ティアリーナ 8歳 戦闘の快感1
最新話を投稿しました。
ティアリーナのライバル(?)としての新キャラが登場しましたよ。
これからもよろしくお願いいたします。
穏やかな春の午後に、フランクス伯爵夫人メアリーが一人で庭園に散歩している。
道の両側に生えている木の枝に、鮮やかな花が満開している。万物萌え出る春に、メアリーは憂い事があるそうだ。
メアリー=フランクス。本名メアリー=リストリアであった。
リストリア公爵家の三女としての彼女は大戦の前に、まだ子爵としてのアラウドと恋に落ちていた。しかし、階級の差で、二人の恋情は順調とは言えなかった。
幸いのは、アラウドは数々の戦功によって、英雄の称号と伯爵の地位を得た。従って、二人の恋情はやっと世間に認められた。
しかし、愛する者を戦場に送る苦痛について、メアリーは誰よりも理解している。
一年前、僅か七歳の娘が剣を学びたいことを聞いた時から、その心配な気持ちが再び戻ってきた。
メアリーにとって、唯一できることは神に祈りしかない。
「神よ! お願い! ティアリーナを怪我させないでください!」
同じ時、騎士団訓練場———
「はぁ! はぁ!」
雲が一つもない午後、騎士たちが訓練が続いている。玉のような汗が地面に落ちて、すぐ蒸発した。
もちろん、ティアリーナも例外ではなかった。
あの日から、ティアリーナが毎日千回の空振り以上に、剣技と戦闘テクニックの練習も続けて教えられている。
アラウドは娘を慈しむバカ父だけど。訓練の時、決してティアリーナを甘やかさない。大戦を経験したアラウドは、その残酷さがはっきり味わっていた。
平和はただ一時的なものだ。剣の天賦も持つ娘が、きっと帝国で戦場に送られる。
唯一できることは、自分のすべてをティアリーナに教えるだけだった。
しかし、騎士団の天使・ティアリーナちゃんはこれについて、少しても気付かなかった。
『親の心子知らず』はそう言うことだろう。
今日のティアリーナは、既に訓練が終わった。目を閉じて、一人で新しい剣技を考えしている。
ティアリーナにとって、戦闘はただ精神で全身をコントロールするだけのことだった。これが、未来の大賢者としての余裕だろう。
「君! そこの君!」
少年の声がティアリーナ一人の静寂を破れた。
少年の名前はジクーロイド=アルス=ジルニック。帝国の第三皇子である。
ティアリーナが緩めて目を開き、前にいる少年を見回す。
黄金のようにサラサラな髪とエメラルドのような瞳が太陽の光で輝いている。明るいかつ魔性の笑顔が花を満開している春に相まっている。
このような素敵な王子様と会えて、惚れない少女がないだろう?
しかし、未来の大賢者アルフレッドが金色の長い髪をしているため。ティアリーナに対して、金色の髪は最も見慣れた色である。
「オレはジクーロイドだ。君は『剣の才媛』ティアリーナ=フランクスよね。オレと勝負をしろう!」
第三皇子のジクーロイドでは、八歳の時既に剣技を使えるため。『剣の神童』と称している。同年代はともかく、大人さえも匹敵する強い剣士である。
『剣の才媛』のことを聞き、すぐティアリーナと勝負したい気持ちが生じた。
ティアリーナが周りを見回す。父と騎士団の皆さんが全部跪いている。
「わかりました。でも、負けたら泣かないでくださいね」
「何! オレは負けるはずがない! 早く勝負しろ!」
ティアリーナが地面の剣を拾い上げ、攻撃の構えを取っている。
「はじめ!」
開始の合図が出す瞬間、二人が剣を振って、打ち合いが始める。
「くらえ! くらえ!」
ジクーロイドはティアリーナより一歳年長だった。男として、腕力の優勢を持つが。力の強さを頼ることなく、優れたテクニックで次々と高速の斬撃をしている。
相手からの優しいに対して、ティアリーナが全然気付かなかった。全力で相手の斬撃を防ぎながら、次々と反撃した。
「もらった!!」
ジクーロイドが跳んで、空からティアリーナに切り込む。
この一撃に渾身の力を込めた。ティアリーナの力で絶対に防がれない。
「甘い!」(身体加速四倍!)
斬撃を受ける前の瞬間、ティアリーナの姿が消えた。
ジクーロイドの斬撃がはずれた。
信じられないことで迷う一瞬。
ティアリーナの姿は後ろに現れて、剣でジクーロイドの背中へ指している。
「まだ続けたいですか~ 王子様~」
ティアリーナの顔に小悪魔のような笑みが露わになった。
初めて、強い相手と会う。ティアリーナにとって、英雄と呼ばれる父さえでも、無属性の強化魔術を使える必要もない。
しかし、目前にいる同じ年の少年と対戦に、戦闘の快感を味わった。
つまり、天使の顔はただの表。小悪魔こそ、本物の『剣の才媛』ティアリーナだった。
「当たり前だろう! オレは負けることを認める前に、勝負は続けるぞう!」
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