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ティアリーナ 10歳 魔剣グラム

 ジクーロイドが伯爵邸に行くほぼ同時に———


(寒い!)


 天井から降りた水がティアリーナの顔に落ちた。


「ここは? 確か、ミユーと一緒に遊んでたはず…」


 ティアリーナが覚えだした。自分が後ろからの薬を塗ったハンカチで気絶された。彼女がすぐ冷静を取り戻し、周囲を見回す。

 鉄の柵と冷たい石で造った三面の壁。天井から水が次々と漏れているため、地面がジメジメしている。隅には白骨だけが残った屍骸が倒れている。

 ティアリーナが柵の前に行き、かすかな明かりで隙間から外を見回す。

 ここは地下牢に見たいな場所である。道の両側に同じ監房がたくさんある。廊下の奥から死体が腐った悪臭を嗅いだ。


「あなたも彼らに捕まえられたのか?」


 向かうから少女の声がした。対面にある暗闇の監房から二人の少女が柵の前に来た。

 明かりが非常に弱いので、ティアリーナが彼女たちの身なりしか見えなかった。

 話を掛けた少女は質素な服とズボンを着ている。もう一人がワンピースを着て、手が震えている。


「あなたたちは…? そして、ここはどんな場所を知っていますか?」

「ここは盗賊の拠点にある牢獄だ。そして、僕はルイズ。彼女はシア 」


 ルイズという少女によると、彼女の父が冒険者であった。旅商人をしていたシアの両親に雇われ、隊商を護衛していた。途中で盗賊に襲われてしまった。二人以外の人が全部殺されてしまった。


「わかりました。あなたたち、安心してください! きっと助かられるよ!」


 ティアリーナが口で二人を慰めた一方。内心に脱出の方法と思慮している。

(今の情報は全然足りないため、より多くの情報が欲しい! 聴覚強化四倍!)


 ティアリーナが聴覚を強化して、外の盗賊たちの対話が聞こえてきた。


「あの騎士団長が本当に50万ゼニ用意できるか?」

「馬鹿野郎! それは騎士団長だ! 絶対に殺されたぞう!」

「それなら、何でわざわざ脅迫状を送るか?」

「それはオレ様の策だ! 彼らが身の代金を準備した時。我々はもう小娘を連れて、逃げだぞう! こんな小娘は絶対にいい値段に売れるぞう!」


(まずい! そのままでは、きっと連れてしまう! もし剣があれば… )


『剣が欲しいか?』


 ティアリーナが急に変な声が聞こえた。


「あなたたち、何を聞こえましか?」

「はい! 僕は聞こえた。『剣が欲しい』と言った。ね、シア!」


 シアがまだ何も言わなかったが。ティアリーナの顔に見て少しいうなずいた。


『ホ~ 三人とも我が輩の声が聞こえるか!』

「あなたは誰ですか、早く出ってください」

『我が輩はずっとおぬしの後ろだぞう!』


 ティアリーナが後ろに声を探した。あの屍骸以外には何もなかった。

 この時、屍骸の後ろにまるで地獄しか現れないような不気味な紫色の光が閃いた。紫色の水晶が浮き上がった。

 紫色の光が急にすべてを飲み込まれるように増幅した。周囲がすぐに死の色で染め上げている。

 ルイズとシアが既に信じられない光景で震駭しんがいして、地面にへたり込んでしまった。

 ティアリーナの顔には僅かな恐怖さえもなかった。小悪魔の顔に表して、何を期待しているように、わくわくしている。

 光がだんだんと弱くなって、消えた。全身が死の雰囲気を発散している真っ暗な剣になった。


『我が輩は偉大なる魔剣・グラム様だ! 娘よ! 我が輩と契約をして、しもべになれ!』


しもべ? バカバカしい~ 私は誰だと思う?)

 ティアリーナが何も言わず、剣を握っている。


『そうそう! よく理解したよね! さぁ! 吾が輩を鞘から抜き出してくれ! 神殺す力を手に入れるよ!』

「お前にきっと何かを企んでいるだろう! ティアリーナ! そいつの話を信用してはいけない!!」


 ティアリーナがまだ考えている時、ルイズがおかしいことを気付いた。渾身の力で叫んで、彼女を阻止する。


『用心深い娘よ~ ……』


 魔剣グラム——— 太古の時代から存在する呪われた剣である。

 魔剣と契約して、しもべになる人が神さえも殺せる力を手に入る。

 契約の代償は、魂を魔剣に捧げ、感情さえもない生ける屍になった。

 そして、一番大切なことは! 未来から転生したティアリーナにとって、魔剣グラムのことをはっきりしている。


『さぁ~ 早く契約してくれ! 吾が輩の力で、おぬしたちを救えるよ!』

「ルイズ、シアを連れて、後ろに隠れてください!」

『ホ~ やっと決心したがのう~』


 ルイズがまだティアリーナを阻止したいが。僅かな明かりで、彼女の顔に従容迫らない笑みを気付いた。すぐシアの手を摑んで、後ろの隅に隠れている。

 今は彼女を信じるしかない! ———ルイズが思う。


(そんなくだらない条件何て…… 抜かないていいよ!)

 ティアリーナが魔剣を抜き出さずのままに握って、全身のオーラを剣に集める。


「剣技・一閃!」


 白い凄まじい斬り味の気刃が前へ飛び出した。向かい側の柵と一緒に斬る。

『おぬし! 抜かないなら何の意味もないぞう!!』

「お黙りなさい~ さもないと、すぐお前を折るよ~」


 怒りが燃え上がる魔剣グラムが、ティアリーナの異様な笑顔を見て、不意に水を浴びたように心が震える。

 前にいる小悪魔のような顔を持つ少女から、呪われた魔剣と呼ばれるグラムが初めて恐怖という気持ちを味わった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 少なすとも20くらい誤字報告したような気が……。 とても好きな作品なので乗りと勢いでやってしまいましたが、報告の多さに嫌気が刺したのなら謝らせていただ………いや、小説を書く者として誤字報告で…
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