に手をかけた時、後ろから声をかけられた。

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